Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


14.3.4 status(クラスタ状態の確認)

〈この項の構成〉

(1) 機能

クラスタの状態を確認します。

(2) 規則

(3) 形式

eztool status [-v]
              [-s]
              [-c <表示内容の項目名>==<状態>]
              [--format <フォーマット名>]
              [--columns <列名>[,<列名>]…]
              [--filter <フィルタの条件>]
              [--match <一致条件>]

(4) オプションおよび引数

(a) -vまたは--verbose

コマンド実行結果の詳細を表示したい場合に指定します。

(b) -sまたは--single

クラスタ全体ではなく,コマンドを実行するEADSサーバの状態だけを確認したい場合に指定します。

(c) -cまたは--count <表示内容の項目名>==<状態>

このオプションは非推奨です。予告なく削除することがあります。

クラスタに参加する各EADSサーバの状態がそろっていることを確認したい場合に指定します。

指定した項目が,指定した状態と完全一致するEADSサーバ数を,リターンコードとして返します。ただし,情報が取得できないためにハイフン(-)が表示された項目については,カウントされません。

次に示すオプションとは同時に指定できません。

  • -sオプション

  • --formatオプション

  • --columnsオプション

  • --filterオプション

  • --matchオプション

■表示内容の項目名

指定できる表示内容の項目名を次の表に示します。

表示内容の項目名

説明

表示の有無

-vまたは--verboseオプション指定

なし

あり

ID

EADSサーバID

IP_Address

EADSサーバのIPアドレス

ServerName

EADSサーバ名(運用ディレクトリ名)

×

Port※1

EADSクライアントとの通信に使用するEADSサーバのポート番号

ServerPort※2

EADSサーバ間のデータの多重化に使用するポート番号

×

ManagePort※2

コマンドが使用する通信ポートを確認するためのポート番号

×

Position

EADSサーバの位置

Cluster

クラスタへの参加状況

State

EADSサーバの状態

Operation

現在実行中のサブコマンド名,またはコマンドのオプション名

Lock

EADSサーバの排他状態

×

KeyCount

EADSサーバ内のkeyの総数

×

UsedCache※2

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ使用量(Explicitヒープ)の割合(メモリ使用量/メモリ総容量)

×

UsedMemoryRatio※3

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ使用量(Explicitヒープ)の割合

×

UsedMemory※3

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ使用量(Explicitヒープ)

(単位:メガバイト)

×

MaxMemory※3

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ総容量

(単位:メガバイト)

×

Version

バージョン情報

×

(凡例)

○:表示されます。

×:表示されません。

注※1

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合,項目名はClientPortになります。

注※2

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合にだけ,指定できます。

注※3

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合は,指定できません。

■状態

指定した表示内容の項目名で表示される文字列を指定します。

ASCIIコード「0x20」〜「0x7E」の文字が指定できます。

半角スペースは二重引用符(")で囲むことで使用できますが,表示内容の項目名,および状態の前後の半角スペースは無視されます。

なお,情報が取得できない項目にはハイフン(-)が表示されるため,ハイフン(-)だけを指定した場合はエラーとなります。ただし,コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合は,情報が取得できない項目にはアスタリスク(*)が表示されます。その場合,アスタリスク(*)だけを指定するとエラーになります。

(d) --format <フォーマット名>

このオプションの詳細については,「14.4.2 表示形式の指定方法」を参照してください。

(e) --columns <列名>[,<列名>]…

このオプションの詳細については,「14.4.3 列のフィルタリングの指定方法」を参照してください。

(f) --filter <フィルタの条件>

このオプションの詳細については,「14.4.4 行のフィルタリングの指定方法」を参照してください。

(g) --match <一致条件>

このオプションの詳細については,「14.4.5 条件一致の指定方法」を参照してください。

(5) 出力例

eztool statusコマンドの実行結果の出力例を次に示します。

表示の構成要素については,「14.4.1 表示内容の構成要素」を参照してください。

■-vまたは--verboseオプションを指定しない場合

[図データ]

■-vまたは--verboseオプションを指定する場合

[図データ]

サマリとメインの表示内容を,それぞれ次の表に示します。

表14‒6 eztool statusコマンドのサマリの表示内容

項番

サマリ名

説明

表示の有無

-vまたは--verboseオプション指定

なし

あり

1

Cluster Health

クラスタの状態

次のどれかが表示されます。

  • AVAILABLE

    クラスタが正常に稼働している状態です。

  • PARTIALLY_AVAILABLE

    クラスタの一部が稼働している状態です。

    keyによっては,アクセスできない場合があります。

  • NOT_AVAILABLE

    クラスタが稼働していない状態です。

2

TotalCount

EADSサーバ数

-sまたは--singleオプションを指定した場合は表示されません。

3

OnlineCount

クラスタに参加しているEADSサーバ数

-sまたは--singleオプションを指定した場合は表示されません。

また,クラスタの状態がNOT_AVAILABLEの場合,カウントされません。

4

OfflineCount

クラスタに参加していないEADSサーバ数

-sまたは--singleオプションを指定した場合は表示されません。

また,クラスタの状態がNOT_AVAILABLEの場合,カウントされません。

5

StandbyCount

クラスタに参加する予定のEADSサーバ数

-sまたは--singleオプションを指定した場合は表示されません。

また,クラスタの状態がNOT_AVAILABLEの場合,カウントされません。

(凡例)

○:表示されます。

表14‒7 eztool statusコマンドのメインの表示内容

項番

列名

説明

表示の有無

-vまたは--verboseオプション指定

なし

あり

1

ID

EADSサーバID

ただし,クラスタに追加するEADSサーバがまだクラスタに参加していない場合,そのEADSサーバのIDにはハイフン(-)が表示されます。

2

IP_Address

EADSサーバのIPアドレス

3

ServerName

EADSサーバ名(運用ディレクトリ名)※1※2

×

4

Port※3

EADSクライアントとの通信に使用するEADSサーバのポート番号

5

ServerPort※4

EADSサーバ間のデータの多重化に使用するポート番号※2

×

6

ManagePort※4

コマンドが使用する通信ポートを確認するためのポート番号※2

×

7

Position

EADSサーバの位置

位置(ハッシュ値)は降順で表示されます。

ただし,クラスタに追加するEADSサーバがまだクラスタに参加していない場合,そのEADSサーバの位置にはハイフン(-)が表示されます。

8

Cluster

クラスタへの参加状況※5

次のどれかが表示されます。

  • online

    クラスタに参加している

  • offline

    クラスタに参加していない

  • standby

    クラスタに参加する予定

9

State

EADSサーバの状態※1※2

10

Operation

現在実行中のサブコマンド名,またはコマンドのオプション名※1※2

次のどれかが表示されます。

  • close

  • open

  • unlock

  • createcache

  • deletecache

  • export

  • import

  • deleteesd

  • rebalance

  • resume

  • exportecf

  • importecf

  • deleteecf

  • compaction

  • stop

  • isolate

  • recovery

  • add

export,import,rebalance,exportecf,importecfおよびstopについては,処理の進捗率も表示されます。

(例)export(88%)

ただし,rebalanceの場合は,リバランス処理全体の進捗率が,位置を変更中のEADSサーバの所に表示されます。

実行中でない場合はnoneが表示されます。

11

Lock

EADSサーバの排他状態※5

次のどちらかが表示されます。

  • lock

    排他している

  • unlock

    排他していない

×

12

KeyCount

EADSサーバ内のkeyの総数※1※2

多重化によってコピーされるkeyの数も含みます。

×

13

UsedCache※4

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ使用量(Explicitヒープ)の割合(メモリ使用量/メモリ総容量)※1※2

  • 小数点以下の値は切り捨てて表示されます。

  • メモリ使用量には,多重化によってコピーされるvalueも含みます。

×

14

UsedMemoryRatio※6

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ使用量(Explicitヒープ)の割合※1※2

  • メモリ使用量の割合は,(メモリ使用量÷メモリ総容量)×100で算出されます。%単位で表示されるため,小数点以下の値は切り捨てて表示されます。

  • メモリ使用量には,多重化によってコピーされるvalueも含みます。

×

15

UsedMemory※6

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ使用量(Explicitヒープ)※1※2

(単位:メガバイト)

  • 小数点以下の値は切り捨てて表示されます。

  • メモリ使用量には,多重化によってコピーされるvalueも含みます。

×

16

MaxMemory※6

EADSサーバ内の,メモリキャッシュまたは2Wayキャッシュのvalue部分が格納される領域のメモリ総容量※1※2

(単位:メガバイト)

  • 小数点以下の値は切り捨てて表示されます。

  • メモリ使用量には,多重化によってコピーされるvalueも含みます。

×

17

Version

バージョン情報※1※2

03-00の場合,03-00-00と表示されます。

×

(凡例)

○:表示されます。

×:表示されません。

注※1

接続失敗,通信エラー,または通信タイムアウトの場合,ハイフン(-)が表示されます。コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定したときはアスタリスク(*)になります。

注※2

EADSサーバのクラスタへの参加状況がstandbyの場合,ハイフン(-)が表示されます。コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定したときはアスタリスク(*)になります。

注※3

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合,列名はClientPortになります。

注※4

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合にだけ,表示される列です。

注※5

クラスタの状態がNOT_AVAILABLEの場合,ハイフン(-)が表示されます。コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定したときはアスタリスク(*)になります。

注※6

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合,この列は表示されません。

(6) リターンコード

次に示すオプションを指定したかどうかによって,リターンコードが異なります。

-sオプション,-cオプションおよび--matchオプションをすべて指定しなかった場合は,次の表に示すリターンコードが返却されます。

表14‒8 eztool statusコマンドのリターンコード(-s,-cおよび--matchオプションの指定なし)

項番

リターンコード

リターンコードの説明

コマンド定義のeads.command.compatパラメタを指定していない場合

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合

1

0

0

コマンドの実行に成功しました。

2

101

101

コマンドの初期化に失敗しました。

3

110

接続に失敗しました。

4

111

通信タイムアウトで失敗しました。

5

120

構文不正で失敗しました。

6

150

コマンド実行中に失敗しました。

7

200

コマンドタイムアウトで失敗しました。

-sまたは--singleオプションを指定した場合

EADSサーバの状態をリターンコードとして返します。

--matchオプションと同時に指定し,かつコマンドの実行に成功したときは,--matchオプションの結果が優先されます。

表14‒9 eztool statusコマンドのリターンコード(-sまたは--singleオプションの指定あり)

項番

リターンコード

リターンコードの説明

コマンド定義のeads.command.compatパラメタを指定していない場合

コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合

1

0

0

EADSサーバの状態は稼働状態(running)です。

2

1

1

EADSサーバの状態は初期化中(initializing)です。

3

2

2

EADSサーバの状態は初期化状態(initialized)です。

4

3

3

EADSサーバの状態は閉塞中(closing)です。

5

4

4

EADSサーバの状態は閉塞状態(closed)です。

6

5

5

EADSサーバの状態は停止中(stopping)です。

7

10

10

EADSサーバの状態は縮退状態(isolated)です。

8

101

101

コマンドの初期化に失敗しました。

9

110

110

接続に失敗しました。

10

111

111

通信タイムアウトで失敗しました。

11

120

101

構文不正で失敗しました。

12

150

コマンド実行中に失敗しました。

13

200

コマンドタイムアウトで失敗しました。

-cまたは--countオプションを指定した場合

指定した項目が,指定した状態になっているEADSサーバ数を,リターンコードとして返します。ただし,コマンドの実行に失敗したときは,-cまたは--countオプションを指定しなかった場合と同じになります。

--matchオプションを指定した場合

条件に一致した場合は0,一致しなかった場合は1を,リターンコードとして返します。ただし,コマンドの実行に失敗したときは,--matchオプションを指定しなかった場合と同じになります。

(7) 注意事項