4.2.2 システム環境をスケールアウトする(CUI利用時)
ここでは,Smart Composer機能を使用して,サービスユニット(unit2)を追加してスケールアウトする手順について説明します。
(1) 追加するホストの準備
システムをスケールアウトする前に,あらかじめ追加するアプリケーションサーバのOSやアプリケーションをセットアップしてください。追加するホストで実施する作業と作業の要否を次の表に示します。
追加するホストで実施する作業 |
作業の要否 |
作業の実施条件 |
参照個所 |
---|---|---|---|
Component Container管理者の設定(UNIXの場合) |
△ |
OSがUNIXの場合で一般ユーザに操作権限を与えるとき |
|
Application Serverのインストール |
○ |
必ず実施(OSがWindowsの場合) |
|
必ず実施(OSがAIXの場合) |
|||
必ず実施(OSがLinuxの場合) |
|||
データベースに接続するための製品のインストール |
△ |
データベースに接続する場合 |
|
アプリケーションサーバでサポートしているシンボリックリンク(UNIXの場合) |
△ |
OSがUNIXの場合 |
|
データベース接続環境の設定 |
△ |
データベース(HiRDB)に接続する場合 |
|
データベース(Oracle)に接続する場合 |
|||
データベース(SQL Server)に接続する場合 |
|||
システムの環境変数の設定 |
○ |
必ず実施 |
|
論理サーバの環境変数の設定 |
△ |
インストール時の環境変数を変更する場合 |
|
運用管理エージェントの起動 |
○ |
必ず実施 |
また,Webシステムの構成を変更するとWebシステムが動作するために必要なリソースも変更する必要があります。Webシステムが動作するために必要なリソースの見積もりについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5. 使用するリソースの見積もり(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
(2) 構成変更定義ファイルの作成
サービスユニット・ホスト追加用の構成変更定義ファイルを任意の場所にコピーして,ファイルの内容を編集します。
-
構成変更定義ファイルのテンプレートファイル(cmxaddcombinedmodel.xml)を任意の場所にコピーします。
サービスユニットやホストを追加する構成変更定義ファイルのテンプレートファイルは,次の場所に提供されています。
- Windowsの場合
-
<Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\config\templates\cmxaddcombinedmodel.xml
- UNIXの場合
-
/opt/Cosminexus/manager/config/templates/cmxaddcombinedmodel.xml
-
手順1のテンプレートファイルを任意の名称を変更します。
ここではファイル名を「MyWebSystemAdd.xml」に変更します。
-
テキストエディタなどを利用して,構成変更定義ファイルに追加するサービスユニットおよびホストを定義します。
MyWebSystemAdd.xmlの作成例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <unit-addition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/UnitAddition-2.5"> <web-system> <name>MyWebSystem</name> <!--Specify the settings for the Service Unit to add.--> <unit> <name>unit2</name> <allocated-host> <host-ref>apsv3</host-ref> <hosts-for>http-tier</hosts-for> </allocated-host> <allocated-host> <host-ref>apsv4</host-ref> <hosts-for>j2ee-tier</hosts-for> </allocated-host> </unit> </web-system> <!--Specify the settings for the host to add.--> <host> <host-name>apsv3</host-name> <agent-host>apsv3</agent-host> </host> <host> <host-name>apsv4</host-name> <agent-host>apsv4</agent-host> </host> </unit-addition>
注 背景色付きの太字の部分が編集部分です。
(3) システムの情報モデルの変更
作成した構成変更定義ファイルの内容を,Management Serverに登録されているシステムの情報モデルに反映します。
-
運用管理機能(Management Server)を配置するホストでコマンドプロンプトを起動します。
-
cmx_change_modelコマンドを実行し,Management Serverに登録されているシステムの情報モデルを変更します。
コマンドの実行例を次に示します。
cmx_change_model -m 192.168.100.12 -u admin -p admin -f <MyWebSystemAdd.xmlのファイルパス>
<MyWebSystemAdd.xmlのファイルパス>には,MyWebSystemAdd.xmlを格納したディレクトリのパスとファイル名(MyWebSystemAdd.xml)を指定します。
(4) サービスユニットの追加
変更したシステムの情報モデルを実システムに適用して,サービスユニットを追加します。
-
運用管理機能(Management Server)を配置するホストでコマンドプロンプトを起動します。
-
cmx_build_systemコマンドを実行し,変更したシステムの情報モデルを実システムに展開します。
コマンドの実行例を次に示します。
cmx_build_system -m 192.168.100.12 -u admin -p admin -s MyWebSystem
-
cmx_start_targetコマンドを実行し,追加したサービスユニットを起動します。
追加したサービスユニット「unit2」を稼働状態にします。稼働状態にするには,-modeオプションに「ALL」を指定します。
cmx_start_target -m 192.168.100.12 -u admin -p admin -s MyWebSystem -unit unit2 -mode ALL -strict
-
追加したサービスユニットにあるJ2EEサーバを配置するホストでコマンドプロンプトを起動します。
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リソースアダプタを設定して開始します。
コマンドの実行例を次に示します。
cjimportres MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -type rar -f <DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rarのファイルパス> cjdeployrar MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 cjsetrarprop MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <MyDBConnectorAttr.xml※のファイルパス> cjtestres MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 cjstartrar MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
注※ スケールアウトの対象とするサービスユニットのリソースアダプタに反映したConnector属性ファイルを使用します。Connector属性ファイルを保管していない場合は,スケールアウトの対象とするサービスユニットにデプロイしたリソースアダプタからサーバ管理コマンド(cjgetrarprop)を使用して取得します。取得したConnector属性ファイルは必要に応じて編集します。
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J2EEアプリケーションを設定して開始します。
コマンドの実行例を次に示します。
cjimportapp MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -f MyApp.ear cjstartapp MyWebSystem_J2EE02 -nameserver corbaname::192.168.100.14:900 -name MyApp