JP1/Automatic Job Management System 2 解説
ある基準となる日をカレンダーやスケジュールルールによって算出し,その日の前日や翌日に処理を実行したい場合の設定について説明します。このような設定は,起算スケジュールの機能を使って定義します。起算スケジュール機能については,「3.4.2 スケジュール情報の定義」を参照してください。
例えば,15日が給与支給日であり,その2運用日前に給与計算処理をするジョブネットを実行するというケースを考えてみます。
この場合,15日が休業日だった場合は,15日より前で最も近い運用日に給与が支給されます。そのため,給与計算処理のジョブネットはその前に完了させておく必要があります。この例の場合の実行予定日は次のようになります。
図10-9 実行予定日の例
このような運用をする場合,基準となる給与支給日自体がカレンダーの関係などで移動することがあるので,休業日の振り替えだけでは処理の実行日を正しく決定できません。例えば,15日(給与支給日)の2日前ということで13日を実行予定日とした場合,14,15日がともに休業日の月(図の4番のケース)は,給与支給日と給与計算処理の実行日が同じ日になってしまいます。
起算スケジュールを使用した場合は,カレンダーの設定などに基づいて給与支給日を算出し,その日を基準として処理の実行日を算出します。そのため,給与支給日の2運用日前という実行予定が正確に算出できます。
図に示したスケジュールを起算スケジュールを使って設定するには,スケジュールルールを次のように定義します。
- 定義内容
- 実行開始日:絶対日 15日
- 処理サイクル:1月
- 休業日の振り替え:前の運用日に振り替え
- 起算スケジュール:開始日時から2運用日前に実行する
この定義を実行登録すると,まず,実行開始日,処理サイクル,および休業日の振り替えの設定に基づいてスケジュールの起算日(給与支給日)を算出し,実際の実行予定日を起算日から2運用日前に設定します。
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