JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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4.13 dcmmonrst.exe(稼働情報のデータベースへの格納)

JP1/NETM/DMで取得した稼働情報(抑止履歴および操作履歴)を,データベースに格納するdcmmonrstコマンドについて説明します。データベースに格納することで,稼働情報を[操作ログ一覧]ウィンドウから管理できます。

このコマンドは,JP1/NETM/DM Managerの配布管理システムで実行できます。ただし,セットアップの[稼働監視]パネルで「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオフにしている場合は,実行できません。

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) 引数
(4) リターンコード
(5) 注意事項
(6) 実行例

(1) 機能

JP1/NETM/DMで取得した抑止履歴および操作履歴を,[操作ログ一覧]ウィンドウで管理できるようにするために,netmdm_monitoring_securityテーブルに格納します。

dcmmonrstコマンドでは,操作履歴退避ディレクトリに退避された操作履歴もあわせて,指定した期間の稼働情報をデータベースに格納できます。そのため,セットアップで指定した保存日数を経過してデータベースから削除された稼働情報など,過去の稼働情報を[操作ログ一覧]ウィンドウで参照し直せます。

稼働情報を自動で格納している場合
セットアップの[稼働監視]パネルで次に示す設定にしている場合,dcmmonrstコマンドを実行すると保存日数を経過した稼働情報をデータベースに格納できます。
  • 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
  • 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
  • 「自動格納する」チェックボックスをオン
dcmmonrstコマンドを実行すると,格納されたデータベースの情報が保持され,以降,格納の定期実行は行われません。コマンドでの稼働情報の格納は実行できます。
この状態を解除するには,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行してください。保持された状態が解除され,格納の定期実行が行われるようになります。引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドの実行時に,セットアップで指定した保存日数を経過した稼働情報は,データベースから削除されます。そのため,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドは,稼働情報の格納の完了後,[操作ログ一覧]ウィンドウで操作ログを確認してから実行してください。
引数に/cを指定してコマンドを実行すると,データベースに格納されている稼働情報を削除できます。なお,データベースの情報が保持されている状態で稼働情報を削除しても,保持された状態は解除されません。
定期実行またはコマンドによる稼働情報の格納・削除中に,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行すると,稼働情報の格納・削除を中止できます。中止した場合,セットアップで指定した保存日数を経過した稼働情報は,データベースから削除されます。なお,定期実行による格納を中止した場合,次回の定期実行時に格納が再開されます。コマンドによる格納・削除を中止した場合,次回のコマンドによる格納・削除は通常どおりに実行されます。なお,「Remote Install Server」サービスを再起動すると,引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行しなくても,保持された状態が解除され,格納の定期実行が行われるようになります。これによって,保存日数を経過した稼働情報はデータベースから削除されます。
引数に/sを指定したdcmmonrstコマンドを実行して稼働情報を格納する場合,引数に/nを指定すると処理状況が出力されます。
稼働情報を手動で格納する場合
セットアップの[稼働監視]パネルで次に示す設定にしている場合,引数に/xを指定してdcmmonrstコマンドを実行すると稼働情報をデータベースに格納できます。
  • 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
  • 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
  • 「操作履歴を格納ディレクトリから圧縮して退避する」ラジオボタンを選択
  • 「自動格納する」チェックボックスをオフ
なお,この場合,格納した稼働情報は,引数に/cを指定したdcmmonrstコマンドで削除しないかぎりデータベースに蓄積されます。
また,一度データベースに格納された稼働情報は,次回からはコマンドを実行しても格納されません。ただし,引数/zを指定してdcmmonrstコマンドを実行すると,データベースに格納したことのある稼働情報を再度格納できるようになります。
引数に/xを指定したdcmmonrstコマンドを実行して稼働情報を格納する場合,引数に/nを指定すると処理状況が出力されます。

(2) 形式

自動で格納している場合で保存日数を経過した稼働情報を格納するとき
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
              [/p パスワード] /s 開始日 
              [/e 終了日] [/d 操作履歴退避ディレクトリ]
              { [/H ホスト名] | [/I IPアドレス] }
              [/n 出力単位数]
データベースの保持状態を解除する場合,または格納を中止する場合
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
              [/p パスワード] /r
手動で格納する場合に稼働情報を格納するとき
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
              [/p パスワード] /x [/d 操作履歴退避ディレクトリ]
              [/s 開始日] [/e 終了日]
              { [/H ホスト名] | [/I IPアドレス] }
              [/n 出力単位数]
一度格納した稼働情報を再度格納できるようにする場合
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
              [/p パスワード] /z [/d 操作履歴退避ディレクトリ]
              { [/H ホスト名] | [/I IPアドレス] }
データベースに格納された稼働情報を削除する場合
dcmmonrst.exe [/h 接続先] [/u 管理者ユーザID]
              [/p パスワード] /c 削除日

(3) 引数

注※ 引数として/Hおよび/Iを省略した場合,すべてのホストの稼働情報がコマンドの実行対象になります。

(4) リターンコード

dcmmonrstコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード 意味 対処
0 退避データのリストア,解除,または削除が完了した。 なし。
2 コマンドの引数に不正な値が指定されている。 コマンドの引数の設定値を確認してください。
3 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 配布管理システムの稼働状態を確認してください。
5 配布管理システムとの通信に失敗した。 配布管理システムのセットアップで,通信環境の設定を確認してください。
7 退避ディレクトリに指定したディレクトリが存在しない,またはアクセス権がない。 指定したパスを確認してください。
12 そのほかのエラーが発生した。 イベントログを参照してください。
13 ログイン名またはパスワードに誤りがある。 ログイン名またはパスワードの指定を確認してください。
15 データベースにデータを格納中,またはデータベースからデータを削除中。 再度コマンドを実行してください。
20 引数に/rを指定したdcmmonrstコマンドを実行したため,データベースへの格納または削除が中止された。 なし。
21
  • 引数/xまたは引数/zを指定したdcmmonrstコマンドを実行した場合に,指定した操作履歴退避ディレクトリが存在しない。
  • 引数/xまたは引数/zを指定したdcmmonrstコマンドを実行した場合に,指定した操作履歴退避ディレクトリに書き込み権限がない。
書き込み権限がある操作履歴退避ディレクトリを指定してください。
22 現在のサーバセットアップの設定内容では,コマンドの引数に指定したオプションを実行できない。 イベントログを参照し,サーバセットアップの設定およびコマンドの引数に指定したオプションを確認してください。

また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。

(5) 注意事項

(6) 実行例

dcmmonrstコマンドを使用する場合の例を次に示します。