Compute Systems Manager 導入・設定ガイド
非クラスタ環境で運用していたRed Hat Enterprise Linuxの管理サーバを,クラスタ環境に移行します。
- インストールする前の確認作業
- クラスタ環境で運用する管理サーバの空き容量の確認
- クラスタ管理アプリケーションを使用して設定する前の確認
- Compute Systems Managerが使用する作業ディレクトリの,共有ディスクへの移動
Compute Systems Managerが使用する作業ディレクトリの下に,すでにサブディレクトリやファイルなどが格納されているか確認してください。すでにサブディレクトリやファイルなどが格納されている場合は,共有ディスクにCompute Systems Managerが使用する作業ディレクトリを移動してください。
Compute Systems Managerが使用する作業ディレクトリについては,次のファイルに定義するhcsm.shared.directoryプロパティの説明を参照してください。
<Compute Systems Managerのインストールディレクトリ>/ComputeSystemsManager/conf/user.properties- データベースが使用するポート番号の確認
移行の手順でhcmds64dbclustersetupコマンドを実行すると,データベースが使用するポート番号がデフォルト(22032/tcp)に設定されます。
ポート番号をデフォルト以外の番号に変更して運用している場合は,ポート番号を控えておいてください。非クラスタ環境で運用していたCompute Systems Managerを,クラスタ環境に移行する手順を次に示します。
ここでは,すでに運用中のCompute Systems Managerがインストールされたマシンを実行系ノードとする場合を想定して説明します。
- 待機系ノードとなるマシンにCompute Systems Managerをインストールします。
- プラグインライセンスが必要な場合は,待機系ノードのIPアドレスでログイン画面にアクセスして,ライセンスキーを入力してください。
- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,Compute Systems ManagerにアクセスするURLを論理ホスト名に変更します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/bin/hcmds64chgurl -change http://<実行系ノードのIPアドレスまたはホスト名>:<ポート番号> http://<論理ホスト名>:<ポート番号>- 実行系および待機系の各ノードで,クラスタ設定ファイルを作成します。ほかのHitachi Command Suite製品でクラスタ環境が構築されている場合,この手順は不要です。
クラスタ設定ファイルは,テキストファイルで次の場所に格納します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/conf/cluster.conf
実行系ノードのクラスタ設定ファイルの内容を次に示します。modeにはonlineを指定する必要があります。
mode=online
virtualhost=<論理ホスト名>
onlinehost=<実行系ノードのホスト名>
standbyhost=<待機系ノードのホスト名>
待機系ノードの場合は,次の内容をクラスタ設定ファイルに記述してください。modeにはstandbyを指定する必要があります。
mode=standby
virtualhost=<論理ホスト名>
onlinehost=<実行系ノードのホスト名>
standbyhost=<待機系ノードのホスト名>- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,データベースをバックアップします。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/bin/hcmds64backups -dir <ローカルディスク上のバックアップファイル格納先ディレクトリ> -auto- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,データベースを共有ディスクに移行します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/bin/hcmds64dbclustersetup -createcluster -databasepath <共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ> -exportpath <ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ> -auto- 待機系ノードで次のコマンドを実行して,共有ディスク上のデータベースを使用するように設定を変更します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/bin/hcmds64dbclustersetup -createcluster -databasepath <共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ> -exportpath <ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ> -auto
databasepathには,実行系ノードで指定した<共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ>と同じディレクトリを指定してください。
注意
- hcmds64dbclustersetupコマンドを実行すると,Device ManagerとTuning Managerの間のリモート接続の設定が初期化されます。必要に応じて,実行系および待機系の各ノードで再設定してください。
- 共有ディスク上に,32ビットのHitachi Command Suite共通コンポーネントを使用する製品(Hitachi File Services ManagerおよびHitachi Storage Navigator Modular 2)のデータベースが作成されている場合,databasepathオプションには別のディレクトリを指定する必要があります。
- データベースが使用するポート番号をデフォルト以外の番号に変更して運用する場合は,控えておいたポート番号を実行系および待機系の各ノードで設定します。
重要
- 32ビットのHitachi Command Suite共通コンポーネントを使用する製品(Hitachi File Services ManagerおよびHitachi Storage Navigator Modular 2)がインストールされている場合は,その製品が使用するポート番号と競合しないことを確認してください。
- 実行系および待機系の各ノードで次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品が停止していることを確認します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/bin/hcmds64srv -status- 実行系および待機系の各ノードで次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のサービスがマシンの起動時に自動的に開始されないようにします。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ>/bin/hcmds64srv -starttype manual -all- 実行系および待機系の各ノードで,Compute Systems Managerがマシンの起動時に自動的に開始されないようにします。
次のファイルを別ディレクトリに移動するか,ファイル名を変更します。ファイル名を変更する場合は,変更後のファイル名の先頭文字にKとSを使用しないでください。ほかのHitachi Command Suite製品がインストールされている場合は,その製品も自動的に開始されないようにします。操作の対象となるファイルについては,各製品のマニュアルを参照してください。
- /etc/rc3.d/S99hicommand64-hcs_csm
- /etc/rc5.d/S99hicommand64-hcs_csm
- 実行系および待機系の各ノードで,次のファイルのhcsm.shared.directoryプロパティに,Compute Systems Managerが使用する作業ディレクトリへのパスを指定します。
あらかじめCompute Systems Managerが使用する作業ディレクトリを共有ディスクに移動してあれば,そのディレクトリへのパスを指定します。移動していなければ,共有ディスクに任意のディレクトリを作成したあと,そのディレクトリへのパスを指定します。
<Compute Systems Managerのインストールディレクトリ>/ComputeSystemsManager/conf/user.properties- 日立製のサーバを管理対象にしている場合は,必要に応じて,日立製のサーバに登録される管理サーバのIPアドレスがクラスタ管理IPアドレスになるように設定を変更します。
実行系および待機系の各ノードで,次のファイルのsvp.bind.addressプロパティに,クラスタ管理IPアドレスを指定します。
<Compute Systems Managerのインストールディレクトリ>/ComputeSystemsManager/conf/user.properties
参考
- svp.bind.addressプロパティを指定しない場合,日立製のサーバには実行系および待機系の各ノードのIPアドレスが登録されます。
- すでに運用中の日立製のサーバには,通信先の管理サーバのIPアドレスが登録されています。svp.bind.addressプロパティを指定すると,プロパティに指定したIPアドレスも新しく登録されます。日立製のサーバに登録されている管理サーバのIPアドレスは,Webコンソールで確認できます。使用していない管理サーバのIPアドレスが残っている場合は削除してください。
- Compute Systems Managerのサービスを,クラスタ管理アプリケーションのグループに登録します。
- クラスタ管理アプリケーションで,実行系ノードを選択してクラスタ運用を開始します。
- 2.4.2 インストールする前の確認事項
- 2.4.4 Compute Systems Managerをインストールする(Linux)
- (1) ポート変更時に編集するHitachi Command Suite共通コンポーネントのプロパティ
- (3) ポートを変更する
- 9.1 クラスタを使用するための環境設定と運用とは
- 9.2 クラスタを運用するために使用するCompute Systems Managerのサービス
- 9.3.1 クラスタ運用を開始する環境設定手順の確認
- 9.3.2 クラスタ環境で運用する管理サーバの空き容量の確認
- 9.3.3 クラスタ管理アプリケーションを使用して設定する前の確認
- 9.6.2 クラスタ管理アプリケーションにサービスを登録する(Red Hat Enterprise Linux)
- 9.7.1 クラスタ環境でウィルス検出プログラムを使用する場合に必要な設定
- 9.7.2 クラスタ環境で同期が必要な設定
- 9.8.4 Compute Systems Managerのクラスタ運用を開始する(Red Hat Enterprise Linux)
- 9.9.2 クラスタ環境でデータベースをバックアップする(Red Hat Enterprise Linux)
- 9.9.9 データベースを移行するコマンド(hcmds64dbclustersetup)の書式(Red Hat Enterprise Linux)
- B.1.3 Compute Systems Managerサーバのポートや機能に関するプロパティ(user.properties)
- B.2.18 管理サーバをクラスタ構成にする場合に設定が必要なプロパティ(cluster.conf)
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