Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


2.1.4 PFM - RM for Virtual Machineのセットアップ手順

ここでは,PFM - RM for Virtual Machineを運用するための,セットアップについて説明します。なお,セットアップ手順は,監視対象の仮想環境ごとに異なります。

[図データ][図データ][図データ][図データ][図データ][図データ][図データ]は,仮想環境ごとに必要となるセットアップ項目を示します。

また,[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

〈この項の構成〉

(1) PFM - RM for Virtual Machineの登録[図データ]

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RM for Virtual Machineを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Virtual Machineを登録する必要があります。

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については,次の条件を確認してください。

PFM - Managerへの手動登録

次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Virtual Machineの製品バージョンがPFM - Managerのリリースノートに記載していないバージョンである。

  • PFM - RM for Virtual MachineをPFM - Manager ホスト以外にインストールしている。

PFM - Web Consoleへの手動登録

次の条件を満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Virtual Machineの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。

ただし,PFM - RM for Virtual Machineのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

PFM - RM for Virtual Machineの登録の流れを次に示します。

図2‒5 PFM - RM for Virtual Machineの登録の流れ

[図データ]

重要
  • PFM - RM for Virtual Machineの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。

  • すでにPFM - RM for Virtual Machineの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - RM for Virtual Machineを追加した場合,PFM - RM for Virtual Machineの登録は必要ありません。

  • バージョンが異なるPFM - RM for Virtual Machineを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。

  • PFM - Managerと同じホストにPFM - RM for Virtual Machineをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。

  • PFM - RM for Virtual Machineの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]タブおよび[アラーム階層]タブに「RM VirtualMachine」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]タブで,ユーザーが「RM VirtualMachine」という名前のフォルダまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。

(a) PFM - RM for Virtual Machineのセットアップファイルをコピーする

PFM - RM for Virtual MachineをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。

  2. PFM - RM for Virtual Machineのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。

    ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。

    表2‒2 コピーするセットアップファイル

    コピー元

    (PFM - RM for Virtual Machineのセットアップファイル)

    コピー先

    PFMプログラム名

    OS

    コピー先フォルダ

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt8w.EXE

    PFM - Manager

    Windows

    PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup\

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt8u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pc/setup/

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt8w.EXE

    PFM - Web Console

    Windows

    PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup\

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt8u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pcwebcon/setup/

(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerホストでPFM - RM for Virtual Machineをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key RMVM

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

重要

コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。

PFM - ManagerホストにあるPFM - RM for Virtual Machineのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。

(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - Web ConsoleホストでPFM - RM for Virtual Machineをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcwagtsetup

PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - RM for Virtual Machineのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。

(2) PFM - RM for Virtual Machineの設定[図データ] [図データ]

PFM - RM for Virtual Machineで,以下の動作を変更する場合は,PFM - RM for Virtual Machineの設定が必要です。

PFM - RM for Virtual Machineの設定方法を次に示します。

(a) PFM - RM for Virtual Machineの設定ファイルを編集する

PFM - RM for Virtual Machineの設定を変更するため,次のファイルを編集します。

インストール先フォルダ\agt8\agent\jpcagt8cfg.ini

(b) PFM - RM for Virtual Machineの設定ファイルの内容

PFM - RM for Virtual Machineの設定ファイルの形式を次に示します。

[common]
UseOffset={N | Y}
[vmware]
UseHTPhysicalClocks={N | Y}
説明
[common]

設定ファイルのセクション名を示します。[common]セクションの設定はすべての監視対象に対して有効です。

UseOffset

設定ファイルのキー名を示します。設定値は,無効(N)または有効(Y)です。

  • 無効(N)(デフォルトの設定)

    収集プロセスが収集を開始する時刻の基点をRemote Monitor Collectorサービス起動時の時刻とし,収集プロセスが動作します。インスタンス環境のセットアップ時にOffsetに指定した値は無視します。Remote Monitor Collectorサービスの起動時刻によっては,KAVL20516-Wのメッセージが出力され続ける場合があるため,この設定を無効で運用する場合は,Remote Monitor Collectorサービスの収集間隔(Collection Interval)に指定した時間の1/2の値を収集プロセスの収集間隔(Interval)に指定することを推奨します。

  • 有効(Y)

    収集プロセスが収集を開始する時刻の基点を0秒とし,インスタンス環境のセットアップ時にOffsetに指定した値を足した時刻に収集プロセスが動作します。収集プロセスが収集を開始する時刻は,Remote Monitor Collectorサービス起動時刻に依存せず,一定となります。ただし,複数のインスタンスで同じOffsetで監視すると,PFM - RM for Virtual Machineホストの負荷が集中する可能性があるため,この設定を有効で運用する場合は,インスタンスごとにOffsetの値を変える必要があります。

UseOffsetおよびインスタンス環境のOffsetの詳細については,「付録N KAVL20516-Wのメッセージが出力され続ける場合の対処方法」を参照してください。

[vmware]

設定ファイルのセクション名を示します。[vmware]セクションの設定は,監視対象がVMwareの場合だけ有効です。

UseHTPhysicalClocks

設定ファイルのキー名を示します。設定値は,無効(N)または有効(Y)です。

  • 無効(N)(デフォルトの設定)

    監視対象のすべてのVMware環境で,ハイパースレッディングが無効な場合に設定します。

ハイパースレッディングの機能がない場合も含みます。

  • 有効(Y)

    監視対象に,ハイパースレッディングが有効なVMware環境が含まれる場合に設定します。

設定を変更した場合,ハイパースレッディングが有効なVMwareのHost Status(PI)レコードまたはVM Status(PI_VI)レコードのCPU性能の値が変化します。詳細については,「付録M  PFM - RM for Virtual Machineの設定が影響するフィールド」を参照してください。

(c) UseHTPhysicalClocksの設定

VMwareのハイパースレッディングとUseHTPhysicalClocksの設定との対応を次に示します。

表2‒3 ハイパースレッディングとUseHTPhysicalClocksの設定との対応

項番

VMwareのハイパースレッディング

UseHTPhysicalClocksの設定

無効(N)(デフォルトの設定)

有効(Y)

1

無効

(ハイパースレッディングの機能がない場合を含む)

物理的なCPU性能で算出します。

ハイパースレッディングの有効/無効に関係なく,物理的なCPU性能で算出します。※2

2

有効

論理的なCPU性能で算出します。※1

注※1

Host Status(PI)レコードのUsed %フィールドやVM Status(PI_VI)レコードのHost Used %フィールドの値は,最大で50〜70%となります。

注※2

Host Status(PI)レコードのClocksフィールドを,物理的なCPU性能の値とすることで,Used %フィールドやVM Status(PI_VI)レコードのHost Used %フィールドの最大値は100%となります。

注意事項

PFM - RM for Virtual Machineの設定ファイルが存在しない,または内容が不正な場合は,従来どおりの動作(UseHTPhysicalClocks=N)となります。

従来どおりの動作(UseHTPhysicalClocks=Nの設定)でVMwareのハイパースレッディングが有効な環境を監視した場合,監視対象に合わせたしきい値や条件が設定されていないと,アラームの検知が正しく行われません。監視対象に合わせたしきい値や条件を設定するか,UseHTPhysicalClocks=Yにして監視してください。

例:
  • CPUの使用率が高い場合にアラームが検知されない

    アラーム条件に「Used %フィールドが80%以上の場合に警告アラーム」と設定し,ハイパースレッディングが有効なVMwareを監視すると,UseHTPhysicalClocks=Nの場合CPU使用率が80%以上にならないため,アラームが検知されない。

(3) インスタンス環境の設定[図データ]

インスタンス環境の設定では,インスタンス情報を設定します。複数のインスタンス環境を設定する場合は,繰り返し実施します。

PFM - RM for Virtual Machineのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2‒4 PFM - RM for Virtual Machineのインスタンス情報

項目※1

説明

設定できる値

デフォルト値

VM_Type※2

監視対象となる仮想環境の種類を指定する

8バイト以内の半角文字列。

監視対象に応じて次の値を指定する。

  • VMwareの場合:vmware

  • Hyper-Vの場合:hyperv

  • Virtageの場合:virtage

  • KVMの場合:kvm

  • Docker環境の場合:docker

  • Podman環境の場合:podman

vmware

Interval

収集プロセスの収集間隔を指定する※3

60〜3600(単位:秒)を指定。

300

Offset

収集を開始するオフセット値を指定する※3※4

1〜3600(単位:秒)を指定。

10

Std_Category※5

収集プロセスで基本的な情報(PI,VI,VMレコード)を性能情報一時ファイルに出力するかどうかを指定する

次に示すどちらかを指定する。

  • Y:出力する

  • N:出力しない

Y

Cpu_Category※5

収集プロセスでCPU情報(HCI,VCI,PODI,POCI,PODDレコード)を性能情報一時ファイルに出力するかどうかを指定する

注:PODI,POCIレコードはCPUに関するフィールドが対象

次に示すどちらかを指定する。

  • Y:出力する

  • N:出力しない

Y

Memory_Category※5

収集プロセスでメモリ情報(HMI,VMI,PODI,POCI,PODDレコード)を性能情報一時ファイルに出力するかどうかを指定する

注:PODI,POCIレコードはメモリに関するフィールドが対象

次に示すどちらかを指定する。

  • Y:出力する

  • N:出力しない

Y

Disk_Category※5

収集プロセスでディスク情報(HPDI,VPDI,HLDI,VLDI,VVDI,VDKD,PODI,POCI,PODDレコード)を性能情報一時ファイルに出力するかどうかを指定する

注:PODI,POCIレコードはディスクに関するフィールドが対象

次に示すどちらかを指定する。

  • Y:出力する

  • N:出力しない

Y

Network_Category※5

収集プロセスでネットワーク情報(HNI,VNI,PODI,POCI,PODDレコード)を性能情報一時ファイルに出力するかどうかを指定する

注:PODI,POCIレコードはネットワークに関するフィールドが対象

次に示すどちらかを指定する。

  • Y:出力する

  • N:出力しない

Y

HostUserID※6※7

PFM - RMホストのユーザーIDを指定する

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

HostPassword※6

HostUserIDに指定したユーザーIDのパスワードを指定する。この項目で入力した文字は,画面に表示されない。また,この項目に値を設定する場合,2度入力を要求される。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(パスワードなし)

HostDomain※6

PFM - RMホストが所属するドメイン名を指定する。

ワークグループに所属している場合,指定する必要はない。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

SSH_Type

SSHクライアントの種類を指定する。

次に示すどちらかの文字列(小文字)を指定する。

  • putty

    PuTTYのplink.exeをSSHクライアントとして使用する。

  • windows

    OpenSSH(Windows Server 2019同梱)のssh.exeをSSHクライアントとして使用する。

putty

SSH_Client※8

SSH_Typeで指定したSSHクライアント(PuTTYまたはOpenSSH)の実行モジュール(plink.exeまたはssh.exe)を絶対パスで指定する。ファイルパスに空白が含まれる場合でも「"」で囲む必要はない。

256バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

Log_Size

収集ログの1ファイルの最大サイズを指定する※9

1〜32(メガバイト)

ただし,16以上を推奨する。

16

UseVcpuMax

CPUリソースクロック周波数を,仮想マシンに割り当てた周波数とするか,物理CPUの周波数とするかを指定する。「Y」を指定した場合,仮想マシンに割り当てた周波数を使用する。

「N」を指定した場合,物理CPUの周波数を使用する。※10

{Y|N}

監視対象がVMwareの場合だけ有効です。その他の監視対象の場合は指定を無視します。

N

注※1

jpcconf target setupコマンドを非対話形式で実行するときは,定義ファイル中で,この項目名をプロダクト固有のラベルとして使用します。非対話形式のコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注※2

jpcconf inst setupコマンドによる再設定はできません。

注※3

Remote Monitor Collectorの収集間隔と性能情報一時ファイルの作成間隔の設定によっては,性能情報一時ファイルが更新されておらず,同じデータが収集される場合があります。「1.3.1 パフォーマンスデータ収集の流れ」を参考に,Remote Monitor Collectorの収集間隔と性能情報一時ファイルの作成間隔を適切に設定してください。

注※4

2.1.4(2) PFM - RM for Virtual Machineの設定」で,UseOffsetの設定値を有効(Y)にした場合は,Offsetに指定する値はIntervalよりも小さい値を指定してください。

UseOffsetの設定値を無効(N)にした場合は,Offsetの値を無視します。

注※5

レコード収集時に性能情報一時ファイルからパフォーマンスデータを取得するため,各レコードの収集設定よりStd_Category,Cpu_Category,Memory_Category,Disk_CategoryおよびNetwork_Categoryの設定が優先されます。

対象のレコードを収集しない場合には,この項目の設定をNにすることで監視対象へのアクセス数を減らします。対象のレコードを収集する場合で本項目の設定をNにした場合には,パフォーマンスデータの収集ができません。

例えば,Std_CategoryをN(収集しない)に設定した場合は,PIレコードは次のように動作します。

  • PIレコードはStoreデータベースに記録されない。

  • PFM - Web ConsoleからPIレコードのリアルタイムレポートを表示すると,KAVJS5002-Iのエラーメッセージが表示される。

  • PIレコードを使用したアラームをバインドしている場合,そのアラームは動作しない。

なお,パフォーマンスデータ収集の流れの詳細については「1.3.1 パフォーマンスデータ収集の流れ」を参照してください。

注※6

クラスタシステムでPFM - RM for Virtual Machineを運用する場合,PFM - RMホストのアカウントは,実行系と待機系で同一のユーザーとパスワードを設定して両方にログオンできるアカウントにしてください。

注※7

PFM - RM for Virtual Machineは,HostUserIDに指定されたユーザーアカウントを使用して収集プロセスを起動します。ユーザーアカウントのプロファイルが存在しない場合,パフォーマンスデータの取得に失敗することがあります。

ユーザーアカウントのプロファイル情報は,初回ログオン時に作成されます。

PFM - RM for Virtual Machineのインスタンス環境を追加や変更する際に,新しいユーザーアカウントを作成してHostUserIDに指定する場合,新規作成したユーザーアカウントのプロファイルがまだ存在していないことがあります。このような場合は,新規作成したユーザーアカウントで一度Windowsにログオンしてください。

注※8

クラスタシステムでPFM - RM for Virtual Machineを運用するときは,実行系および待機系の両方からアクセスできるファイルパスで指定してください。

注※9

収集ログは,1監視対象につき最大8ファイルが採取されます。ハードディスクに十分な空き容量がない場合,収集ログが出力エラーとなります。収集ログの詳細については,「7.3 ログ情報」を参照してください。

注※10

対象のレコードはVM Status(PI_VI)だけです。対象のフィールドについては,「5. レコード」の「VM Status(PI_VI)」を参照してください。

物理CPUの周波数をCPUリソースクロック周波数として,仮想マシンを稼働させている物理ホスト自体のCPUリソースの過不足の状況を確認する場合は,「N」を指定して物理ホスト自体のCPUリソースを監視します。CPUリソースを使い切らないよう仮想マシンの移動や停止を行う必要がある場合に指定できます。

仮想マシンに割り当てた周波数をCPUリソースクロック周波数として,仮想マシンごとにCPUリソースの過不足の状況を確認したい場合は,「Y」を指定して仮想マシンごとのCPUリソースを監視します。仮想マシンを稼働させている物理ホストのCPUリソースに余裕がある場合に指定できます。

重要

インスタンス環境で指定する接続先環境への設定が不正の場合でも,インスタンス環境の生成コマンドは正常に終了します。しかし,そのインスタンス環境で,レコードの収集を開始すると,パフォーマンスデータが収集されません。この場合の対策については,「7.2.1(1) PFM - RM for Virtual Machineを起動してもパフォーマンスデータが収集されない」を参照してください。

インスタンス環境の設定で入力が必要な項目は,監視対象の仮想環境によって異なります。仮想環境ごとの入力要否を次の表に示します。

表2‒5 各仮想環境のインスタンス情報入力要否

項目

仮想環境

VMware

Hyper-V

KVM

Docker環境

Podman環境

Virtage

VM_Type

×

Interval

Offset

Std_Category

Cpu_Category

Memory_Category

Disk_Category

Network_Category

HostUserID

×

HostPassword

×

HostDomain

×

SSH_Type

×

×

×

×

SSH_Client

×

×

×

×

Log_Size

UseVcpuMax

×

×

×

×

×

(凡例)

○:入力が必要です。

△:デフォルト値から変更する場合は入力してください。

×:入力は不要です。

インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf inst setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

なお,インスタンス環境の設定例については,「2.6 インスタンス環境と監視対象の設定例」を参照してください。

  1. jpcconf inst setupコマンドを実行する。

    インスタンス名には任意の名称を指定できます。PFM - RM for Virtual Machineでは管理を容易にするために,識別できる名称を設定してください。例えば,インスタンス名がinst1であるインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcconf inst setup -key RMVM -inst inst1

    なお,インスタンス名は半角英数字である必要があります。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

    jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  2. PFM - RM for Virtual Machineのインスタンス情報を設定する。

    表2-5に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したインスタンス情報を変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.4.2 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。設定した一部の情報に関しては,PFM - Web Consoleのプロパティ編集によって変更できます。設定できる情報の詳細については,「付録E.2 Remote Monitor Collectorサービスのプロパティ一覧」を参照してください。

構築されるインスタンス環境を次に示します。

(4) 監視対象の設定[図データ]

(3) インスタンス環境の設定」で設定したインスタンスに監視対象の仮想環境の情報を設定します。1つのインスタンスに対して,50個まで監視対象の仮想環境を設定できます。複数の監視対象の仮想環境を設定する場合は,この手順を繰り返し実施してください。ただし,監視対象の仮想環境の数が多い場合,マシンの性能や環境によっては期待した性能が出ないことがあります。この場合は,監視対象の仮想環境の数を減らしてください。また,運用の前に十分に検証してください。

監視対象ホスト設定時の注意事項

監視対象の設定は,PFM - RM for Virtual Machineホストで実施します。

監視対象の設定項目を次の表に示します。操作の開始前にあらかじめ確認してください。

表2‒7 PFM - RM for Virtual Machineの監視対象の設定項目

項目名※1

説明

設定値

デフォルト

jpcconf target setupコマンドによる再更新可否

Target Host

監視対象の物理サーバのホスト名を指定する。名前解決できるホスト名※2を指定する。

指定した値は,稼働性能情報の収集とヘルスチェックの際に使用される。JP1/IMと連携する場合はイベントホスト名としても使用される。

32バイト以内の半角英数字と「-」だけ使用できる。

ただし,「-」から始まる名前は指定できない。

指定する値はインスタンス内でユニーク※3である必要がある。

(なし)

VM_Host

監視対象の物理サーバのホスト名※2を指定する。接続先のホスト名がTarget Hostに指定できない名称で作成済みの場合に指定する。Virtageの場合,IPアドレスも指定できる。

指定した値は,稼働性能情報の収集に使用される。値を指定しない場合,Target Hostの値で,稼働性能情報の収集を行う。

256バイト以内の半角文字。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

VMwareの場合,半角英数字と「-」および「.」で指定する。

「_」を含むホスト名は使用できない。

VirtageホストのIPアドレスを指定する場合,次のIPv4形式で指定する。

xxx.xxx.xxx.xxx

例)192.168.41.1

(なし)

Security

監視対象となる物理サーバとの通信にSSL/TLSを使用するかどうかを指定する

{0|1|2|3}

  • VMwareまたはDockerの場合:

    0:SSL/TLS を使用しない

    ESXiのバージョンによっては0は使用できません。

    詳細はリリースノートを確認してください。Docker環境の場合,0は指定できません。

    1:SSL/TLSを使用する※8

    サーバ証明書に問題がある場合,パフォーマンスデータの収集を続行し,共通メッセージログに警告メッセージを出力する。

    警告メッセージが出力された場合,正しい証明書に変更する必要がある。

    2:SSL/TLSを使用する※8

    サーバ証明書に問題がある場合,パフォーマンスデータの収集を続行し,共通メッセージログに警告メッセージは出力しない。

    VMwareのデフォルトの証明書で運用する場合は,2を指定することで警告メッセージの出力を抑止できる。

    Docker環境のサーバ証明書を無視して運用する場合は,2を指定することで警告メッセージの出力を抑止できる。

    3:SSL/TLSを使用する※8

    サーバ証明書に問題がある場合,パフォーマンスデータの収集は行わない。また,共通メッセージログに警告メッセージを出力する。

    正しい証明書で運用し,信頼できる監視対象のみパフォーマンスデータを収集したい場合は,3を指定する。

  • Hyper-V,Virtage,KVMおよびPodman環境の場合:

    SSL/TLSは使用できないため,設定を無視し,常に「0:SSL/TLSを使用しない」で動作する。

1

Port

監視対象となる物理サーバとの通信に使用するポート番号を指定する

0〜65,535

  • VMwareの場合:

    0の場合,HTTPSのデフォルトポート番号443。

  • Virtageの場合:

    使用するポート番号は623で固定のため,任意に指定できない。

    ポート番号に623以外を指定した場合も,623として動作する。

  • KVMの場合:

    ポート番号に0を指定した場合,SSHのデフォルトポート番号22として動作する。

  • Docker環境の場合:

    接続に使用するポート番号を指定する。ポート番号に0を指定した場合,パフォーマンスデータの収集は行わない。また,共通メッセージログに警告メッセージを出力する。

  • Podman環境の場合

    ポート番号に0を指定した場合,SSHのデフォルトポート番号22として動作する。

0

UserID

監視対象となる物理サーバに接続するためのユーザーID※4※5を指定する

256バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

Password

監視対象となる物理サーバに接続するためのパスワードを指定する。この項目で入力した文字は,画面に表示されない。また,この項目に値を設定する場合,2度入力を要求される。

監視対象がVMwareの場合で,特殊文字をパスワードに含むときは,サニタイジング処理した文字列を入力する。

256バイト以内の半角文字列。※6

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

Domain

監視対象となる物理サーバが所属するドメイン名を指定する。

ワークグループに所属している場合,指定する必要はない。

監視対象の種類がVMware,Virtage,KVM,Docker環境またはPodman環境の場合,指定する必要はない。

256バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

Private_Key_File

SSH公開鍵方式で使用する秘密鍵ファイルの名前を絶対パスで指定する。

2.5.7(4) SSH接続に関する設定」で作成する秘密鍵のファイルパスを指定する。

ファイルパスに空白が含まれる場合でも,「"」で囲む必要はない。※7

256バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

(なし)

(凡例)

○:再更新できます。

注※1

jpcconf target setupコマンドを非対話形式で実行するときは,定義ファイル中で,この項目名をプロダクト固有のラベルとして使用します。非対話形式のコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注※2

稼働性能情報の収集とヘルスチェックを実施するためには,少なくとも,PFM - RMホストで名前解決できるようにする必要があります。また,JP1/IM連携機能を使用する場合はJP1/IMホストで名前解決できるようにする必要があります。

注※3

「All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。

注※4

監視対象の仮想環境がVMwareの場合,指定するアカウントにはVMwareのロールの「読み取り専用」以上の権限が必要です。権限の設定方法については,VMwareのマニュアルを参照してください。

監視対象の仮想環境がHyper-Vの場合,指定するアカウントの権限については,「2.5.2(1)(a) 接続に必要な環境設定」を参照してください。

監視対象の仮想環境がKVMの場合,スーパーユーザーでログインしてください。

監視対象の仮想環境がPodman環境の場合,スーパーユーザーでログインしてください。一般ユーザーのコンテナ(rootlessコンテナ)は監視できません。

注※5

監視対象の仮想環境がKVMの場合,指定するユーザーのログインシェルは,「bash」,「bsh」または「ksh」のどれかを使用してください。

監視対象の仮想環境がPodman環境の場合,指定するユーザーのログインシェルは,「bash」を使用してください。

注※6

監視対象の仮想環境がVMwareの場合,VMware側のパスワードに次の記号文字を使用しているときは,監視対象の設定のPassword項目を設定するときに次のとおり変換した文字列を入力してください。

記号

入力する文字列

<

&lt;

>

&gt;

&

&amp;

'

&apos;

"

&quot;

たとえば,Password に「abc<def>xyz」と指定したい場合は,「abc&lt;def&gt;xyz」と入力してください。

注※7

レコードの収集の度に,秘密鍵ファイルを参照します。レコードの収集時に,秘密鍵ファイルが参照できるパスを指定する必要があります。

注※8

クライアント証明書に問題がある場合,Docker環境が接続を拒否するため,パフォーマンスデータの収集はできません。

監視対象の設定で入力が必要な項目は,監視対象の仮想環境によって異なります。仮想環境ごとの入力要否を次の表に示します。

表2‒8 各仮想環境の監視対象情報入力要否

項目

仮想環境

VMware

Hyper-V

KVM

Docker環境

Podman環境

Virtage

Target Host

VM_Host

Security

×

×

×

×

Port

×

×

UserID

×

×

Password

×

×

×

×

Domain

×

×

×

×

×

Private_Key_File

×

×

×

×

(凡例)

○:入力が必要です。

△:デフォルト値から変更する場合は入力してください。

×:入力は不要です。

監視対象の設定には,jpcconf target setupコマンドを使用します。監視対象の設定手順を次に示します。

  1. jpcconf target setupコマンドを実行する。

    PFM - RM for Virtual Machineでは,監視対象の名前として物理サーバのホスト名を指定することを推奨します。

    インスタンス名inst1の監視対象ホストtargethost1を監視対象として設定する場合のコマンド実行例を次に示します。

    jpcconf target setup -key RMVM -inst inst1 -target targethost1

    jpcconf target setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

  2. PFM - RM for Virtual Machineの監視対象を設定する。

    コマンドの指示に従って監視対象の設定項目を入力します。監視対象の設定項目については,表2-8を参照してください。各設定項目を入力したら,リターンキーを押して設定してください。デフォルトで表示されている値をそのまま入力内容とする場合は,リターンキーだけを押してください。

監視対象がVMwareの場合の設定例を次に示します。

設定する監視対象の条件
  • 物理サーバのホスト名:targethost1

  • ユーザー:user1

  • パスワード:pass1

  • ドメイン:domain1

C:\Program Files\Hitachi\jp1pc\tools>jpcconf target setup -key RMVM -inst inst1 -target targethost1
Target Host [] : targethost1 <Enter>
VM_Host [] : <Enter>
Security [1] : <Enter>
Port [0] :<Enter>
UserID:user1 <Enter>
Password :pass1※1<Enter>
Re-enter :pass1※1<Enter>
Domain [] :<Enter>
Private_Key_File [] :<Enter>
KAVE05361-I 監視対象を追加しています (servicekey※2=RMVM,inst=inst1, target=targethost1)
KAVE05362-I 監視対象が追加されました (servicekey※2=RMVM,inst=inst1, target=targethost1)
注※ 1

パスワードは再入力を要求されます。入力したパスワードは画面には表示されません。

注※ 2

PFM - Managerのプロダクト名表示機能が無効の場合,「servicekey」は「agt8」と表示されます。

すべての設定が完了すると,監視対象の環境が構築されます。監視対象の環境のフォルダ構成を次の表に示します。

表2‒9 パフォーマンスデータの格納先を変更するコマンドの設定項目

項番

格納先フォルダ

ファイル名

説明

1

PFM - RM for Virtual Machineのインストール先フォルダ\agt8\agent\インスタンス名\targets

監視対象名.ini

監視対象設定ファイルです。

2

監視対象名.ini.model

監視対象設定ファイルのモデルファイルです。

3

PFM - RM for Virtual Machineのインストール先フォルダ\agt8\agent\インスタンス名\targets\監視対象名

監視対象用のワークフォルダです。

(凡例)

−:該当しません。

注※

論理ホストで運用する場合はPFM - RM for Virtual Machineのインストール先フォルダ環境フォルダ\jp1pcに読み替えてください。

なお,監視対象の設定で追加されるサービスIDは次のようになります。

追加されるサービスID
  • Remote Agentサービス

    8Aインスタンス番号 インスタンス名[監視対象名@ホスト名]

    インスタンス名と監視対象名はjpcconf target setupコマンドで指定した値になります。

    PFM - RMホストのホスト名がhost1でインスタンス名にinst1,監視対象名にtargethost1を指定した場合,サービスIDは次のようになります。

    8A1inst1[targethost1@host1]

サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録に記載されている命名規則を参照してください。

監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行し,監視対象の情報を更新してください。監視対象の更新の詳細については,「2.4.3 監視対象の更新」を参照してください。

設定した一部の情報は,PFM - Web Consoleのプロパティ編集で変更できます。プロパティ編集で変更できる情報の詳細については,「付録E.3 リモートエージェントとグループエージェントのプロパティ一覧」を参照してください。

(5) 監視対象ごとの設定[図データ]

監視対象の仮想環境ごとに必要な設定について説明します。

(a) VMwareの場合[図データ]

VMwareとの通信にはSSL/TLSを用いるため,暗号化通信の設定およびCA証明書を組み込む必要があります。詳細については,「2.5.1 VMwareの場合」を参照してください。

また,ユーザーレコードを使用して,PFM - RM for Virtual Machineの取得対象ではないパフォーマンス情報を監視することができます。ユーザーレコードの確認については,「2.5.1(6) ユーザーレコード」を参照してください。

(b) Hyper-Vの場合[図データ]

PFM - RMホストと監視対象ホストでWMIの設定が必要になります。WMIの設定の詳細については,「2.5.2 Hyper-Vの場合」を参照してください。

(c) KVMの場合[図データ]

監視対象ホストからパフォーマンスデータを収集するためにSSHの接続が必要になります。詳細については,「2.5.3 KVMの場合」を参照してください。

(d) Docker環境の場合[図データ]

Docker環境との通信にはSSL/TLSを用いるため,CA証明書およびクライアント証明書を組み込む必要があります。詳細については,「2.5.4 Docker環境の場合」を参照してください。

(e) Podman環境の場合[図データ]

監視対象ホストからパフォーマンスデータを収集するためにSSHの接続が必要になります。詳細については,「2.5.5 Podman環境の場合」を参照してください。

(f) Virtageの場合[図データ]

監視対象となるVirtage環境で,監視エージェントをインストールしたマシンのIPアドレスを設定する必要があります。詳細については,「2.5.6 Virtageの場合」を参照してください。

(6) ネットワークの設定[図データ] [図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合にだけ必要な設定です。

ネットワークの設定では次の2つの項目を設定できます。

(7) ログのファイルサイズ変更[図データ] [図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

(8) パフォーマンスデータの格納先の変更[図データ] [図データ]

PFM - RM for Virtual Machineで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先またはエクスポート先のフォルダを変更したい場合にだけ,必要な設定です。

パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。

詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(9) PFM - RM for Virtual Machineの接続先PFM - Managerの設定[図データ]

PFM - RM for Virtual Machineがインストールされているホストで,そのPFM - RM for Virtual Machineを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。

重要
  • 同一ホスト上に,複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。

  • PFM - RM for Virtual MachineとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。

    セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。

    jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。

  2. 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。

    例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。

    jpcconf mgrhost define -host host01

(10) 動作ログ出力の設定[図データ] [図データ]

PFMサービスの起動・停止時や,PFM - Managerとの接続状態の変更時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。

設定方法については,「付録I 動作ログの出力」を参照してください。