Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


11.1.3 クラスタを停止してから,EADSサーバをクラスタに追加する手順(ディスク上のキャッシュを使用する場合)

この項の内容は,ディスクキャッシュ,および2Wayキャッシュを使用する場合にお読みください。

ディスクキャッシュまたは2Wayキャッシュを使用する場合に,クラスタを停止してからEADSサーバをクラスタに追加する手順について説明します。

〈この項の構成〉

(1) クラスタを閉塞状態にする

eztool closeコマンドを実行して,クラスタを閉塞状態にします。

eztool close

コマンド実行例

[図データ]

(2) 閉塞していることを確認する

EADSサーバを閉塞後,eztool statusコマンドを実行して,クラスタの状態を確認します。

eztool status

コマンド実行例

[図データ]

閉塞している場合,State欄にclosedが表示されます。

(3) キャッシュを確認する

eztool listcacheコマンドを実行し,キャッシュの一覧を表示します。

キャッシュの種類がディスクキャッシュまたは2Wayキャッシュのキャッシュを確認します。

eztool listcache

コマンド実行例

[図データ]

ポイント

メモリキャッシュと,2Wayキャッシュまたはディスクキャッシュを混在させて使用している場合,メモリキャッシュのデータを保持するため,クラスタ内の全EADSサーバを終了する前にeztool exportコマンド,またはeztool stopコマンドを実行してメモリキャッシュのデータを書き出し,クラスタ内の全EADSサーバを開始したあとで,eztool importコマンドを実行してデータを読み込む必要があります。

(4) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す

eztool exportecfコマンドを実行して,EADSサーバから「(3) キャッシュを確認する」で確認したすべてのキャッシュのキャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルを,任意のディレクトリに書き出します。

参考

eztool exportecfコマンドを実行する代わりに,「(16) 【参考】OSのコマンドなどを使用してEADSサーバのキャッシュファイルを移動する」の手順でEADSサーバのキャッシュファイルを移動・退避させてもかまいません。

(5) キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルを確認する

キャッシュファイルの出力先を確認して,キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルが取得できているかを確認します。

(6) キャッシュを削除する

次のどちらかの方法で,キャッシュおよびキャッシュファイルを削除します。

eztool deletecache --with_deleteecfコマンドを実行する場合

eztool deletecache <キャッシュ名> --with_deleteecf

コマンド実行例

[図データ]

eztool deletecacheコマンドを実行したあとにeztool deleteecfコマンドを実行する場合

eztool deletecache <キャッシュ名>
 
eztool deleteecf <キャッシュ名>

コマンド実行例

[図データ]

(7) キャッシュが削除されていることを確認する

eztool listecf -vコマンドを実行し,永続データに関する情報の一覧を表示します。

eztool listecf -v

コマンド実行例

[図データ]

(8) クラスタ内の全EADSサーバを終了する

クラスタ内の全EADSサーバを終了します。

手順については,「10.6 EADSサーバを終了する(ディスク上のキャッシュを終了する場合)」を参照してください。

(9) 追加するEADSサーバのインストールおよびセットアップを行う

追加するEADSサーバのインストールおよびセットアップを行います。

インストールおよびセットアップの手順については,「5. インストールおよびセットアップを行う(EADSサーバ)」を参照してください。

(10) クラスタ定義を変更する

クラスタを構成するEADSサーバが増えるため,クラスタ定義を変更する必要があります。

定義内容を変更する手順については,「11.4 定義内容を変更したい」を参照してください。

(11) クラスタ内の全EADSサーバを開始する

EADSサーバを起動するホストにログインしてezstartコマンドを実行し,EADSサーバを起動します。このコマンドはEADSサーバごとに実行する必要があります。

ezstart

(12) 初期化が完了していることを確認する

EADSサーバの起動に成功すると,初期化状態に遷移します。

eztool statusコマンドを実行して,全EADSサーバの初期化が完了していることを確認します。

eztool status

コマンド実行例

[図データ]

初期化が完了している場合,State欄にinitializedが表示されます。

(13) データを再配置する

eztool importecfコマンドを実行して,データを再配置します。<キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルの格納先パス名>には,「11.1.3(4) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す」でキャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルを格納したディレクトリを指定します。

注意事項

<キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルの格納先パス名>には,次のディレクトリは指定できません。

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.<n>.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.info.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>(デフォルトは<運用ディレクトリ>/store/<キャッシュ名>)

eztool importecf <キャッシュデータファイルとキャッシュインデックスファイルの格納先パス名>

コマンド実行例

[図データ]

(14) クラスタの閉塞状態を解除する

初期化状態は閉塞状態と同じく,EADSクライアントからのリクエストが受け付けられない状態です。eztool openコマンドを実行して,クラスタの閉塞状態を解除します。

eztool open

コマンド実行例

[図データ]

(15) 閉塞状態が解除できていることを確認する

eztool statusコマンドを実行して,全EADSサーバの閉塞状態が解除できていることを確認します。

eztool status

コマンド実行例

[図データ]

閉塞状態が解除できている場合,State欄にrunningが表示されます。

(16) 【参考】OSのコマンドなどを使用してEADSサーバのキャッシュファイルを移動する

(4) EADSサーバからキャッシュファイルを書き出す」で,eztool exportecfコマンドを実行してEADSサーバからキャッシュファイルを書き出す代わりに,OSのコマンドなどを使用してEADSサーバのキャッシュファイルを移動させてもかまいません。その場合のEADSサーバをクラスタに追加する手順(ディスク上のキャッシュを使用する場合)を次に示します。

  1. クラスタを閉塞状態にする

  2. 閉塞していることを確認する

  3. キャッシュを確認する

  4. クラスタ内の全EADSサーバを終了する

  5. 全EADSサーバのキャッシュファイルを移動する

  6. 追加するEADSサーバのインストールおよびセットアップを行う

  7. クラスタ定義を変更する

  8. クラスタ内の全EADSサーバを開始する

  9. 初期化が完了していることを確認する

  10. データを再配置する

  11. クラスタの閉塞状態を解除する

  12. 閉塞状態が解除できていることを確認する

注意事項

この手順はディスクキャッシュの格納先として不揮発性メモリを使用している場合は使用できません。

5. 全EADSサーバのキャッシュファイルを移動する」の手順を次に示します。

(a) 全EADSサーバのキャッシュファイルを移動する

全EADSサーバのキャッシュファイルを,任意のディレクトリに移動します。

EADSサーバごとに,次のディレクトリ下のすべてのファイルを移動してください(次のディレクトリ下のすべてのファイルをコピーしたあとで,コピー元のファイルを削除してください)。

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.<n>.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>

  • <キャッシュ定義のeads.cache.disk.info.dirパラメタで指定したディレクトリ>/<キャッシュ名>(デフォルトは<運用ディレクトリ>/store/<キャッシュ名>)

移動先のディレクトリのパスは,全EADSサーバで同一になるようにしてください。

(13) データを再配置する」でeztool importecfコマンドを実行して,データを再配置する際には,上記でキャッシュファイルを移動させたディレクトリを指定してください。