5.3.2 AWX実行環境の更新
Ops IのAWXにはOpsI Automation EE(Ops IのSaaS基盤上での実行用)とOpsI Outpost EE(中継サーバの実行用)が登録されています。また、カスタム実行環境のベースイメージがGitLabにデフォルトで登録されています。
OpsI Automation EEはOps Iのバージョンアップの際に、自動化アプリケーションから表示されるAWXの実行環境に新しいバージョンの実行環境が追加されます。
カスタム実行環境のサンプルプロジェクト"system/awx-ee"、およびそのプロジェクトに定義されたカスタム実行環境のベースイメージは、Ops Iのバージョンアップの際に更新されることがあります。
Ops Iリリース時に提供される、OpsI Automation EEとカスタム実行環境のベースイメージのバージョンは、リリースから3年間サポートされます。
| Ops I バージョン | AWX実行環境 バージョン | リリース日 | サポート終了日 |
|---|---|---|---|
| 02-80 | 24.6.1 | 2025/10/31 | 2028/10/31 |
| 02-70 | 24.6.1 | 2025/4/30 | 2028/4/30 |
| 02-50 | 23.6.0 | 2024/10/31 | 2027/10/31 |
OpsI Outpost EEは、Ops Iと同じバージョンと次のバージョンがサポートされます。詳細は「(表)RPMパッケージインストール前提条件」のエージェントサポートポリシーを参照してください。
「AWX実行環境のバージョン確認」の手順で既存の実行環境がサポート期間内かどうかを確認し、必要な場合は「AWX実行環境のバージョンアップ時の対応」の手順で対応してください。
(1)AWX実行環境のバージョン確認
AWX実行環境のバージョン確認手順を以下に示します。
【OpsI Automation EE】
- 自動化アプリケーションから、コンテンツエリアに表示されたAWXの画面で「管理」カテゴリーの「実行環境」を選択します。
- バージョンを確認したい実行環境の「イメージ」からバージョンを確認します。
レジストリ/dx-tool/dx-iac/quay.io/ansible/awx-ee:実行環境のバージョン
【OpsI Outpost EE】
OpsI Outpost EEの実行環境は、中継サーバのRPMパッケージに同梱されたAWX実行環境のイメージを使用します。各Ops Iバージョンで提供されるAWX実行環境のバージョンのイメージが、そのOps Iバージョンの中継サーバのRPMパッケージに同梱されます。OpsI Outpost EEの実行環境のバージョンを確認するには、中継サーバのRPMパッケージが提供されたOps Iバージョンを確認し、「(表)AWX実行環境のライフサイクル」から、AWX実行環境のバージョンを確認してください。
【カスタム実行環境のベースイメージ】
カスタム実行環境についての詳細は「自動化実行環境の拡張」を参照してください。
- 自動化アプリケーションから、コンテンツエリアに表示されたAWXの画面で「管理」カテゴリーの「実行環境」を選択します。
- バージョンを確認したい実行環境の「イメージ」からバージョンを確認します。
registry.Ops Iのドメイン/ops-i-system-engineer/プロジェクト名:実行環境のバージョン
- Gitアプリケーションから、コンテンツエリアに表示されたGitLabの画面で、カスタム実行環境をビルドしたGitLabのプロジェクトを開きます。
ops-i-system-engineer/プロジェクト名
- [Code]-[Tags]から、カスタム実行環境のバージョンと同名のタグに遷移します。
- リポジトリ直下のDockerfileのEE_BASE_IMAGE変数からカスタム実行環境のベースイメージのバージョンを取得します。
ARG EE_BASE_IMAGE="quay.io/ansible/awx-ee:ベースイメージのバージョン"
(2)カスタム実行環境のバージョンアップ
カスタム実行環境についての詳細は「自動化実行環境の拡張」を参照してください。
バージョンアップしたカスタム実行環境イメージを構築する手順と、構築したイメージをAWXへ登録する手順を以下に示します。
カスタム実行環境を使用していない場合は、本手順は不要です。
- カスタム用プロジェクトのforkの更新を行います。更新方法は以下を参照してください。
https://archives.docs.gitlab.com/17.3/ee/user/project/repository/forking_workflow.html#update-your-fork- AWX実行環境のバージョンアップにより、Python、ansible-coreパッケージのバージョンが変更されることがあります。OSSバージョンは「(表)実行環境のコンテナイメージにインストールされているOSSのバージョン」を参照してください。
- パッケージのバージョンの変更がカスタム用の設定ファイルに影響がある場合は、カスタム用の設定ファイルを更新してください。(例:依存関係)
- カスタム用プロジェクトにタグを設定し、更新されたカスタム実行環境のイメージを構築します。
手順は「カスタム実行環境の開発」の手順5.を参照してください。 - 構築したイメージが指定されたカスタム実行環境を新規作成、または既存のカスタム実行環境の「イメージ」を更新します。
手順は「カスタム実行環境のAWXへの登録」を参照してください。
(3)AWX実行環境のバージョンアップ時の対応
バージョンアップされたAWX実行環境をジョブテンプレートに登録する手順を以下に示します。
ジョブテンプレートの変更を行うには、組織内のロール「ジョブテンプレート管理者」または「管理者」を付与されている必要があります。組織内のロールについては「組織管理」を参照してください。
- AWX実行環境のバージョンアップにより、以下のパッケージのバージョンが変更されているかどうかを確認します。
- Python
- ansible-core (ansible.builtin コレクションを含む)
- Ansible コレクション
- パッケージのバージョンが変更されている場合は、該当パッケージの変更ログを確認してください。Playbookに影響がある内容が変更ログに存在する場合、Playbookを更新してください。(例:Breaking Changes、Deprecated Features)
- ジョブテンプレートに登録された実行環境を新しいバージョンの実行環境に更新します。
自動化アプリケーションから、コンテンツエリアに表示されたAWXの画面で「リソース」カテゴリーの「テンプレート」を選択します。変更したいジョブテンプレートにチェックし、編集ボタンをクリックし新しい実行環境を設定します。
OpsI Automation EEはバージョンによって以下の名称になります。- OpsI Automation EE:Ops I v02-50でリリース
- OpsI Automation EE Ops Iバージョン:v02-70以降のOps Iでリリース