Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


14.3.25 listecf(永続データに関する情報の一覧表示)

この項の内容は,ディスクキャッシュ,および2Wayキャッシュを使用する場合にお読みください。

〈この項の構成〉

(1) 機能

クラスタ内の永続データに関する情報の一覧を表示します。

(2) 規則

(3) 形式

eztool listecf [-v [--divide <分割する個数>]] [-s] [--threshold <しきい値>]
               [<キャッシュ名>]
               [--format <フォーマット名>]
               [--columns <列名>[,<列名>]…]
               [--filter <フィルタの条件>]
               [--match <一致条件>]

(4) オプションおよび引数

(a) -vまたは--verbose

コマンド実行結果の詳細を表示したい場合に指定します。

(b) --divide <分割する個数>

-vまたは--verboseオプションを指定した場合,コンパクションの効果のファイル数の分布が表示されます。コンパクションの効果のファイル数の分布を,任意の個数で分割したい場合に指定します。

分割する個数には,1から10までの整数が指定できます。

このオプションを指定しない場合,コマンド定義のeads.command.compaction.effect.divisionパラメタに指定した値(デフォルトは5)が分割する個数になります。

(c) -sまたは--single

コマンドを実行するEADSサーバの実行結果だけを表示したい場合に指定します。

(d) --threshold <しきい値>

しきい値(単位:%)以上のコンパクションの効果があるキャッシュデータファイルのファイル数を表示したい場合に指定します。

しきい値には,1から100までの整数が指定できます。

このオプションを指定しない場合,コマンド定義のeads.command.compaction.effect.thresholdパラメタに指定した値(デフォルトは50)がしきい値になります。

(e) <キャッシュ名>

指定したキャッシュ名のキャッシュの情報だけを表示したい場合に指定します。

キャッシュ名には,半角32文字までの半角英数字(0〜9,A〜Z,およびa〜z)が指定できます。

(f) --format <フォーマット名>

このオプションの詳細については,「14.4.2 表示形式の指定方法」を参照してください。

(g) --columns <列名>[,<列名>]…

このオプションの詳細については,「14.4.3 列のフィルタリングの指定方法」を参照してください。

(h) --filter <フィルタの条件>

このオプションの詳細については,「14.4.4 行のフィルタリングの指定方法」を参照してください。

(i) --match <一致条件>

このオプションの詳細については,「14.4.5 条件一致の指定方法」を参照してください。

(5) 出力例

eztool listecfコマンドの実行結果の出力例を次に示します。

表示の構成要素については,「14.4.1 表示内容の構成要素」を参照してください。

■-vまたは--verboseオプションを指定しない場合

[図データ]

■-vまたは--verboseオプションを指定する場合

[図データ]

サマリとメインの表示内容を,それぞれ次の表に示します。

表14‒49 eztool listecfコマンドのサマリの表示内容

項番

サマリ名

説明

表示の有無

-vまたは--verboseオプション指定

-sまたは--singleオプション指定

なし

あり

1

CP: CacheProperties

「CP」が「キャッシュ定義ファイル(CacheProperties)」の略称であることを表しています。

×

×

2

CI: CacheInfoFile

「CI」が「キャッシュ情報ファイル(CacheInfoFile)」の略称であることを表しています。

×

×

3

CD: CacheDataFiles

「CD」が「キャッシュデータファイル(CacheDataFiles)」の略称であることを表しています。

×

×

4

FC: FileCount

「FC」が「ファイル数(FileCount)」の略称であることを表しています。

5

CE: CompactionEffect

「CE」が「コンパクションの効果(CompactionEffect)」の略称であることを表しています。

6

Ac: Accord

「Ac」が「一致する(Accord)」の略称であることを表しています。

×

×

7

Ex: Exist

「Ex」が「存在する(Exist)」の略称であることを表しています。

×

(凡例)

○:表示されます。

×:表示されません。

表14‒50 eztool listecfコマンドのメインの表示内容

項番

列名

説明

表示の有無

-vまたは--verboseオプション指定

-sまたは--singleオプション指定

なし

あり

1

Cache

キャッシュ名※1

ディスクキャッシュおよび2Wayキャッシュのキャッシュ名が,次のキャッシュの情報から抽出されて表示されます。

  • EADSサーバに存在するキャッシュ

  • キャッシュ定義ファイルに指定したキャッシュ

2

ExCache

キャッシュがEADSサーバに存在しているかどうか※1

次のどちらかが表示されます。

  • true

    EADSサーバに存在する

  • false

    EADSサーバに存在しない

×

3

AcCP

EADSサーバ間でキャッシュ定義ファイルが一致しているかどうか※1

キャッシュ定義ファイルの有無も含めて,すべてのEADSサーバ間で一致しているかどうかが表示されます。

次のどちらかが表示されます。

  • true

    一致している

  • false

    一致していない

×

×

4

AcCI

EADSサーバ間でキャッシュ情報ファイルが一致しているかどうか※1

キャッシュ情報ファイルが存在しないEADSサーバは無視されて,一致しているかどうかが表示されます。

次のどちらかが表示されます。

  • true

    一致している

  • false

    一致していない

×

×

5

Range

レンジID※1

キャッシュ内のレンジを識別するための番号(1〜96の整数)です。データの格納先EADSサーバのサーバIDと一致します。

6

Server

Rangeの範囲に含まれるEADSサーバのIPアドレス,およびEADSクライアントとの通信に使用するEADSサーバのポート番号

次の形式で表示されます。

IPアドレス:ポート番号

×

7

ExCP

キャッシュ定義ファイルが存在するかどうか

次のどちらかが表示されます。

  • true

    存在する

  • false

    存在しない

EADSサーバが起動していない場合,または通信障害が発生した場合は,何も表示されません。

×

×

8

ExCI

キャッシュ情報ファイルが存在するかどうか

次のどちらかが表示されます。

  • true

    存在する

  • false

    存在しない

次の場合は何も表示されません。

  • EADSサーバが起動していない場合

  • 通信障害が発生した場合

  • EADSサーバにキャッシュが読み込まれていない状態で,ExCPがfalseの場合

  • EADSサーバにキャッシュが読み込まれていない状態で,ExCIの情報取得に必要なパラメタがキャッシュ定義ファイルに指定されていない場合

×

×

9

ExCD

キャッシュデータファイルが存在するかどうか

次のどちらかが表示されます。

  • true

    存在する

  • false

    存在しない

次の場合は何も表示されません。

  • EADSサーバが起動していない場合

  • 通信障害が発生した場合

  • EADSサーバにキャッシュが読み込まれていない状態で,ExCPがfalseの場合

  • EADSサーバにキャッシュが読み込まれていない状態で,ExCDの情報取得に必要なパラメタがキャッシュ定義ファイルに指定されていない場合

×

×

10

UnusedFC

使用していないファイル数

次の場合は何も表示されません。

  • EADSサーバが起動していない場合

  • 通信障害が発生した場合

  • EADSサーバに存在しないキャッシュの場合

11

MaxCE

レンジ内のキャッシュデータファイルが持つコンパクションの効果の最大値※2

次の場合は何も表示されません。

  • EADSサーバが起動していない場合

  • 通信障害が発生した場合

  • EADSサーバに存在しないキャッシュの場合

12

FilterCE(x%)※3

コンパクションの効果がしきい値以上のファイル数※4

次の場合は何も表示されません。

  • EADSサーバが起動していない場合

  • 通信障害が発生した場合

  • EADSサーバに存在しないキャッシュの場合

13

CE(x-y%)※5

コンパクションの効果のファイル数の分布※4

次の場合は何も表示されません。

  • EADSサーバが起動していない場合

  • 通信障害が発生した場合

  • EADSサーバに存在しないキャッシュの場合

×

(-vまたは--verboseオプションを指定した場合だけ,表示されます)

(凡例)

○:表示されます。

×:表示されません。

実行結果は,次の優先順位に従って表示されます。

  1. Cacheの値の自然順序順に表示されます。

  2. Cacheの値が同じ行は,Rangeの値の昇順に表示されます。

  3. Cacheの値,およびRangeの値が同じ行は,Severの値の順(データの格納先EADSサーバ,データのコピー先EADSサーバの順)に表示されます。-sオプションまたは--singleオプションを指定した場合は該当しません。

注※1

実行結果に,同じ値のセルが続く場合,2行目以降のセルの値は表示が省略されます。

注※2

コンパクションの効果の小数点以下は切り捨てて表示されます。

注※3

xには,しきい値として設定した値が表示されます。

注※4

コンパクションの効果の小数点以下を切り捨てた値で,ファイル数が集計されます。

注※5

分割する個数から算出した範囲が表示されます。2列目以降のヘッダには,範囲として「(x-y%)」だけが表示されます。

(6) リターンコード

次の表に示すリターンコードが返却されます。

表14‒51 eztool listecfコマンドのリターンコード

項番

リターンコード

リターンコードの説明

コマンド定義のeads.command.compatパラメタを指定していない場合

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合

1

0

0

コマンドの実行に成功しました。

2

101

101

コマンドの初期化に失敗しました。

3

110

接続に失敗しました。

4

111

通信タイムアウトで失敗しました。

5

120

構文不正で失敗しました。

6

130

コマンドを実行できない状態のため失敗しました。

7

150

コマンド実行中に失敗しました。

8

200

コマンドタイムアウトで失敗しました。

--matchオプションを指定した場合

条件に一致した場合は0,一致しなかった場合は1を,リターンコードとして返します。ただし,コマンドの実行に失敗したときは,--matchオプションを指定しなかった場合と同じになります。

(7) 注意事項

出力処理中にコマンドがタイムアウトした場合,出力結果が欠落することがあります。また,出力処理が完了していても,コマンドがタイムアウトになることがあります。このような場合には,コマンドのタイムアウト時間を大きくしてから再実行してください。