JP1/Automatic Job Management System 2 解説

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3.4.2 スケジュール情報の定義

ジョブネットの実行予定を計算するため,実行開始日時や,実行周期,実行予定が休日と重なったときの振り替え方法などをスケジュール情報として定義します。

<この項の構成>
(1) スケジュールルールの定義
(2) スケジュールルールの有効範囲
(3) スケジュールオプション

(1) スケジュールルールの定義

ジョブネットの実行開始日時や処理サイクル(実行周期),実行日が休日と重なった場合の振り替え方法など,実行スケジュールを計算するための細かいルールを規定したものをスケジュールルールといいます。ジョブネットの実行予定は,このスケジュールルールに従って計算されます。

スケジュールルールは,一つのジョブネットに最大で144まで設定できます。複数のスケジュールを定義した場合,定義したすべてのスケジュールルールの中で最も早い時間が定義されているスケジュールルールから順番に適用されます。また,スケジュールルールの中に同一日時が定義されたスケジュールルールがある場合は,スケジュールルールの番号順にスケジュールが適用されます。

なお,スケジュールルールを複数定義した場合の説明については,「10.1.2 実行開始日時を複数設定する」を参照してください。

また,ネストジョブネットの場合,デフォルトでは上位ジョブネットのスケジュールルールで実行スケジュールが計算されますが,ネストジョブネット独自のスケジュールルールを設定することもできます。ネストジョブネットにスケジュールルールを設定する場合は,上位のジョブネットに設定されているスケジュールルールのルール番号を指定し,そのスケジュールにネストジョブネットのスケジュールルールをリンクさせます。なお,ネストジョブネットのスケジュール定義については,「10.1.3 ジョブネットの一部のジョブにほかのジョブと異なるスケジュールを設定する」を参照してください。

スケジュールルールの設定内容について,次に説明します。

(a) 実行開始日時の設定

実行開始日時の設定の際には,基準日・基準時刻が設定されているか,されていないかや,ルートジョブネットのスケジュールが24時間制か,48時間制かなどを考慮した,さまざまな設定方法があります。なお,日付をまたぐようなスケジュールや24:00以降のスケジュールを組むような場合には,48時間制スケジュールを採用し,基準時刻を設定しない(基準時刻:0:00)方法で運用されることをお勧めします。詳細については「10.1.1(1) 48時間制スケジュールによる日またがり業務の定義」を参照してください。

●実行開始年月日の設定

ジョブネットの実行開始年月日は,次の三つを総合して決定します。

種別
種別とは,開始日の設定方法のことです。種別には,次の五つがあります。
  • 登録日
    ジョブネットを実行登録した日付を実行開始日とします。登録日を指定した場合,開始年月日を設定する必要はありません。
  • 絶対日
    暦の上での日付(月初めは1日)で設定した日付を実行開始日とします。
  • 相対日
    カレンダー定義で基準日として設定した日付から起算した日付を実行開始日とします。
  • 運用日
    カレンダー定義で基準日として設定した日付から,運用日だけを起算した日付を実行開始日とします。
  • 休業日
    カレンダー定義で基準日として設定した日付から,休業日だけを起算した日付を実行開始日とします。

開始年月
ジョブネットの開始年月です。西暦で設定します。

開始日
開始日の設定方法には,次の三つがあります。
  • 日付指定
    「何日から開始」という形で日付を指定し,開始日を設定します。
  • 月末指定
    「月の最終日から何日前」という形で月末からの日数を指定し,開始日を設定します。
  • 曜日指定
    「第何週目の何曜日」という形で曜日を指定し,開始日を設定します。

選択した種別ごとの開始日の指定方法とその考え方について,次の表に示します。

表3-7 種別ごとの開始日の指定方法

種別 開始日の指定方法 考え方
登録日
絶対日 日付指定 暦の上での日付で,「何日」という形で日付を指定する。
 
月末指定 暦の上での日付で,「月の最終日から何日前」という形で月末からの日数を指定する。
曜日指定 暦の上での月初めの日付から起算して「第何週目の何曜日」という形で曜日を指定する。
相対日 日付指定 基準日として指定した日付から起算した日付で,「何日」という形で日付を指定する。
月末指定 基準日の指定に基づいた期間を1か月とし,「月の最終日から何日前」という形で月末からの日数を指定する。
曜日指定 基準日として指定した日付から起算して「第何週目の何曜日」という形で曜日を指定する。
運用日 日付指定 基準日として指定した日付から起算して「何日目の運用日」という形で運用日の日数を指定する。
月末指定 基準日の指定に基づいた期間を1か月とし,「月の最終日から何日前の運用日」という形で月末からの運用日の日数を指定する。
休業日 日付指定 基準日として指定した日付から起算して「何日目の休業日」という形で休業日の日数を指定する。
月末指定 基準日の指定に基づいた期間を1か月とし,「月の最終日から何日前の休業日」という形で月末からの休業日の日数を指定する。

●実行開始時刻の設定

実行開始時刻には,0:00から47:59の間で分単位に時刻を設定できます。

なお,時刻設定の考え方には,相対時刻で設定する方法と絶対時刻で設定する方法の2とおりあります。相対時刻による設定と絶対時刻による設定の違いは,基準時刻を設定している場合に大きくかかわります。

絶対時刻とは,実際の時刻(システム時刻)をいいます。したがって,基準時刻設定のある,なしにかかわらず時計どおりの時刻でスケジュール設定できます。一方,相対時刻とは,基準時刻として設定している時刻を0:00として考えた時刻のことです。

相対時刻による設定と絶対時刻による設定の考え方の違いを次に示します。

図3-50 相対時刻と絶対時刻

[図データ]

この例では,基準時刻を8:00と設定しているため,相対時刻で指定する場合は,8:00を0:00として考えます。したがって,絶対時刻で12:00は相対時刻で4:00,絶対時刻で24:00は相対時刻で16:00になります。

基準時刻を設定している場合の,絶対時刻で時刻指定した場合と相対時刻で時刻指定した場合との違いを次に示します。

図3-51 絶対時刻で時刻指定した場合と相対時刻で時刻指定した場合との違い

[図データ]

相対時刻で時刻指定をすれば,指定した日付とJP1/AJS2運用上の日付が一致します。一方,絶対時刻で時刻指定をすると,基準時刻によって日付更新のタイミングが変わるため,指定した日時とJP1/AJS2運用上の日付とにずれが生じることがあります。また,指定した「種別」によっても日時の扱われ方が異なります。

基準時刻を設定している場合に絶対時刻で時刻指定を行う際の日付と時刻の扱われ方を次に示します。

図3-52 絶対時刻設定による時刻の扱われ方

[図データ]

「種別」で絶対日,相対日,登録日のうちのどれかを指定している場合,絶対時刻で0:00〜基準時刻は,前日分の扱いとなります(この例では,8/2の0:00〜7:59が8/1分扱い)。したがって,24時間制スケジュールであれば,8/2の8:00〜23:59および8/3の0:00〜7:59がJP1/AJS2運用上の8/2扱いとなります。ただし,48時間制スケジュールの場合は,8/2の8:00〜47:59が8/2扱いとなりますが,8/4の0:00〜7:59は8/3分として扱われるため,絶対時刻では48:00以降の指定ができません。一方,「種別」で運用日または休業日を指定している場合,日付は基準時刻による考え方で扱われるため,指定した日付とJP1/AJS2運用上の日付がずれることはありませんが,時刻の並びが非連続になります。

なお,このことから,特に日付をまたぐようなスケジュールや,24:00以降のスケジュールを組むような場合には,基準時刻の設定を行わないで,48時間制スケジュール(「3.4.1 ルートジョブネットの時間制とスケジュールルール」参照)を採用する方法で運用されることをお勧めします。

基準時刻を設定しない(基準時刻:0:00)で,48時間制スケジュールを採用する方法では,指定する日付とJP1/AJS2運用上の日付も一致し,時刻も時系列で連続的に扱われるため,時刻の指定をわかりやすく簡単に行えます。

図3-53 48時間制スケジュール(基準時刻:0:00)の場合の時刻の扱われ方

[図データ]

(b) 処理サイクル

処理サイクルとは,ジョブネットの実行周期のことです。処理サイクルを設定することによって,一つのジョブネットを3日置きに実行する,1週間ごとに実行するなどのように一定の周期で繰り返し実行できます。

なお,処理サイクルの設定が同じでも,実行開始日の指定方法によって実行日が異なる場合があります。実行開始日の指定方法による実行日の違いの例を次に示します。処理サイクルは,「1月毎に実行する(毎月実行する)」を設定しているものとします。

図3-54 実行開始日の指定方法による実行日の違い

[図データ]

実行例1の場合は,開始年月以降の月についても「1日」が実行日となります(休業日の振り替えなしの場合)。実行例2の場合は,各月の最初の木曜日が実行日となります。また,実行例3の場合も,各月の5番目の運用日が実行日となります。

(c) 休業日の振り替え

休業日の振り替えとは,スケジュールしたジョブネットの実行日が休業日に重なった場合にどのように処理するかを設定するものです。

振り替え方法
振り替え方法には,次の四つがあります。
  • 実行しない
    ジョブネットの実行予定日が休業日と重なった場合,振り替えは行わず実行もしません。
    実行開始日に休業日を指定している場合は指定しないでください。計画実行登録,確定実行登録をしても実行スケジュールは算出されません。
  • 前の運用日に振り替え
    実行予定日と重なった休業日よりも前の運用日で,重なった休業日に最も近い日付に振り替えて実行します。
  • 次の運用日に振り替え
    実行予定日と重なった休業日よりも先付けの運用日で,重なった休業日に最も近い日付に振り替えて実行します。
  • 振り替えなしで実行する
    実行予定日が休業日と重なっても実行日は振り替えず,JP1/AJS2 - Managerサービスが起動していればそのまま実行します。JP1/AJS2 - Managerサービスが起動していない場合,ジョブネットは「繰り越し未実行」状態になります。

猶予日数
猶予日数とは,休業日と重なったジョブネットの実行日を振り替える(ずらす)ことができる最大の日数のことです。猶予日数は,振り替え方法で「前の運用日に振り替え」または「次の運用日に振り替え」を指定した場合に設定します。
次に,振り替え方法で「次の運用日に振り替え」を指定し,猶予日数を5日とした場合の例を示します。

図3-55 休業日の振り替え例

[図データ]
振り替え方法に「次の運用日に振り替え」を指定しているため,設定した猶予日数(5日)内で最も近い先付けの運用日を探していきます。
この場合,さらに6日から9日までの4日も休業日であるため,5日目の運用日に振り替えられます。
なお,猶予日数を設定しておくと,スケジュールルールの有効範囲(「(2) スケジュールルールの有効範囲」参照)を過ぎた場合でも,指定した猶予日数内であれば振り替えられます。

(d) 起動条件

起動条件とは,指定した実行開始時刻以外でジョブネットを実行させるための条件をいいます。起動条件には,事象の発生を監視するイベントジョブが定義できます。ジョブネットに起動条件が設定されている場合,その条件を使用するか,しないかをスケジュールルールに定義しておきます。

起動条件の詳細については,「3.5 起動条件の定義」を参照してください。

(e) 起動条件の有効範囲

ジョブネットが設定されている起動条件を使用する場合は,起動条件の有効範囲をあらかじめ設定しておきます。有効範囲の設定方法には,条件成立によるジョブネットの実行回数で指定する方法,絶対時刻で指定する方法,監視開始予定時間からの相対時間で指定する方法の三つがあります。

ジョブネットを計画実行登録または確定実行登録をしたときに,ここで設定した有効範囲の定義に従って起動条件の監視を終了します。

起動条件の有効範囲の詳細については,「3.5 起動条件の定義」を参照してください。

(f) 遅延監視

遅延監視とは,ジョブネットが設定されたスケジュールに基づいて予定の時刻どおりに実行開始したか,または予定の時刻に終了したかを監視するものです。

ジョブネットの遅延監視の方法には,ジョブネットの実行開始からの経過時間を監視する終了遅延監視と,遅延の判断基準となる時刻からの遅延を監視する開始遅延監視および終了遅延監視があります。

ジョブネットの実行開始からの経過時間による終了遅延監視
ジョブネットの実行所要時間を設定し,ジョブネットの実行時間が設定した時間を超過すると遅延を検知する監視方法です。実行所要時間によるジョブネット監視については,「3.1.1(2) ジョブネット」のジョブネット監視の説明を参照してください。

遅延の判断基準となる時刻からの開始遅延監視および終了遅延監視
ジョブネットの開始遅延または終了遅延の判断基準となる時刻を設定し,設定した時刻を超過すると遅延を検知する監視方法です。
基準となる時刻の設定方法は,絶対時刻による設定(0:00〜47:59までの時刻で設定)と,ジョブネットの実行開始時刻からの相対時刻による設定(1〜2,879分の範囲で設定)の二とおりがあります。どちらかの方法で設定した時刻を超過すると遅延発生が通知(イベント発行およびJP1/AJS2 - Viewでの状態変化)されます。ただし,遅延が発生したからといってジョブネットの実行を打ち切るというものではありません。
また,遅延監視はネストジョブネットにも設定できます。ネストジョブネットの場合の設定方法には,次の四つがあります。
  • 絶対時刻で設定
  • ルートジョブネットの実行開始時刻からの相対時刻で設定
  • 上位ジョブネット(すぐ上のジョブネット)の実行開始時刻からの相対時刻で設定
  • 自ジョブネットの実行開始時刻からの相対時刻で設定

なお,遅延監視する際に,日付をまたぐようなスケジュールや24:00以降のスケジュールを設定するような場合には,48時間制スケジュールを採用し,基準時刻を設定しない(基準時刻が0:00)方法での運用をお勧めします。詳細については「(a) 実行開始日時の設定」および「10.1.1(1) 48時間制スケジュールによる日またがり業務の定義」を参照してください。

 

補足事項
  • 遅延監視の時刻設定を絶対時刻で行う際,ジョブネットが参照するカレンダー定義に基準時刻が設定されている(基準時刻:0:00以外)場合は,時刻の扱われ方に注意が必要です。
    基準時刻を設定している場合に遅延監視の時刻を絶対時刻で指定すると,指定した時刻は次のように扱われます。

    [図データ]

    日付は基準時刻の考え方でカウントされますが,時刻については図のような並びで扱われます(この例では基準時刻を8:00としています)。例えば,48時間制スケジュールを採用している場合で,8/2に実行するジョブネットの遅延監視(開始遅延監視または終了遅延監視)時刻を絶対時刻で26:00と指定すると,実際の日付(暦日による日付)で8/4の2:00が指定されたことになります。
    なお,こうした問題を避けるためにも,24:00以降のスケジュール運用を行う場合には,基準時刻を設定しない(基準時刻:0:00)で,48時間制スケジュールを採用する方法をお勧めします。
  • すでに終了状態に遷移しているジョブネット(例えば,先行ユニットが異常終了して実行されないで未実行終了となった後続のジョブネットなど)については,遅延監視されません。また,再実行によって再度ジョブネットが開始時刻待ちや先行終了待ちの状態になった場合は,遅延監視は再開されます。ただし,一度開始遅延が検出されたジョブネットについては,再実行後,開始時刻待ち,および先行終了待ちになっても開始遅延の監視は行われません。終了遅延についても同様です。
  • 従属ジョブネットに開始遅延または終了遅延の監視の設定をした場合,先行の判定ジョブが終了しないまま設定した監視時間を超過すると,従属ジョブネットが実行されないときでも遅延を検出します。終了遅延については,実行所要時間によるジョブネット監視機能を使用することで遅延検知を回避できます。

(g) 起算スケジュール

起算スケジュールとは,実行開始日時や処理サイクル,休業日の振り替えなどの設定によって算出された実行予定日を起算日とし,そこからさらに「何日前」または「何日後」という形で日数(運用日数)を設定して算出したスケジュールをいいます。

起算スケジュールの算出方法
起算スケジュールの算出方法には,次の二つがあります。
  • (実行予定日から)n日(運用日)前に実行する
  • (実行予定日から)n日(運用日)後に実行する
「n日」には,起算する日数を設定します。
「2運用日前に実行する」と指定した場合の起算スケジュールの例を次に示します。

図3-56 起算スケジュールの例

[図データ]
起算前の実行開始予定である8月8日から,2運用日さかのぼって起算するので,起算後の実行予定日は8月4日となります。

起算猶予日数
起算猶予日数とは,実行予定日から起算できる日数のことです。
起算スケジュール自体は運用日だけをカウントしますが,起算の範囲となる猶予日数は休業日も含めた日数でカウントされます。したがって,起算猶予日数の範囲内に運用日がない場合は,起算スケジュールは算出されずにその回の実行予定がスキップされます。
起算スケジュールに「2運用日前に実行する」,起算猶予日数を5日とした場合の例を次に示します。

図3-57 起算猶予日数の例

[図データ]
「2運用日前」が設定した起算猶予日数(5日)を超えてしまっているため,起算スケジュールは算出されずにこの回のジョブネット実行はスキップされます。

なお,起算スケジュールを使用したジョブネットの定義方法については,「10.1.5 算出したスケジュールを基に,実行予定日を前後にずらす(起算スケジュール)」を参照してください。

(2) スケジュールルールの有効範囲

ジョブネットに定義したスケジュールルールを期間指定で使用する場合は,使用期日を設定できます。

ジョブネットに定義したスケジュールルールの有効期日をジョブネットごとに指定できます(終了年月日を指定)。指定した有効期日に達すると,自動的に実行されないようになります。

(3) スケジュールオプション

スケジュール情報定義のオプション機能として,次の二つがあります。

それぞれの機能について説明します。

(a) 他のジョブグループのカレンダーを参照

自ジョブネットが属しているジョブグループのカレンダー定義以外で運用スケジュールを考えたいという場合,ほかのジョブグループに設定されているカレンダー定義を自ジョブネットの運用カレンダーとして参照できます。

ただし,ほかのジョブグループのカレンダー定義によって実行予定はスケジュールされても,[マンスリースケジュール]ウィンドウの表示は,自ジョブネットが属するジョブグループのカレンダー定義(休業日,運用日)で表示されます。[マンスリースケジュール]ウィンドウおよび[デイリースケジュール]ウィンドウで表示される基準日や基準時刻についても,自ジョブネットが属するジョブグループの定義内容で表示されます。

なお,カレンダー定義については,「3.3 JP1/AJS2運用上のカレンダー定義」を参照してください。

注意事項
ジョブネットを計画実行登録した場合,次の操作をすると有効なスケジュールを算出できなくなり,ジョブネットは「閉塞」状態になることがあります。そのため,次の操作はジョブネットの登録解除後にしてください。
  • ジョブネットのスケジュール定義にカレンダーの参照先として指定したジョブグループ名の変更
  • カレンダー参照先に指定したジョブグループの削除
  • カレンダー参照先に指定したジョブグループの名称の変更

(b) 排他スケジュール

同じ日に実行させたくないジョブネットの実行予定が自ジョブネットの実行予定と重なった場合,自ジョブネットを実行させないようにする機能を排他スケジュールといいます。

排他スケジュールの使用例を次に示します。

図3-58 排他スケジュールの使用例

[図データ]

上記の例の場合,日次ジョブネット(毎日実行),週次ジョブネット(週末に実行)という二つのジョブネットを実行すると,必ず週末に実行日が重なります。週次ジョブネットには日次ジョブネットの処理内容も含まれているので週次ジョブネットの実行日には日次ジョブネットを実行させないようにするため,日次ジョブネットの排他スケジュールとして週次ジョブネットを設定します。排他スケジュールを設定すると,週次ジョブネットの実行日に重なっていた日次ジョブネットの実行予定は取り消されます。

なお,排他スケジュールの設定では,次のような法則があります。

図3-59 排他スケジュール設定の法則

[図データ]

ジョブネットAにはジョブネットBが,ジョブネットBにはジョブネットCが排他スケジュールとして設定されているとします。この場合,ジョブネットAにジョブネットCが排他スケジュールとして設定されていなくても,ジョブネットBの排他スケジュールであるジョブネットCはジョブネットAの排他スケジュールとなります。

また,排他スケジュールとしてプランニンググループを指定することもできます。プランニンググループの排他スケジュールについては,「10.3.1(2) プランニンググループの排他スケジュール」を参照してください。

注意事項
ジョブネットを計画実行登録した場合,次の操作をすると有効なスケジュールを算出できなくなり,ジョブネットは「閉塞」状態になることがあります。そのため,次の操作はジョブネットの登録解除後にしてください。
  • ジョブネットのスケジュール定義に排他スケジュールとして指定したジョブネット名の変更
  • 排他スケジュールに指定したジョブネット(排他スケジュール先ジョブネット)の削除
  • 排他スケジュールに指定したジョブネット(排他スケジュール先ジョブネット)の名称の変更

補足事項
  • 排他スケジュールは,排他スケジュール先ジョブネットのスケジュール定義情報を参照して算出されます。したがって,排他スケジュール先ジョブネットが実行登録されていない場合でも,シミュレートしてスケジュールが算出されます。
  • 排他スケジュール先ジョブネットのスケジュール定義で実行開始日時の設定の種別を[登録日]にしていた場合,シミュレートされるスケジュールの開始日は排他スケジュールの指定元ジョブネット(排他スケジュール元ジョブネット)を実行登録した日になります。排他スケジュール元ジョブネットを実行登録した日を仮定したくない場合は,排他スケジュール先ジョブネットの実行開始日時の種別を[登録日]以外とし,開始日を明示的に指定してください。
  • 排他スケジュール先ジョブネットのスケジュールを計画一時変更で変更した場合,計画一時変更は有効になりますが,排他スケジュール元ジョブネットのスケジュールには影響しません。

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