Compute Systems Manager 導入・設定ガイド

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9.5.2 クラスタ環境に移行する(Red Hat Enterprise Linux)

非クラスタ環境で運用していたRed Hat Enterprise Linuxの管理サーバを,クラスタ環境に移行します。

事前に完了しておく操作

非クラスタ環境で運用していたCompute Systems Managerを,クラスタ環境に移行する手順を次に示します。

ここでは,すでに運用中のCompute Systems Managerがインストールされたマシンを実行系ノードとする場合を想定して説明します。

  1. 待機系ノードとなるマシンにCompute Systems Managerをインストールします。
  2. プラグインライセンスが必要な場合は,待機系ノードのIPアドレスでログイン画面にアクセスして,ライセンスキーを入力してください。
  3. 実行系ノードで次のコマンドを実行して,Compute Systems ManagerにアクセスするURLを論理ホスト名に変更します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmds64chgurl -change http://実行系ノードのIPアドレスまたはホスト名:ポート番号 http://論理ホスト名:ポート番号
  4. 実行系および待機系の各ノードで,クラスタ設定ファイルを作成します。ほかのHitachi Command Suite製品でクラスタ環境が構築されている場合,この手順は不要です。
    クラスタ設定ファイルは,テキストファイルで次の場所に格納します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/conf/cluster.conf
    実行系ノードのクラスタ設定ファイルの内容を次に示します。modeにはonlineを指定する必要があります。
    mode=online
    virtualhost=論理ホスト名
    onlinehost=実行系ノードのホスト名
    standbyhost=待機系ノードのホスト名
    待機系ノードの場合は,次の内容をクラスタ設定ファイルに記述してください。modeにはstandbyを指定する必要があります。
    mode=standby
    virtualhost=論理ホスト名
    onlinehost=実行系ノードのホスト名
    standbyhost=待機系ノードのホスト名
  5. 実行系ノードで次のコマンドを実行して,データベースをバックアップします。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmds64backups -dir ローカルディスク上のバックアップファイル格納先ディレクトリ -auto
  6. 実行系ノードで次のコマンドを実行して,データベースを共有ディスクに移行します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmds64dbclustersetup -createcluster -databasepath 共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ -exportpath ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ -auto
  7. 待機系ノードで次のコマンドを実行して,共有ディスク上のデータベースを使用するように設定を変更します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmds64dbclustersetup -createcluster -databasepath 共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ -exportpath ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ -auto
    databasepathには,実行系ノードで指定した<共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ>と同じディレクトリを指定してください。
    注意
    • hcmds64dbclustersetupコマンドを実行すると,Device ManagerとTuning Managerの間のリモート接続の設定が初期化されます。必要に応じて,実行系および待機系の各ノードで再設定してください。
    • 共有ディスク上に,32ビットのHitachi Command Suite共通コンポーネントを使用する製品(Hitachi File Services ManagerおよびHitachi Storage Navigator Modular 2)のデータベースが作成されている場合,databasepathオプションには別のディレクトリを指定する必要があります。
  8. データベースが使用するポート番号をデフォルト以外の番号に変更して運用する場合は,控えておいたポート番号を実行系および待機系の各ノードで設定します。
    重要
    32ビットのHitachi Command Suite共通コンポーネントを使用する製品(Hitachi File Services ManagerおよびHitachi Storage Navigator Modular 2)がインストールされている場合は,その製品が使用するポート番号と競合しないことを確認してください。
  9. 実行系および待機系の各ノードで次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品が停止していることを確認します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmds64srv -status
  10. 実行系および待機系の各ノードで次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のサービスがマシンの起動時に自動的に開始されないようにします。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmds64srv -starttype manual -all
  11. 実行系および待機系の各ノードで,Compute Systems Managerがマシンの起動時に自動的に開始されないようにします。
    次のファイルを別ディレクトリに移動するか,ファイル名を変更します。ファイル名を変更する場合は,変更後のファイル名の先頭文字にKSを使用しないでください。
    • /etc/rc3.d/S99hicommand64-hcs_csm
    • /etc/rc5.d/S99hicommand64-hcs_csm
    ほかのHitachi Command Suite製品がインストールされている場合は,その製品も自動的に開始されないようにします。操作の対象となるファイルについては,各製品のマニュアルを参照してください。
  12. 実行系および待機系の各ノードで,次のファイルのhcsm.shared.directoryプロパティに,Compute Systems Managerが使用する作業ディレクトリへのパスを指定します。
    あらかじめCompute Systems Managerが使用する作業ディレクトリを共有ディスクに移動してあれば,そのディレクトリへのパスを指定します。移動していなければ,共有ディスクに任意のディレクトリを作成したあと,そのディレクトリへのパスを指定します。
    Compute Systems Managerのインストールディレクトリ/ComputeSystemsManager/conf/user.properties
  13. 日立製のサーバを管理対象にしている場合は,必要に応じて,日立製のサーバに登録される管理サーバのIPアドレスがクラスタ管理IPアドレスになるように設定を変更します。
    実行系および待機系の各ノードで,次のファイルのsvp.bind.addressプロパティに,クラスタ管理IPアドレスを指定します。
    Compute Systems Managerのインストールディレクトリ/ComputeSystemsManager/conf/user.properties
    参考
    • svp.bind.addressプロパティを指定しない場合,日立製のサーバには実行系および待機系の各ノードのIPアドレスが登録されます。
    • すでに運用中の日立製のサーバには,通信先の管理サーバのIPアドレスが登録されています。svp.bind.addressプロパティを指定すると,プロパティに指定したIPアドレスも新しく登録されます。日立製のサーバに登録されている管理サーバのIPアドレスは,Webコンソールで確認できます。使用していない管理サーバのIPアドレスが残っている場合は削除してください。
  14. Compute Systems Managerのサービスを,クラスタ管理アプリケーションのグループに登録します。
  15. クラスタ管理アプリケーションで,実行系ノードを選択してクラスタ運用を開始します。

関連項目

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