14.3.15 export(データの書き出し)
- 〈この項の構成〉
(1) 機能
メモリキャッシュのデータをストアデータファイルに書き出します。
メモリキャッシュが存在しない場合は,実行されません。
(2) 規則
-
このサブコマンドは,クラスタの状態がクラスタ稼働中(AVAILABLE)のときに実行できます。
-
このサブコマンドは,クラスタへの参加状況がonlineのEADSサーバを処理対象とします。ただし,クラスタへの参加状況がstandbyのEADSサーバがクラスタ内にある場合は実行できません。クラスタへの参加状況については,eztool statusコマンドで確認できます。
-
このサブコマンドは,処理対象のEADSサーバが閉塞状態(closed)のときに実行できます。
-
-sまたは--singleオプションを指定した場合は,クラスタの状態に関係なく,EADSサーバが次の状態のときに実行できます。
-
初期化状態(initialized)
-
稼働状態(running)
-
閉塞中(closing)
-
閉塞状態(closed)
-
縮退状態(isolated)
-
-
稼働中のFullGCの発生を抑えるため,このサブコマンドが終了するタイミングで,各EADSサーバがFullGCを実施します。ただし,-sまたは--singleオプションを指定した場合は,FullGCを実施しません。
-
このサブコマンドがEADSサーバから排他を取得している間,EADSサーバは縮退状態(isolated)になりません。なお,EADSサーバから排他を取得している間にプロセスがダウンしたり,EADSサーバが停止したりした場合は,排他を解除したあとに縮退が実行されます。
(3) 形式
eztool export [-s] [-d <ストアデータファイルの出力先パス名>] [<ストアデータファイルキー>]
(4) オプションおよび引数
(a) -sまたは--single
障害運用で使用するためのオプションです。通常運用および保守運用では使用しないでください。
このコマンドは,クラスタ動作不能(NOT_AVAILABLE),またはクラスタ一部稼働中(PARTIALLY_AVAILABLE)となり,eztool exportコマンドによるデータのバックアップができない場合に指定します。
クラスタ全体で保持するデータではなく,コマンドを実行するEADSサーバが保持するデータだけを書き出します。
このオプションを指定した場合,EADSサーバから排他を取得しないため,データの書き出しと次に示す処理を同時に行った場合,動作は保証されません。
-
キャッシュの作成および削除
-
データの更新操作,またはデータの更新を伴う操作(復旧処理,スケールアウト処理,またはリバランス処理など)
-
ストアデータファイルの削除
また,eztool statusコマンドで,実行中のOperationとして表示されません。
(b) -dまたは--directory <ストアデータファイルの出力先パス名>
ストアデータファイルの出力先パス名を指定します。
指定したディレクトリ下にストアデータファイルを出力したい場合に指定します。
パス名には,アスタリスク(*),二重引用符("),疑問符(?),縦線(|),小なり演算子(<),大なり演算子(>)を含むディレクトリは指定できません。
ストアデータファイルの出力先パスに相対パスを指定した場合,各EADSサーバの運用ディレクトリが起点となります。
(c) <ストアデータファイルキー>
ストアデータファイルのストアデータファイルキーを指定します。
ストアデータファイルキーは,半角32文字までです。半角英数字(0〜9,A〜Z,a〜z),アンダースコア(_)またはハイフン(-)が指定できます。
また,ストアデータファイルキーには,自動的に接頭辞(eads_またはeads_single_)と接尾辞(_EADSサーバID.拡張子)が付きます。拡張子は「.esd」です。
ストアデータファイルキーを省略すると,次の表に示すように,コマンド実行日時がストアデータファイルキーとなります。
-sまたは--singleオプション指定 |
ストアデータファイル名 |
世代管理の対象 |
---|---|---|
なし |
eads_[YYYYMMDDhhmmss]_[EADSサーバID].esd |
対象 |
あり |
eads_single_[YYYYMMDDhhmmss]_[EADSサーバID].esd |
対象外 |
- (凡例)
-
[YYYYMMDDhhmmss]:コマンド実行日時
YYYY:年,MM:月,DD:日,hh:時(00〜23),mm:分,ss:秒
(5) リターンコード
次の表に示すリターンコードが返却されます。
項番 |
リターンコード |
リターンコードの説明 |
|
---|---|---|---|
コマンド定義のeads.command.compatパラメタを指定していない場合 |
コマンド定義のeads.command.compatパラメタに0300を指定した場合 |
||
1 |
0 |
0 |
コマンドの実行に成功しました。 |
2 |
101 |
101 |
コマンドの初期化に失敗しました。 |
3 |
110 |
接続に失敗しました。 |
|
4 |
111 |
通信タイムアウトで失敗しました。 |
|
5 |
120 |
構文不正で失敗しました。 |
|
6 |
130 |
コマンドを実行できない状態のため失敗しました。 |
|
7 |
131 |
ほかのコマンドが実行中のため失敗しました。 |
|
8 |
150 |
コマンド実行中に失敗しました。 |
|
9 |
200 |
コマンドタイムアウトで失敗しました。 |
(6) 注意事項
次に示す形式のストアデータファイルキーを指定すると,世代管理の対象になる場合があります。ストアデータファイルを世代管理の対象にしたくない場合は,同じ形式にならないように指定してください。
-
ストアデータファイルキーを省略した場合と同じ形式
eads_[YYYYMMDDhhmmss]_[EADSサーバID].esd
-
eztool stopコマンド実行時に出力されるストアデータファイル名と同じ形式
eads_stop_[YYYYMMDDhhmmss]_[EADSサーバID].esd
- (凡例)
-
[YYYYMMDDhhmmss]:コマンド実行日時
YYYY:年,MM:月,DD:日,hh:時(00〜23),mm:分,ss:秒
また,eztool stopコマンド実行時に出力されるストアデータファイル名と同じ形式の場合,削除されるおそれがあるため,注意してください。詳細については,「7.6.2 ストアデータファイルの世代数の設定」を参照してください。