1.2.3 仮想化システムの構築・運用作業の流れと読書手順
仮想化システムの構築・運用に直接携わるユーザは,ここで説明する流れで仮想化システムの構築,運用作業を進めます。作業の流れとこのマニュアルで説明している個所について説明します。
- 〈この項の構成〉
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(1) 仮想サーバマネージャ管理者の場合
仮想化システムの構築・運用作業の流れを次の図に示します。なお,図中の作業を説明している個所については,次の表を参照してください。
仮想化システムの構築・運用作業の概要と作業を実施する条件を次の表に示します。
表1‒3 仮想化システムの構築・運用作業の概要と実施条件(仮想サーバマネージャ管理者の場合)
構築・運用作業
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概要
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作業の実施条件
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参照先
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運用環境の設計
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仮想化システムの運用環境(仮想サーバマネージャ)を構築するために,リソース管理者またはネットワーク管理者と相談して,使用する仮想化システム管理用サーバマシンや,運用環境のネットワーク構成を決定します。
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必ず実施
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3.1.1
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運用環境の構築
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仮想化システムの運用環境を構築します。
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必ず実施
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3.1.2
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JP1と連携するための環境の構築
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仮想化システムでJP1製品と連携するための環境を構築します。
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仮想化システムでJP1製品を利用した運用をする場合
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3.2
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運用環境の削除
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不要になった仮想化システムの運用環境を削除します。
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運用環境が不要になった場合
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3.3
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通常運用
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仮想サーバマネージャの起動と停止
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仮想サーバマネージャを起動または停止します。
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仮想サーバマネージャを起動または停止したい場合
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4.1.1
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仮想サーバマネージャへのシステム構築者アカウントの追加と削除
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仮想サーバマネージャへシステム構築者アカウントを追加または削除します。
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システム構築者アカウントを追加または削除したい場合
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4.1.2
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管理ユニットの一覧取得
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仮想サーバマネージャに作成された管理ユニットの一覧を取得します。
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仮想サーバマネージャで管理している管理ユニットについて知りたい場合
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4.1.3
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管理ユニットの所有者の変更
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管理ユニットの所有者をほかのシステム構築者または仮想サーバマネージャ管理者へ変更します。
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管理ユニットの所有者を変更したい場合
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4.1.4
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仮想サーバマネージャのバックアップの取得
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仮想サーバマネージャのディレクトリやユーザ資産をバックアップします。
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バックアップを取得したい場合
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4.1.5
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保守運用
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仮想化システム管理用サーバマシンへのパッチの適用
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仮想化システム管理用サーバマシンで動作しているOSや製品のパッチを適用します。
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仮想化システム管理用サーバマシンにパッチを適用したい場合
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4.2.1
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仮想サーバマネージャが出力するログの取得
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仮想サーバマネージャのログを取得する出力先,ファイル面数などを設定します。
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仮想サーバマネージャのログを取得するための設定を変更したい場合
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4.2.2
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仮想サーバマネージャの障害運用
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仮想サーバマネージャの障害要因を調査し,復旧します。
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仮想サーバマネージャで障害が発生した場合
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4.3
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仮想サーバのテンプレートの作成と初期設定
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仮想サーバのテンプレートを作成します。JP1製品と連携する場合には,JP1製品の機能を使用するための設定もします。
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運用環境のテストを実施したい場合
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5.2.1
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仮想サーバマネージャへの管理ユニットの作成
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仮想サーバマネージャに,仮想サーバを登録したり,定義ディレクトリを反映したりするための管理ユニットを作成します。
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運用環境のテストを実施したい場合
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5.2.2
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定義ディレクトリへ格納する定義ファイルの作成
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アプリケーションサーバを構築するために必要な定義ファイルを作成します。
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運用環境のテストを実施したい場合
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5.2.3
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管理ユニットへの定義ディレクトリの取り込み
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定義ファイルとアプリケーションを定義ディレクトリに配置して,管理ユニットに取り込みます。アプリケーションは,テスト用に用意します。
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運用環境のテストを実施したい場合
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5.2.4
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仮想サーバへの管理ユニットの定義ディレクトリの一括反映
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管理ユニットに属する仮想サーバにアプリケーションサーバを構築します。
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運用環境のテストを実施したい場合
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5.2.5
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通常運用
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管理ユニットの起動と停止
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管理ユニットに属する仮想サーバすべてを,一括して起動または停止します。
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運用環境のテストを実施したい場合
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6.1.1
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保守運用
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アプリケーション実行環境の削除
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不要になったアプリケーション実行環境を削除します。
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運用環境のテストが終了した場合
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6.2.5
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(2) システム構築者の場合
仮想化システムの構築・運用作業の流れを次の図に示します。なお,図中の作業を説明している個所については,次の表を参照してください。
仮想化システムの構築・運用作業の概要と実施条件を次の表に示します。
表1‒4 仮想化システムの構築・運用作業の概要と実施条件(システム構築者の場合)
構築・運用作業
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概要
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作業の実施条件
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参照先
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仮想サーバのテンプレートの作成と初期設定
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仮想サーバのテンプレートを作成します。JP1製品と連携する場合には,JP1製品の機能を使用するための設定もします。
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必ず実施
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5.2.1
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仮想サーバマネージャへの管理ユニットの作成
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仮想サーバマネージャに,仮想サーバを登録したり,定義ディレクトリを反映したりするための管理ユニットを作成します。
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必ず実施
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5.2.2
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定義ディレクトリへ格納する定義ファイルの作成
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アプリケーションサーバを構築するために必要な定義ファイルを作成します。
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必ず実施
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5.2.3
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管理ユニットへの定義ディレクトリの取り込み
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定義ファイルとアプリケーションを定義ディレクトリに配置して,管理ユニットに取り込みます。アプリケーションは,あらかじめアプリケーション開発者に作成依頼したものを使用します。
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必ず実施
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5.2.4
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仮想サーバへの管理ユニットの定義ディレクトリの一括反映
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管理ユニットに属する仮想サーバにアプリケーションサーバを構築します。
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必ず実施
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5.2.5
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JP1と連携した仮想化システムを運用するための環境設定
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連携するJP1製品ごとに次の作業を実施します。
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仮想サーバを障害監視するための設定(JP1/IMの利用)
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管理ユニットの起動・停止を自動運用するための設定(JP1/AJSの利用)
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仮想サーバの負荷を監視するための設定(JP1/PFMの利用)
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仮想化システムでJP1製品を利用した運用をする場合
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5.3
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通常運用
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管理ユニットの起動と停止
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管理ユニットに属する仮想サーバすべてを,一括して起動または停止します。
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管理ユニット内のすべての仮想サーバを起動または停止したい場合
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6.1.1
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仮想サーバグループの起動と停止
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仮想サーバグループ内の仮想サーバを起動または停止します。
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仮想サーバグループ内の仮想サーバを起動または停止したい場合
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6.1.2
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管理ユニットに関する情報の取得
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次の情報を取得します。
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管理ユニットの内容や状態について知りたい場合
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6.1.3
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保守運用
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管理ユニットのスケールアウトとスケールイン
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管理ユニットに属する仮想サーバの台数を増やしたり減らしたりします。
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アプリケーション実行環境の規模を変更したい場合
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6.2.1
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アプリケーション実行環境の更新
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アプリケーションサーバの設定内容や,アプリケーションを更新します。
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アプリケーションサーバの定義やアプリケーションを変更したい場合
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6.2.2
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仮想サーバのテンプレートの更新
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仮想サーバにOSや製品のパッチを適用します。
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仮想サーバにパッチを適用したい場合
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6.2.3
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仮想サーバのログの参照
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ハイパーバイザ管理ソフトウェアを利用して,仮想サーバのログを直接参照します。
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仮想サーバのログを参照したい場合
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6.2.4
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アプリケーション実行環境の削除
|
不要になったアプリケーション実行環境を削除します。
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アプリケーション実行環境が不要になった場合
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6.2.5
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仮想サーバの障害運用
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仮想サーバの障害要因を調査して,復旧します。
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仮想サーバで障害が発生した場合
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6.3
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