Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


11.2.2 EADSサーバをクラスタから削除する手順(ディスク上のキャッシュを使用する場合)

この項の内容は,ディスクキャッシュ,および2Wayキャッシュを使用する場合にお読みください。

ディスクキャッシュまたは2Wayキャッシュを使用する場合に,EADSサーバをクラスタから削除する手順について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 各レンジのデータの分散状況を確認する

eztool storeusage --replicaコマンドを実行して,各レンジのデータの分散状況を確認します。

eztool storeusage --replica

コマンド実行例

[図データ]

eztool storeusage --replicaコマンドの実行結果を基に,どのレンジからEADSサーバを削除するかを決めてください。

(2) クラスタを閉塞状態にする

eztool closeコマンドを実行して,クラスタを閉塞状態にします。

eztool close

コマンド実行例

[図データ]

(3) 閉塞していることを確認する

EADSサーバを閉塞後,eztool statusコマンドを実行して,クラスタの状態を確認します。

eztool status

コマンド実行例

[図データ]

閉塞している場合,State欄にclosedが表示されます。

(4) キャッシュを確認する

eztool listcacheコマンドを実行し,キャッシュの一覧を表示します。

キャッシュの種類がディスクキャッシュまたは2Wayキャッシュのキャッシュを確認します。

eztool listcache

コマンド実行例

[図データ]

ポイント

メモリキャッシュと,2Wayキャッシュまたはディスクキャッシュを混在させて使用している場合,メモリキャッシュのデータを保持するため,クラスタ内の全EADSサーバを終了する前にeztool exportコマンド,またはeztool stopコマンドを実行してメモリキャッシュのデータを書き出し,クラスタ内の全EADSサーバを開始したあとで,eztool importコマンドを実行してデータを読み込む必要があります。

また,削除するEADSサーバのストアデータファイルは,削除しないEADSサーバのストアデータファイルの格納先ディレクトリに退避しておく必要があります。

(5) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す

eztool exportecfコマンドを実行して,EADSサーバから「(4) キャッシュを確認する」で確認したすべてのキャッシュのキャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルを,任意のディレクトリに書き出します。

参考

eztool exportecfコマンドを実行する代わりに,「(13) 【参考】OSのコマンドなどを使用してEADSサーバのキャッシュファイルを移動・退避する」の手順でEADSサーバのキャッシュファイルを移動・退避させてもかまいません。

(6) キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルを確認する

キャッシュファイルの出力先を確認して,キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルが取得できているかを確認します。

(7) 削除するEADSサーバのキャッシュファイルを退避する

(5) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す」で書き出したキャッシュファイルのうち,削除するEADSサーバで書き出したすべてのキャッシュファイルを,ほかのどれか1つのEADSサーバの,「(5) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す」でキャッシュファイルを書き出したディレクトリに退避します。

(8) キャッシュを削除する

次のどちらかの方法で,キャッシュおよびキャッシュファイルを削除します。

eztool deletecache --with_deleteecfコマンドを実行する場合

eztool deletecache <キャッシュ名> --with_deleteecf

コマンド実行例

[図データ]

eztool deletecacheコマンドを実行したあとにeztool deleteecfコマンドを実行する場合

eztool deletecache <キャッシュ名>
 
eztool deleteecf <キャッシュ名>

コマンド実行例

[図データ]

(9) キャッシュが削除されていることを確認する

eztool listecf -vコマンドを実行し,永続データに関する情報の一覧を表示します。

eztool listecf -v

コマンド実行例

[図データ]

(10) クラスタ内の全EADSサーバを終了する

クラスタ内の全EADSサーバを終了します。

手順については,「10.6 EADSサーバを終了する(ディスク上のキャッシュを終了する場合)」を参照してください。

(11) クラスタ定義を変更する

クラスタを構成するEADSサーバが減るため,クラスタ定義を変更する必要があります。

全EADSサーバのクラスタ定義ファイルから,削除するEADSサーバの次に示すパラメタを削除します。

(12) クラスタ内の全EADSサーバを開始する(データを再配置する)

クラスタ内の全EADSサーバを起動したあとに,データを再配置します。

eztool importecfコマンドを実行して,データを再配置する際には,「(5) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す」でキャッシュファイルを書き出したディレクトリを指定してください。

手順については,「11.1.3(11) クラスタ内の全EADSサーバを開始する」〜「11.1.3(15) 閉塞状態が解除できていることを確認する」を参照してください。

(13) 【参考】OSのコマンドなどを使用してEADSサーバのキャッシュファイルを移動・退避する

(5) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す」で,eztool exportecfコマンドを実行してEADSサーバからキャッシュファイルを書き出す代わりに,OSのコマンドなどを使用してEADSサーバのキャッシュファイルを移動・退避させてもかまいません。その場合のEADSサーバをクラスタから削除する手順(ディスク上のキャッシュを使用する場合)を次に示します。

  1. 各レンジのデータの分散状況を確認する

  2. クラスタを閉塞状態にする

  3. 閉塞していることを確認する

  4. キャッシュを確認する

  5. クラスタ内の全EADSサーバを終了する

  6. 削除するEADSサーバ以外のEADSサーバのキャッシュファイルを移動する

  7. 削除するEADSサーバのキャッシュファイルを退避する

  8. クラスタ定義を変更する

  9. クラスタ内の全EADSサーバを開始する(データを再配置する)

注意事項

この手順はディスクキャッシュの格納先として不揮発性メモリを使用している場合は使用できません。

6. 削除するEADSサーバ以外のEADSサーバのキャッシュファイルを移動する」,および「7. 削除するEADSサーバのキャッシュファイルを退避する」の手順を次に示します。

(a) 削除するEADSサーバ以外のEADSサーバのキャッシュファイルを移動する

削除するEADSサーバ以外のEADSサーバのキャッシュファイルを,任意のディレクトリに移動します。

EADSサーバごとに,次のディレクトリ下のすべてのファイルを移動してください(次のディレクトリ下のすべてのファイルをコピーしたあとで,コピー元のファイルを削除してください)。

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.<n>.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.info.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>(デフォルトは<運用ディレクトリ>/store/<キャッシュ名>)

移動先のディレクトリのパスは,全EADSサーバで同一になるようにしてください。

(12) クラスタ内の全EADSサーバを開始する(データを再配置する)」で,eztool importecfコマンドを実行して,データを再配置する際には,上記でキャッシュファイルを移動させたディレクトリを指定してください。

(b) 削除するEADSサーバのキャッシュファイルを退避する

削除するEADSサーバのキャッシュファイルを,ほかのどれか1つのEADSサーバの,「(a) 削除するEADSサーバ以外のEADSサーバのキャッシュファイルを移動する」でキャッシュファイルを移動したディレクトリに退避します。

削除するEADSサーバの次のディレクトリ下のすべてのファイルを退避してください。

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.<n>.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.info.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>(デフォルトは<運用ディレクトリ>/store/<キャッシュ名>)