Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 仮想化システム構築・運用ガイド


5.2.4 管理ユニットへの定義ディレクトリの取り込み

5.2.3 定義ディレクトリへ格納する定義ファイルの作成」で作成した定義ファイルを定義ディレクトリに正しい構成で配置し,管理ユニットに取り込みます。

ポイント

作業を実施するユーザ:システム構築者

なお,ここで説明するJ2EEアプリケーションは,作成済みであることを前提としています。また,cosminexus.xmlを作成しているアプリケーションを前提としています。アプリケーションの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 定義ファイルとアプリケーションの配置

定義ディレクトリを仮想化システム管理用サーバマシンの任意の場所に作成します。定義ディレクトリ下にティア別定義ディレクトリを配置して,ティアごとに定義ファイルやアプリケーションを配置します。

定義ディレクトリの構成を次の図に示します。

図5‒1 定義ディレクトリの構成
<定義ディレクトリ>
  ├<ティア別定義ディレクトリ>
  ├<ティア別定義ディレクトリ>
注※

<ティア別定義ディレクトリ>のディレクトリ名が,ティアを識別するティア識別子となります。ティア識別子はシステム内で一意となるように指定してください。

ティア別定義ディレクトリの構成を次の図に示します。

図5‒2 ティア別定義ディレクトリの構成
<ティア別定義ディレクトリ>
  ├vmi
  │ ├tier.properties
  │ └tierlb.properties
  ├hook
  │ ├pre-setup.bat※1
  │ └pre-setup※1
  ├app
  │ ├<app名1>.ear
  │ :
  │ └<app名n>.ear
  └config
    └Cosminexus
       ├<app名1>
       │ └META-INF
       │   └cosminexus.xml
       :
       ├<app名n>
       │ └META-INF
       │   └cosminexus.xml
       ├CC
       │ └admin
       │   └usrconf
       │     ├usrconf.bat※1
       │     ├usrconf※1
       │     └usrconf.properties
       ├manager
       │ └config
       │   ├adminagent.properties
       │   ├cmxclient.properties
       │   ├manager.cfg
       │   ├mngsvrutilcl.properties
       │   ├mserver.properties
       │   └:
       ├DefModel.xml
       ├DBConnector_Oracle_CP_cfg.xml※2
       ├DBConnector_HiRDB_Type4_CP_cfg.xml※2
       ├DBConnector_SQLServer_CP_cfg.xml※2
       ├vmsetup.properties
       └version.properties
(凡例)

app名:アプリケーション名

注※1

ゲストOSに対応するファイルを指定します。

注※2

使用するデータベースに対応するファイルを指定します。

ティア別定義ディレクトリを構成する各ファイルの詳細を次の表に示します。各ファイルの作成方法については,「5.2.3 定義ディレクトリへ格納する定義ファイルの作成」を参照してください。

表5‒5 ティア別定義ディレクトリを構成する各ファイルの詳細

ディレクトリまたはファイル

設定の要否※1

説明

vmi

tier.properties

必須

ティア別プロパティファイルです。

tierlb.properties

任意

ティアごとの負荷分散機接続設定プロパティファイルです。

hook

pre-setup.bat

任意

フックスクリプトファイルです。Windowsの場合に指定するファイルです。

pre-setup

任意

フックスクリプトファイルです。Linuxの場合に指定するファイルです。

app

<app名>.earまたは<app名>.zip

任意

アプリケーションファイルです。アプリケーションの数分配置します。

config※2

Cosminexus

<app名>

META-INF

cosminexus.xml

任意

アプリケーション属性ファイルです。アプリケーションごとに必ず配置します。

CC

admin

usrconf

usrconf.bat

任意

サーバ管理コマンド用オプション定義ファイルです。Windowsの場合に指定するファイルです。

usrconf

任意

サーバ管理コマンド用オプション定義ファイルです。Linuxの場合に指定するファイルです。

usrconf.properties

任意

サーバ管理コマンド用システムプロパティファイルです。

manager

config

adminagent.properties

必須

運用管理エージェントプロパティファイルです。

cmxclient.properties

必須

Smart Composer機能で使用するコマンドのクライアント共通設定プロパティファイルです。

manager.cfg

必須

Manager設定ファイルです。

mngsvrutilcl.properties

必須

mngsvrutilコマンドのクライアント側共通定義ファイルです。

mserver.properties

必須

Management Server環境設定ファイルです。

DefModel.xml

必須

簡易構築定義ファイルです。

DBConnector_Oracle_CP_cfg.xml

任意

DB ConnectorのConnector属性ファイルです。使用するデータベース(Oracle,HiRDB,SQL Server)のファイルを指定します。複数指定できます。ファイル名が異なると,そのファイルは無視されます。

DBConnector_HiRDB_Type4_CP_cfg.xml

DBConnector_SQLServer_CP_cfg.xml

vmsetup.properties

必須※3

管理者を設定するファイルです。

version.properties

必須

インタフェースバージョン定義ファイルです。

注※1

設定の要否が「必須」のファイルがない場合は,定義ディレクトリの取り込み,登録済み定義ディレクトリの内容変更,または登録済み定義ディレクトリとの比較時にエラーとなります。また,ここで説明していないファイルやディレクトリを設定した場合,それらは無視されます。無視されたファイルは,警告メッセージで通知されます。

注※2

configディレクトリ以下に指定するファイルが使用する文字エンコーディングや改行コードは,仮想サーバのアプリケーションサーバで使用できる必要があります。仮想サーバにインストールしたApplication Serverから,ファイルをコピーする場合やファイルを編集する場合には,注意してください。

注※3

mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management_user_account.enabledキーにfalseを設定して,Management Serverの管理ユーザアカウントを設定しない運用をする場合は,このファイルを省略できます。

(2) 管理ユニットへの取り込み

「(1) 定義ファイルとアプリケーションの配置」で任意の場所に作成した定義ディレクトリを管理ユニットへ取り込みます。

  1. 管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。

  2. vmiunitコマンドのサブコマンド「import」を使用して,指定したパスにある定義ディレクトリを管理ユニットへ取り込みます。

    ここでは,管理ユニット「gyoumu_a」に定義ディレクトリ「<任意のディレクトリ>」を取り込む場合のコマンドの実行例を示します。

    vmiunit import -unit gyoumu_a -dir <任意のディレクトリ>