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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


2.5.2 Hyper-Vの場合

監視対象の仮想環境がHyper-Vの場合,PFM - RM for Virtual Machineでは,監視対象ホストからパフォーマンスデータを収集するためにWMIを使用します。WMIの接続設定を実施していない場合,パフォーマンスデータは収集できません。このため,PFM - RMホストと監視対象ホストでWMIの設定が必要となります。

〈この項の構成〉

(1) WMI接続の設定

WMIの接続設定方法について説明します。

WMIを接続するには次のような設定が必要となります。

設定が完了したら,PFM - RMホストから監視対象ホストに接続できることを確認してください。確認方法については,「(2) WMI接続状態の確認」を参照してください。

WMIの接続設定時の注意事項

監視対象ホストのOSのシステム管理情報を提供するWindows Management Instrumentationサービス(サービス名:WinMgmt)のスタートアップの種類が「無効」に設定されている場合は収集できません。

(a) 接続に必要な環境設定

WMIの設定に必要な内容を次に示します。

  • ユーザーアカウントの設定

    WMIを使用するには,PFM - RMホストと監視対象ホストのアカウントが必要となります。

    • PFM - RMホストのアカウント

      アカウントを設定する場合は,表2-5のHostUserID,HostPasswordおよびHostDomainの設定値に応じた値を設定してください。設定したアカウントは,インスタンスのセットアップ時に指定します。

      なお,クラスタシステムでPFM - RM for Virtual Machineを運用する場合,PFM - RMホストのアカウントは,実行系と待機系で同一のユーザーとパスワードを設定して両方にログオンできるアカウントにしてください。

      インスタンスの監視対象ホストにPFM - RMホストのHyper-Vを含む場合は,インスタンスの設定で次のどちらかのユーザーを使用してください。

       1. Built-in Administratorユーザー

       2. Performance Log UsersグループまたはPerformance Monitor Usersグループのどちらかと,Hyper-V Administratorsグループのメンバー

      また,ドメイン環境の場合は,HostDomainにPFM - RMホストのコンピューター名を指定してください(hostsファイルやDNSのホスト名とは異なる場合があります)。

    • 監視対象ホストのアカウント

      アカウントを設定する場合は,表2-8のUserID,PasswordおよびDomainの設定値に応じた値を設定してください。設定したアカウントは,監視対象のセットアップ時に指定します。

      次のどれかのユーザーを使用してください。

      ドメインアカウントユーザーの場合

       1. ドメイン管理者ユーザー

      ローカルアカウントユーザーの場合

       1. Built-in Administratorユーザー

       2. Administratorsグループのメンバー

       3. Performance Log UsersグループまたはPerformance Monitor Usersグループのどちらかと,Hyper-V Administratorsグループのメンバー

      PFM - RMホストのHyper-Vを監視する場合,監視対象ホストのアカウント(UserID,Password およびDomain)は指定しないでください。

    注※

    Administratorsグループのメンバー(Built-in Administratorを除く)を使用した場合,UACによって権限が制限され,一般ユーザーの権限で接続されます。これによって,アクセス拒否が発生し,性能情報を取得できないことがあります。これを回避するためには,監視対象のUACを無効にするか,監視対象で次の設定を実施してください。

    reg add HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v LocalAccountTokenFilterPolicy /t REG_DWORD /d 1 /f

    元に戻す場合は次のコマンドを実行してください。

    reg delete HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v LocalAccountTokenFilterPolicy /f

  • WMIサービスの設定

    監視対象ホストのWMIサービスのスタートアップを「無効」以外に設定してください。「無効」に設定されているとパフォーマンスデータが収集できません。

(b) DCOMの設定

PFM - RMホストと監視対象ホストでDCOMを設定する方法について説明します。

  • PFM - RMホストでの設定

    PFM - RMホストで,DCOMを設定します。

    DCOMの設定手順について次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。

  2. 「dcomcnfg.exe」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。

    [コンポーネントサービス]画面が表示されます。

    [図データ]

  3. [コンポーネントサービス],[コンピューター]の順にクリックし,ツリーを展開する。

    [図データ]

  4. [マイコンピューター]を選択して,右クリックメニューから[プロパティ]を選択する。

    [マイコンピューターのプロパティ]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  5. [既定のプロパティ]タブを選択して,[このコンピューター上で分散COMを有効にする]をチェックする。

    [図データ]

  6. [OK]ボタンをクリックする。

    [マイコンピューターのプロパティ]ダイアログが閉じます。

  7. ホストを再起動する。

    [このコンピューター上で分散COMを有効にする]の設定を変更していない場合,この作業は不要です。

  • 監視対象ホストでの設定

    監視対象ホストで,DCOMを設定します。

    DCOMの設定手順について次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。

  2. 「dcomcnfg.exe」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。

    [コンポーネントサービス]画面が表示されます。

  3. [コンポーネントサービス],[コンピューター]の順にクリックし,ツリーを展開する。

  4. [マイコンピューター]を選択して,右クリックメニューから[プロパティ]を選択する。

    [マイコンピューターのプロパティ]ダイアログが表示されます。

  5. [既定のプロパティ]タブを選択して,[このコンピューター上で分散COMを有効にする]をチェックする。

    [図データ]

  6. [COMセキュリティ]タブを選択して,[アクセス許可]の[制限の編集]ボタンをクリックする。

    [図データ]

    [アクセス許可]ダイアログが表示されます。

    [グループ名またはユーザー名]に,監視対象ホストに接続するユーザー,またはユーザーが属するグループが表示されているかどうかを確認してください。

    表示されていない場合は,[追加]ボタンをクリックして,ユーザーまたはユーザーが属するグループを追加してください。

  7. [グループ名またはユーザー名]の監視対象ホストに接続するユーザーまたはユーザーが属するグループを選択する。

    [リモートアクセス]の[許可]がチェックされているかどうか確認してください。チェックが外されている場合は,チェックしてください。

    [図データ]

  8. [OK]ボタンをクリックする。

    [アクセス許可]ダイアログが閉じます。

  9. [COMセキュリティ]タブを選択して,[起動とアクティブ化のアクセス許可]の[制限の編集]ボタンをクリックする。

    [図データ]

    [起動とアクティブ化のアクセス許可]ダイアログが表示されます。

    [グループ名またはユーザー名]に,監視対象ホストに接続するユーザー,またはユーザーが属するグループが表示されているかどうかを確認してください。

    表示されていない場合は,[追加]ボタンをクリックして,ユーザーまたはユーザーが属するグループを追加してください。

  10. [グループ名またはユーザー名]の監視対象ホストに接続するユーザーまたはユーザーが属するグループを選択する。

    [リモートからの起動]と[リモートからのアクティブ化]の[許可]がチェックされているかどうか確認してください。チェックが外されている場合は,チェックしてください。

    [図データ]

  11. [OK]ボタンをクリックする。

    [起動とアクティブ化のアクセス許可]ダイアログが閉じ,[マイコンピューターのプロパティ]ダイアログに戻ります。

  12. [OK]ボタンをクリックする。

    [マイコンピューターのプロパティ]ダイアログが閉じます。

  13. ホストを再起動する。

    [このコンピューター上で分散COMを有効にする]の設定を変更していない場合,この作業は不要です。

(c) ファイアウォールの設定

Windowsのファイアウォールが有効になっている場合にこの設定が必要です。

ファイアウォールの設定手順について次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。

  2. 「gpedit.msc」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。

    [ローカルグループポリシーエディタ]画面が表示されます。

    [図データ]

  3. [コンピューターの構成],[管理用テンプレート],[ネットワーク],[ネットワーク接続],[Windowsファイアウォール]の順にクリックし,ツリーを展開する。

    [図データ]

  4. [標準プロファイル]をクリックして,右ペインにある[Windowsファイアウォール:着信リモート管理の例外を許可する]の右クリックメニューから[プロパティ]を選択する。

    [Windowsファイアウォール:着信リモート管理の例外を許可する のプロパティ]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

    注※

    ホストがドメイン環境の場合は,[ドメインプロファイル]となります。

  5. [設定]タブを選択して,[有効]をチェックする。

  6. [OK]ボタンをクリックする。

    [Windowsファイアウォール:着信リモート管理の例外を許可する のプロパティ]のダイアログを閉じます。

(d) WMI名前空間の設定

WMIの名前空間の設定手順を次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。

  2. 「wmimgmt.msc」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。

    [wmimgmt-[コンソールルート\WMIコントロール (ローカル)]]画面が表示されます。

    [図データ]

  3. [WMIコントロール (ローカル)]を選択して,右クリックメニューから[プロパティ]を選択する。

    [WMIコントロール (ローカル)のプロパティ]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  4. [セキュリティ]タブを選択して,[Root],[CIMV2]の順にクリックし,[CIMV2]を選択する。

    [図データ]

  5. [セキュリティ]ボタンをクリックする。

    [セキュリティ ROOT\CIMV2]ダイアログが表示されます。

    [グループ名またはユーザー名]に,監視対象ホストに接続するユーザー,またはユーザーが属するグループが表示されているかどうかを確認してください。表示されていない場合は,[追加]ボタンをクリックして,ユーザーまたはユーザーが属するグループを追加してください。

  6. [グループ名またはユーザー名]の監視対象ホストに接続するユーザーまたはユーザーが属するグループを選択する。

    [アカウントの有効化]と[リモートの有効化]の[許可]がチェックされているかどうか確認してください。チェックが外されている場合は,チェックしてください。

    [図データ]

  7. [OK]ボタンをクリックする。

    [セキュリティ ROOT\CIMV2]ダイアログが閉じ,[WMIコントロール (ローカル)のプロパティ]ダイアログに戻ります。

  8. [セキュリティ]タブを選択して,[Root],[virtualization]の順にクリックし,[virtualization]を選択する。

    [図データ]

  9. [セキュリティ]ボタンをクリックする。

    [セキュリティ ROOT\virtualization]ダイアログが表示されます。

    [グループ名またはユーザー名]に,監視対象ホストに接続するユーザー,またはユーザーが属するグループが表示されているかどうかを確認してください。表示されていない場合は,[追加]ボタンをクリックして,ユーザーまたはユーザーが属するグループを追加してください。

  10. [グループ名またはユーザー名]の監視対象ホストに接続するユーザーまたはユーザーが属するグループを選択する。

    [アカウントの有効化]と[リモートの有効化]の[許可]がチェックされているかどうか確認してください。チェックが外されている場合は,チェックしてください。

    [図データ]

  11. [OK]ボタンをクリックする。

    [セキュリティ ROOT\virtualization]ダイアログが閉じ,[WMIコントロール (ローカル)のプロパティ]ダイアログに戻ります。

  12. [セキュリティ]タブを選択して,[Root],[virtualization],[v2]の順にクリックし,[v2]を選択する。(Windows Server 2012 R2以降の場合)

  13. [セキュリティ]ボタンをクリックする。(Windows Server 2012 R2以降の場合)

    [セキュリティ ROOT\virtualization\v2]ダイアログが表示されます。

    [グループ名またはユーザー名]に,監視対象ホストに接続するユーザー,またはユーザーが属するグループが表示されているかどうかを確認してください。

    表示されていない場合は,[追加]ボタンをクリックして,ユーザーまたはユーザーが属するグループを追加してください。

  14. [グループ名またはユーザー名]の監視対象ホストに接続するユーザーまたはユーザーが属するグループを選択する。(Windows Server 2012 R2以降の場合)

    [アカウントの有効化]と[リモートの有効化]の[許可]がチェックされているかどうか確認してください。チェックが外されている場合は,チェックしてください。

  15. [OK]ボタンをクリックする。(Windows Server 2012 R2以降の場合)

    [セキュリティ ROOT\virtualization\v2]ダイアログが閉じ,[WMI コントロール (ローカル)のプロパティ]ダイアログに戻ります。

  16. [OK]ボタンをクリックする。

    [WMIコントロール (ローカル)のプロパティ]ダイアログが閉じます。

  17. [wmimgmt-[コンソールルート\WMIコントロール (ローカル)]]画面の[ファイル]−[終了]を選択して,[wmimgmt-[コンソールルート\WMIコントロール (ローカル)]]画面を終了します。

(2) WMI接続状態の確認

Windowsのツール(wbemtest.exe)を使用してPFM - RMホストと監視対象ホストが接続されているかどうかを確認します。

WMIの接続の確認手順を次に示します。なお,この手順はPFM - RMホストで実施してください。

  1. コマンドプロンプトで次のコマンドを実行する。

    runas /user:<ユーザー名> wbemtest

    ドメインに所属するユーザーの場合には,ユーザー名をユーザ@ドメイン名の形式で指定します。

    [Windows Management Instrumentationテスト]画面が表示されます。

    [図データ]

    なお,ユーザー名にはインスタンス環境の設定で「HostUserID」と「HostDomain」に入力する値を指定し,コマンドの実行後にパスワードの入力を要求された場合は「HostPassword」に入力する値を指定します。

    「HostUserID」,「HostDomain」および「HostPassword」については,表2-5を参照してください。

  2. [接続]ボタンをクリックする。

    [接続]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  3. [名前空間],[ユーザー],[パスワード]および[機関]に必要な情報を入力する。

    入力する内容をそれぞれ説明します。

    • 名前空間

      \\監視対象ホスト名\root\cimv2」または「\\監視対象ホスト名\root\virtualization」を入力します。監視対象ホスト名には監視対象の設定で「Target Host」に入力する値を指定してください。

    • ユーザー

      監視対象ホストにログオンするユーザー名を入力します。ユーザーには監視対象の設定で「UserID」に入力する値を指定してください。

    • パスワード

      ユーザーのパスワードを入力します。パスワードには監視対象の設定で「Password」に入力する値を指定してください。

    • 機関

      ntlmdomain:監視対象ホストのドメイン名」を入力します。監視対象ホストがワークグループの場合は,未入力のままにしてください。監視対象ホストのドメイン名には,監視対象の設定で「Domain」に入力する値を指定してください。

    入力例を次に示します。

    [図データ]

    「Target Host」,「UserID」,「Password」および「Domain」については,表2-8を参照してください。

  4. [接続]ボタンをクリックする。

    接続に成功すると[接続]ダイアログが閉じ,[Windows Management Instrumentationテスト]ダイアログのボタンがすべて活性化されます。

    [図データ]

    エラーダイアログが表示される場合は,エラー番号に応じて設定を確認してください。エラー番号とその要因について次に示します。

    なお,ツール(wbemtest.exe)を起動したまま設定を変更し,接続を再実施してもエラーになることがあります。その場合は,ツールを再起動してから接続を再確認してください。

    • 0x8001011c

      PFM - RMホストでDCOMが設定されていません。

    • 0x80070005

      次のどれかがエラー要因として考えられます。

      ・PFM - RMホストでDCOMが設定されていない

      ・監視対象ホストでDCOMが設定されていない

      ・監視対象ホストに接続するユーザー名,パスワードまたはドメイン名に誤りがある

    • 0x80041003

      監視対象ホストでWMIの「名前空間」が設定されていません。

    • 0x80041008

      「機関」に指定している値が「ntlmdomain:」で始まっていない。

    • 0x800706XX

      次のどれかがエラー要因として考えられます。

      ・監視対象ホスト名に誤りがある

      ・監視対象ホストが起動していない

      ・監視対象ホストでファイアウォールが設定されていない

      ・監視対象ホストにログインするユーザーのパスワードが有効期限を過ぎている

  5. [インスタンスの列挙]ボタンをクリックする。

    [クラス情報]ダイアログが表示されます。

  6. 「スーパークラス名の入力」に「Win32_PerfRawData_PerfOS_System」を入力して[OK]ボタンをクリックする。

    [図データ]

    [クエリ結果]ダイアログが表示されます。

    リストに「Win32_PerfRawData_PerfOS_System=@」が表示されているかどうかを確認してください。エラーダイアログが表示されたり,リストに表示されていなかったりするときは,監視対象ホストに接続するユーザーがAdministratorsグループ,Performance Log UsersグループまたはPerformance Monitor Usersグループのメンバーでないことが要因として考えられます。

    なお,ツール(wbemtest.exe)を起動したまま設定を変更し,インスタンスの列挙を再実施してもエラーになることがあります。その場合は,ツールを再起動してから確認を再実施してください。

    [図データ]