JP1/Automatic Job Management System 2 解説
(英字)
- AJS2ユニット監視オブジェクト
- JP1/AJS2の業務の状態を監視するためのオブジェクトです。業務には,JP1/AJS2 - Managerのホストのルートジョブネットを指定します。このオブジェクトで監視内容を定義し,監視モードに切り替えることでオブジェクト(業務)を監視できるようになります。
- AJSPATH
- JP1/AJS2で使用するパスを定義するための環境変数です。環境変数を指定しておくと,コマンドでジョブネット名を指定するときに完全パス名の指定が不要になります。
- HITSENSER Data Mart Server
- データマート(データウェアハウスのデータから目的に合わせて必要なデータを抽出した,利用目的ごとのデータベース)の作成,変更,および運用の自動化をプログラミングなしで実現するソフトウェアです。HITSENSER Data Mart Serverで定義した運用情報をJP1/AJS2のジョブネットに登録することで,データマートをスケジュールに従って運用できます。
- hp OpenView
- ネットワークの構成,性能,および障害を管理する,ヒューレット・パッカード社の統合ネットワーク管理プログラムの総称です。
- JP1/AJS2 - Definition Assistant
- Excelのテンプレートで編集した大量のJP1/AJS2の定義情報を,マネージャーホストに登録したり,マネージャーホストに登録されているJP1/AJS2の定義情報を,Excelのテンプレートに取得したりできるプログラムです。JP1/AJS2 - Definition Assistantで提供されている,Excelのテンプレートを定義情報管理テンプレートといいます。一覧表形式の定義情報管理テンプレートでは,オートフィルやオートフィルターなどのExcelの機能を使って,効率良く定義情報の入力や編集ができます。
- JP1/AJS2 - Print Option
- JP1/AJS2のジョブネットやスケジュールの情報を,ジョブネット定義情報,実行予実績確認表,実行結果確認表などの帳票レイアウトの形式で表示したり,印刷したりするためのプログラムです。また,JP1/AJS2のジョブネットやスケジュールの情報をCSV形式で出力できます。
- JP1/AJS2 - Web Operation Assistant
- 複数のマネージャーホスト上で実行されているユニットの状態や結果を,Webブラウザー上に一覧表示するプログラムです。操作したいジョブやジョブネットをWebブラウザー上で選択して再実行などの操作をしたり,ジョブネットモニタを起動して状態や結果を確認したりできます。
- JP1/AJS2 Console Agent
- JP1/AJS2 Console Agentは,JP1/AJS2 Console Managerで指示された自ホストの監視対象(ルートジョブネット)の状態を定期的に監視するコンポーネントです。監視対象の状態に変更があれば,JP1/AJS2 Console Managerに通知します。
- JP1/AJS2 Console Manager
- JP1/AJS2 Console Managerは,JP1/AJS2 Console Viewで定義された監視対象の定義情報を保存したり,JP1/AJS2 Console Agentに指示して,監視対象の状態を取得したりするコンポーネントです。
- JP1/AJS2 Console View
- GUIで監視対象を定義するコンポーネントです。定義した情報は,JP1/AJS2 Console Managerに保存されます。また,JP1/AJS2 Console AgentからJP1/AJS2 Console Managerに通知された監視対象の状態を表示して監視します。JP1/AJS2 Console Managerにログインして使用します。
- JP1/AJS2 for Enterprise Applications
- R/3以外のシステムからR/3システムのジョブを制御するプログラムです。R/3ジョブの投入,削除,および監視ができます。
- JP1/AJS2のジョブネット定義時にJP1/AJS2 for Enterprise Applicationsのカスタムジョブをジョブネットに登録すると,JP1/AJS2からR/3ジョブを自動実行できます。
- なお,JP1/AJS2 for Enterprise Applicationsは,JP1/Application Manager for R/3を名称変更したものです。
- JP1/AJS2 for Mainframe
- JP1/AJS2と連携して,メインフレームのジョブスケジューラーが管理する大規模なジョブネットを実行するためのプログラムです。メインフレームのジョブスケジューラーが管理するジョブネットとJP1/AJS2が管理するジョブネットの定義,監視,操作方法の統一と一元管理ができます。
- JP1/AJS2 for Oracle E-Business Suite
- Oracle E-Business Suite以外のシステムからOracle E-Business Suiteにアクセスして,業務の実行を依頼する(コンカレント要求を発行する)プログラムです。
- また,JP1/AJS2のジョブネットにJP1/AJS2 for Oracle E-Business Suiteのカスタムジョブを登録すると,JP1/AJS2からコンカレント要求を発行できます。
- また,JP1/AJS2のスケジュール定義機能を利用すると,コンカレント要求の処理サイクルや実行日を指定できます。
- なお,JP1/AJS2 for Oracle E-Business Suiteは,JP1/Application Manager for Oracle E-Business Suiteを名称変更したものです。
- JP1/AJS2 for Web Service
- WebサービスシステムとJP1/AJS2システムを仲介し,JP1/AJS2でWebサービスを一連の業務として実行させるためのプログラムです。
- Webアプリケーションサーバ上のWebサービスをJP1/AJS2のジョブとして実行できます。
- JP1/AJS2 for 活文PDFstaff
- 活文PDFstaffと連携し,PDF変換を行います。作成するPDFファイルには,パスワード,印刷禁止/許可などの操作制限,ヘッダー・フッター,透かし文字などのセキュリティ情報を設定できます。
- JP1/Base
- イベントサービス機能を提供するプログラムです。サービスの起動順序を制御したり,JP1イベントを送受信したりできます。また,JP1/Baseは,JP1/IM,JP1/AJS2,およびJP1/Power Monitorの前提プログラムです。JP1/IM,およびJP1/AJS2を使ったシステムを導入する場合,JP1ユーザーの操作を制限する機能を提供します。
- JP1/Cm2
- ネットワークの構成,性能,および障害を管理するための統合ネットワーク管理プログラムの総称です。
- JP1/FTP
- 業務と連携したファイル送受信,ファイルのスケジュール伝送,ファイル受信後のプログラムの自動起動など,ファイル伝送業務を効率的に運用するためのプログラムです。また,ファイル伝送状態を監視できるため,ファイル伝送業務の信頼性を向上できます。
- JP1/IM
- 分散システムを集中的に監視するためのプログラムです。分散システム内での業務の実行状況や障害などの情報を表すJP1イベントを,JP1/IM - Viewの画面を通じて監視できます。
- JP1/NETM/DM
- ソフトウェアの配布およびクライアントの管理を,ネットワークを利用し一括して行うシステムの総称です。
- JP1/NETM/DMのコマンドインターフェースを使用してJP1/AJS2と連携すると,ソフトウェアの配布などを自動化できます。
- JP1/NQSEXEC
- 定型的なバッチ処理を分散システム上で実行し,バッチジョブを効率良く運用するためのプログラムです。
- JP1/OJE for Midrange Computer
- WindowsホストやUNIXホストからAS/400にバッチジョブを投入したり,AS/400からWindowsホストやUNIXホストにバッチジョブを投入したりするためのプログラムです。
- JP1/OJE for VOS1
- JP1/AJS2と連携して,WindowsおよびUNIXと,メインフレーム(VOS1)間のバッチジョブを実行したり監視したりするプログラムです。
- JP1/OJE for VOS3
- JP1/AJS2と連携して,WindowsおよびUNIXと,メインフレーム(VOS3)間のバッチジョブを実行したり監視したりするプログラムです。
- JP1/OJE for VOSK
- JP1/AJS2と連携して,WindowsおよびUNIXと,メインフレーム(VOSK)間のバッチジョブを実行したり監視したりするプログラムです。
- JP1/Power Monitor
- ホストを自動的に起動・終了するプログラムです。スケジュールを設定してホストを起動・終了したり,離れた場所にあるホストを起動・終了したりできます。
- JP1/Script
- Windows上でジョブを制御するスクリプト(バッチファイル)を作成して実行するためのプログラムです。JP1/AJS2と連携すると,ジョブを自動運転できます。
- JP1イベント
- システム内で何らかの事象が発生した際に,その事象の発生を通知する情報です。JP1イベントは,JP1/Baseを経由して,ほかのシステムなどに通知されます。
- JP1権限レベル
- JP1/AJS2で定義した業務やイベントなどの管理対象(資源)に対して,JP1ユーザーがどのような操作をできるかを表した名称です。JP1/Baseで定義します。
- JP1資源グループ
- JP1/AJS2の各ユニットに対するJP1ユーザーのアクセスを制御するために,ユニットに設定する名称です。
- JP1ユーザー
- JP1/AJS2またはJP1/IMを使用するときのユーザー名です。JP1ユーザーとして認証サーバに登録すると,管理対象(資源)へのアクセスが制御されます。
- MAPI(Messaging Application Programming Interface)
- Windows用の標準的なメッセージングAPIです。
- MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)
- SMTPの拡張機能で,ASCIIデータ以外のデータを送受信する場合に使います。
- メールシステム間でのデータ送受信の方法や,メールを転送するために交換する制御メッセージのフォーマットなどを定めています。
- MQSeries
- IBM社の製品で,メッセージキューを使って,同一のプラットフォームまたは異なるプラットフォーム間でメッセージをやり取りするためのプログラムです。
- MQ文字列
- TP1/Message QueueおよびMQSeriesで定義されている文字列です。
- MQ文字列には次の文字が指定できます。
- A~Z,a~z(英文字)
- 0~9(アラビア数字)
- .(ピリオド)
- /(スラント)
- _(アンダーバー)
- %(パーセント)
- MSMQ
- Microsoft Message Queue Serverの略で,Windows上でメッセージキューイング機能を実現するソフトウェアです。
- SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
- UNIXのネットワークで一般的に使われているプロトコルです。このプロトコルは,TCP/IP上で異なるシステム間でのASCIIデータの転送を実現するための規約です。
- SUP
- TP1/LiNKまたはTP1/Server Baseのクライアントとなるプログラムのことです。JP1/AJS2では,SUPを使用してメッセージキュー連携機能を実現しています。メッセージキュー連携機能を使用するときは,TP1/LiNKまたはTP1/Server BaseのSUPにJP1/AJS2のユーザーサーバを設定しておきます。
- TP1/LiNK
- オープンシステムでトランザクション処理,およびサーバの処理分散化を実現するソフトウェアです。JP1/AJS2では,これらの機能のうちトランザクション処理を使用しています。
- TP1/Message Queue
- TP1/LiNKまたはTP1/Server Baseと連携して,メッセージキューイング機能を実現するソフトウェアです。OpenTP1システムに組み込み,異なるアプリケーション同士でプログラム間通信ができます。TP1/Message Queueは一連のメッセージキューイング機能のプログラム間でメッセージ送受信が簡単にできます。また,TP1/Message Queueは,OpenTP1システムのメッセージキューマネージャーの役割を持ち,メッセージキューの管理およびメッセージの送受信をします。
- TP1/Server Base
- オープンシステムでトランザクション処理,およびサーバの処理分散化を実現するソフトウェアです。JP1/AJS2では,これらの機能のうちトランザクション処理を使用しています。
- Windows Messaging機能
- 電子メールを送受信するためのインターフェースを提供する機能です。Windows Messagingを使うと,オンラインサービスから受け取ったデータなど,さまざまな種類の情報を管理,アクセス,および共有することができます。
(ア行)
- アクションジョブ
- メールやメッセージキューを送信したり,JP1/IMやJP1/Cm2に状態を知らせるイベントを送信したりするジョブです。
- 異常終了
- ジョブネットの異常終了は,ジョブネットに定義した処理の一部が正しく実行されず,その時点でジョブネットを終了することです。障害が発生した部分からあとに定義されている処理は実行されず,ジョブネットは中断されます。
- ジョブの異常終了は,ジョブが正しく実行されず,処理を途中で中断することです。
- 組み込みDBシステムの異常終了は,組み込みDBシステムに対して何らかの障害が発生した場合に,組み込みDBシステム停止操作が実行されていないのに,稼働状態だった組み込みDBシステムが停止状態または再起動中断状態に遷移することです。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 8.7 組み込みDBの動作に関する知識」を参照してください。
- 異常終了しきい値
- ジョブが正常終了したか異常終了したかを,ジョブの終了コードで判断するための値です。
- イベント
- メールの受信や,ファイルの更新など,システム内で起こる特定の事象のことで,ジョブやジョブネットなどの実行契機となります。イベントの発生は,イベントジョブを使って監視します。
- イベントジョブ
- システム内の特定の事象の発生を監視するジョブです。イベントジョブを開始すると,ファイルの更新やメッセージの受信などを監視し始めます。
- 打ち切り時間
- ジョブを実行したとき,ジョブからの応答がなかったり終了しなかったりした場合に,ジョブを強制的に打ち切るまでの時間です。
- 運用日
- ジョブネットを実行する日です。
- エージェントホスト
- エージェントホストとは,マネージャーホストから依頼されたジョブを実行するホストです。このホストには,JP1/AJS2 - Agentをインストールします。なお,JP1/AJS2 - ManagerもJP1/AJS2 - Agentの機能を持っているため,エージェントホストにJP1/AJS2 - Managerをインストールすることもできます。
- エージェントホストは,マネージャーホストからジョブの依頼を受け,ジョブを実行します。ジョブの実行が終わると,エージェントホストは,実行ファイルの実行結果(戻り値)を受け取り,ジョブの実行結果をマネージャーホストに転送します。
(カ行)
- 確定実行登録
- スケジュール定義に基づいてあらかじめ実行日時を算出しておき,その日時に従ってジョブネットを起動し,処理を開始する場合の実行登録方法です。
- 確定スケジュール
- 確定実行登録時に決められた,絶対日時で確定しているスケジュールのことです。
- カスタムジョブ
- ある特定の機能を持つジョブを実行するように,あらかじめ定義されたジョブです。ファイル転送やメインフレームへのジョブ依頼など,標準カスタムジョブとして提供しているもののほかに,業務の中でよく使うジョブをカスタムジョブとして登録しておくこともできます。カスタムジョブとして登録する場合,専用のアイコンの形,絵,またはジョブ情報入力のためのダイアログボックスが作成できます。
- なお,カスタムジョブを使用する場合は,そのジョブに必要なプログラムをインストールしておく必要があります。
- カレンダー情報
- 業務の運用日と休業日についての情報です。ジョブグループごとに定義できます。この情報によって,ジョブグループ中のジョブネットを実行する日と実行しない日が決定します(ただし,休業日振り替え実行が定義されている場合は,休業日でもジョブネットを実行します)。
- また,運用日に合わせて,基準日と月区分,基準時刻の設定もできます。
- 環境設定パラメーター
- JP1/AJS2の運用に必要な各種情報を設定するためのパラメーターで,環境設定ファイルの中に記述します。例えば,ジョブネットワーク要素を作成するディレクトリを指定したり,syslogメッセージの出力の要否を指定したりします。
- 環境設定ファイル
- スケジューラーサービスの環境やジョブの実行環境など,JP1/AJS2の運用に必要な情報を設定するファイルです。
- 起算スケジュール
- 実行開始日時,処理サイクル,および休業日の振り替えに従って決められた次回実行予定日を起点日として扱い,新たに次回実行予定日を算出したい場合に定義するスケジュールのことです。
- 起算猶予日数
- 起算後の次回実行予定日が休業日の場合に,実行予定日を探す期間を日数で定義したもののことです。
- 基準時刻
- JP1/AJS2を運用するときの,日付の境となる時刻です。
- 例えば,基準時刻を「8時」と設定すると,7時59分までは前日扱いとなります。
- 基準日
- カレンダー情報で,月の開始日として指定した日のことです。
- 起動条件
- 特定の事象を契機としてジョブネットを実行させる場合に,どのような条件が成立したときにジョブネットを実行させるか定義したもののことです。
- キュー
- 実行登録されたジョブを一時的にためておくところです。ジョブは,登録された順番でキューに並び,そのキューに接続されているエージェントに対して順次転送され,実行されます。
- 大量のジョブが同時に実行されシステムの性能が低下しないよう,キューは,エージェントで同時に実行するジョブの数を制御します。
- キューイングジョブ
- キューへジョブを直接登録して実行依頼する形態のジョブです。
- 休業日
- ジョブネットを実行しない日です。ただし,休業日振り替え実行が定義されている場合はジョブネットを実行します。
- キューレスジョブ
- キューを使わず,マネージャーから直接エージェントへ送られて実行されるジョブです。キューでのジョブの管理を省略し処理を簡略化しているため,通常のジョブに比べて処理性能が向上し,一定の時間に,より多くのジョブを実行できます。
- ジョブネットに定義するPCジョブ,およびUNIXジョブをキューレスジョブとして定義できます。
- キューレスジョブ実行環境
- キューレスジョブ実行環境は,JP1/AJS2のマネージャー(スケジューラーサービスとキューレスファイル転送サービス)とキューレスエージェント(キューレスエージェントサービス)で構成され,キューレスジョブの実行を管理します。
- キューレスジョブを使用する場合は,ajsqlsetupコマンドでキューレスジョブ実行環境をセットアップしておく必要があります。セットアップされたキューレスジョブ実行環境は,環境設定パラメーターで設定できます。
- 強制終了
- 実行中のユニットを強制終了します。
- ルートジョブネットを強制終了した場合,実行中のジョブをすべて強制終了し,ジョブネットを中断します。
- 組み込みDB管理者(DB管理者)
- 組み込みDBで,各種権限の付与および取り消しを行う権限を持っているユーザー(DBA権限所持ユーザー)を示します。
- 組み込みDBの内部で管理されているユーザーです。
- 組み込みDBサービス
- Windows上での組み込みDB使用環境を提供するサービスです。組み込みDBを使用するには,このサービスを開始する必要があります。サービス名称は「HiRDB/EmbeddedEdition セットアップ識別子」です。
- 組み込みDBシステム管理者
- 組み込みDB運用ディレクトリおよび組み込みDBファイルシステム領域(データ領域,システム領域)の所有者であり,組み込みDBの各コマンドを実行することができるユーザーを示します。
- OS上で管理されているユーザーです。
- 組み込みDB操作コマンド
- ajsembdbで始まる名称のコマンドの総称です。
- クラスタシステム
- クラスタシステムとは,複数のサーバシステムを連携して一つのシステムとして運用するシステムで,障害が発生しても業務を継続できるようにすることを目的としています。業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるので,「系切り替えシステム」とも呼びます。
- なお,クラスタシステムという用語には,並列処理による負荷分散機能という意味もありますが,このマニュアルでは,系を切り替えて業務の中断を防ぐ機能のことだけを指します。
- 計画実行登録
- スケジュール定義に基づいてジョブネットを起動し,処理を開始する場合の実行登録方法です。
- 系切り替えシステム
- クラスタシステムを参照してください。
- 警告終了
- ジョブネットに定義した処理の一部が正しく実行されないままジョブネットを終了することです。ジョブネットは中断されず,最後まで実行されます。
- 発生した障害が,ジョブネットを中断するほど重大でない場合に,この終了方法にします。
- 警告終了しきい値
- ジョブが警告終了したかを判断するための値です。
- 件名
- メール中のSubject:に記述される文字列です。JP1/AJS2では,件名にASCII文字列以外も設定できますが,接続しているメールシステムによってはASCII文字列以外を扱えない場合もあります。
- 後続ジョブ
- あるジョブ,またはジョブネットの直後に実行するジョブのことです。
- 後続ジョブネット
- あるジョブ,またはジョブネットの直後に実行するジョブネットのことです。
(サ行)
- サーバリンクジョブ
- JP1/AJS2で定義したジョブネットをメインフレームで管理するために,JP1/AJS2 for Mainframeで定義するジョブネットです。サーバリンクジョブネットは,JP1/AJS2のルートジョブネットと関連づけられます。
- サスペンド
- ルートジョブネット,およびルートジョブネットの下位にあるユニットの実行を抑止することです。
- 実行登録中のルートジョブネットの下位にある定義を変更するときに,定義処理と実行制御処理のすれ違いなどの誤動作を防止するために,ルートジョブネットをサスペンドする必要があります。ルートジョブネットをサスペンドすることで,実行制御処理と同期を取って定義を変更できます。
- サブミット
- ジョブの実行を依頼することです。
- サブミットジョブ
- jpqjobsubコマンドを使用して登録する標準ジョブのことです。
- しきい値
- ジョブの終了状態を判断するための値です。ジョブには,異常終了しきい値と警告終了しきい値を定義できます。
- 実行ID
- 最上位ジョブネットの実行予定の一つに対して一つ割り振られる番号のことです。
- 従属ジョブ
- 判定ジョブの判定結果が真のときに実行するジョブのことです。
- 従属ジョブネット
- 判定ジョブの判定結果が真のときに実行するジョブネットのことです。
- ジョブ
- コマンド,シェルスクリプト,Windows実行ファイルなどの集まりです。
- ジョブグループ
- 複数の業務を分類して管理するためのフォルダです。
- ジョブ実行環境
- ジョブ実行環境は,JP1/AJS2のマネージャーとエージェントから構成されます。
- マネージャーのジョブ実行環境では,ジョブを登録するキューやジョブを実行するエージェントの定義情報(ジョブの実行多重度,最大ジョブ数など),ジョブの配信方法,ジョブの実行結果などを管理します。
- エージェントのジョブ実行環境では,主にジョブの実行方法を管理します。
- これらのジョブ実行環境は,ISAMデータベースと環境設定パラメーターで管理されます。
- なお,キューレスジョブの場合は,キューレスジョブ実行環境で管理します。
- ジョブ多重度
- 同時に実行できるジョブの数のことです。
- ジョブネット
- 実行順序を関連づけたジョブの集まりです。ジョブネットを実行すると,ジョブネット中のジョブが実行順序に従って自動的に実行されます。
- ジョブネットエディタウィンドウ
- ジョブネットを新規に作成したり,作成済みのジョブネットを編集したりするウィンドウのことです。
- ジョブネットコネクタ
- ルートジョブネットの実行順序を制御するためのジョブネットワーク要素です。対象のルートジョブネットと接続関係を持ち,その終了や開始を待ち合わせます。
- ジョブネットモニタウィンドウ
- ジョブネットやジョブの実行状況や実行の詳細結果を表示したり,ジョブネットやジョブを操作したりするウィンドウです。
- ジョブネットワーク要素
- ジョブネットワークを定義するための要素です。これらの要素を総称して「ユニット」とも呼びます。
- 処理サイクル
- ジョブネットの実行開始日から,次の実行開始日までの間隔のことです。処理サイクルを定義しておくと,定期的にジョブネットを実行できます。
- スケジューラーサービス
- ジョブネットを実行するスケジュールを管理し,スケジュールに従って,処理を実行します。スケジューラーサービスは,スケジューラーサービス名と同じ名称のルートジョブグループ配下のユニットを管理します。
- スケジューラーサービスは,一つのマネージャーで複数起動できます。スケジューラーサービスを複数起動すると,スケジューラーサービスごとにルートジョブグループを管理できるようになります。例えば,スケジューラーサービスを業務ごとに分けて起動すると,それぞれのスケジューラーサービスが,ほかのスケジューラーサービスの影響を受けることなく,独立して業務(ジョブネットおよびジョブ)を並行実行できます。
- スケジュールルール
- ジョブネットの実行開始日時や処理サイクルなどの情報です。一つのジョブネットに144個までスケジュールルールを定義できます。
- 正常終了
- ジョブネットの正常終了は,ジョブネットに定義した処理がすべて正しく実行されて,ジョブネットが終了することです。
- ジョブの正常終了は,ジョブが正しく実行されて終了することです。
- 先行ジョブ
- あるジョブ,またはジョブネットの直前に実行されるジョブのことです。
- 先行ジョブネット
- あるジョブ,またはジョブネットの直前に実行されるジョブネットのことです。
- 相関識別子
- ユーザーが任意の目的で使用できるメッセージ中の項目です。メッセージ識別子と同じように,メッセージを識別するために使用します。相関識別子は,送信元が設定した文字コードで格納されています。
- 相互関係
- 送受信するメッセージを識別するために使用する情報です。相互関係は,送信元が設定した文字コードで受信されます。
- 即時実行登録
- 実行登録と同時にジョブネットを起動し,処理を開始する場合の実行登録方法です。
(タ行)
- 退避ファイル
- JP1/AJS2で定義したジョブネットワーク要素を格納したファイルです。
- 退避ボックス
- 退避ファイルを格納するためのディレクトリまたはフォルダです。
- デイリースケジュールウィンドウ
- 1日ごとの実行予定,実行状況,および実行結果を表示するためのウィンドウです。
- デフォルトキュー
- ジョブを実行するために,エージェントホストと対で作成するキューです。このキューは必ず作成しておく必要があります。
- ジョブを実行する際,ジョブのサブミット先や実行先としてエージェントホスト名を指定すると,ジョブはそのエージェントホストのデフォルトキューにサブミットされます。
(ナ行)
- ネストジョブネット
- ジョブネット中に定義したジョブネットです。
(ハ行)
- 排他実行リソース
- 複数のジョブの同時実行を抑止したい場合に,おのおののジョブで同じリソース名(排他実行リソース名)を指定しておき,同時実行を抑止することです。
- 判定ジョブ
- 指定された条件を判定し,判定結果が真であれば,従属ジョブ(ジョブネット)を実行するジョブです。
- 判定値
- ジョブが正常終了したか異常終了したかを判断するための値です。
- 標準ジョブ
- 標準ジョブとは,実行ファイルや実行先ホスト名などを指定して処理を実行させるジョブのことです。標準ジョブには次の3種類があります。
- UNIXジョブ
- PCジョブ
- QUEUEジョブ
- 物理ホスト
- クラスタシステムを構成する各サーバに固有な環境のことです。物理ホストの環境は,系切り替え時にもほかのサーバに引き継がれません。
- プランニンググループ
- 複数のルートジョブネットを計画的に切り替えて実行するためのユニットです。プランニンググループの直下に異なる定義内容のルートジョブネットを複数作成し,それぞれに異なったスケジュールを定義することで,指定したスケジュールに従って自動的にジョブネットを切り替えて実行できます。
- 振り替え
- スケジュールに従って決められた次回実行予定日が休業日だった場合に,ほかの日にジョブネットを実行させることです。
- 振り替え猶予日数
- 振り替え日が休業日の場合に,振り替え日を探す期間を日数で定義したもののことです。
- 閉塞状態
- 障害の発生などによってジョブネットが開始または終了できず,実行状況や次回実行予定が確認できない状態になっていることです。この場合,実行登録を解除して,登録し直す必要があります。
- ホストリンクジョブネット
- メインフレームのジョブスケジューラーで管理されているジョブネットをJP1/AJS2で監視するために,JP1/AJS2で定義するジョブネットです。ホストリンクジョブネットは,JP1/AJS2 for Mainframeの「ネットグループ」という管理単位を介して,メインフレームのジョブネットと関連づけられます。
(マ行)
- マクロ変数
- 後続ジョブでイベント受信情報を参照するために定義する変数です。イベントジョブに情報を引き継ぐためのマクロ変数名を定義し,引き継ぐイベントのマクロ変数を後続ジョブで指定します。
- マクロ変数は「?AJS2xxxxxxxxx?:引き継ぎ情報名」の形式で指定します。
- マネージャージョブグループ
- JP1/AJS2 - Managerから,別のJP1/AJS2 - Managerの業務を監視するためのジョブグループです。
- マネージャージョブネット
- JP1/AJS2 - Managerから,別のJP1/AJS2 - Managerの業務を監視するためのジョブネットです。
- マネージャーホスト
- マネージャーホストは,ジョブネットの定義情報やスケジュール情報をデータベースで管理し,ジョブの実行をエージェントホストに依頼して実行させます。マネージャーホストには,JP1/AJS2 - Managerをインストールします。
- マネージャーホストでは,定義されたスケジュール情報を基に,ジョブネットの実行予定が作成されます。実行開始時刻になると,マネージャーホストは,ジョブとして定義された実行ファイルを起動して,ジョブ定義情報をエージェントホストに転送し,エージェントホストにジョブを実行させます。実行が終わると,エージェントホストでのジョブの実行結果を受け取り,データベースに反映します。その反映された情報を基に,後続ジョブを実行したり,次回の実行予定を作成したりします。
- マンスリースケジュールウィンドウ
- 1か月ごとの実行予定や実行結果を表示するためのウィンドウです。
- メール受信パラメーターファイル
- ユーザーが設定したメール受信監視パラメーターを記録したファイルです。拡張子は,「.prm」です。このファイルは,ユーザーがメール受信イベントジョブを定義したときに自動的に作成されます。
- メール送信パラメーターファイル
- ユーザーが設定したメール送信パラメーターを記録したファイルです。拡張子は,「.prm」です。このファイルは,ユーザーがメール送信アクションジョブを定義したときに自動的に作成されます。
- メールフィルターアプリケーション
- メールの形式を変換するためのプログラムまたはシェルスクリプトです。
- メール連携でRFC822形式以外のメールを使うには,文字コードを変換するためのメールフィルターアプリケーションが必要です。
- メッセージキュー
- アプリケーションプログラムからのメッセージを登録しておくファイルのことです。メッセージキューマネージャーによって管理されます。メッセージキューには,受信したメッセージを格納する入力キューと,ほかのシステムへ送信するメッセージを格納する出力キューがあります。また,入力キューと出力キューは同一キューを使用することもできます。
- メッセージキューイング機能
- メッセージキューマネージャーの機能で,アプリケーションプログラム間のメッセージ送受信をメッセージキューと呼ばれるキューを使用して処理することです。アプリケーションプログラムは,メッセージキューに対して送信または受信の処理をします。メッセージがメッセージキューに登録されたあとは,メッセージキューマネージャーがメッセージの処理をするためアプリケーションプログラムの負荷が軽くなります。また,相手側プログラムが受信したことを自アプリケーション側で待つ必要がないため,プログラム間の非同期処理を実行することができます。
- メッセージ識別子
- MQSeriesのメッセージ記述子という情報の中の1項目です。メッセージ識別子は,送信元が設定した文字コードで格納されています。メッセージ識別子は,メッセージを特定するためのメッセージIDなどを設定しておくところとして利用されます。
(ヤ行)
- ユーザー共通プロファイル
- JP1ユーザーが共通に使用できるように,JP1/AJS2 - Viewの環境設定情報を保存したファイルです。管理者は,ユーザー共通プロファイルをJP1/AJS2 - Managerに保存しておき,必要に応じて,JP1ユーザーがこのファイルをダウンロードすることで,JP1/AJS2 - Viewの環境をJP1ユーザー間で共通の設定にすることができます。
- 多くのJP1ユーザーに同じ環境でJP1/AJS2 - Viewを使わせたい場合に役に立ちます。
- ユニット
- ジョブネットワーク要素の総称です。
- ユニットID
- 一つのユニットに対して一つ割り振られる番号です。
- ユニット定義パラメーターファイル
- ユニット定義パラメーターを格納したテキストファイルです。コマンドでジョブネットワーク要素を定義する場合の入力情報になります。
- 予定情報ファイル
- 予定情報パラメーターを格納したテキストファイルです。コマンドでジョブネットを確定実行登録する場合の入力情報になります。
(ラ行)
- リカバリージョブ
- 先行するジョブ,またはジョブネットが異常終了したときに実行されるジョブです。
- リカバリージョブネット
- 先行するジョブ,またはジョブネットが異常終了したときに実行されるジョブネットです。
- リストファイル
- 送受信したメールの内容の抜粋をリスト形式で記録したファイルです。
- 論理ホスト
- クラスタシステムでの運用時にJP1の実行環境となる論理上のサーバのことです。障害の発生時には,論理ホスト単位で系が切り替わります。
- 論理ホストは専用のIPアドレスを持ち,系切り替え時にはそのIPアドレスを引き継いで動作します。そのため,障害で物理的なサーバが切り替わった場合も,クライアントからは同じIPアドレスでアクセスでき,一つのサーバが常に動作しているように見えます。
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