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JP1 Version 12 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


3.2.1 プロセスワークボードによる案件の管理

JP1/Service Supportでは,プロセスワークボードによって,案件を対象システムやプロセスごとに一元管理できます。

プロセスワークボードで案件を分類するためには,次の項目を定義する必要があります。

対象システム

案件を,JP1/Service Supportの管理対象となるシステムごとに分類するためのカテゴリーです。ユーザーが任意の対象システムを定義できます。

プロセス

対象システム内の案件を,管理対象となるプロセスごとに分類するためのカテゴリーです。JP1/Service Supportで提供しているプロセスを,次に示します。

  • インシデント管理

  • 問題管理

  • 変更管理

  • リリース管理

また,上記のプロセスの表示名を,ユーザーが任意の名称に定義できます。これをプロセス表示名と呼びます。

対象システムおよびプロセスを定義した上で,プロセス下にプロセスワークボードを作成します。プロセス下に作成したプロセスワークボードに案件を登録することで,案件を対象システムおよびプロセスごとに管理できます。

案件がプロセスワークボードによって分類および管理される概念を,次の図に示します。

図3‒2 プロセスワークボードによる案件の管理

[図データ]

作成されたプロセスワークボードは,メイン画面(案件一覧)のプロセスワークボード一覧に表示されます。プロセスワークボード一覧では,プロセスワークボードに設定された対象システムおよびプロセス(プロセス表示名)がツリーで表示されます。

対象システムやプロセスワークボードで設定する各項目,およびプロセス表示名の設定について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 対象システムの設定

対象システムは[対象システム管理]画面で定義します。[対象システム管理]画面を次の図に示します。

図3‒3 [対象システム管理]画面

[図データ]

対象システムの設定項目および定義機能を説明します。

(a) 対象システムの設定項目

対象システムには次の項目を設定します。

表3‒2 対象システムの設定項目

設定項目

説明

システムID

対象システムを識別するID。JP1/Service Support内で一意の対象システムIDを設定する。

システム名

対象システムを識別する名称。JP1/Service Support内で一意の対象システム名を設定する。

コメント

対象システムに対するコメント。

(b) 対象システムの定義機能

対象システムを定義するためにJP1/Service Supportが提供している機能を次に示します。次に示す機能を使えるのは,プロセスワークボード管理ロールに所属するユーザーだけです。プロセスワークボード管理ロールについては,「3.17.2 ロール管理」を参照してください。

対象システムの作成

対象システムを[対象システム作成]画面で作成します。

対象システムの編集

対象システムの設定項目を[対象システム編集]画面で編集します。なお,削除待ちの対象システムは編集できません。編集したい場合は,削除待ちの対象システムの削除取り消しをする必要があります。

対象システムの削除

不要な対象システムを削除します。対象システムを削除する場合,その配下のプロセスワークボードの状態を運用中以外にしておく必要があります。

対象システムを[対象システム管理]画面で削除すると,[対象システム管理]画面およびメイン画面(案件一覧)のプロセスワークボード一覧で「(削除待ち)対象システム名」と表示され,編集できなくなります。また,対象システムを削除すると,プロセスワークボード管理ロールに所属しないユーザーは,削除した対象システム下のプロセスワークボードおよび案件もすべて参照できなくなります。

なお,[対象システム管理]画面で削除した対象システムは,案件管理DBには残っているため,復元できます。復元については,次の「対象システムの削除取り消し」を参照してください。

案件管理DBからも対象システムを削除する場合,jssdelrecコマンドを実行します。jssdelrecコマンドの詳細については,「12. コマンド」の「jssdelrec(案件管理DBデータ削除)」を参照してください。

また,案件保存DBを使用している場合,jssdelrecコマンドを実行してシステムを削除すると,案件管理DBに登録されている管理案件だけでなく,案件保存DBに保存されている保存案件も参照できなくなります。

対象システムの削除取り消し

[対象システム管理]画面で,削除待ち状態の対象システムを,削除待ちとなる前の状態に復元します。なお,登録されていたプロセスワークボードも,削除待ちとなる前の状態に戻ります。

(2) プロセスの設定

JP1/Service Supportで提供しているプロセスのプロセス表示名をカスタマイズできます。カスタマイズしたプロセス表示名は,すべてのシステムに適用されます。このため,次に示す画面やファイルに出力されるプロセス名のすべてが,プロセス表示名となります。

プロセス表示名が反映される画面および機能の一覧を,次の表に示します。

表3‒3 プロセス表示名が反映される画面および機能一覧

項番

分類

説明

1

画面

メイン画面(案件一覧)

  • プロセスワークボード一覧

  • 案件一覧

  • 案件プレビュー

2

メイン画面(案件状況)

  • 状況確認

  • 対象案件一覧

3

[プロセスワークボード参照]画面

4

[プロセスワークボード作成]画面

5

[プロセスワークボード編集]画面

6

[案件参照]画面

7

[案件作成]画面

8

[案件編集]画面

9

[関連案件状態]画面

10

[案件共通項目検索条件指定]画面

11

[案件検索条件指定]画面

12

[案件検索結果一覧]画面

13

[履歴の表示]画面

14

[進捗表示]画面

15

[集計データのファイル出力]画面

16

[ステータス管理]画面

17

[エスカレーション先指定]画面

18

[登録先プロセスワークボード選択]画面

19

[アクセス権編集]画面

20

案件印刷画面

21

メール通知

通知されるメールのタイトルおよび本文

22

入力/出力ファイル

[案件検索結果一覧]画面から出力した案件の詳細情報(CSVファイル)

23

[集計データのファイル出力]画面から出力した案件データおよびコードデータ(CSVファイル)

24

jssitemimportExコマンド実行時の入力ファイル(案件情報拡張入力ファイル)

25

jssitemexportExコマンドを実行して出力される案件情報のCSVファイル

26

jssitemlistコマンドを実行して出力される案件詳細情報ファイル(CSVファイル)

27

jssitemhistoryコマンドを実行して出力される案件履歴情報ファイル(CSVファイル)

28

案件の集計

案件の集計データ(案件データCSVファイル,コードデータCSVファイル)のデータ部

29

レポート作成マクロで作成したレポート

プロセスで設定できる項目および定義機能について説明します。

(a) プロセスの設定項目

プロセス表示名は,[プロセス表示名編集]画面で定義します。[プロセス表示名編集]画面は,メイン画面(案件一覧)のメニューから[オプション]−[プロセス表示名編集]を選択すると表示されます。[プロセス表示名編集]画面を次の図に示します。

図3‒4 [プロセス表示名編集]画面

[図データ]

プロセスには,次の項目を設定できます。

表3‒4 プロセスの設定項目

設定項目

説明

プロセス

次に示すプロセスのプロセス表示名を設定する。

  • インシデント管理

  • 問題管理

  • 変更管理

  • リリース管理

(b) プロセスの定義機能

プロセスを定義するために,JP1/Service Supportが提供している機能を次に示します。この機能は,プロセスワークボード管理ロールに所属するユーザーが使用できます。プロセスワークボード管理ロールについては,「3.17.2 ロール管理」を参照してください。

プロセス表示名の変更

[プロセス表示名編集]画面で,プロセス表示名を変更できます。

(3) プロセスワークボードの設定

プロセスワークボードは,メイン画面(案件一覧)のメニューで定義します。プロセスワークボードの作成は[新規作成],プロセスワークボードの参照,編集,削除および削除の取り消しは[アクション]から行います。

メイン画面(案件一覧)でのプロセスワークボードを定義する機能について,次の図に示します。

図3‒5 メイン画面(案件一覧)のプロセスワークボードの定義機能

[図データ]

プロセスワークボードの設定項目,定義機能およびプロセスワークボードの状態と実行できる操作を説明します。

(a) プロセスワークボードの設定項目

プロセスワークボードについては,[プロセスワークボード作成]画面,および[プロセスワークボード編集]画面で設定します。これら二つの画面は,設定する項目によって次の三つのタブに分けられています。例として,[プロセスワークボード作成]画面のそれぞれのタブを次の図に示します。

図3‒6 [プロセスワークボード作成]画面

[図データ]

  • [基本設定]タブ

    プロセスワークボードについての基本的な項目を設定します。

  • [案件自動入力設定]タブ

    「案件の発生日時」や「案件の開始日時」など,案件登録時に自動入力できる項目について設定します。なお,案件の自動入力設定は,案件自動入力プロパティファイルでも設定できます。プロセスワークボードごとに設定したい場合は[プロセスワークボード作成]画面,または[プロセスワークボード編集]画面で設定してください。また,[案件自動入力設定]タブの設定についても,案件自動入力プロパティファイルで設定できます。ただし,画面から設定した場合,[案件自動入力設定]タブの表示は案件自動入力プロパティファイルで設定した値と異なります。案件自動入力プロパティファイルの詳細については,「13. 定義ファイル」の「案件自動入力プロパティファイル(hptl_jp1_imss_pwb_default_setting.properties)」を参照してください。

  • [しきい値設定]タブ

    メイン画面(案件状況)での案件の状況確認で使用するしきい値を設定します。

設定する項目について,それぞれのタブごとに次の表に示します。

表3‒5 プロセスワークボードの設定項目([基本設定]タブ)

設定項目

説明

プロセスワークボードID

プロセスワークボードを識別するID。JP1/Service Support内で一意のプロセスワークボードIDを設定する。

システム

プロセスワークボードを登録する対象システム。作成済みの対象システムから選択する。

プロセス

プロセスワークボードを登録するプロセス。プルダウンメニューから選択する。

プルダウンメニューには,プロセス表示名が表示される。プロセス表示名については,「(2) プロセスの設定」を参照のこと。

案件フォーム

プロセスワークボードで使用する案件フォーム。プロセスの標準案件フォームを使用する場合は,[プロセスの標準案件フォームを使用する]チェックボックスにチェックする。使用する案件フォームを選択する場合は,プルダウンメニューから使用する案件フォームを選択する。案件フォームの詳細については,「3.14 案件フォームの管理」を参照のこと。

状態

プロセスワークボードの運用状態。次に示す運用状態から選択する。

  • 準備中

    プロセスワークボードを運用するための準備をしている状態。準備中からは,運用中または削除待ちにしか状態を変更できない。

  • 運用中

    プロセスワークボードが運用できる状態。運用中からは停止中にしか状態を変更できない。

  • 停止中

    プロセスワークボードがメンテナンス中か,停止している状態。停止中からは,削除待ちまたは運用中にしか状態を変更できない。

  • 削除待ち

    プロセスワークボードがメイン画面(案件一覧)で削除された状態。削除待ちからは停止中にしか状態を変更できない。

プロセスワークボード管理者

プロセスワークボードを管理するユーザーまたはロール。プロセスワークボード管理者には,次の権限が設定される。

  • プロセスワークボードの編集権限

  • プロセスワークボードに所属する案件に対するすべてのアクセス権

期限前メール通知設定

案件の作業期限が近づいていることを,担当者やプロセスワークボード管理者にメールで通知するかどうかを設定する項目。メール通知の詳細については,「3.12 メールによる通知」を参照のこと。

JP1イベント発行設定

案件のクローズ時やステータス変更時に,JP1/Service SupportからJP1イベントを発行させるかどうかを設定するチェックボックス。JP1イベント発行の詳細については,「4.1 JP1/IM - Managerとの連携」を参照のこと。

メールから登録された案件の担当者

メールから登録された案件の担当者となるユーザーまたはロール。メールによる案件の登録については,「3.5.3 メールによる案件の作成」を参照のこと。

案件ごとの参照権限の設定

案件ごとに参照権限を設定するかどうかを設定するチェックボックス。案件ごとの参照権限の設定については,「3.11 案件に対するアクセス権の管理」を参照のこと。

案件の引き戻し機能の設定

案件の引き戻し機能を使用するかどうかを設定するチェックボックス。案件の引き戻しについては,「3.6.3 案件の引き戻し」を参照のこと。

コメント

プロセスワークボードに対するコメント。

表3‒6 プロセスワークボードの設定項目([案件自動入力設定]タブ)

設定項目

説明

案件自動入力プロパティファイルの設定値を使用する

案件自動入力プロパティファイルの設定値を使用するかどうかを設定するチェックボックス。チェックすると,案件自動入力プロパティファイルの設定値を使用して,案件の自動入力を設定する。

案件の発生日時

案件の発生日時を自動入力させるかどうかを設定するラジオボタン。[設定する]を選択すると,[案件作成]画面を表示させた日時が自動的に入力される。また,案件登録コマンドまたはメールによる案件登録コマンドで案件を作成した場合は,コマンドの実行日時が自動的に入力される。

案件の開始日時

案件の開始日時を自動入力させるかどうかを設定するラジオボタン。[設定する]を選択すると,[案件作成]画面を表示させた日時が自動的に入力される。また,案件登録コマンドまたはメールによる案件登録コマンドで案件を作成した場合は,コマンドの実行日時が自動的に入力される。

案件の優先度

案件の優先度を自動入力させるかどうかを設定するラジオボタン,および優先度の自動入力の基となる影響度および重大度の組み合わせを設定するプルダウンメニュー。

ラジオボタンで[設定する]を選択すると,案件作成時に入力された影響度および重大度によって,優先度が自動入力される。案件登録コマンドまたはメールによる案件登録コマンドで案件を作成した場合も同様に,優先度が自動入力される。

優先度の自動入力の基となる影響度および重大度の組み合わせについては,ユーザーの運用に合わせてプルダウンメニューで設定することもできる。

案件の作業期限

案件の作業期限を自動入力させるかどうかを設定するラジオボタン。

ラジオボタンで[設定する]を選択すると,テキストボックスに入力された時間数が,[案件作成]画面を表示させた時刻に加算されて自動入力される。

なお,[案件編集]画面で案件の優先度を変更した場合,作業期限が自動入力される。作業期限の算出方法には,次のどちらかを選択できる。

  • テキストボックスに入力された時間数が,[案件編集]画面を表示させた時刻に加算される。

  • テキストボックスに入力された時間数が,案件の登録日時に加算される。

作業期限の算出方法の設定については,「13. 定義ファイル」の「案件自動入力プロパティファイル(hptl_jp1_imss_pwb_default_setting.properties)」を参照のこと。

案件登録コマンドまたはメールによる案件登録コマンドで案件を作成した場合も,作業期限が自動入力される。また,案件編集コマンドで案件の優先度が変更された場合も,作業期限が自動更新される。

案件登録コマンドまたはメールによる案件登録コマンドで案件を作成した場合,案件編集コマンドで案件の優先度が変更された場合,作業期限は,テキストボックスに入力された時間数が,案件の登録日時に加算される。

なお,テキストボックスが空欄の場合は,作業期限が自動入力されない。

表3‒7 プロセスワークボードの設定項目([しきい値設定]タブ)

設定項目

説明

案件集計プロパティファイルの設定値を使用する

案件集計プロパティファイルの設定値を使用するかどうかを設定するチェックボックス。チェックすると,案件集計プロパティファイルの設定値を使用して,しきい値を設定する。

長期化とする未解決時間

長期化案件と見なすための時間数のしきい値を設定するテキストボックス。案件の登録日時からこのテキストボックスで設定した時間が超過すると,長期化案件と見なされる。長期化した案件の数はメイン画面(案件状況)の「長期化」に表示される。

未処理案件のしきい値

メイン画面(案件状況)の状況確認で,「未処理」を警告表示する件数のしきい値を設定するテキストボックス。未処理案件の件数がこのテキストボックスで設定した件数を超えると,メイン画面(案件状況)で該当するプロセスワークボードの「未処理」部分が警告表示される。

未完了案件のしきい値

メイン画面(案件状況)の状況確認で,「未完了」を警告表示する件数のしきい値を設定するテキストボックス。未処理案件の件数がこのテキストボックスで設定した件数を超えると,メイン画面(案件状況)で該当するプロセスワークボードの「未完了」部分が警告表示される。

審議中案件のしきい値

メイン画面(案件状況)の状況確認で,「審議中」を警告表示する件数のしきい値を設定するテキストボックス。未処理案件の件数がこのテキストボックスで設定した件数を超えると,メイン画面(案件状況)で該当するプロセスワークボードの「審議中」部分が警告表示される。

長期化案件のしきい値

メイン画面(案件状況)の状況確認で,「長期化」を警告表示する件数のしきい値を設定するテキストボックス。未処理案件の件数がこのテキストボックスで設定した件数を超えると,メイン画面(案件状況)で該当するプロセスワークボードの「長期化」部分が警告表示される。

最優先案件のしきい値

メイン画面(案件状況)の状況確認で,「最優先」を警告表示する件数のしきい値を設定するテキストボックス。未処理案件の件数がこのテキストボックスで設定した件数を超えると,メイン画面(案件状況)で該当するプロセスワークボードの「最優先」部分が警告表示される。

当日期限案件のしきい値

メイン画面(案件状況)の状況確認で,「当日期限」を警告表示する件数のしきい値を設定するテキストボックス。未処理案件の件数がこのテキストボックスで設定した件数を超えると,メイン画面(案件状況)で該当するプロセスワークボードの「当日期限」部分が警告表示される。

案件が未処理案件,未完了案件などに分類される基準については,「3.16.2(1) 状況確認」を参照してください。

(b) プロセスワークボードの定義機能

プロセスワークボードを定義するために,JP1/Service Supportが提供している機能を次に示します。

プロセスワークボードの参照

[プロセスワークボード参照]画面で,プロセスワークボードの設定項目を確認できます。

プロセスワークボードの作成

プロセスワークボードを作成します。プロセスワークボードの作成は[プロセスワークボード作成]画面で行います。

プロセスワークボードの編集

プロセスワークボードの設定項目を編集します。プロセスワークボードの編集は[プロセスワークボード編集]画面で行います。なお,削除待ちのプロセスワークボードは編集できません。編集する場合は,削除待ちのプロセスワークボードの削除取り消しをする必要があります。

プロセスワークボードおよび案件のアクセス権設定

プロセスワークボードで行う操作を,ユーザーまたはロール単位で限定するためにアクセス権を設定できます。アクセス権設定の詳細については,「3.11 案件に対するアクセス権の管理」を参照してください。

プロセスワークボードの削除

不要なプロセスワークボードを削除します。プロセスワークボードを削除する場合,状態が準備中または停止中であることが必要です。

プロセスワークボードをメイン画面(案件一覧)で削除すると,プロセスワークボード一覧で「(削除待ち)プロセスワークボード名」と表示されます。削除待ちと表示されたプロセスワークボードは,プロセスワークボードの編集やプロセスワークボードのアクセス権の編集などの操作ができなくなります。また,プロセスワークボード管理ロールに所属しないユーザーは,削除したプロセスワークボード下の案件も参照できなくなります。案件保存DBを使用している場合,削除したプロセスワークボード下の保存案件も参照できなくなります。

なお,メイン画面(案件一覧)で削除したプロセスワークボードは,案件管理DBには残っているため,復元できます。復元については,次の「プロセスワークボードの削除取り消し」を参照してください。

案件管理DBからもプロセスワークボードを削除する場合,jssdelrecコマンドを実行します。jssdelrecコマンドの詳細については,「12. コマンド」の「jssdelrec(案件管理DBデータ削除)」を参照してください。

プロセスワークボードの削除取り消し

削除待ち状態のプロセスワークボードを,削除待ちとなる前の状態に復元します。これにより,同じように削除待ち状態だったプロセスワークボードの案件も参照できるようになります。ただし,プロセスワークボードを削除する前からすでに削除待ち状態だった案件は,削除待ち状態のまま復元されます。そのため,案件は参照できません。プロセスワークボードの削除取り消しはメイン画面(案件一覧)で行います。

(c) プロセスワークボードの状態と実行できる操作

プロセスワークボードの状態および操作するユーザーの権限によって,プロセスワークボードに対して実行できる操作が異なります。権限および状態によって実行できる操作の違いを表3-8表3-10に示します。

表3‒8 プロセスワークボードの状態と操作の対応(プロセスワークボード管理ロールに所属するユーザーの場合)

操作

状態

準備中

運用中

停止中

削除待ち

プロセスワークボードの参照

プロセスワークボードの編集

×

プロセスワークボードおよび案件のアクセス権設定

×

プロセスワークボードの削除

×

×

プロセスワークボードの削除取り消し

×

×

×

案件の参照

案件の作成

×

×

×

登録済みの案件を流用して案件を作成※1

案件の編集※2

×

×

案件のエスカレーション

×

×

案件の削除

×

×

案件の印刷

(凡例)

○:操作できる

×:操作できない

−:案件がないため操作の対象外

注※1

流用元のプロセスワークボードの状態を示します。案件の流用先のプロセスワークボードの状態については,「案件の作成」を参照してください。

注※2

案件を引き戻したり差し戻したりする場合,案件のステータスの遷移状態や編集状態によって操作できる権限が異なります。案件の引き戻しについては「3.6.3 案件の引き戻し」を,案件の差し戻しについては「3.6.4 案件の差し戻し」を参照してください。

表3‒9 プロセスワークボードの状態と操作の対応(プロセスワークボード管理ロールに所属していない,プロセスワークボード管理者のユーザーまたはロールの場合)

操作

状態

準備中

運用中

停止中

削除待ち

プロセスワークボードの参照

プロセスワークボードが表示されないため操作できない

プロセスワークボードの編集

プロセスワークボードおよび案件のアクセス権設定

プロセスワークボードの削除

×

×

×

プロセスワークボードの削除取り消し

×

×

×

案件の参照

案件の作成

×

×

登録済みの案件を流用して案件を作成※1

案件の編集※2

×

案件のエスカレーション※3

×

案件の削除

×

案件の印刷

(凡例)

○:操作できる

×:操作できない

−:案件がないため操作の対象外

注※1

流用元のプロセスワークボードの状態を示します。案件の流用先のプロセスワークボードの状態については,「案件の作成」を参照してください。

注※2

案件を引き戻したり差し戻したりする場合,案件のステータスの遷移状態や編集状態によって操作できる権限が異なります。案件の引き戻しおよび案件の差し戻しについては,「3.6.3 案件の引き戻し」または「3.6.4 案件の差し戻し」を参照してください。

注※3

案件のエスカレーションには,エスカレーション先のプロセスワークボードでエスカレーション権限が必要です。

表3‒10 プロセスワークボードの状態と操作の対応(プロセスワークボード管理者以外で,かつプロセスワークボード管理ロールにも所属していない,案件の参照権限を持つユーザーまたはロールの場合)

操作

状態

準備中

運用中

停止中

削除待ち

プロセスワークボードの参照

プロセスワークボードが表示されないため操作できない

プロセスワークボードが表示されないため操作できない

プロセスワークボードの編集

×

×

プロセスワークボードおよび案件のアクセス権設定

×

×

プロセスワークボードの削除

×

×

プロセスワークボードの削除取り消し

×

×

案件の参照※1

案件の作成

×

×

登録済みの案件を流用して案件を作成※2

案件の編集※3

×

×

案件のエスカレーション※4

×

案件の削除

×

×

案件の印刷

(凡例)

○:操作できる

×:操作できない

注※1

案件ごとに参照権限を設定している場合は,案件に対して対象となるユーザーまたはロールを,案件の参照権限所有者として設定する必要があります。なお,このマニュアルでは「案件ごとの参照権限所有者」を表示名としています。

注※2

流用元のプロセスワークボードの状態を示します。案件の流用先のプロセスワークボードの状態については,「案件の作成」を参照してください。

注※3

案件を引き戻したり差し戻したりする場合,案件のステータスの遷移状態や編集状態によって操作できる権限が異なります。案件の引き戻しおよび案件の差し戻しについては,「3.6.3 案件の引き戻し」または「3.6.4 案件の差し戻し」を参照してください。

注※4

案件のエスカレーションには,エスカレーション先のプロセスワークボードでエスカレーション権限が必要です。