JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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4.4 dcmcoll.exe(ファイルの収集)

ファイルを収集するdcmcollコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM ManagerおよびJP1/NETM/DM Client(中継システム)の配布管理システムで実行できます。

このコマンドで実行したジョブは,配布管理システムの[ジョブ実行状況]ウィンドウで実行結果を確認できます。

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) 引数
(4) パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応
(5) パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式
(6) リターンコード
(7) 注意事項
(8) 実行例

(1) 機能

次に示す,リモートコレクトに関連するジョブを作成,実行します。

また,収集したアーカイブファイルを復元します。

JP1/NETM/DM Client(中継システム)では,「リモートコレクト」ジョブの作成,実行とアーカイブファイルの復元だけができます。

なお,JP1/NETM/DM Client(中継システム)では,一つ下の階層までしかジョブを実行できません。

(2) 形式

dcmcoll.exe [処理キー] [/G] [/Z] [/s]
            /i パラメタファイル1 [パラメタファイル2]
            /o 結果出力ファイル名
            [/LC {ON|OFF}]

(3) 引数

(4) パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応

このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は,コマンドの引数で指定することもできます。パラメタファイルの指定内容と,コマンドの引数との対応を次の表に示します。

表4-7 パラメタファイルとコマンドの引数の対応(dcmcollコマンド)

パラメタファイルの指定内容 内容 指定の有無 コマンドの引数
タグ パラメタ
JOB_DESTINATION directory_com ディレクトリ情報(コンピュータの階層) 12 /dc 値
directory_group ディレクトリ情報(グループの階層) 12 /dg 値
directory_ou ディレクトリ情報(組織単位(OU)の階層) 12 /do 値
group あて先グループ名 12 /g 値
host_name ホスト名 12 /h 値
lower_clients すべてのあて先指定の有無 ×
JOB_DESTINATION_ID destination_id ID名 1 /X 値
FILE_COLLECTION source_path 収集ファイル名 3 /y 値
dmz_path 収集後の格納先フォルダ(収集時),または復元対象ファイル/フォルダ(復元時) 4 /z 値
unarc_path 復元後の格納先フォルダ 5 /r 値
JOB_ATTRIBUTE job_generator ジョブ名称 6 /j 値
jobno ジョブ番号 ×
job_folder ジョブ格納フォルダパス /l 値
unsuspended 中断中の配布の有無 ×
JOB_SCHEDULE job_entry_date ジョブの登録日時 7 /jst 値
job_execution_date ジョブの実行日時 7 /jsx 値
job_expiration_date ジョブの実行期限 7 /jsp 値
SCHEDULE expiration_date 中継システムでのパッケージ保管期限 ×
expiration_days 中継システムでのパッケージ保管日数 ×
installation_date_and_time インストール日時 ×
installation_timing インストール(収集)タイミング /tSまたは/tN
OPTION compress 圧縮の有無 /uYまたは/uN
compress_type 圧縮方法 ×
restore バージョンアップ時のリストア対象の有無 ×
encipher 暗号化の有無 ×
reboot インストール後のコンピュータ再起動 ×
processing_dialog インストール時の処理中ダイアログの表示 ×
USER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONS external_program_executed_before_installation インストール(収集)前起動外部プログラム /b 値
external_program_executed_after_installation インストール(収集)後起動外部プログラム /a 値
external_program_error_handler インストール(収集)エラー時起動外部プログラム 8 /e 値
external_program_handler 起動外部プログラム ×
exit 外部プログラム処理結果の通知方式 ×
action 処理結果エラー時の取り扱い ×
wait 監視方式 ×
timeout 監視時間 ×
wait_code 監視コード ×
(凡例)
◎:必ず指定する ○:省略できる ×:不要(指定しても無視される)
−:コマンドの引数では指定できない
注※1
JOB_DESTINATIONとJOB_DESTINATION_IDは同時に指定できません。また,/g,/h,/dc,/dg,および/doは/Xと同時に指定できません。必ずどちらかを指定してください。
なお,処理キーが「NETM_COLTOM」または「NETM_COLRESET」の場合は,あて先として指定できるIDは,ID管理中継として登録されたIDだけです。
処理キーが「NETM_UNARC」の場合は,指定しても無視されます。
注※2
groupおよびhost_name(/gおよび/h)と,directory_com,directory_group,およびdirectory_ou(/dc,/dgおよび/do)は同時に指定できません。ただし,groupとhost_name(/gと/h)は同時に指定してもかまいません。また,directory_com,directory_group,およびdirectory_ou(/dc,/dgおよび/do)は,組み合わせに関係なく同時に指定してもかまいません。
注※3
処理キーが「NETM_COLLECT」および「NETM_COLTOS」の場合に必ず指定してください。
注※4
処理キーが「NETM_COLLECT」,「NETM_COLTOS」,および「NETM_UNARC」の場合に必ず指定してください。
注※5
処理キーが「NETM_UNARC」の場合に必ず指定してください。
注※6
job_generator(または/j)の指定を省略した場合,ジョブ名称として「処理キー+ジョブの実行日時」が自動的に設定されます。このため,同じ処理キーのコマンドを同時に複数実行すると,ジョブ名称が重複しジョブが正しく実行されないことがあります。同じ処理キーのコマンドを同時に複数実行する場合は,job_generator(または/j)で,異なるジョブ名称を指定することをお勧めします。
注※7
処理キーが「NETM_UNARC」の場合は,指定しても無視されます。
注※8
UNIXクライアントからファイルを収集する場合は指定できません。

(5) パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式

パラメタファイルを使用しないで引数だけで指定する場合の,コマンドの形式を次に示します。

クライアントからファイルを収集する場合
dcmcoll.exe {[NETM_COLLECT]|NETM_COLTOS} [/s]
            {[/g あて先グループ名] [/h ホスト名]|
              [/dc コンピュータの階層] [/dg グループの階層]
              [/do 組織単位(OU)の階層]|
              /X ID名}
            /y 収集ファイル名 /z 収集ファイル格納フォルダパス
            [/j ジョブ名称] [/l ジョブ格納フォルダパス]
            [/jst ジョブの登録日時] [/jsx ジョブの実行日時]
            [/jsp ジョブの実行期限]
            [{/tS|/tN}] [ {/uY|/uN}]
            [/b ファイル収集前起動外部プログラム]
            [/a ファイル収集後起動外部プログラム]
            [/e ファイル収集エラー時起動外部プログラム]
            [/o 結果出力ファイル名]
            [/LC {ON|OFF}]
中継サーバからコレクトファイルを収集する,または中継システム上のコレクトファイルを削除する場合
dcmcoll.exe {NETM_COLTOM|NETM_COLRESET} [/s]
            {[/g あて先グループ名] [/h ホスト名]|/X ID名}
            [/j ジョブ名称] [/l ジョブ格納フォルダパス]
            [/jst ジョブの登録日時] [/jsx ジョブの実行日時]
            [/jsp ジョブの実行期限]
            [/o 結果出力ファイル名]
            [/LC {ON|OFF}]
ファイルを復元する場合
dcmcoll.exe NETM_UNARC [/G] [/Z]
            /z 復元対象ファイルまたはフォルダ
            /r 復元後の格納先
            [/LC {ON|OFF}]

(6) リターンコード

dcmcollコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード 意味 対処
0 配布管理システムがジョブを開始した。
または,アーカイブファイルの復元が正常終了した。
なし。
1 パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式に誤りがある。 パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。
2 コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。 コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。
3 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 配布管理システムのバージョンを確認してください。
4 結果出力ファイルをオープンできない。 結果出力ファイルの指定を確認してください。
5 クライアント,配布管理システム間の通信に失敗した。 配布管理システムのセットアップで,通信環境の設定を確認してください。
7 一つ以上のアーカイブファイルの復元に失敗した。 アーカイブファイルのパスを確認してください。
復元ファイルのフルパス(「復元後の格納先ディレクトリ」+「作成ディレクトリ」(「アーカイブファイルの格納先ディレクトリ」)+「復元後のファイル名またはディレクトリ名」)が半角259文字を超えているおそれがあります。
12 そのほかのエラーが発生した。 イベントログを参照してください。

また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。

(7) 注意事項

(8) 実行例

JP1/NETM/DM Client(クライアント)が稼働するホストdmp491およびdmp492から,C:\temp下のディレクトリ「SD障害.dir」,「SD障害2.dir」,および「SD障害3.dir」のファイルを収集する例を次に示します。クライアントの起動を契機に収集を開始し,収集前,収集後,および収集エラー時に外部プログラムを起動するよう指定しています。

(a) パラメタファイルの作成

ホストと収集ファイルの属性をパラメタファイルに次のように記述し,パラメタファイルを任意の名称で保存します。

** dcmcoll Parameter File Sample
 
JOB_DESTINATION{
host_name=dmp492.soft.hitachi.co.jp
host_name=dmp491
group = \grp\gname1
group = \grp\gname2;\grp\gname3
}
SCHEDULE{
installation_timing = S
}
OPTION{
compress=Y
}
USER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONS{
external_program_executed_before_installation = "C:\test B.exe"
external_program_executed_after_installation = C:\testA.exe -x "a aa"
external_program_error_handler = "C:\test E.exe"
}
FILE_COLLECTION{
source_path= C:\temp\SD障害.dir
source_path= C:\temp\SD障害2.dir;C:\temp\SD障害3.dir
dmz_path= C:\temp\収集
}
(b) コマンドの実行

作成したパラメタファイルをC:\Dmbat\dcmcoll.txtに保存し,結果出力ファイルをC:\Dmbat\out.txtに取得する場合は,次のように指定します。

dcmcoll.exe /i C:\Dmbat\dcmcoll.txt /o C:\Dmbat\out.txt /j temp収集
(c) 結果出力ファイルの確認

コマンドが正常終了すると,ジョブのジョブ名称,ジョブ番号,ジョブ格納フォルダパスが,C:\Dmbat\out.txtに次のように出力されます。

JOB_ATTRIBUTE{
job_generator= NETM_COLLECT_03_12_11_13_34_36
jobno= JB03121113315383
job_folder= \
}