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JP1 Version 12 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


3.11 案件に対するアクセス権の管理

JP1/Service Supportには,案件に対するアクセス権を設定する機能があります。アクセス権は,プロセスワークボードごとに設定できます。それぞれのプロセスに合ったアクセス権を設定し,適切なユーザーだけが案件を操作できるため,管理体制を強化できます。なお,アクセス権は,[アクセス権編集]画面またはjssaclimport(アクセス権情報インポート)コマンドで設定できます。

アクセス権は次の図のように設定します。

図3‒35 アクセス権の管理

[図データ]

アクセス権は,案件の作成や案件の編集など,案件の操作に対して設定します。また,案件の編集権限には,受付やクローズなどのステータスごとにさらに細かくアクセス権を設定できます。アクセス権は,プロセスワークボードごとに設定します。案件ごとに異なるアクセス権は設定できません。ただし,プロセスワークボードに対して案件ごとに参照権限を設定することで,案件ごとに参照権限所有者を設定できます。

なお,案件保存DBを使用している場合,対象のプロセスワークボードに対して案件の参照権限以外のアクセス権限が設定されていても,保存案件に対してできる操作は参照だけです。

案件ごとの参照権限の設定

案件ごとの参照権限は,プロセスワークボードに対して設定します。案件ごとの参照権限が設定されたプロセスワークボードに登録された案件は,案件ごとに参照権限を設定できます。案件ごとの参照権限を使用した運用例については,「1.3.5 案件ごとの参照権限の制御」を参照してください。

ヒント

案件ごとの参照権限は,基本的にロールで設定します。案件の参照権限を所有するロールを設計し,そのロールを案件ごとの参照権限の所有者として設定します。案件ごとに参照権限を設定する場合のアクセス権の設計については,「5.2.3(5) 運用例(案件ごとに参照権限を設定する場合の運用例)」を参照してください。

なお,案件ごとに参照権限を設定していても,プロセスワークボードに登録されたすべての案件を参照させたいユーザーがいる場合は,そのユーザーを作業管理ロール(システム管理ロール)に所属させてください。次に示すユーザーは,案件の参照権限所有者として設定しなくても,案件を参照できます。

また,案件保存DBを使用している場合,案件保存DBに案件を保存したあとに対象のプロセスワークボードに案件ごとの参照権限を設定すると,案件保存DBの対象のプロセスワークボードの案件は上記のユーザーだけが参照できます。保存案件をほかのユーザーが参照できるようにするには,該当する案件を新規案件として再度登録する必要があります。登録する際,案件の参照権限所有者を設定してください。詳細については,「9.13 案件ごとに参照権限を設定するための環境設定」を参照してください。また,該当する案件を流用して案件を作成できます。詳細については,「3.5.2 登録済みの案件を流用して案件を作成」を参照してください。

〈この節の構成〉