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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


2.4.3 監視対象の更新

監視対象を更新したい場合は,監視対象名を確認し,監視対象情報を更新します。監視対象情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。

更新する情報は,次の表であらかじめ確認してください。

表2‒13 PFM - RM for Virtual Machineの監視対象の設定項目

項目

説明

設定できる値

デフォルト値

Target Host

監視対象の物理サーバのホスト名を指定する。名前解決できるホスト名※1を指定する。

指定した値は,稼働性能情報の収集とヘルスチェックの際に使用される。JP1/IMと連携する場合はイベントホスト名としても使用される。

32バイト以内の半角英数字と「-」だけ使用できる。

ただし,「-」から始まる名前は指定できない。

指定する値はインスタンス内でユニーク※2である必要がある。

前回の設定値

VM_Host

監視対象の物理サーバのホスト名を指定する。

接続先のホスト名がTarget Hostに指定できない名称で作成済みの場合に指定する。

Virtageの場合,IPアドレスも指定できる。

指定した値は,稼働性能情報の収集に使用される。値を指定しない場合,Target Hostの値で,稼働性能情報の収集を行う。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

VMwareの場合,半角英数字と「-」および「.」で指定する。

「_」を含むホスト名は使用できない。

VirtageホストのIPアドレスを指定する場合,次のIPv4形式で指定する。

xxx.xxx.xxx.xxx

例)192.168.41.1

前回の設定値

Security

監視対象となる物理サーバとの通信にSSL/TLSを使用するかどうかを指定する。

{0|1|2|3}

  • VMwareおよびDocker環境の場合:

    0:SSL/TLSを使用しない。

    SSL/TLSで接続するため,0は指定できません。

    1:SSL/TLSを使用する。

    サーバ証明書に問題がある場合,パフォーマンスデータの収集を続行し,共通メッセージログに警告メッセージを出力する。警告メッセージが出力された場合,正しい証明書に変更する必要がある。

    2:SSL/TLSを使用する

    サーバ証明書に問題がある場合,パフォーマンスデータの収集を続行し,共通メッセージログに警告メッセージは出力しない。

    VMwareのデフォルトの証明書で運用する場合は,2を指定することで警告メッセージの出力を抑止できる。

    Docker環境のサーバ証明書を無視して運用する場合は,2を指定することで警告メッセージの出力を抑止できる。

    3:SSL/TLSを使用する

    サーバ証明書に問題がある場合,パフォーマンスデータの収集は行わない。また,共通メッセージログに警告メッセージを出力する。

    正しい証明書で運用し,信頼できる監視対象のみパフォーマンスデータを収集したい場合は,3を指定する。

  • Hyper-V,Virtage,KVM,およびPodman環境の場合:

    SSL/TLSは使用できないため,設定を無視し,常に「0:SSL/TLSを使用しない」で動作する。

前回の設定値

Port

監視対象となる物理サーバとの通信に使用するポート番号を指定する。

0〜65535

  • VMwareの場合:

    0の場合,HTTPSのデフォルトポート番号443。

  • Virtageの場合:

    使用するポート番号は623で固定のため,任意に指定できない。

    ポート番号に623以外を指定した場合も,623として動作する。

  • KVMの場合:

    ポート番号に0を指定した場合,SSHのデフォルトポート番号22として動作する。

  • Docker環境の場合:

    接続に使用するポート番号を指定する。ポート番号に0を指定した場合,パフォーマンスデータの収集は行わない。また,共通メッセージログに警告メッセージを出力する。

  • Podman環境の場合:

    ポート番号に0を指定した場合,SSHのデフォルトポート番号22として動作する。

前回の設定値

UserID

監視対象となる物理サーバに接続するためのユーザーID※3を指定する。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

前回の設定値

Password

監視対象となる物理サーバに接続するためのパスワードを指定する。この項目で入力した文字は,画面に表示されない。また,この項目に値を設定する場合,二度入力を要求される。

監視対象がVMwareの場合で,特殊文字をパスワードに含むときは,サニタイジング処理した文字列を入力する。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

前回の設定値

Domain

監視対象となる物理サーバが所属するドメイン名を指定する。

ワークグループに所属している場合,指定する必要はない。

監視対象の種類がVMware,Virtage,KVM,Docker環境またはPodman環境の場合,指定する必要はない。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

前回の設定値

Private_Key_File

SSH公開鍵方式で使用する秘密鍵ファイルの名前を絶対パスで指定する。ファイルパスに空白が含まれる場合でも,「"」で囲む必要はない。

256バイト以内の半角文字列。ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

前回の設定値

注※1

稼働性能情報の収集とヘルスチェックを実施するためには,少なくとも,PFM - RMホストで名前解決できるようにする必要があります。また,JP1/IM連携機能を使用する場合はJP1/IMホストで名前解決できるようにする必要があります。

注※2

「All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。

注※3

監視対象の仮想環境がVMwareの場合,指定するアカウントにはVMwareのロールの「読み取り専用」以上の権限が必要です。権限の設定方法については,VMwareのマニュアルを参照してください。

監視対象の仮想環境がHyper-Vの場合,指定するアカウントの権限については,「2.5.2 Hyper-Vの場合」の注意事項を参照してください。

監視対象の仮想環境がKVMの場合,スーパーユーザーでログインしてください。

ログインしたあとの設定手順および注意事項については,「2.5.3 KVMの場合」を参照してください。

監視対象の仮想環境がPodman環境の場合,スーパーユーザーでログインしてください。一般ユーザーのコンテナ(rootlessコンテナ)は監視できません。

ログインしたあとの設定手順および注意事項については,「2.5.5 Podman環境の場合」を参照してください。

なお,監視対象の設定で入力が必要な項目は仮想環境によって異なります。このため,更新できる項目もそれに準じて異なります。仮想環境ごとの更新可否を次の表に示します。

表2‒14 各仮想環境の監視対象の更新可否

項目

仮想環境

VMware

Hyper-V

KVM

Docker環境

Podman環境

Virtage

Target Host

VM_Host

Security

Port

UserID

Password

Domain

Private_Key_File

(凡例)

○:更新できます。

−:設定はPFM - RM for Virtual Machineの動作に影響しないため,更新は不要です。

監視対象名を確認するには,jpcconf target listコマンドを使用します。また,監視対象を更新するには,jpcconf target setupコマンドを使用します。

監視対象を更新する手順を次に示します。複数の監視対象を更新する場合は,この手順を繰り返し実施します。

  1. 監視対象名を確認する。

    インスタンス名がinst1の監視対象名を確認する場合,PFM - RM for Virtual Machineを示すサービスキーを指定して,jpcconf target listコマンドを実行します。

    jpcconf target list -key RMVM -inst inst1

    設定されている監視対象名がtargethost1の場合,targethost1と表示されます。

  2. 監視対象ホスト名(Target Host)を変更する場合,バインドしているアラームテーブルをjpctool alarm unbindコマンドでアンバインドする。

    サービスIDが8Atargethost1の監視対象ホストから,アラームテーブル名がalarmtable1のアラームテーブルをアンバインドする場合,次のように指定してコマンドを実行します。

    jpctool alarm unbind -key RMVM -table alarmtable1 -id 8Atargethost1
  3. PFM - RM for Virtual Machineを示すサービスキー,インスタンス名および監視対象名を指定して,jpcconf target setupコマンドを実行する。

  4. PFM - RM for Virtual Machineの監視対象情報を更新する。

    表2-14に示した項目を,コマンドの指示に従って入力します。現在設定されている値が表示されます。表示された値を変更しない場合は,リターンキーだけを押してください。すべての入力が終了すると,監視対象が更新されます。

  5. 手順2.でアンバインドを実行した場合は,jpctool alarm bindコマンドでアラームテーブルをバインドする。

    サービスIDが8Atargethost1の監視対象ホストへ,アラームテーブル名がalarmtable1のアラームテーブルをバインドする場合,次のように指定してコマンドを実行します。

    jpctool alarm bind -key RMVM -table alarmtable1 -id 8Atargethost1

コマンドについては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。