JP1/Automatic Job Management System 2 解説
1日の中で同じジョブネットを定期的に複数回実行したい場合,次の三つの方法のどれかで定義できます。
- 方法1:ジョブネットを一つ作成し,スケジュールルールを複数設定する。
- 方法2:開始時刻ごとにジョブネットを作成する。
- 方法3:実行間隔制御を起動条件として設定する。
- <この項の構成>
- (1) ジョブネットの定義方法
- (2) 三つの方法の長所と短所
(1) ジョブネットの定義方法
それぞれの方法について,朝7時から翌朝6時まで1時間おきに24回実行するジョブネットを例にして説明します。
- 方法1:スケジュールルールを複数作成する
- ジョブネットを一つ作成し,実行するジョブを定義する。
- スケジュールルールを24個作成し,それぞれの開始時刻を07:00,08:00,09:00・・・と定義する。
- ジョブネットを実行登録すると,スケジュールルールで設定した開始時刻に従って,1時間おきにジョブネットが実行されます。
- 方法2:開始時刻ごとにジョブネットを作成する
- ジョブネットを一つ作成します。
- ネストジョブネットを作成し,実行するジョブを定義します。
- 2で作成したネストジョブネットをコピーし,同じ処理内容のジョブネットを全部で24個作成する。
- 各ジョブネットの開始時刻に,07:00から06:00までの異なる時刻を設定する。
- ジョブネットを実行登録すると,開始時刻に従って各ジョブネットが実行されます。
- 方法3:実行間隔制御を起動条件として設定する
- ジョブネットを一つ作成し,実行するジョブを定義する。
- 起動条件を作成し,実行間隔制御ジョブを貼り付ける。
- 実行間隔制御ジョブの[待ち時間]に60分を設定する。
- スケジュールルールを作成し,実行開始時刻を6:00,起動条件の有効範囲を24回と設定する。
- 実行間隔制御ジョブは,実行開始時刻から時間の経過を待ち始め,指定した待ち時間が経過した時点でジョブネットの実行を開始します。そのため,最初にジョブネットを実行したい時刻から待ち時間の分だけ早い時刻を,開始時刻に指定します。
- このジョブネットを実行登録すると,実行開始時刻の6:00に起動条件の監視が始まり,60分後の7:00に起動条件が満たされジョブネットの最初の実行が開始します。その後,起動条件に従って60分ごとにジョブネットが実行されます。
(2) 三つの方法の長所と短所
それぞれの方法の長所と短所について,次に説明します。
表10-2 同じジョブネットを定期的に実行する方法の長所と短所
長所 短所 方法1
- ジョブネットの定義が簡単。
- ジョブネットの構成が単純。
- ルートジョブネットとして定義した場合は,多重起動やスケジュールスキップが設定できる。
- スケジュール定義に時間が掛かる。
- スケジュールルールを変更する場合,スケジュールルールすべてを変更しなければならない。
方法2
- どのようなジョブネットにでも適用できる。
- いま実行しているのが何回目のジョブネットなのかがジョブネットモニタで確認できる。
- ジョブの再実行,実行中止などの操作が,ジョブネットモニタでできる。
- 実行回数分のネストジョブネットを作成しなくてはならない。
- ネストジョブネットの数だけ,スケジュールを作らなくてはならない。
- スケジュールルールを変更する場合,すべてのネストジョブネットのスケジュールルールを変更しなければならない。
- 実行する処理を変更する場合に時間が掛かる。
方法3
- ジョブネットの構成が単純。
- ルートジョブネットでしか定義できない。
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