3.2.2 ワークフロー
ワークフロータブは、ワークフローを操作したり、ワークフローの状態を確認したりするために必要な情報をまとめたタブです。
ワークフローは、サービスカタログの起動や、スケジュールの手動実行または自動実行をきっかけに作成されます。また、APIで直接ワークフローを実行することもでき、ユーザー固有のアプリケーションなどで使用することができます。APIの詳細は「JP1 Cloud Service 運用統合 APIリファレンス」の「APIリファレンス詳細>標準提供API」を参照ください。
ワークフローは事前に準備した複数のステップからなり、ステップごとに画面が遷移します。次のステップに遷移するには、画面の規定の位置にあるアクションボタンをクリックします。
ワークフロータブは、操作ボタン(①)と、ワークフロー一覧(②)で構成されます。
構成要素 | 説明 | |
---|---|---|
① | 操作ボタン | ワークフロー一覧のチェックボックスをチェックしたワークフローに対して操作を行えます。 ワークフローを終了:ワークフローをキャンセルします。ワークフロー一覧で未完了ワークフローを選択すると活性化します。 サブフローを終了する場合は、呼び出し元(1つ上)のワークフローを終了する必要があります。呼び出し元のワークフローが何かしらの不具合により完了状態の場合は、サブフローをワークフロー終了ボタンから終了することができます。ここでの完了状態とは、ステータスがSucceeded、Failed、Abandoned、Canceling、Canceled、Timeoutであることを指します。ステータスの詳細については「(表)ステータスのアイコンと意味」を参照してください。 |
② | ワークフロー一覧 | ワークフローが一覧表示されます。表示される項目の詳細は「(表)ワークフロー一覧の項目」を参照してください。 |
(1)ワークフロー一覧
ワークフロー一覧の詳細について以下に示します。
項目 | 説明 |
---|---|
![]() |
操作する対象を選択するためのチェックボックスです。 |
チケット番号 | ワークフロー実行時に自動作成されたリクエストチケットのチケット番号が表示されます。クリックすると、チケット詳細画面に遷移します。 |
コンテキストID | ワークフローを識別するIDが表示されます。リンクをクリックすると、ワークフローの操作を行う画面が表示されます。ワークフローの操作を行う画面は、業務に応じて事前に作成しておく必要があります。サブフロー※1には![]() |
親コンテキストID | サブフロー※1の場合に、呼び出し元(1つ上)のワークフローのコンテキストIDが表示されます。メインフローの場合は空欄です。 |
ルートコンテキストID | コンテキストIDが表示されます。サブフロー※1の場合は、起動元(当該ワークフローの一番上)のワークフローのコンテキストIDが表示されます。 |
ワークフローID | ワークフロー定義を識別するIDが表示されます。 |
ワークフロー | ワークフロー定義の表示名が表示されます。 |
タイトル | ワークフローの名称が表示されます。ワークフローごとに名称を編集できますが、入力値を空にすることはできません。 |
担当者 | 現在のアクティビティを担当するユーザーが表示されます。 |
担当グループ | 現在のアクティビティを担当するグループが表示されます。 |
顧客 | サービスカタログからリクエストを行った顧客ユーザーの顧客名が表示されます。 |
申請者 | サービスカタログからリクエストを行ったユーザーの苗字と名前が表示されます。 |
作成日時 | ワークフローが作成された日時が、JST(日本標準時)で表示されます。 |
ステータス※2 | ワークフローの状態が表示されます。ステータスに表示される項目とアイコン、その意味については、「(表)ステータスのアイコンと意味」を参照。 |
ステップ※2 | ワークフローの各アクティビティの状態が表示されます。ステップに表示されるアイコンの意味については、「(表)ステップのアイコンと意味」を参照。 |
各コンテキストIDの関係図を以下に示します。
アイコン | ステータス | 説明 |
---|---|---|
![]() |
Succeeded | ワークフローが正常に完了した状態です。 |
![]() |
Failed | ワークフローが失敗して完了した状態です。 |
![]() |
Abandoned | 異常終了によりワークフローが破棄された状態です。 |
![]() |
Canceling | キャンセル状態への移行中の状態です。 |
![]() |
Canceled | ワークフローがキャンセルされた状態です。 |
![]() |
Requested | ワークフローの実行を開始した状態です。 |
![]() |
Scheduled | 実行を計画し待機している状態です。計画に従って自動的に実行されます。※ |
![]() |
Pausing | 保留中状態への移行中の状態です。 |
![]() |
Paused | ユーザーによる入力待ちなどにより、ステップの実行を保留している状態です。 |
![]() |
Resuming | 保留中状態から再開への移行中の状態です。 |
![]() |
Pending | ステップの実行を待っている状態です。 |
![]() |
Running | いずれかのステップを実行中の状態です。 |
![]() |
Retrying | いずれかのステップを再実行中の状態です。 |
![]() |
Delayed | 計画された実行が遅延している状態です。 |
![]() |
Timeout | いずれかのステップがタイムアウトした状態です。 |
![]() |
Null | 予期せぬエラーが発生した状態です。 |
※今後サポート予定のステータスです。
アイコン | 説明 |
---|---|
![]() |
ステップの処理が成功した状態です。 |
![]() |
ステップの処理が失敗した状態です。 |
![]() |
ステップの実行を待っている状態です。 |
![]() |
まだステップの処理が開始されていない状態です。 |
![]() |
ユーザーにより却下された状態です。 |
![]() |
ステップが実行中の状態です。 |
![]() |
キャンセル状態への移行中の状態です。 |
![]() |
ステップがキャンセルされた状態です。 |
![]() |
異常終了によりステップが破棄された状態です。 |
![]() |
ステップがタイムアウトした状態です。 |
![]() |
ステップの実行を開始した状態です。 |
![]() |
ステップの実行が遅延している状態です。 |
![]() |
保留中状態への移行中の状態です。 |
![]() |
ユーザーによる入力待ちなどにより、ステップの実行を保留している状態です。 |
![]() |
保留中状態から再開への移行中の状態です。 |
![]() |
いずれかのステップを再実行中の状態です。 |
ユーザーの操作とワークフローが実行されるまでの段階について以下に示します。 サービスカタログについては「サービスカタログ」、アクションボタン「save」と「start」については「(表)アクションボタンのタイプ(UIバージョン1.0)」または「(表)アクションボタンのタイプ(UIバージョン1.1)」、作業項目管理機能については「作業項目管理機能」を参照してください。
また、下図の「saveボタン処理」、「startボタン処理」はアクションボタンクリック時のOps Iの標準処理を含みます。詳細は「(図)標準アクションボタンに追加できる処理」を参照してください。
(図)ユーザーの操作とワークフローの実行段階の関係
ワークフローの最初のステップの画面が表示されます。ワークフローに関する情報はOps Iに保存されていません。
Ops Iにワークフローの情報が保存され、コンテキストIDが発行されます。ワークフローの開始を待っている段階です。このときのワークフローのステータスはPendingです。
ワークフローの実行が要求されている段階です。このときのワークフローのステータスはRequestedです。自動的に④に遷移します。
ワークフローが実行されている段階です。ワークフローのステータスはRunningになり、その後ワークフローで定義されたタスクやユーザー操作などに応じて変化します。save、start以外のアクションボタンはこの段階以降に使用されます。
(2)ワークフローの操作を行う画面
ワークフロー一覧で表示されるワークフローのコンテキストIDのリンクをクリックすると、事前に作成しておいたワークフローの操作を行う画面が表示されます。また、画面上部に表示されるパンくずリストを使って、表示させる画面をステップごとに切り替えて表示させることが可能です。アクティビティに表示される内容は、過去のアクティビティ操作時に指定した値ではなく、現在のデータモデルの値が表示されます。なお、処理済みのステップを表示した場合、ワークフローの操作を行う画面の情報は非活性で表示されます。
(3)ワークフローの操作画面(Stepper使用時)
Stepperを使用したワークフローの場合、ステップごとに、作業に必要なスキルやスケジュールに合った適切な運用要員を割り当てることができます。StepperはUIのYAMLファイルに定義することで使用できます。詳細については「ワークフローの設計」と「UI」を参照してください。
Stepper画面は、ワークフローのステップ一覧(①)と各ステップのスケジュール入力エリア(②)で構成されます。
構成要素 | 説明 | |
---|---|---|
① | ステップ一覧 | ワークフローのステップ一覧です。各ステップをクリックすると、スケジュール入力エリアに選択したステップのスケジュールが表示されます。 |
② | スケジュール入力エリア | ステップごとの作業の説明、予定日時、および担当者などを設定することができます。 |
構成要素 | 必須 | 説明 |
---|---|---|
タイトル | Yes | WorkflowのYAMLファイルで各ステップに定義した名前が表示されます。変更することもできます。 |
状態 | No | プルダウンメニューに以下の4つの状態が表示されるので、該当するものを選択します。
|
説明 | No | 作業の説明を入力します。 |
予定開始日時 | No | 予定の開始日 「予定開始日時」項目の下の「hh:mm」項目に予定の開始時刻を指定します。 |
予定終了日時 | No | 予定の終了日 「予定終了日時」項目の下の「hh:mm」項目に予定の終了時刻を指定します。 |
開始日時 | 自動表示 | 実際にワークフローのステップが開始および終了した日時 ステップを実行すると自動的に表示される項目で、ユーザーは参照のみ可能な項目です。 ワークフローの繰り返し処理が実行され、同一のステップが複数回実行された場合、開始日時には1回目に実行された日時、終了日時には最後に実行を完了した日時が表示されます。以下のように同一のステップが2回実行された場合、開始日時は2/6 10:00、終了日時は2/7 15:00と表示されます。 1回目:開始日時2/6 10:00 ~ 終了日時2/6 12:00 2回目:開始日時2/7 13:00 ~ 終了日時2/7 15:00 |
終了日時 | 自動表示 | |
担当グループ | No | ![]() |
担当者 | No | ![]() |
作業時間 | No | 作業に要した時間を入力します。 |
完了状態のステップは、予定開始日時/予定終了日時、担当グループ、および担当者の項目は編集できません。ここでの完了状態とは、ステータスがSucceeded、Failed、Abandoned、Canceled、Timeoutであることを指します。ただし、却下によって完了状態となったステップは編集することができます。
担当グループの割り当ては、担当グループ画面で行うことができます。担当グループ画面は、Stepper画面の担当グループの
アイコンをクリックすることで遷移できます。
担当グループ画面に表示されたグループの一覧から作業を担当するグループを選択し、割当てボタンをクリックすることで担当グループが割り当てられます。Stepper画面で担当者を先に選択している場合は、選択した担当者が所属するグループのみが表示されます。
Stepper画面の担当者の
アイコンをクリックして表示される候補者選択画面を以下に示します。
候補者選択画面には、ユーザー、ユーザーが所属するグループ、および各ユーザーのスケジュールが表示されます。また、ステップごとに定義されているスキルセット(スキルの組み合わせ)に対して保有しているスキルによる適合率なども表示されるので、確認して適切な担当者を選択します。スキルセットとスキルの詳細については「リソース」を参照してください。
表示されたユーザーの一覧から作業を担当するユーザーをクリックし、割当てボタンをクリックすることで担当者が割り当てられます。
候補者選択画面にユーザーを表示させるためには、事前にグループ間の管理関係の設定を行う必要があります。(本トピックの「グループ間の管理関係の設定」を参照)それにより、候補者選択画面に管理関係を設定したグループのユーザーが表示されます。
担当グループを先に選択している場合は、選択した担当グループに所属し、かつ、管理関係が設定されているグループに所属しているユーザーが表示されます。
構成要素 | 説明 | |
---|---|---|
① | スキルセット要件 | WorkflowのYAMLファイルで、選択中のステップに定義されたスキルセットのラベル名が表示されます。スキルセットを定義していない場合は「指定なし」と表示されます。 |
② | 期間 | 期間を入力します。入力した期間にカウントされた経験回数が、⑥の経験回数に表示されます。 |
③ | 検索窓 | ユーザー名やスキル名などのキーワードを入力し![]() |
④ | 表示切替ボタン | 日、週、および月によってスケジュール一覧の表示を切り替えます。 |
⑤ | 適合率 | スキルセット要件のスキルをすべて保有していると100%になります。スキルセット要件が「指定なし」の場合は空欄になります。 |
⑥ | 経験回数 | 入力した②の期間にカウントされた、該当するワークフローの経験回数が表示されます。 |
スケジュールを追加画面で、担当者の候補選択画面にユーザーを表示させるためには、事前にグループ間の管理関係の設定を行う必要があります。それにより、管理関係を設定したグループやユーザーを表示することができます。グループ間の管理関係の設定方法を以下に示します。
設定方法1.のユーザーのグループ化の詳細については「ユーザーの追加」を参照してください。2.のグループの管理関係の詳細については「ユーザー管理」と「グループの追加」を参照してください。
割り当てた要員のスケジュールはスケジュールタブで確認できます。詳細は「スケジュール」を参照ください。