Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


付録N KAVL20516-Wのメッセージが出力され続ける場合の対処方法

システムの再起動時やクラスタ構成の切り替え時に,PFM - RM for Virtual Machineのサービスが起動した時刻によっては,「1.3.1(2) パフォーマンスデータを収集するときの処理の流れ」の図1-10に示す,一時的な高負荷や監視対象との通信に時間がかかるなどの状態が発生していなくても,KAVL20516-Wのメッセージが出力され続けることがあります。

KAVL20516-Wのメッセージは,PFM - RM for Virtual Machineのサービスを再起動すると出力されなくなります。

また,システムの再起動時およびクラスタ構成の切り替え時にKAVL20516-Wメッセージが出力されない運用にもできます。この場合,次のどちらかの設定をしてください。

(a)パフォーマンスデータの収集間隔(Collection IntervalおよびInterval)の設定値を変更する(UseOffsetを無効(N)で運用する場合の設定)

インスタンス環境のセットアップ時に,各レコードの「Collection Interval」に指定した時間の1/2の値を「Interval」に指定すると,Remote Monitor Collectorサービスの収集処理が,新しい性能情報一時ファイルを読み込めるようになります。

レコードの「Collection Interval」の値を300秒,インスタンス環境の「Interval」の値を150秒に指定した場合の例を次に示します。

図N‒1 パフォーマンスデータの収集間隔の設定値を変更した場合の例

[図データ]

(b)収集プロセスの開始時刻を0秒基点に変更する(UseOffsetを有効(Y)で運用する場合の設定)

各レコードの「Collection Interval」およびインスタンス環境の「Interval」の値を指定できる最小値の60秒などの短い値で運用している場合,「Collection Interval」に指定した時間の1/2の値を「Interval」に指定できません。この場合は,PFM - RM for Virtual Machineの設定ファイルでUseOffsetの設定値を有効(Y)に設定し,収集プロセスの開始時刻を0秒基点に変更します。設定方法の詳細は,「2.1.4(2) PFM - RM for Virtual Machineの設定」を参照してください。

PFM - RM for Virtual Machineの設定ファイルでUseOffsetの設定値を有効(Y)に設定し,レコードの「Collection Interval」の値を60秒,インスタンス環境の「Offset」の値を10秒に指定した場合の例を次に示します。

図N‒2 収集プロセスの開始時刻を0秒基点に変更した場合の例

[図データ]

ヒント

UseOffsetの設定値を有効(Y)に設定した場合,サービス開始直後の初回の収集は,収集プロセス起動時刻の1分後に行われます。2回目以降は,0秒を基点とした時刻にインスタンス環境のセットアップ時に指定した「Offset」の秒数を加えた時刻に収集されます。

なお,複数のインスタンスで監視している場合に収集プロセスの開始時刻を0秒基点に変更するときは,次に示す設定が必要になることがあります。

収集プロセスの負荷分散

インスタンス環境の「Offset」の値をデフォルト値(10秒)のまま複数のインスタンスをセットアップすると,収集プロセスが同じ時刻に動作します。インスタンス数が多い環境では,PFM - RM for Virtual Machineホストに負荷が集中し,運用上の問題が発生するおそれがあります。

このため,インスタンスごとに「Offset」の値を変えて指定してください。

「Offset」の値は1〜3600の範囲で指定できますが,Remote Monitor Collectorサービスが性能情報一時ファイルを読み込む時間を考慮して,各レコードの「Collection Offset」の値から10秒程度空けた値を指定してください。

図N‒3 すべてのインスタンスで同じOffsetの値を指定した場合の例

[図データ]

図N‒4 インスタンスごとに異なるOffsetの値を指定した場合の例

[図データ]

「Collection Offset」の設定値見直し

「Offset」に指定した値が大きくなり,Remote Monitor Collectorサービスが性能情報一時ファイルを読み込む時間(「Collection Interval」の値)に近くなると,KAVL20516-Wのメッセージが出力され続ける状態が発生しやすくなります。この場合は,各レコードの「Collection Offset」の設定で,Remote Monitor Collectorサービスが性能情報一時ファイルを読み込む時間を変更してください。

「Collection Offset」を変更する場合は,同じインスタンスのすべてのレコードで同じ値を設定してください。

図N‒5 インスタンスごとにCollection Offsetの値を変えて指定した場合の例

[図データ]