JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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4.14 dcmpack.exe(パッケージングの実行)

ユーザデータまたはユーザプログラムのパッケージングを実行するdcmpackコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM Manager(中継マネージャ),JP1/NETM/DM Client(中継システム),およびJP1/NETM/DM Client(クライアント)の,パッケージャをインストールした環境で実行できます。

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) 引数
(4) パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応
(5) パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式
(6) リターンコード
(7) 注意事項
(8) 実行例

(1) 機能

配布管理システム(JP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM Client(中継システム))に,ユーザデータまたはユーザプログラムをパッケージングします。

プログラムプロダクトはパッケージングできません。

(2) 形式

dcmpack.exe [/k パスワード]
             /i パラメタファイル名 [/o 結果出力ファイル名]
            [/LC {ON|OFF}]

(3) 引数

(4) パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応

このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は,コマンドの引数で指定することもできます。パラメタファイルの指定内容と,コマンドの引数との対応を次の表に示します。

表4-14 パラメタファイルとコマンドの引数の対応(dcmpackコマンド)

パラメタファイルの指定内容 内容 指定の有無 コマンドの引数
タグ パラメタ
PACKAGING_SOURCE file_path パッケージ対象ファイル名 /P 値
base_fullpath パッケージ基準ディレクトリパス /B 値
PACKAGING_INFORMATION package_name パッケージ名 /p 値
package_id パッケージ識別ID /I 値
version_revision バージョン/リビジョン /v 値
generation 世代番号 /G 値
cabinet_name キャビネット名 /c 値
cabinet_id キャビネット識別ID /C 値
package_code コード種別 ×
SYSTEM_CONDITIONS directory インストール先ディレクトリ /D 値
condition システム条件 12 /O 値
SOFTWARE_CONDITIONS condition ソフトウェア条件 12 /l 値
FILE_PROPERTIES permission ファイルアクセス権の復元 /qYまたは/qN※3
SCHEDULE expiration_date 中継システムでのパッケージ保管期限 /x 値
expiration_days 中継システムでのパッケージ保管日数 /ed 値
installation_date_and_time インストール日時 /d 値
installation_timing インストールタイミング /tSまたは/tN
INSTALLATION_METHOD installation_mode インストールモード /mBまたは/mG
OPTION compress 圧縮の有無 /uYまたは/uN
compress_type 圧縮方法 /ctNまたは/ctH※4
restore バージョンアップ時のリストア対象の有無 /RYまたは/RN
encipher 暗号化の有無 5 /encYまたは/encN
reboot インストール後のコンピュータ再起動 /reboot
processing_dialog インストール時の処理中ダイアログの表示 1 /procS,/procY,または/procN
USER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONS external_program_executed_before_installation※6 インストール前起動外部プログラム /b 値
external_program_executed_after_installation インストール後起動外部プログラム /a 値
external_program_error_handler※7 インストールエラー時起動外部プログラム /e 値
external_program_handler 起動外部プログラム ×
exit※7 外部プログラム処理結果の通知方式 /rbR,/rbM,/raR,/raM,/reR,または/reM
action※7 処理結果エラー時の取り扱い /ybC,/ybS,/yaC,または/yaS
wait※7 監視方式 /wbU,/wbT,/wbG,/waU,/waT,/waG,/weU,または/weY
timeout 監視時間 8 /n 値
wait_code 監視コード ×
SCRIPTS installation_script インストールスクリプトのパス 19 /Z 値
(凡例)
◎:必ず指定する ○:省略できる ×:不要(指定しても無視される)
−:コマンドの引数では指定できない
注※1
UNIXのクライアントへ配布するパッケージの場合は指定できません。
注※2
システム条件とソフトウェア条件を複数指定すると,すべての条件を満たす場合にインストールされます。コマンドの引数で指定する場合,/Oと/lは,合計10個まで指定できます。
注※3
UNIXのクライアントへ配布するパッケージの場合,「/qN」を指定してください。
注※4
UNIXのクライアントへ配布するパッケージを圧縮する場合,「/ctN」を指定してください。
注※5
このパラメタを指定する場合は,JP1/NETM/DM Encryption Optionのインストールが必要です。
注※6
UNIXのクライアントへ配布するパッケージの場合,SCHEDULEタグのinstallation_date_and_timeパラメタと同時に指定すると,このパラメタは無視されます。
注※7
UNIXのクライアントへ配布するパッケージの場合,パラメタを指定しても無視されます。
注※8
waitでUを指定した場合(コマンドの引数で/wbU,/waU,/weUを指定した場合)は,指定しても無視されます。
注※9
この項目を指定した場合,SYSTEM_CONDITIONSタグ,SOFTWARE_CONDITIONSタグ,およびUSER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONSタグに該当する情報はすべて無視されます。

(5) パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式

パラメタファイルを使用しないで引数だけで指定する場合の,コマンドの形式を次に示します。

dcmpack.exe [/k パスワード]
            [/P パッケージ対象ファイル名]
             /B パッケージ基準ディレクトリパス
             /p パッケージ名 /I パッケージ識別ID
             /v バージョン・リビジョン /G 世代番号
             /c キャビネット名 /C キャビネット識別ID
            [/D インストール先ディレクトリ]
            [/O システム条件] [/l ソフトウェア条件]
            [{/qY|/qN}] [/x 中継システムでのパッケージ保管期限]
            [/ed 中継システムでのパッケージ保管日数]
            [/d インストール日時] [{/tS|/tN}] [{/mB|/mG}]
            [{/uY|/uN}] [{/RY|/RN}] [{/encY|/encN}]
            [/reboot] [{/procS|/procY|/procN}]
            [/b インストール前起動外部プログラム [{/rbR|/rbM}]
            [{/ybC|/ybS}] [{/wbU|/wbT|/wbG}] [/n 監視時間]]
            [/a インストール後起動外部プログラム [{/raR|/raM}]
            [{/yaC|/yaS}] [{/waU|/waT|/waG}] [/n 監視時間]]
            [/e インストールエラー時起動外部プログラム
            [{/reR|/reM}] [{/weU|/weY}] [/n 監視時間]]
            [/Z インストールスクリプトのパス]
            [/o 結果出力ファイル名]
            [/LC {ON|OFF}]

(6) リターンコード

dcmpackコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード 意味 対処
0 正常終了した。 なし。
1 パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式が不正。 パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。
2 コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。 コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。
3 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 パッケージングを実行するPCの設定内容または通信環境を確認してください。
4 結果出力ファイルを作成できなかった,または予約語を使用したバージョン・リビジョンおよび世代番号の自動カウントアップに失敗した。ただしパッケージの登録には成功した。 パッケージングするファイルを指定したパスを確認してください。
5 配布管理システムとの接続に失敗した。 配布管理システムまたはリレーショナルデータベースが停止していないか確認してください。
6 配布管理システムとのデータ送受信に失敗した。 通信環境を確認してください。
7 次のどちらかを意味する。
  • パッケージング対象のファイルまたはディレクトリがない。
  • パッケージ対象のファイルまたはディレクトリ数が上限値を超過した。

  • パッケージングするファイルまたはディレクトリを指定したパスを確認してください。
  • パッケージ対象のファイルまたはディレクトリ数を減らしてください。
9 パッケージング対象のパッケージはすでにパッケージングされている。 次の項目のうち,どれか一つを変更して再度パッケージングしてください。
  • キャビネット識別ID
  • パッケージ識別ID
  • バージョン番号
  • 世代番号
12 そのほかのエラーが発生した。 イベントログを参照してください。
13 パスワードに誤りがある。 パスワードの指定を確認してください。
14 バージョン・リビジョンまたは世代番号を自動カウントアップした結果,指定できる最大けた数を超えたため,パッケージの登録に失敗した。 バージョン・リビジョンおよび世代番号の予約語の設定を確認してください。

また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。

(7) 注意事項

(8) 実行例

C:\Finance\data0401ディレクトリ下にあるファイルを,次のようにパッケージングする例を次に示します。

(a) パラメタファイルの作成

パラメタファイルを次のように作成します。

** dcmpack Parameter File Sample
 
PACKAGING_SOURCE{
file_path=FD200304.dat
base_fullpath= C:\Finance\data0401
}
PACKAGING_INFORMATION
{
package_name=Finance Data 2003 4
package_id=FD200304
version_revision=000001
generation=0000
cabinet_name=FCAB01
cabinet_id=F1
package_code=P
}
SYSTEM_CONDITIONS{
condition=H:c>300
condition=C = PowerPC
directory=C:\Finance
}
USER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONS
{
external_program_executed_after_installation = C:\Dmbat\app\normal_exit.exe
}
(b) コマンドの実行

パラメタファイルをC:\Dmbat\para.txtに保存した場合,コマンドは次のように実行してください。

dcmpack.exe /i C:\Dmbat\para.txt