JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド

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3.4.3 JP1/IM - RLのセットアップ

JP1/IM - RLで必要なセットアップ項目を説明します。

<この項の構成>
(1) JP1ユーザーの登録
(2) ルールエレメントに関するJP1イベントの発行設定
(3) コマンドのリトライ回数およびリトライ間隔の設定
(4) ネットワークの設定
(5) ルール実行結果数のしきい値の設定
(6) JP1イベントの重大度の設定
(7) テスト実行時のJP1イベントの発行設定
(8) 障害に備えた設定

(1) JP1ユーザーの登録

JP1/IM - RL動作設定ファイルに,ルールを実行するJP1ユーザーを登録します。JP1/IM - RLの運用前に,必ず登録してください。

登録する手順を次に示します。

  1. 次に示すJP1/IM - RL動作設定ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_execrule_0800.conf
  2. 次に示す行の後ろに,JP1ユーザー名を指定する。
    "RULE_EXEC_USER"=
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_execrule_0800.conf

JP1/IM - RL動作設定ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「JP1/IM - RL動作設定ファイル(jp1rm_execrule_0800.conf)」を参照してください。

(2) ルールエレメントに関するJP1イベントの発行設定

ルールエレメントの開始や終了に関するJP1イベントは,デフォルトでは発行されません。これらのJP1イベントを発行する場合は,ルール実行時イベント発行設定ファイルの編集が必要です。

設定する手順を次に示します。

  1. 次に示すルール実行時イベント発行設定ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_element_evsend_V8.conf
  2. 次に示す各行の値を「1」に変更する。
    "EVSEND_ELEMENT_START"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_NORMALEND"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_ABNORMALEND"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_KILLED"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_UNKNOWN"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_COMMANDEXECUTION"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_JUDGMENT"=dword:16進数値
    "EVSEND_ELEMENT_ACTION"=dword:16進数値
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_element_evsend_V8.conf
  4. JP1/IM - RLを再起動するか,JP1/IM - RLのリロードコマンド(jrm_spmd_reload)を実行する。

ルール実行時イベント発行設定ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「ルール実行時イベント発行設定ファイル(jp1rm_element_evsend_V8.conf)」を参照してください。

(3) コマンドのリトライ回数およびリトライ間隔の設定

コマンド実行ルールエレメントおよび対処(コマンド)ルールエレメントでコマンドを実行する場合,実行先ホストで,JP1/Baseへの接続エラーや最大コマンド実行数(5個)を超えることがあります。このような場合,JP1/IM - RLはコマンド実行をリトライします。デフォルトでは,3,000ミリ秒の間隔でリトライし,3回リトライしても実行できない場合,異常終了になります。これらの値を変更したい場合は,コマンド制御設定ファイルを編集してください。

設定する手順を次に示します。

  1. 次に示すコマンド制御設定ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_command_exec_env_V8.conf
  2. 次に示す各行の値を変更する。
    [ホスト名\JP1RULE]
    "COMMAND_RETRY_COUNT"=dword:リトライ回数(16進数値)
    "COMMAND_RETRY_INTERVAL"=dword:リトライ間隔(16進数値)
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_command_exec_env_V8.conf
  4. JP1/IM - RLを再起動するか,JP1/IM - RLのリロードコマンド(jrm_spmd_reload)を実行する。

コマンド制御設定ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「コマンド制御設定ファイル(jp1rm_command_exec_env_V8.conf)」を参照してください。

(4) ネットワークの設定

JP1/IM - RLホストで,コマンド実行先ホストの名前解決ができるよう,hostsファイルなどに設定してください。

(5) ルール実行結果数のしきい値の設定

ルール実行結果数が一定数を超えた場合に,JP1イベントを発行したいときに設定します。ルール実行結果数が上限に達する前に,しきい値を超えた時点でJP1イベントを発行することで,ルール実行履歴をCSVファイルに出力する契機や,不要なルール実行履歴を削除する契機を検知できます。この機能で監視するルール実行結果数のカウント対象は,jrmgethistoryコマンドの-aオプションを使用した履歴出力対象のルール実行結果です。

この機能を利用してルール実行履歴をCSVファイルに出力する運用方法については,「2.5.1 ルール実行履歴のCSVファイルへの出力」を参照してください。

デフォルトではJP1イベントは発行されません。このJP1イベントを発行する場合は,ルール実行結果数しきい値設定ファイルの編集が必要です。

設定する手順を次に示します。

  1. 次に示すルール実行結果数しきい値設定ファイルを編集する。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_instance_control_V8.conf
  2. 次に示す各行の値を変更する。
    ルール実行結果数のしきい値,JP1イベントの発行有無,JP1イベントの重大度を設定します。
    [ホスト名\JP1RULE\INSTANCE_CONTROL]
    "RULE_INSTANCE_THRESHOLD"=dword:16進数値
    "RULE_INSTANCE_THRESHOLD_EVSEND"=dword:16進数値
    "RULE_INSTANCE_THRESHOLD_EVSEVERITY"="重大度"
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_instance_control_V8.conf
  4. JP1/IM - RLを再起動するか,JP1/IM - RLのリロードコマンド(jrm_spmd_reload)を実行する。

ルール実行結果数しきい値設定ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「ルール実行結果数しきい値設定ファイル(jp1rm_instance_control_V8.conf)」を参照してください。

(6) JP1イベントの重大度の設定

ルールおよびルールエレメントに関するJP1イベントの重大度を設定できます。重大度を設定できるJP1イベントについては,「11.2 JP1/IM - RLが出力するJP1イベント」を参照してください。

設定する手順を次に示します。

  1. 次に示すJP1イベント重大度設定ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_event_severity_0850.conf
  2. 次に示す各行の値を変更する。
    ルールおよびルールエレメントに関するJP1イベントの重大度を設定します。
    [ホスト名\JP1RULE\SEVERITY_CONTROL]
    "RL_EVSEVERITY_5810"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5811"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5812"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5814"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5815"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5816"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5817"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5818"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5819"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5820"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5821"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5822"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5823"="重大度"
    "RL_EVSEVERITY_5824"="重大度"
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_event_severity_0850.conf
  4. JP1/IM - RLを再起動するか,JP1/IM - RLのリロードコマンド(jrm_spmd_reload)を実行する。

JP1イベント重大度設定ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「JP1イベント重大度設定ファイル(jp1rm_event_severity_0850.conf)」を参照してください。

(7) テスト実行時のJP1イベントの発行設定

テスト実行と本番運用のJP1イベントを混在させたくないときは,テスト実行によるJP1イベントの発行を抑止できます。デフォルトでは,テスト実行時のJP1イベントが発行されるため,抑止する場合はテスト実行設定ファイルの編集が必要です。

設定する手順を次に示します。

  1. 次に示すテスト実行設定ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_testrule_0850.conf
  2. 次に示すフラグの値を「true」から「false」に変更する。
    [ホスト名\JP1RULE]
    "TESTRULE_EVENT_SEND_FLAG"="フラグ"
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_testrule_0850.conf
  4. JP1/IM - RLを再起動するか,JP1/IM - RLのリロードコマンド(jrm_spmd_reload)を実行する。

テスト実行設定ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「テスト実行設定ファイル(jp1rm_testrule_0850.conf)」を参照してください。

(8) 障害に備えた設定

JP1/IM - RLは,JP1/IM - RL自身に障害が発生した場合に備えて,トラブル解決の調査資料を採取するツールや,プロセスの異常終了時に自動で再起動する機能などを提供しています。

ここでは,JP1/IM - RLの障害に備えた設定項目について説明します。

(a) 障害発生時の資料採取の準備

JP1/IM - RLでは,トラブル発生時に資料を採取するためのツールを,バッチファイル(jrm_log.bat)として提供しています。このツールは,トラブルの解決に必要な情報を一括して採取します。jrm_log.batについては,「9. コマンド」の「jrm_log.bat」を参照してください。

JP1/IM - RLの資料採取ツールで採取できるのは,JP1/IM - RL,およびJP1/Baseのトラブルシュート資料です。採取できる資料の詳細については,「13.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」を参照してください。

なお,トラブルが発生した場合にメモリーダンプおよびクラッシュダンプが必要となることがあります。トラブル発生時にこれらのダンプを採取する場合は,あらかじめメモリーダンプおよびクラッシュダンプが出力されるように,次の設定をしてください(出力設定がされていれば,資料採取ツールでこれらのダンプも採取できます)。

メモリーダンプの出力設定

  1. コントロールパネルから[システム]をダブルクリックする。
  2. [詳細設定]ページの[起動と回復]の[設定]をクリックする。
  3. [デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリダンプ]を選択し,出力先のファイルを指定する。
    注意
    メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細は,Windowsのヘルプの「STOPエラー」の項目を参照してください。

クラッシュダンプの出力設定

  1. スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
  2. テキストボックスに「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
  3. [ワトソン博士]ダイアログボックスが開きます。
  4. 「クラッシュ ダンプ ファイルの作成」にチェックを入れ,クラッシュ ダンプテキストボックスに出力先のファイルを指定する。
  5. [OK]ボタンをクリックする。
    注意
    クラッシュダンプに出力される情報はJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保しておいてください。

(b) プロセス異常終了時の再起動の設定

JP1/IM - RLのプロセスが異常終了した場合に,再起動するかどうかを設定します。デフォルトでは再起動しません。再起動するように設定したい場合は,拡張起動プロセス定義ファイルを編集します。

設定する手順を次に示します。

  1. 次に示す拡張起動プロセス定義ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_service_0800.conf
    「再起動可否」パラメーターは「|」で区切られた4番目の値で,0(再起動しない:デフォルト)または1(再起動する)を設定します。なお,「|」で区切られた3番目までの値は変更しないでください。
  2. 定義内容を反映するために,JP1/IM - RLのリロードコマンドを実行する。
    JP1/IM - RLが稼働している場合は,次のコマンドを実行してください。
    jrm_spmd_reload
  3. ワトソン博士の設定を変更する。
    アプリケーションエラーの時に,ワトソン博士のダイアログが表示されると,プロセスの再起動ができません。そのため,ワトソン博士のダイアログが表示されないよう,次の設定をします。
    1. スタートメニューの[ファイル名を指定して実行]で「drwtsn32」を実行する。
    2. 「ワトソン博士」のダイアログで,「メッセージボックスによる通知」のチェックを外す。
    なお,ワトソン博士の設定はシステム全体で共通のため,ここでの設定がシステム全体のプログラムの設定になります。
    また,ワトソン博士の設定を有効にするため,コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行してください。
    drwtsn32 -i
    ワトソン博士が既定のアプリケーションデバッガとしてインストールされます。
  4. Microsoftへのエラー報告を抑止する。
    エラー検知時に表示されるMicrosoftへのエラー報告のダイアログが表示されると,プロセスの再起動ができないため,ダイアログが表示されないようにします。
    1. コントロールパネルから[システム]をダブルクリックする。
    2. [詳細設定]ページの[エラー報告]をクリックする。
    3. [エラー報告を無効にする]を選択し,[重大なエラーが発生した場合は通知する]のチェックが外れていることを確認する。

拡張起動プロセス定義ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「拡張起動プロセス定義ファイル(jp1rm_service_0800.conf)」を参照してください。

(c) プロセス異常検知時のJP1イベントの発行設定

次に示す事象が発生した場合,デフォルトではJP1イベントを発行しません。JP1イベントを発行したい場合は,IMパラメーター定義ファイルを編集する必要があります。

設定する手順を説明します。

  1. 次に示すIMパラメーター定義ファイルをエディターなどで開く。
    IM - RLパス\conf\jp1rm_param_V8.conf
  2. 次に示す各行の値を,「1」に変更する。
    "SEND_PROCESS_TERMINATED_ABNORMALLY_EVENT"=dword:16進数値
    "SEND_PROCESS_RESTART_EVENT"=dword:16進数値
    "SEND_PROCESS_START_EVENT"=dword:16進数値
    "SEND_PROCESS_TERMINATED_NORMALLY_EVENT"=dword:16進数値
  3. jbssetcnfコマンドを実行して,定義内容を反映する。
    jbssetcnf IM - RLパス\conf\jp1rm_param_V8.conf
  4. JP1/IM - RLを再起動する。

IMパラメーター定義ファイルの詳細については,「10. 定義ファイル」の「IMパラメーター定義ファイル(jp1rm_param_V8.conf)」を参照してください。

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