Hitachi Command Suite ユーザーズガイド
[分析]タブで,ストレージシステムの性能を確認できます。[分析]タブを使用するには,Tuning Managerのライセンスの登録が必要です。Tuning Managerについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」を参照してください。
次の場合に,ストレージシステムの性能を確認します。
- ストレージシステムの性能問題の有無の特定
ホスト管理者から,アプリケーションで性能問題が発生したと連絡を受けたら,問題が発生した日時とアプリケーションの情報(アプリケーション名,ホスト名,マウントポイントなど)を入手します。入手した情報を基に,性能を分析する期間(過去30日まで),およびアプリケーションに対応している論理グループ,ホスト,または仮想マシンを指定して,ストレージシステムに性能問題の原因があるかどうかを特定します。しきい値を超えているリソースがないかを確認します。しきい値を超えている場合は,ストレージシステムに問題があるおそれがあるため,ストレージシステム内の各メトリックに対して詳細な性能情報を確認します。- MPブレードまたはMPユニットの性能分析
MPブレードまたはMPユニット(以降,総称してMPブレードと呼びます)の使用率がしきい値を超えた場合,MPブレードの使用率の一覧や負荷を掛けているリソースを参照します。MPブレードに高い負荷を掛けているリソースを特定し,そのリソースを使用している処理を停止したり実施時間を変更したりして負荷を減らすことを検討します。ほかのMPブレードにリソースの割り当てを変更して負荷を減らしたい場合,変更後の傾向をシミュレーションします。シミュレーションした内容を基に割り当てを変更するためのraidcomコマンドスクリプトを生成し,RAID Managerで実行します。- ホストごとのストレージシステム性能分析
ホスト管理者から性能問題が発生したと連絡を受けたら,対象のストレージシステムを指定して,応答時間が遅いホストの有無を確認します。応答時間の遅いホストがある場合,メトリックを組み合わせて,ホストごとにストレージシステムの性能を複数のチャートで比較します。比較した結果を基に,対象のストレージシステムに負荷を掛けているホストを特定できます。- ストレージシステムの定期的な性能分析(ヘルスチェック)
ストレージリソースを適切に使用できているかどうかを定期的に確認するため,ストレージシステム全体の性能を分析します。週単位または月単位で対象のストレージシステムを自動で分析できます。複数のストレージシステムに対して,スケジュールをまとめて設定して分析することで,ストレージシステム管理の負荷軽減につながります。分析時のエラーや分析結果をEメールで通知するように設定できます。Eメールには,分析結果のレポートをPDF形式で添付することもできます。
分析結果のレポートで,しきい値を超えているリソースまたは超えそうなリソースがないかを確認します。リソースに問題がある場合は,各リソースのメトリックに対して詳細な性能情報を参照します。レポートに表示されたI/O数(IOPS)やデータ転送量などの性能情報を基に,ボリュームの割り当てやデータマイグレーションの実行など,対策案を検討して実施します。性能問題を解消することで,障害の発生を未然に防ぐことができます。
分析結果は保存されるため,過去のレポートを参考にして対策案を検討できます。レポートはPDFファイルまたはCSVファイルにエクスポートできます。PDFファイルには,レポートの目次や概要が作成されるため,そのまま報告書として利用できます。CSVファイルは,フォーマットを加工して使用したい場合に活用できます。[分析]タブで確認できる情報よりも詳細な情報を確認したい場合は,Performance Reporterを起動すると,分単位での分析や長期間の分析ができます。Performance Reporterに事前にレポート定義をインポートしておくと,性能問題特定ウィザード,ヘルスチェックレポート,およびMPブレード/ユニット分析画面で表示される項目に対応した項目のレポートが表示されます。
ストレージシステムの性能を分析するためのしきい値は,あらかじめ推奨値が設定されています。しきい値は運用に合わせて変更することもできます。設定したしきい値に従って,分析結果のグラフが色分けされて表示されます。[注意]のしきい値の範囲は黄色,[警告]のしきい値の範囲はピンク色で表示されます。
重要
- 分析対象のストレージシステムにフラッシュドライブ(FMD,FMC,およびSSD)を搭載している場合の注意事項を次に示します。ただし,次のストレージシステムは対象外です。
・VSP 5000 シリーズ
・80-04-25-XX/XX以降のVSP G1000
・80-05-01-XX/XX以降のVSP G1500およびVSP F1500
・83-04-20-XX/XX以降のVSP Gx00およびVSP Fx00
フラッシュドライブのパリティグループの利用率およびコントローラの使用率からその負荷状況は判断できません。フラッシュドライブの特性上,負荷状況に関係なく値が大きく表示されることがあります。そのため,次の分析結果では,注意や警告のステータスが表示されることがあります。
・性能問題特定ウィザードのパリティグループおよびドライブ
・ヘルスチェックレポートの[使用率がビジーなPG]および[PG 最大使用率(しきい値超過)]
- 14.3.6 VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage PlatformまたはHUS VMのボリュームの性能指標(性能問題特定ウィザード)
- 14.3.7 Universal Storage Platform V/VMまたはHitachi USPのボリュームの性能指標(性能問題特定ウィザード)
- 14.3.8 ミッドレンジストレージのボリュームの性能指標(性能問題特定ウィザード)
- 14.3.13 VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage PlatformまたはHUS VMのリソースの性能指標(ヘルスチェックレポート)
- 14.3.14 Universal Storage Platform V/VMまたはHitachi USPのリソースの性能指標(ヘルスチェックレポート)
- 14.3.15 ミッドレンジストレージのリソースの性能指標(ヘルスチェックレポート)
- 14.3.17 Performance Reporterで設定する表示条件
- 14.3.18 [分析]タブとPerformance Reporterのメトリックの対応
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