Tuning Manager - Agents
htmhsrestoreコマンドを使用して,パフォーマンスデータおよび設定情報のバックアップをリストアできます。設定情報ファイルには,HTM - Agents共通コンポーネントの設定ファイルも含みます。
Performance Managementの定義情報とStoreデータベースのイベントデータのリストアについては,マニュアル「JP1/Performance Management運用ガイド」のバックアップとリストアについて説明している章を参照してください。
リストアの実行単位を次に示します。
- Agentホスト単位
- Agent種別単位
- Agentインスタンス単位
- この項の構成
- (1) 前提条件
- (2) リストア時の注意事項
- (3) 手順
リストア実行時の前提条件を次に示します。
- htmhsbackupコマンドでバックアップしたデータであること。
- リストア対象とするTuning Manager Agent REST APIコンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agentのサービスが停止していること。
- リストア対象ホストにHybrid Storeへ移行中のHTM - Agentsが存在しないこと。
- リストア対象ホストのバージョンおよびリビジョンがバックアップしたときと同じであること。
- Hybrid Storeの出力先フォルダの空き容量が,リストア対象のデータの容量と同等,または大きいこと。
- バックアップ対象のインスタンス名とリストア先のインスタンス名が一致していること。
- ホスト単位,またはAgent種別単位でリストアする場合,リストア対象のインスタンスは,バックアップデータに含まれるインスタンスであり,かつリストア先でインスタンスセットアップ済みのインスタンスであること。
- リストア対象ホストのOSがバックアップ対象ホストのOSと一致していること。
Hybrid Storeの出力先フォルダをデフォルトから変更している場合
- Hybrid Storeの出力先フォルダが存在すること。
- Hybrid Storeの出力先フォルダのパスが,バックアップ対象ホストとリストア対象ホストで一致していること。
- バックアップデータをFTPで転送する際は,バイナリモードで転送すること。
- バックアップデータを転送した後,転送元データと転送先データの容量が一致していること。
バックアップ対象の設定ファイルは,バックアップ時の実行単位とリストア時の実行単位によって,一部の設定ファイルがリストア対象外となります。バックアップデータとリストア時の実行単位の関係について,次に説明します。
リストア時の実行単位 バックアップデータ パフォーマンスデータ 設定ファイル Snapshot方式※1 Timeline方式※1 Agentホスト単位※2 Agent種別単位 Agentインスタンス単位 Agentホスト単位 ○ × ○ ○ ○ Agent種別単位 ○ × △ ○ ○ Agentインスタンス単位 ○ × △ △ ○
- (凡例)
- ○:すべてリストア対象。
- △:一部リストア対象外。ただし,リストア対象外の設定ファイルは,リストアする際に必要な設定情報を確認するためなので,リストアされなくても問題ありません。
- ×:バックアップおよびリストア対象外。
- 注※1
- Snapshot方式およびTimeline方式については,「 用語解説」を参照してください。
- 注※2
- -lhostオプションが指定されている場合は,論理ホスト単位の設定ファイルも含みます。
- 注意
- バックアップ対象の設定ファイルのうち環境依存の情報を記載している設定ファイルは,リストア時の実行単位に関係なくリストアされません。リストア後に設定する必要がある環境依存の情報を記載している設定ファイルとその対処については,「リストア対象外設定ファイルのリストア後の対処」を参照してください。
また,リストア実行時のパフォーマンスデータおよび設定ファイルの更新方法は,次のとおりです。
- パフォーマンスデータの場合:
- Snapshot方式:リストア先にSnapshot方式のデータが存在する場合,データをすべて削除してリストア対象のデータをリストアします。
- Timeline方式:リストア先にTimeline方式のデータが存在する場合,データをすべて削除したあと,リストア対象のSnapshot方式のデータから作成し直します。
- 設定ファイルの場合:
リストア先の設定ファイルに上書きします。次の設定ファイルは,環境依存の情報(ホスト名,インストールパス,インスタンス一覧,およびポート番号など)が記載してあるため,htmhsbackupコマンドでバックアップしていますが,リストア対象外となります。次の表を参考に,リストア後の対処を実施してください。
リストア対象外の設定ファイル コンポーネント リストア後の対処 インストール先フォルダ\htnm\Rest\config\htnm_httpsd.conf HTM - Agents共通コンポーネント 必要に応じてポート番号の変更やSSL設定を実施してください。
ポート番号の変更については,「7.1.4 ポート番号の変更について説明と手順」の「(1) Windowsのポート変更」を,SSL設定については「7.1.5 SSLの設定」を参照してください。また,論理ホスト名の設定については,「6.3.4 セットアップ手順」の「(16) 論理ホスト名の設定(Tuning Manager APIの利用を有効化している場合)」インストール先フォルダ\htnm\HBasePSB\CC¥web\redirector¥workers.properties バックアップ環境において,workers.propertiesプロパティおよびusrconf.propertiesプロパティでポートの変更をしている場合は,リストア先環境でこれらのプロパティを手動で修正してください。
詳細については,「7.1.4 ポート番号の変更について説明と手順」の「(1) Windowsのポート変更」を参照してください。インストール先フォルダ\htnm\HBasePSB\CC¥server\usrconf\ejb¥AgentRESTService¥usrconf.properties インストール先フォルダ\agtd\agent\jpcagtha.ini HTM - Agent for RAID リストア先環境に応じてクラスタ定義ファイルを設定してください。
詳細については,「6.8.1 VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,およびSANRISE Hシリーズを監視する場合の注意事項」を参照してください。バックアップ対象ホストとは別のホストにリストアする場合,Hybrid Storeの出力先フォルダのパスが異なることがあります。この場合は,バックアップしたファイルのHybrid Storeの出力先を設定するプロパティ(dbdataglobalconfig.ini,およびdbconfig.ini)をリストア対象ホストのパスに書き換えることで,リストアできます。
Hybrid Storeの出力先を設定するプロパティ(dbdataglobalconfig.ini,およびdbconfig.ini)の編集方法については,「(1) Hybrid Storeの出力先を変更する」を参照してください。
Hybrid Storeの出力先フォルダをデフォルトから変更している場合の注意事項
Hybrid Storeの出力先フォルダをデフォルトから変更している場合の注意事項を,次に説明します。
- dbdataglobalconfig.iniでHybrid Storeの出力先を変更している環境でバックアップしたデータを,-keyオプションを指定してリストアする場合:
バックアップ対象ホストとリストア対象ホストのdbdataglobalconfig.iniの出力先設定をあわせてください。
出力先が同じでない場合,バックアップデータが配置される先と,Hybrid Storeのアクセス先が不一致となり,バックアップデータが引き継げません。- dbdataglobalconfig.iniでHybrid Storeの出力先を変更している環境でバックアップしたデータを,-keyオプションを指定しないでリストアする場合:
dbdataglobalconfig.iniは,バックアップデータで上書きされます。
リストア対象ホストでHybrid Storeをすでに運用している場合は,バックアップ対象ホストのdbdataglobalconfig.iniの出力先を,すでに運用しているリストア先環境のdbdataglobalconfig.iniの出力先にあわせてからリストアしてください。- dbdataglobalconfig.iniまたはdbconfig.iniでHybrid Storeの出力先を変更している環境でバックアップしたデータをリストアする場合:
バックアップデータに含まれるdbdataglobalconfig.iniまたはdbconfig.iniで設定している出力先フォルダをあらかじめ作成してください。設定している出力先フォルダが存在しない場合,KATR10109-EおよびKATR13251-Eが出力され,リストアに失敗します。
リストアの手順を次に示します。
- 次のコマンドを実行して,Tuning Manager Agent REST API コンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agentのサービスを停止します。
インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv stop -all- 次のコマンドを実行して,サービスが停止していることを確認します。
インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv status -all- 次のコマンドを実行して,パフォーマンスデータおよび設定情報のバックアップデータをリストアします。
- Agentホスト単位でリストアする場合
インストール先フォルダ\htnm¥bin¥htmhsrestore –dir リストア対象のバックアップデータ格納先フォルダ
- Agent種別単位でリストアする場合
インストール先フォルダ\htnm¥bin¥htmhsrestore –dir リストア対象のバックアップデータ格納先フォルダ –key agtx※htmhsrestoreコマンドの詳細については,「18.2.7 htmhsrestore」を参照してください。
- インスタンス単位でリストアする場合
インストール先フォルダ\htnm¥bin¥htmhsrestore –dir リストア対象のバックアップデータ格納先フォルダ –key agtx※ –inst インスタンス名- HTM - Agent for RAIDをリストアした場合,リストアしたインスタンスが監視対象を正しく監視できているかを確認してください。
jpctdchkinstコマンドで監視状態を確認して,必要に応じてjpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドで設定を変更してください。設定変更後は,再度jpctdchkinstコマンドで監視状態を確認して,正しく監視できていることを確認してください。
jpctdchkinstコマンドについての詳細は,「18.2.12 jpctdchkinst」を,jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドの詳細につい ては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。- 次のコマンドを実行して,Tuning Manager Agent REST APIコンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agentのサービスを起動します。
インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv start -all- htmRestDbEngineMessage#.logを確認して,KATR13244-Iが出力される前に,KATR13248-Eが出力されていないことを確認します。
なお,サービスを起動してからKATR13244-Iが出力されるまでに,数十分掛かることがあります。- 「(2) リストア時の注意事項」を参照して,リストア対象外設定ファイルのリストア後の対処を実施してください。
- Tuning Managerのアラート機能を使用している場合は,アラート定義情報を同期します。
アラート定義情報の同期については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager APIリファレンスガイド」を参照してください。
- 注※
- 「x 」には,PFM - Agent のプロダクトID が入ります。プロダクトID については,「付録H. 識別子一覧」を参照してください。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.