JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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4.5 dcmcsvu.exe(CSV出力)

インベントリ情報をCSV形式ファイルまたはパラメタファイル形式で出力するdcmcsvuコマンドについて説明します。

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) 引数
(4) パラメタファイルの指定内容とコマンド引数の対応
(5) パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式
(6) リターンコード
(7) 実行例1
(8) 実行例2
(9) 実行例3
(10) 実行例4

(1) 機能

ローカルホスト上の配布管理システムに接続し,その時点のインベントリ情報をCSV形式ファイルまたはパラメタファイルの形式で出力します。また,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出結果,およびネットワーク上のホストの探索結果をCSV形式ファイルで出力することもできます。なお,UnicodeのCSV形式ファイルで出力することもできます。ただし,UnicodeのCSV形式ファイルのエンコーディングはUTF-8だけです。

出力する情報は,JP1/NETM/DMが提供するテンプレートを使って指定します。インベントリ情報を出力するテンプレートは,CSV出力ユティリティで使用するテンプレートと同じです。指定したテンプレートに含まれる項目(テンプレート中の列)について,情報が出力されます。また,パラメタファイルを使用した場合は,出力項目の詳細設定や出力内容の絞り込みもできます。

なお,JP1/NETM/DM未導入ホストの情報を出力する場合,検出対象外に指定されているホストの情報は出力できません。

(2) 形式

dcmcsvu.exe /i パラメタファイル名 /o 結果出力ファイル名 [/LC {ON|OFF}]
 

(3) 引数

(4) パラメタファイルの指定内容とコマンド引数の対応

このコマンドで使用するパラメタファイルの内容のうち,出力に使用するテンプレートと出力ファイルの形式は,コマンドの引数でも指定できます。パラメタファイルの指定内容と,コマンドの引数との対応を次の表に示します。

表4-8 パラメタファイルの指定内容とコマンドの引数の対応(dcmcsvuコマンド)

パラメタファイルの指定内容 内容 指定の有無 コマンドの引数
タグ パラメタ
OUTPUT_CONSTRAINTS template 出力に使用するテンプレート テンプレートキー
format 出力ファイルの形式 1 /parまたは/csv
group_membership 所属グループ ※2
row 出力したい項目(列) 3
condition 比較条件
unicode UnicodeのCSV形式ファイル出力の有無 45 /uniYまたは/uniN
(凡例)
◎:必ず指定する ○:省略できる
−:コマンドの引数では指定できない
注※1
指定を省略した場合は,CSV形式ファイルで出力されます。
注※2
JP1/NETM/DM未導入ホストの検出結果を出力する場合に指定しても無視されます。
注※3
「row」パラメタは,CSV形式ファイルで出力する場合だけ有効です。パラメタファイル形式で出力する場合は,「row」パラメタを指定しても無視されます。
注※4
UnicodeのCSV形式ファイルを出力するには,次に示す条件をすべて満たす必要があります。
  • JP1/NETM/DM Managerで実行している。
  • JP1/NETM/DMで次に示すリレーショナルデータベースを使用している。
    ・Microsoft SQL Server 2005以降
  • 次のテンプレートのどれかを指定している。
    ・システム情報
    ・インストール済みパッケージ情報
    ・レジストリ取得項目
    ・Microsoft Office製品
    ・ウィルス対策製品
注※5
指定を省略した場合は,UnicodeのCSV形式ファイルを出力するためのレジストリの設定が有効となります。UnicodeのCSV形式ファイルを出力するレジストリを設定した場合,指定を省略するとUnicodeのCSV形式ファイルが出力されます。このレジストリの設定については,マニュアル「構築ガイド」の「4.6 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Manager)」を参照してください。

(5) パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式

パラメタファイルを指定しないで引数だけで指定する場合の,コマンドの形式を次に示します。

dcmcsvu.exe テンプレートキー [/par|/csv] [/uniY|/uniN]
            /o 結果出力ファイル名 [/LC {ON|OFF}]

指定できるテンプレートキーについては,「4.26.14 OUTPUT_CONSTRAINTS(出力する情報の設定)」の「表4-23 出力ファイル形式と指定できるテンプレート」を参照してください。各テンプレートで出力できる項目は,CSV出力ユティリティを使ってCSV形式ファイルを出力する場合と同じです。出力される項目の詳細については,マニュアル「運用ガイド1」の「9.1.1 CSV形式ファイルに出力できる項目」を参照してください。

出力ファイルの形式は,パラメタファイルでは,format=par(またはcsv)と指定しますが,コマンド引数の場合はdcmcsvu.exe /par(または/csv)と最初に「/」(スラッシュ)を付けて指定するので,注意してください。

UnicodeのCSV形式ファイルの出力は,パラメタファイルでは,unicode=Y(またはN)と指定しますが,コマンド引数の場合はdcmcsvu.exe /uniY(または/uniN)となりますので,注意してください。

なお,コマンド引数を使った場合は,出力項目の詳細設定や出力内容の絞り込みはできません。

(6) リターンコード

dcmcsvuコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード 意味 対処
0 出力が成功した。 なし。
1 パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式に誤りがある。 ファイルのパスまたはファイルの形式を確認してください。
2 コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。 コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。
3 配布管理システムへの接続またはアクセス時にエラーが発生した。 配布管理システム,データベースサーバが動作しているか,またはその設定に誤りがないか確認してください。
4 結果出力ファイルをオープンできない。 結果出力ファイルの状態を確認してください。結果出力ファイルがすでにほかのアプリケーションによって開かれているか,容量不足のおそれがあります。
5 動作環境が不正である。 配布管理システムまたはデータベースサーバの動作環境に誤りがないか確認してください。
10 /parを指定している場合で,該当するデータが多過ぎてパラメタファイルに記述できる行数を超えたため,出力に失敗した。 該当データの内容を確認し,出力する情報の絞り込みをしてください。
11 該当するデータがない。出力ファイルを作成しない。 なし。
12 そのほかのエラーが発生した。 イベントログを参照してください。

また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。

(7) 実行例1

転送されたジョブの「実行状態」が「インストール/収集待ち」で,「ジョブあて先名」が「dmp4*」であるホストのジョブ実行状況の情報を,パラメタファイル形式でJOB_DESTINATIONタグに出力する例を次に示します。

(a) パラメタファイルの作成

パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。

OUTPUT_CONSTRAINTS{
template = J_STAT
condition = result=インストール/収集待ち AND dstname = dmp4* ;
}

「インストール/収集待ち」の実行状態は,「ステータス」項目を使っても同様に絞り込めます。「ステータス」で絞り込む場合は,保守コードの左から6けたを「status=2000B0」のように指定してください。

(b) コマンドの実行

作成したパラメタファイルをC:\temp\in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:\temp\parmjob.txtに取得する場合は,次のように指定します。

dcmcsvu.exe /i C:\temp\in.txt /o C:\temp\parmjob.txt /par
(c) 結果出力ファイルの確認

コマンドが正常終了すると,パラメタファイル形式のJOB_DESTINATIONタグの情報がC:\temp\parmjob.txtに次のように出力されます。

JOB_DESTINATION {
host_name = dmp410; dmp4200; dmp4system
}

(8) 実行例2

転送されたジョブの実行状態が「インストール/収集待ち」で,「ジョブあて先名」が「dmp4*」であるホストについて,「ジョブ名称」,「サーバ側実行日時」,および「ジョブあて先名」の情報だけをCSV形式ファイルに出力する例を次に示します。この例では,ジョブの実行状態を絞り込むのに,「実行状態」項目ではなく「ステータス」項目を使っています。

(a) パラメタファイルの作成

パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。

OUTPUT_CONSTRAINTS{
template = J_STAT
row = jname; execdate; dstname
condition = status=2000B0 AND dstname = dmp4*;
}
(b) コマンドの実行

作成したパラメタファイルをC:\temp\in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:\temp\jobout.csvに取得する場合は,次のように指定します。

dcmcsvu.exe /i C:\temp\in.txt /csv /o C:\temp\jobout.csv

(9) 実行例3

「実メモリ容量」が256メガバイト以上で,あて先グループAまたはあて先グループBに属するホストのシステム情報を,CSV形式ファイルに出力する例を次に示します。

(a) パラメタファイルの作成

パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。

OUTPUT_CONSTRAINTS{
template = SYS_INFO
condition = ram>=256;
group_membership = \A;\B;
}
(b) コマンドの実行

作成したパラメタファイルをC:\temp\in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:\temp\system.csvに取得する場合は,次のように指定します。

dcmcsvu.exe /i C:\temp\in.txt /csv /o C:\temp\system.csv

(10) 実行例4

「パッケージ名称」が「*OFFICE」で,「新バージョン」の一けた目の値が6以下のパッケージがインストールされているホストについて,インストール済みパッケージ情報をCSV形式ファイルに出力する例を次に示します。

(a) パラメタファイルの作成

パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。

OUTPUT_CONSTRAINTS{
template = INSTLD_PKG
condition = pname = *OFFICE;
condition = newver < 6;
}
(b) コマンドの実行

作成したパラメタファイルをC:\temp\in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:\temp\inspack.csvに取得する場合は,次のように指定します。

dcmcsvu.exe /i C:\temp\in.txt /csv /o C:\temp\inspack.csv