JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)
JP1/NETM/DMで取得した稼働情報(抑止履歴および操作履歴)を,データベースに格納するdcmmonrstコマンドについて説明します。データベースに格納することで,稼働情報を[操作ログ一覧]ウィンドウから管理できます。
このコマンドは,JP1/NETM/DM Managerの配布管理システムで実行できます。ただし,セットアップの[稼働監視]パネルで「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオフにしている場合は,実行できません。
- <この節の構成>
- (1) 機能
- (2) 形式
- (3) 引数
- (4) リターンコード
- (5) 注意事項
- (6) 実行例
JP1/NETM/DMで取得した抑止履歴および操作履歴を,[操作ログ一覧]ウィンドウで管理できるようにするために,netmdm_monitoring_securityテーブルに格納します。
dcmmonrstコマンドでは,操作履歴退避ディレクトリに退避された操作履歴もあわせて,指定した期間の稼働情報をデータベースに格納できます。そのため,セットアップで指定した保存日数を経過してデータベースから削除された稼働情報など,過去の稼働情報を[操作ログ一覧]ウィンドウで参照し直せます。
- 稼働情報を自動で格納している場合
- セットアップの[稼働監視]パネルで次に示す設定にしている場合,dcmmonrstコマンドを実行すると保存日数を経過した稼働情報をデータベースに格納できます。
- 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
- 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
- 「自動格納する」チェックボックスをオン
- dcmmonrstコマンドを実行すると,格納されたデータベースの情報が保持され,以降,格納の定期実行は行われません。コマンドでの稼働情報の格納は実行できます。
- この状態を解除するには,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行してください。保持された状態が解除され,格納の定期実行が行われるようになります。引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドの実行時に,セットアップで指定した保存日数を経過した稼働情報は,データベースから削除されます。そのため,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドは,稼働情報の格納の完了後,[操作ログ一覧]ウィンドウで操作ログを確認してから実行してください。
- 引数に/cを指定してコマンドを実行すると,データベースに格納されている稼働情報を削除できます。なお,データベースの情報が保持されている状態で稼働情報を削除しても,保持された状態は解除されません。
- 定期実行またはコマンドによる稼働情報の格納・削除中に,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行すると,稼働情報の格納・削除を中止できます。中止した場合,セットアップで指定した保存日数を経過した稼働情報は,データベースから削除されます。なお,定期実行による格納を中止した場合,次回の定期実行時に格納が再開されます。コマンドによる格納・削除を中止した場合,次回のコマンドによる格納・削除は通常どおりに実行されます。なお,「Remote Install Server」サービスを再起動すると,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行しなくても,保持された状態が解除され,格納の定期実行が行われるようになります。これによって,保存日数を経過した稼働情報はデータベースから削除されます。
- 引数に/sを指定したdcmmonrstコマンドを実行して稼働情報を格納する場合,引数に/nを指定すると処理状況が出力されます。
- 稼働情報を手動で格納する場合
- セットアップの[稼働監視]パネルで次に示す設定にしている場合,引数に/xを指定してdcmmonrstコマンドを実行すると稼働情報をデータベースに格納できます。
- 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
- 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
- 「操作履歴を格納ディレクトリから圧縮して退避する」ラジオボタンを選択
- 「自動格納する」チェックボックスをオフ
- なお,この場合,格納した稼働情報は,引数に/cを指定したdcmmonrstコマンドで削除しないかぎりデータベースに蓄積されます。
- また,一度データベースに格納された稼働情報は,次回からはコマンドを実行しても格納されません。ただし,引数/zを指定してdcmmonrstコマンドを実行すると,データベースに格納したことのある稼働情報を再度格納できるようになります。
- 引数に/xを指定したdcmmonrstコマンドを実行して稼働情報を格納する場合,引数に/nを指定すると処理状況が出力されます。
- 自動で格納している場合で保存日数を経過した稼働情報を格納するとき
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
[/p パスワード] /s 開始日
[/e 終了日] [/d 操作履歴退避ディレクトリ]
{ [/H ホスト名] | [/I IPアドレス] }
[/n 出力単位数]
- データベースの保持状態を解除する場合,または格納を中止する場合
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
[/p パスワード] /r
- 手動で格納する場合に稼働情報を格納するとき
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
[/p パスワード] /x [/d 操作履歴退避ディレクトリ]
[/s 開始日] [/e 終了日]
{ [/H ホスト名] | [/I IPアドレス] }
[/n 出力単位数]
- 一度格納した稼働情報を再度格納できるようにする場合
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
[/p パスワード] /z [/d 操作履歴退避ディレクトリ]
{ [/H ホスト名] | [/I IPアドレス] }
- データベースに格納された稼働情報を削除する場合
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
[/p パスワード] /c 削除日
- /h
接続先の配布管理システムのホスト名またはIPアドレスを半角64文字以内で指定します。省略した場合は,「localhost」が設定されます。
- /u
接続するデータベースの管理者ユーザIDを半角30文字以内で指定します。省略した場合は,セットアップの[データベース環境]パネルで指定されている管理者ユーザIDが設定されます。
- /p
接続するデータベースのパスワードを半角30文字以内で指定します。パスワードが設定されていない場合は省略できます。
- /s
データベースへの格納の開始点となる日付を指定します。ここで指定した日付以降の稼働情報が,データベースに格納されます。
引数/xを指定した場合,ここで指定した日付以降に操作履歴格納ディレクトリから操作履歴退避ディレクトリに退避された稼働情報のうち,データベースに未格納の稼働情報がデータベースに格納されます。
日付は,YYYYMMDDの形式で,YYYYは西暦,MMは月,DDが日を示すように指定してください。指定できる日付の範囲は,1980年1月1日〜2099年12月31日です。
なお,引数/xを指定した場合は省略できます。省略したときは,操作履歴格納ディレクトリ内の稼働情報がデータベースに格納され,格納が完了した稼働情報は,操作履歴退避ディレクトリに退避されます。
- /e
データベースへの格納の終点となる日付を指定します。ここで指定した日付までの稼働情報が,データベースに格納されます。省略した場合は,最新の日付までの稼働情報が,データベースに格納されます。
引数/xを指定した場合,ここで指定した日付以前に操作履歴格納ディレクトリから操作履歴退避ディレクトリに退避された稼働情報のうち,データベースに未格納の稼働情報がデータベースに格納されます。
日付は,YYYYMMDDの形式で,YYYYは西暦,MMは月,DDが日を示すように指定してください。指定できる日付の範囲は,1980年1月1日〜2099年12月31日です。
なお,引数/sで指定した日付よりも前の日付を指定した場合はエラーとなります。また,引数/sで指定した日付と同じ日付を指定した場合は,その日付の稼働情報だけが格納されます。
- /d
セットアップで指定したディレクトリ以外の操作履歴退避ディレクトリから,稼働情報をデータベースに格納する場合に指定します。ただし,インストール時に指定した操作履歴格納ディレクトリの稼働情報はデータベースに格納されません。操作履歴退避ディレクトリのパスは,半角で127文字(全角で63文字)以内で指定してください。省略した場合,セットアップで指定した操作履歴退避ディレクトリが設定されます。
- 操作履歴退避ディレクトリに共有ディレクトリを指定している場合
- UNCパスで指定してください。ネットワークドライブの認証情報は,[ネットワーク接続情報の設定]ダイアログボックスまたは[ネットワーク接続]タブで入力した情報が設定されます。
- /H※
ホスト名を指定して稼働情報をデータベースに格納したい場合に,ホスト名を指定します。大文字と小文字は区別されません。
- /I※
IPアドレスを指定して稼働情報をデータベースに格納したい場合に,IPアドレスを指定します。
- /n
稼働情報をデータベースに格納する場合,次の処理状況を標準出力に出力したいときに指定します。なお,()内は出力される処理状況の単位を示しています。
- 操作履歴格納ディレクトリ内の稼働情報の格納処理(ディレクトリ)
- 操作履歴退避ディレクトリ内の稼働情報の格納処理(ディレクトリ)
- 引数/dで指定された操作履歴退避ディレクトリ内の稼働情報の格納処理(ディレクトリ)
- データベースに格納されている抑止履歴の格納処理(ホスト)
処理状況を出力する単位数(格納処理の対象ディレクトリ数およびホスト数)を1〜10,000で指定します。出力する単位数の目安は,格納処理の対象ホスト数の5〜20%です。なお,指定した値が格納処理の対象ディレクトリ数およびホスト数より少ない場合は,最終結果だけを出力します。
- /r
セットアップの[稼働監視]パネルで次に示す設定にしている場合(稼働情報をデータベースに自動で格納している場合),データベースにコマンドで格納された稼働情報の保持状態を解除します。また,データベースへの稼働情報の格納,およびデータベースからの稼働情報の削除を中止します。
このとき,セットアップで設定されている保存日数を経過した稼働情報はデータベースから削除されます。
- 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
- 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
- 「自動格納する」チェックボックスをオン
- /x
セットアップの[稼働監視]パネルで次に示す設定にしている場合(稼働情報をデータベースに手動で格納する場合)に有効です。
- 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
- 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
- 「操作履歴を格納ディレクトリから圧縮して退避する」ラジオボタンを選択
- 「自動格納する」チェックボックスをオフ
稼働情報をデータベースに格納するときに指定します。格納された稼働情報は,引数に/cを指定したdcmmonrstコマンドで削除しないかぎりデータベースに蓄積されます。一度格納したことのある稼働情報は格納されません。
コマンドを実行すると,操作履歴格納ディレクトリ内の稼働情報がデータベースに格納され,格納が完了した稼働情報は,操作履歴退避ディレクトリに退避されます。
引数/sおよび引数/eで,データベースに格納する稼働情報の日付の範囲を指定した場合,操作履歴退避ディレクトリ内の対象となる稼働情報のうち,未格納の稼働情報だけがデータベースに格納されます。
引数/dで操作履歴退避ディレクトリを指定した場合,操作履歴退避ディレクトリ内の稼働情報のうち,未格納の稼働情報だけがデータベースに格納されます。
この引数を指定してdcmmonrstコマンドを実行する場合,対象とする操作履歴退避ディレクトリに書き込み権限があることを事前に確認してください。
- /z
引数/xを指定したdcmmonrstコマンドで操作履歴退避ディレクトリからデータベースに格納した稼働情報を,再度格納できるようにする場合に指定します。
この引数を指定してdcmmonrstコマンドを実行する場合,対象とする操作履歴退避ディレクトリに書き込み権限があることを事前に確認してください。また,稼働情報を再度データベースに格納する際には,すでに格納されている稼働情報を事前にデータベースから削除しておいてください。削除されていない稼働情報は,重複して格納されます。
- /c
データベースに格納された稼働情報から,指定した日付以前の稼働情報を削除します。日付は,YYYYMMDDの形式で,1980年1月1日〜2099年12月31日の範囲で指定します。
注※ 引数として/Hおよび/Iを省略した場合,すべてのホストの稼働情報がコマンドの実行対象になります。
(4) リターンコード
dcmmonrstコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード |
意味 |
対処 |
0 |
退避データのリストア,解除,または削除が完了した。 |
なし。 |
2 |
コマンドの引数に不正な値が指定されている。 |
コマンドの引数の設定値を確認してください。 |
3 |
配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 |
配布管理システムの稼働状態を確認してください。 |
5 |
配布管理システムとの通信に失敗した。 |
配布管理システムのセットアップで,通信環境の設定を確認してください。 |
7 |
退避ディレクトリに指定したディレクトリが存在しない,またはアクセス権がない。 |
指定したパスを確認してください。 |
12 |
そのほかのエラーが発生した。 |
イベントログを参照してください。 |
13 |
ログイン名またはパスワードに誤りがある。 |
ログイン名またはパスワードの指定を確認してください。 |
15 |
データベースにデータを格納中,またはデータベースからデータを削除中。 |
再度コマンドを実行してください。 |
20 |
引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行したため,データベースへの格納または削除が中止された。 |
なし。 |
21 |
- 引数/xまたは引数/zを指定したdcmmonrstコマンドを実行した場合に,指定した操作履歴退避ディレクトリが存在しない。
- 引数/xまたは引数/zを指定したdcmmonrstコマンドを実行した場合に,指定した操作履歴退避ディレクトリに書き込み権限がない。
|
書き込み権限がある操作履歴退避ディレクトリを指定してください。 |
22 |
現在のサーバセットアップの設定内容では,コマンドの引数に指定したオプションを実行できない。 |
イベントログを参照し,サーバセットアップの設定およびコマンドの引数に指定したオプションを確認してください。 |
また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。
- データベースに格納されている稼働情報のうち最も新しい日付よりも,二日以上先の日付を開始点として格納を実行した場合,データベースに格納されている情報と,新規に格納した情報との間に,稼働情報が存在しない日付ができてしまいます。この場合,稼働情報が存在しない日付が保存日数を経過するまで,その日付の情報が追加できなくなるおそれがあります。
最新の稼働情報を格納する場合は,次の手順でコマンドを実行してください。
- dcmmonrst.exe /s 現在の日付−保存日数+1を実行する。
- dcmmonrst.exe /rを実行する。
- 次に示す場合は,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行して,稼働情報の保持状態をいったん解除してから稼働情報を格納し直してください。
- dcmmonrstコマンドを実行して稼働情報をデータベースに格納したあと,再度稼働情報を格納するとき
- データベースへの稼働情報の格納に失敗したあとで,再度稼働情報を格納するとき
- クライアントからの稼働情報の受信と,データベースへの稼働情報の格納が同じタイミングで実行された場合,それぞれの処理に時間が掛かるときがあります。そのため,クライアントからの稼働情報の受信と,データベースへの稼働情報の格納が異なるタイミングで実行されるように,それぞれの実行時間を設定してください。
- 稼働情報の量によっては,データベースへの格納に時間が掛かる場合があります。取得した履歴の内容やシステムの環境にもよりますが,クライアント1台当たりの,1日分の稼働情報の格納に掛かる時間は,10秒を目安にしてください。
- コマンドの引数に予約語は指定できません。
- 08-52以前のJP1/NETM/DM Managerからアップグレードする場合,ソフトウェア稼働監視履歴データベースファイルに十分な容量を割り当てて,データベースもアップグレードしてください。
- Embedded RDB環境で稼働情報を手動で格納する場合は,dcmmonrstコマンドでデータベースから稼働情報を削除したあとで,netmdb_reclaim.batコマンドを実行して領域を解放してください。netmdb_reclaim.batコマンドの詳細については,マニュアル「運用ガイド1」の「6.6.5 操作ログの削除」を参照してください。
- 稼働情報を自動でデータベースに格納する設定から,手動で格納する設定に変更した場合,引数に/xを指定したdcmmonrstコマンドを実行して稼働情報をデータベースに格納する前に,引数に/cを指定したdcmmonrstコマンドを実行して,データベース内の稼働情報を削除してください。
- データベースに稼働情報を蓄積して格納する場合,引数に/xを指定したdcmmonrstコマンドを定期的に実行して,稼働情報をデータベースに格納してください。定期的にdcmmonrstコマンドを実行しないと,稼働情報が操作履歴退避ディレクトリに退避されません。
操作履歴のファイルサイズが20MBを超えた場合,イベントログに警告メッセージが出力されます。また,ファイルサイズが30MBを超える操作履歴が格納されている場合,エラーが発生して処理が停止したときは,処理中のクライアントの格納データが一部重複することがあります。
- 引数に/nを指定したdcmmonrstコマンドを実行して処理状況を標準出力に出力する場合,処理状況を出力しないときより時間が掛かることがあります。そのため,処理状況を確認する必要がある場合だけ,引数に/nを指定してください。
- 引数に/nを指定したdcmmonrstコマンドを実行して処理状況を標準出力に出力する場合,データベースに稼働情報を格納している間に,新しい稼働情報がアップロードされることがあります。このとき,アップロードされた稼働情報がデータベースに格納され,処理が完了したディレクトリ数およびホスト数だけが増加することがあります。
dcmmonrstコマンドを使用する場合の例を次に示します。
- 自動で格納している場合で保存日数を経過した稼働情報を格納するとき
dcmmonrst.exe /p p@ssw0rd /s 20070801
- データベースの保持状態を解除する場合
dcmmonrst.exe /p p@ssw0rd /r
- 手動で格納する場合に稼働情報を格納するとき
dcmmonrst.exe /p p@ssw0rd /x /d D:\backup
- 一度格納した稼働情報を再度格納できるようにする場合
dcmmonrst.exe /p p@ssw0rd /z /d D:\backup
- データベースに格納された稼働情報を削除する場合
dcmmonrst.exe /p p@ssw0rd /c 20071130
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