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JP1 Version 12 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


1.3.5 案件ごとの参照権限の制御

大規模環境では,システム数が多く,また各システム間で関連する案件が多いことから,システム間で共通となるシステムを設定する場合があります。このような,システム間で共通となるシステムを基盤システムと呼びます。基盤システムを設定している場合,JP1/Service Supportのユーザー(担当者)は,各システムで共通のインシデントに対して,基盤システムにエスカレーションします。JP1/Service Supportでは,プロセスワークボードにアクセス権を設定するため,基盤システムにエスカレーションした案件を,基盤システムのアクセス権を持つすべてのユーザーが参照できます。この場合,エスカレーションした案件に関係のないユーザーも参照できます。案件ごとに参照権限を設定することで,エスカレーションした案件を,関係のないユーザーに参照させないようにすることができます。

案件ごとに参照権限を設定した運用例を,次の図に示します。

図1‒14 案件ごとに参照権限を設定した運用例

[図データ]

この運用例では,受注管理システム,発注管理システム,出荷管理システム,および基盤システムが設定されています。各システムの担当者(UserA,UserB,UserC)には,担当システムおよび基盤システムのプロセスワークボードの参照権限が設定されています。案件ごとに参照権限を設定した場合,案件A1に対してUserAだけに参照権限を設定すること(案件の参照権限所有者)によって,案件A1の案件状況の参照を制限できます。

案件ごとの参照権限の設定については,「3.11 案件に対するアクセス権の管理」を参照してください。