9.5 チケット通知の管理

チケット通知の管理では、チケットに関する通知のきっかけとなるイベントや、通知先の指定やフィルタリング、通知方法、および通知文書を定義できます。これらの個々の定義をここでは「通知」と表現します。どの通知を適用するかはユーザーごとに設定でき、顧客ユーザーと担当者それぞれに必要な内容だけを送信することも可能です。これにより、チケットの進捗状況をタイムリーに把握し、関係者間で共有できます。
ユーザーごとの通知設定は[アバターアイコン]-[個人設定]を開き、[個人設定]-[通知設定]を開くと表示される[チケット通知]から行います。デフォルトで用意された通知の定義については、「既存の通知設定」を参照してください。


(1)チケット通知の作成

チケット通知の作成手順を以下に示します。

1. メインメニューの[管理]を選択します。
2. 表示された画面の[コミュニケーション&通知]-[チケット通知]をクリックし、[チケット通知管理]画面を開きます。
3. [通知の追加]ボタンをクリックします。
4. [通知の追加]画面に、下記の項目を登録します。
チケットへの記事の追加により、指定された顧客ユーザーおよびチケットを監視しているすべての担当者に通知が届く設定にするには、入力例を参考にしてください。

(表)[通知の追加]の設定項目

項目 説明 入力例
通知の追加
名前 通知の定義名 「チケットの記事追加通知(顧客XXX)」
コメント 通知定義のコメント (空欄)
担当者のプリファレンスに表示 担当者自身で通知の有効無効を実施できるかを設定 「はい」
担当者プリファレンスツールチップ 担当者への説明 「顧客ユーザーおよびチケットを監視しているすべての担当者、チケットに新しい記事が作成されるたびに通知を受け取ります。」
有効/無効 通知の定義自体の有効または無効 「有効」
イベント
イベント チケット通知のきっかけ
サポートしているイベントの詳細については、「(表)設定可能なイベント一覧」を参照してください。
「ArticleCreate」
チケットフィルター
顧客ID 顧客ID
顧客ごとに通知内容を変更したい場合に指定します。
「IDxxx」
記事フィルター
記事送信者タイプ 記事の作成者の種別
記事作成者のタイプによって通知をフィルタリングしたい場合に指定します。
「担当者」
顧客の参照 記事の顧客公開/非公開
記事が顧客に公開/非公開により、通知をフィルタリングまたは変更したい場合に指定します。
「顧客に表示」
受信者
送信先 通知の送信先
複数を設定できます。サポートしている送信先の詳細については、「(表)設定可能な送信先一覧」を参照してください。
「チケットの顧客ユーザー」、「チケットを監視しているすべての担当者」
一日に一度
(受信者が顧客ユーザー)
同一チケットに関して、1日に最初の通知だけを送信するかどうかの設定
同一日付はUTCを基準に計算され、受信者ごとに適用されます。
チェックボックスをチェックまたはチェックを外します。
例:チケット通知Aをオフ、チケット通知Bをオンに設定した場合
  • 1日にA→B→A→Bの順でイベントが発生した場合、通知Aは2回、通知Bは0回送信されます。
  • 1日にB→A→Bの順でイベントが発生した場合、通知Bは1回、通知Aは1回送信されます。
一日に一度
(受信者が顧客ユーザー以外)
同一チケットに関して、1日に最初の通知だけを送信するかどうかの設定
同一日付はUTCを基準に計算され、通知の定義ごと、受信者ごとに適用されます。
チェックボックスをチェックまたはチェックを外します。
例:チケット通知Aをオフ、チケット通知Bをオンに設定した場合
  • 1日にA→B→A→Bの順でイベントが発生した場合、通知Aは2回、通知Bは1回送信されます。
  • 1日にB→A→Bの順でイベントが発生した場合、通知Bは1回、通知Aは1回送信されます。
通知方法
この通知方法を有効化 - メール メール通知の有効化 チェックボックスをチェックします。
担当者の環境設定ではデフォルトで有効になります - メール 担当者ごとの通知の設定をデフォルトで有効化 チェックボックスをチェックします。
通知文書
表題 通知の表題
入力が必須の項目です。英語(アメリカ合衆国)または日本語で入力できます。
「チケットに記事が追加されました: < OTOBO_AGENT_SUBJECT[24]>」
本文 通知の本文
入力が必須の項目です。英語(アメリカ合衆国)または日本語で入力できます。
チケットの通知例を参照してください。

<チケット通知例>

<OTOBO_NOTIFICATION_RECIPIENT_UserFirstname> さん,

<OTOBO_CURRENT_UserFullname> wrote:
<OTOBO_AGENT_BODY[30]>

<OTOBO_CONFIG_HttpType>://<OTOBO_CONFIG_FQDN>/sys_request/ticket/ticket_browser/ticket_detail/<OTOBO_TICKET_TicketID>

-- <OTOBO_CONFIG_NotificationSenderName>

referTo: <OTOBO_CONFIG_HttpType>://<OTOBO_CONFIG_FQDN>/sys_request/ticket/ticket_browser/ticket_detail/<OTOBO_TICKET_TicketID>
severity: Information

  • NotificationのreferToを指定する場合は、通知文書の本文に「referTo: <string>」を設定する。
  • Notificationのseverityを指定する場合は、通知文書の本文に「severity: <string>」を設定する。Critical/Warning/Informationを指定可能。
  • 通知文書の本文の「referTo: <string>」と「severity: <string>」は実際に通知されるメッセージからは除外される。
  • 実際に通知されるメッセージの一部が欠落することがあるため、NotificationのreferToとseverityの値に空文字列を指定しないでください。
  • サービスポータルを参照先ページに指定したい場合は、赤字部分を書き換える。
    例:<OTOBO_CONFIG_HttpType>://portal.<OTOBO_CONFIG_FQDN>/ポータル名/xxx/yyyy/

サポートしているイベントを以下に示します。

(表)設定可能なイベント一覧

項目 説明 デフォルトの通知で使用されているイベント
NotificationNewTicket チケットの新規作成を通知するイベント Yes
NotificationFollowUp 顧客ユーザーが記事を追加したときに発生するイベント Yes
NotificationLockTimeout チケットのロックが解除されたときに発生するイベント Yes
NotificationAddNote 顧客ユーザー以外が記事を追加したときに発生するイベント Yes
NotificationOwnerUpdate チケットの担当者が更新されたときに発生するイベント Yes
NotificationPendingReminder ステータスがpendingのチケットが一定時間経過した際に定期的に発生するイベント Yes
NotificationMove チケットのキューの変更時に発生するイベント Yes
ArticleCreate 記事が作成された場合に通知されるイベント No
TicketXXXUpdate(XXXはフィールド名) チケットのフィールドの更新があったときに発生するイベント No
TicketDynamicFieldUpdate_XXX(XXXはフィールド名) チケットのダイナミックフィールドの更新があったときに発生するイベント No

サポートしている送信先を以下に示します。

(表)設定可能な送信先一覧

項目 説明
チケットを作成した担当者 チケットを作成したユーザー(顧客ユーザー以外)
チケットの顧客ユーザー チケットを作成した顧客ユーザー
チケットを保有する担当者 チケットの担当者(所有者)に指定されたユーザー
チケットを監視しているすべての担当者 監視者に設定されたユーザー(顧客ユーザー以外)
チケットを監視しているすべての顧客ユーザー 監視者に設定された顧客ユーザー
チケットのキューを購読しているすべての担当者 キューを監視しているユーザー(顧客ユーザー以外)

5. 入力が終わったら、[保存]ボタンをクリックし、[チケット通知管理]画面に遷移します。追加した通知管理はリストに表示されます。

注意事項注意事項

  • 顧客ユーザーと顧客ユーザー以外には、それぞれ個別の通知を定義する必要があります。
  • チケットフィルターの顧客IDを設定する場合、顧客ごとにIDを指定するため、顧客ごとの通知を準備する必要があります。
  • チケットの通知の契機となるイベント(チケット作成、記事の追加など)を実施した操作者が顧客ユーザー以外の場合、その操作者が[受信者]に設定されていても通知されません。操作者に通知させたい場合は、[通知方法]-[追加の受信者のメールアドレス]に操作者のメールアドレスを設定してください。
    顧客ユーザーの場合は、[受信者]に設定にされていれば、操作者の場合でも通知されます。
  • [通知方法]-[追加の受信者のメールアドレス]にはOps Iのユーザー情報として登録されているメールアドレスのみ設定できます。

その他の設定についてはOTOBOのマニュアルを参照してください。
https://doc.otobo.org/manual/admin/11.0/en/content/administration-area/communication-notifications/ticket-notifications.html


(2)チケット通知の他の操作

チケット通知管理では、作成済みのチケット通知をエクスポート、インポート、コピー、または削除できます。以下に手順を説明します。

1. メインメニューの[管理]を選択します。
2. 表示された画面の[コミュニケーション&通知]-[チケット通知]をクリックし、[チケット通知管理]画面を開きます。
3. 下表の説明を参考にし、各操作を実施します。

(表)チケット通知の他の操作

操作ボタン 説明
通知をエクスポート すべての通知定義を1つのファイルにエクスポートします。
通知の設定をインポート 「ファイルの選択」フィールドで選択した通知の定義ファイルをインポートします。
すでに同じ名前の通知が存在する場合はインポートできません。「存在する通知を上書きしますか」のチェックボックスをチェックするか、インポートする通知の定義ファイル名を変更してください。

指定した通知の定義ファイルをエクスポートします。

指定した通知をコピーします。
コピー後のファイル名の末尾に「(コピー)」が付加されます。同一の通知を連続してコピーできません。続けてコピーを行う場合は、コピー後のファイル名を変更してください。

指定した通知定義を削除します。
削除時に確認ダイアログが表示されます。[OK]ボタンをクリックして削除を実行してください。

(3)既存の通知設定

デフォルトで準備されている通知設定を以下に示します。

(表)既存の通知設定

通知設定 通知されるタイミング 通知先ユーザー
チケット通知の作成 チケットが作成されたとき
  • チケットのキューを購読しているすべての担当者
チケット送信失敗通知 チケットの送信が失敗したとき
  • チケットの担当者(所有者)
チケット・フォローアップ通知(ロック)※1 ロック中のチケットがフォローアップされたとき
  • チケットの担当者(所有者)
  • チケットを監視しているすべての担当者
  • チケットを監視しているすべての顧客ユーザー
チケット・フォローアップ通知(ロック解除)※1 ロック解除されたチケットがフォローアップされたとき
  • チケットの担当者(所有者)
    チケットを監視しているすべての担当者
  • チケットを監視しているすべての顧客ユーザー
ロック期限切れチケット通知 チケットの担当者以外のユーザーがチケットのステータスをclosedかresolvedにしたとき
  • チケットの担当者(所有者)
チケットのノート追加通知※1※2 チケットにノート(記事)が追加されたとき
  • チケットの担当者(所有者)
  • チケットを監視しているすべての担当者
チケットの所有者変更通知 チケットの担当者が更新されたとき
  • 更新後のチケットの担当者(所有者)
チケットのペンディングリマインダー通知(ロック中)※1 ロック中のチケットのステータスをpendingに変更後1日経過したとき
メモメモ
通知条件を満たしたチケットは、定期的に通知されます。
  • チケットの担当者(所有者)
チケットのペンディングリマインダー通知(未ロック)※1 ロック解除されたチケットのステータスをpendingに変更後1日経過したとき
メモメモ
通知条件を満たしたチケットは、定期的に通知されます。
  • チケットの担当者(所有者)
  • チケットの登録キューを監視しているユーザー
チケット・キュー更新通知 チケットが登録されているキューが変更されたとき
  • 変更後のキューを監視しているユーザー
※1:同一チケットに関して、1日の最初の通知のみ送信する設定になっています。解除する場合は「一日に一度」のチェックボックスのチェックを外してください。
※2:「担当者の環境設定ではデフォルトで有効になります」の設定がデフォルトでオフになっているため、担当者の初期状態ではこの項目は通知されません。