Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


14.4.4 行のフィルタリングの指定方法

--filterオプションで条件を指定することで,条件に合う行だけを表示できます。

条件を判定する際,値の表示が省略されるセルは,省略された内容が表示されているものとして扱われます。また,データが何もないセルは,空文字列として扱われます。

条件の指定方法が誤っている場合は,コマンドの実行に失敗します。

〈この項の構成〉

(1) オプションの指定形式(BNF表記)

--filter <フィルタの条件>
<フィルタの条件>::=<行条件>
 
<行条件>::=<列条件>|<列条件><論理演算子><列条件>
<列条件>::=<列名><比較演算子(文字列)><文字列>
               |<列名><比較演算子(数値)><数値>
 
<論理演算子>::="&&"|"||"
<比較演算子(文字列)>::="=="|"!="
<比較演算子(数値)>::=">"|"<"|">="|"<="
 
<文字列>::=Stringの文字列
<数値>::=Long.parseLong()で変換できる数値
注意事項

次に示す場合は,条件全体を二重引用符(")で囲んでください。

  • <列名>または<文字列>に空白が含まれる場合

  • <比較演算子(数値)>を指定する場合

二重引用符(")で囲まないと,別の引数として扱われたり,不当にリダイレクトされたりするおそれがあります。

参考

BNF表記の読み方

::=の左の項目は,右の項目で示す形式で記述することを意味しています。<フィルタの条件>の指定形式を例に説明します。

  1. 「<フィルタの条件>::=<行条件>」は,<フィルタの条件>を「<行条件>」の形式で指定することを示しています。

  2. 「<行条件>::=<列条件>|<列条件><論理演算子><列条件>」は,<行条件>を「<列条件>」または「<列条件><論理演算子><列条件>」の形式で指定することを示しています。

  3. 1.および2.から,<フィルタの条件>は,「<列条件>」または「<列条件><論理演算子><列条件>」の形式で指定するという意味になります。

(2) 引数

(a) <フィルタの条件>

<行条件>を指定します。

(b) <行条件>

<列条件>,または<列条件><論理演算子><列条件>を指定します。

(d) <列名>

表示内容の列名を指定します。

列名は,--columnsオプションで指定しているかどうかに関係なく指定できます。ただし,--columnsオプションに関係なく,表示されない列の列名は指定できません。例えば,-vオプションを指定した場合にしか表示されない列の列名は,-vオプションを指定していないときは指定できません。

(e) <論理演算子>

次の表に示す論理演算子を指定できます。

複数の論理演算子を指定した場合,左から順番に評価されます。

表14‒59 --filterオプションで指定できる論理演算子

項番

論理演算子

指定例

説明

1

&&

A && B

AかつB(AとB両方が真のときに真になります。それ以外は偽になります)

2

||

A || B

AまたはB(AとBの両方が偽のときに偽になります。それ以外は真になります)

(f) <比較演算子(文字列)>

次の表に示す比較演算子を指定できます。

表14‒60 --filterオプションで指定できる比較演算子(文字列)

項番

比較演算子

指定例

意味

1

==

A == B

文字列Aが文字列Bのパターンに一致しているかどうか(大文字と小文字は区別されます)

2

!=

A != B

文字列Aが文字列Bのパターンに一致していないかどうか(大文字と小文字は区別されます)

(g) <比較演算子(数値)>

次の表に示す比較演算子を指定できます。

表14‒61 --filterオプションで指定できる比較演算子(数値)

項番

比較演算子

指定例

意味

1

>

A > B

long値に変換したAが,long値に変換したBより大きいかどうか(Aにデータが何もない場合は,偽になります)

2

<

A < B

long値に変換したAが,long値に変換したBより小さいかどうか(Aにデータが何もない場合は偽になります)

3

>=

A >= B

long値に変換したAが,long値に変換したB以上かどうか(Aにデータが何もない場合は偽になります)

4

<=

A <= B

long値に変換したAが,long値に変換したB以下かどうか(Aにデータが何もない場合は偽になります)

(h) <文字列>

Stringの文字列を指定します。ワイルドカード(「*」および「?」)が使用できます。

(i) <数値>

Long.parseLong()で変換できる数値を指定します。

(3) 実行例

eztool status -vコマンドで--filterオプションを指定する場合の実行例を次に示します。

■keyの総数が3,000個以上のEADSサーバのEADSサーバIDと,そのkeyの総数を表示したいとき

[図データ]

■ログに関係するパラメタだけを表示したいとき(出力例は省略)

[図データ]