3.2.5 監視対象となるWebトランザクションを設定する
ここでは,監視対象となるWebトランザクションを設定する方法を説明します。Webトランザクションには次の3項目を指定します。
Webアクセス条件(パス,クエリ,およびCookieの条件)
Webアクセス条件の順序
セッション条件
Webアクセス条件は,ユーザーが監視対象サービスにアクセスしたときに発生するWebアクセスに含まれるURIとCookieが,Webトランザクションとして監視する処理に該当するかどうかを判定する条件です。監視対象サービスに含まれるすべてのWebアクセスのうちWebアクセス条件に該当するWebアクセスがWebトランザクションとして監視されます。また,セッション条件は,Webアクセスが同一ユーザーからのものかどうかを識別するための条件です。
サービスグループ管理者は,Webアクセス条件を設定するとき,監視対象サービスからURIとCookieを検出して設定したり,直接URIとCookieを入力して設定したりできます。
なお,負荷分散装置やルータなどの機器を経由したシステム構成で,IPアドレスが変換される設定になっている場合は,URIを監視対象サービスから検出するときの接続元IPに変換されたIPアドレスを指定する必要があります。
1つの監視対象サービスに登録できるWebトランザクションは10個までです。また,1つのJP1/SLM - Managerに登録できるWebトランザクションの最大数はAll Web AccessとWebトランザクション数を合わせて50個までです。
(1) 作業の前に
サービスグループ管理者の権限があることを確認してください。
監視対象サービスが登録されていることを確認してください。
監視対象サービスの登録方法については,「3.2.2 監視対象サービスを登録する」を参照してください。
Webトランザクションを設定する監視対象サービスの監視を停止していることを確認してください。
監視の停止方法については,「4.2.2 監視を停止する」を参照してください。
(2) 作業手順
作業の流れを次に示します。
この作業で使用する[設定]画面,[Webトランザクション登録]画面,[Webアクセス条件追加]画面,[Cookie編集]画面,および[クエリ編集]画面を次に示します。
[設定]画面
[Webトランザクション登録]画面([新規登録]ボタンをクリックする(手順5.)と別ウィンドウに表示されます)
[Webアクセス条件追加]画面([条件追加]ボタンをクリックする(手順7.)と別ウィンドウに表示されます)
[Cookie編集]画面([Cookie編集]ボタンをクリックする(手順12.)か,[Cookie]テキストボックスをクリックする(手順14.)と別ウィンドウに表示されます)
[クエリ編集]画面([クエリ]テキストボックスをクリックする(手順14.)と別ウィンドウに表示されます)
[設定]ボタンをクリックする。
[設定メニュー]エリアの[Webトランザクション設定]を選択する。
[Webトランザクション設定]エリアが表示されます。
[サービス一覧]エリアから監視対象サービスを選択する。
監視対象サービスを選択すると,[Webトランザクション設定]エリアにサービスグループ名と監視対象サービス名が表示されます。また,[Webトランザクション設定]エリアの[Webトランザクション]および[Webアクセス条件]に,すでに監視対象サービスに設定されているWebトランザクション名と,WebトランザクションのWebアクセス条件が表示されます。監視対象サービスを登録した直後は,[Webトランザクション]および[Webアクセス条件]には何も表示されません。
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(順序変更)ボタンをクリックしてWebトランザクションおよびWebアクセス条件の表示順序を変更する。
変更したいWebトランザクションの行を選択してボタンをクリックすると,選択した行が移動します。
[新規登録]ボタンをクリックする。
[Webトランザクション登録]画面が表示されます。
Webトランザクション名を入力する。
[Webトランザクション名]のテキストボックスに任意の名称を入力します。
入力の制限に従わなかった場合はエラーメッセージが表示されます。ただし,機種依存文字および制御文字を使用した場合は,エラーメッセージは表示されませんが,ログファイルの表示が異常になることがあります。
また,1つの監視対象サービス内で同じトランザクション名を登録することはできません。
[条件追加]ボタンをクリックする。
[Webアクセス条件追加]画面が表示されます。[接続元IP]のテキストボックスには現在操作しているマシン(ブラウザを起動してJP1/SLMにアクセスしているマシン)のIPアドレスが表示されます。
以降のWebアクセス条件の追加手順は,追加方法によって異なります。
監視対象サービスにアクセスすることで自動検出したURIから,Webアクセス条件を取り込みたい場合
手順8.に進んでください。
直接入力した監視対象サービスのURIから,Webアクセス条件を取り込みたい場合
手順11.に進んでください。
Webアクセス条件を直接入力したい場合
手順14.に進んでください。
なお,Webアクセス条件には,実際にWebアクセスされるパス,クエリ,およびCookieの大文字・小文字を区別して指定してください。JP1/SLMは,指定された文字列と一致するWebアクセスを監視します。
一方で,ブラウザはWebアクセスする際に大文字・小文字を変換してアクセスすることがあります。Webアクセス条件の指定値と実際のWebアクセスとで大文字・小文字が一致しない場合は,Webトランザクションを監視することができません。
[検出開始]ボタンをクリックする。
[状態]が[停止中]から[検出中]に変わり,URIを検出できる状態になります。[検出開始]ボタンは[検出停止]ボタンに変化します。
[状態]が[検出中]に変化した場合を次の図に示します。
図3‒27 [状態]が[検出中]に変化した場合([Webアクセス条件追加]画面) JP1/SLM - Managerにログインしているブラウザとは別のタブまたは別のブラウザを起動して,監視対象サービスのWebページにアクセスする。
このとき,JP1/SLM - Managerにログインしているブラウザはそのままで,必ず別のタブまたは別のブラウザを起動するようにしてください。
アクセスによって検出されたURIは[URI候補]に追加されます。異なるWebページにアクセスするたびにURIが追加されていきます。ただし,すでに検出されているURIは追加されません。
URIを検出できたら,[検出停止]ボタンをクリックする。
[状態]が[検出中]から[停止中]に変わって,検出が完了します。
[状態]が[停止中]に変化した場合を次の図に示します。
図3‒28 [状態]が[停止中]に変化した場合([Webアクセス条件追加]画面) [URI候補]に表示されているURIを編集する場合は,URIを選択して編集する。または,空行を追加して任意のURIを追加する。
[URI候補]に表示されているURIはクリックすると編集できます。[URI候補]に空行を追加してURIを直接入力することもできます。直接入力する場合は,[一行追加]ボタンをクリックして,追加された行にURIを指定してください。
[URI候補]に表示されているURIのCookieを確認または編集する場合は,URIを選択後,[Cookie編集]ボタンをクリックする。
[Cookie編集]画面が表示されます。[Cookie編集]画面ではWebアクセス条件に取り込むCookieの確認,追加,変更,削除ができます。必要に応じて編集して,[OK]ボタンをクリックしてください。
[URI候補]からURIを選択して[∨ URI候補取り込み]ボタンをクリックする。
[URI候補]から選択したURIのパス,クエリ,およびCookieの値を,[Webアクセス条件定義]に一度に入力することができます。
Webアクセス条件を直接入力または編集する場合は,[Webアクセス条件定義]のパス条件,クエリ条件,およびCookie条件を入力または編集する。
条件を入力または編集したあと,[∧ Webアクセス条件適用]ボタンをクリックすると[URI候補]に表示されているURIが絞り込まれ,条件に完全に一致するURIだけが表示されます。
パス条件はテキストボックスに直接入力します。クエリ条件,およびCookie条件は,テキストボックスをクリックすると開く[クエリ編集]画面および[Cookie編集]画面で入力します。
クエリ条件,およびCookie条件は複数指定できますが,指定できる件数の上限は,クエリ条件とCookie条件を合わせて20件です。複数指定すると,順不同で△で区切られて表示されます。
パス,クエリ,およびCookieの条件によって監視したい処理のURIだけを絞り込んでください。
[Webアクセス条件定義]に条件を入力した状態で[Webアクセス条件追加]画面の[条件追加]ボタンをクリックする。
[Webアクセス条件追加]画面の[Webアクセス条件定義]に入力していた値が,[Webトランザクション登録]画面の[Webアクセス条件]に表示されます。
Webアクセス条件の追加手順を繰り返し,監視対象となるWebトランザクションに必要な条件をすべて[Webアクセス条件]に表示する。
同一のWebアクセス条件を複数登録することはできません。また,1つのWebトランザクションに設定できるWebアクセス条件は5件までです。
Webアクセス条件の追加が完了したら[閉じる]ボタンをクリックする。
[Webアクセス条件追加]画面が閉じて[Webトランザクション登録]画面に戻ります。
Webアクセス条件の順序の調整が必要な場合は,[Webトランザクション登録]画面の[Webアクセス条件]の
(行移動)アイコンを上下にドラッグして順序を入れ替える。
Webトランザクションの判定では,発生したWebアクセスを[Webアクセス条件]に表示されたWebアクセス条件の上から順に判定してWebトランザクションかどうかを識別します。
同一のユーザーからのWebアクセスに含まれるかどうかを判定する場合はセッション条件を設定する。
セッション条件は,[クエリ条件候補]および[Cookie条件候補]に表示されたクエリ条件およびCookie条件から選択できます。セッション条件とする候補を選択して,[>]ボタンをクリックしてください。
[クエリ条件候補]および[Cookie条件候補]には,[Webアクセス条件]に表示された複数のWebアクセス条件に共通するクエリ条件およびCookie条件のキーが表示されます。
複数のWebアクセス条件に共通するクエリ条件およびCookie条件のキーが表示される例を示します。
まず,[Webアクセス条件]に表示されているWebアクセス条件が次の表のとおりだとします。
項番
パス
クエリ条件
Cookie条件
1
/top.html
a=1△b=.*
session=.*△c=0
2
/middle.html
b=.*
session=.*△d=0
このとき,[クエリ条件候補]にはb=.*のキーである「b」が,[Cookie条件候補]にはsession=.*のキーである「session」が表示されます。[クエリ条件候補]および[Cookie条件候補]が表示された例を次の図に示します。
図3‒29 [クエリ条件候補]および[Cookie条件候補]が表示された例 [クエリ条件]および[Cookie条件]からクエリ条件およびCookie条件を削除したい場合は,[クエリ条件]および[Cookie条件]からクエリ条件およびCookie条件を選択して[<]ボタンをクリックすると,選択したクエリ条件およびCookie条件が[クエリ条件候補]および[Cookie条件候補]に戻ります。[クエリ条件]および[Cookie条件]に指定できる件数の上限は,クエリ条件とCookie条件を合わせて10件です。
[登録]ボタンをクリックする。
[Webアクセス条件]が1件以上追加されている場合,[登録]ボタンが活性化します。
[登録]ボタンをクリックすると,[Webトランザクション登録]画面が閉じて,[Webトランザクション設定]エリアに戻ります。[Webトランザクション登録]画面の設定内容が,Webトランザクションとして[Webトランザクション設定]エリアに追加されます。
(3) 次の作業
「3.2.7 構成情報としてシステム性能の監視項目を設定する(JP1/PFMとの連携)」(JP1/PFMと連携する場合)
「3.2.9 サービス性能の監視項目を設定する」(JP1/PFMと連携しない場合)