1.3 ほかのプログラムとの連携
仮想化システムは,統合システム運用管理製品であるJP1と連携して運用できます。
JP1と連携すると,ITリソースを一元管理したり,アプリケーションサーバ以外のホストやサーバプロセスを含めた業務システム全体の状況を集中監視したり,システム上のサーバの起動や停止を自動化したりできるようになります。また,集計されたパフォーマンスデータから,仮想サーバ上で動作するアプリケーションサーバの稼働状況を容易に把握できます。
JP1と連携する場合,次に示す製品を使用した機能を利用できます。
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セントラルコンソールおよびセントラルスコープによって,システム全体の稼働中の仮想サーバの事象を集中して監視できます。システムで発生した事象をJP1イベントとして集めて時系列に表示したり,業務とシステムの関連などをビジュアルに把握できるようにシステム全体を目的に合わせて表示したりできます。このため,システム構築者の必要とする視点で集中的に監視できます。また,重要な監視ポイントをマップ形式で表示できるので,大規模なシステムも必要な視点で集中監視できます。
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JP1/AJSとの連携(カスタムジョブによるシステムの自動運転)
仮想化システムの管理ユニットの起動や停止のスケジュールをカスタムジョブに定義することで,システムの運用を自動化できます。これによって,夜間バッチのためのサーバの起動や,曜日によって異なる業務の切り替え,月末に実施する月次業務の実行など,システムリソースを有効に使った自動運転ができます。
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仮想サーバ上で動作するアプリケーションサーバの同時実行スレッド数などのパフォーマンスデータを収集および集計し,その傾向や推移をグラフで表示できます。これによって,システム全体の稼働状況の分析や将来に向けて長期的なパフォーマンスの改善に役立てることができます。
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JP1/Baseとの連携(ユーザー管理)
JP1製品では,専用アカウント(JP1ユーザー)を使用します。JP1/Baseは,このJP1ユーザーを管理します。JP1資源グループへのアクセス可否や操作権限は,認証サーバ上でJP1ユーザーごとにまとめて管理・制御されます。JP1/Baseがインストールされた仮想化システム管理用サーバマシンにアクセスする権限,管理ユニットに対して操作する権限も認証サーバで一元管理できます。これによって,JP1製品と連携したシステムを構築・運用する際に,アカウントの管理に掛かるコストを削減できます。また,JP1ユーザーのアカウントは,OSのアカウントとは別に独立して管理され,各ホストに対する操作権限をJP1ユーザーごとに詳細に管理できるため,セキュリティを強化できます。
なお,JP1と連携する場合には,システム構築時に,JP1連携の設定,定義ファイルの作成,JP1との連携で使用するファイルのJP1への登録などが必要になります。