Tuning Manager - Agents

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8.1.2 リストア

htmhsrestoreコマンドを使用して,パフォーマンスデータおよび設定情報のバックアップをリストアできます。設定情報ファイルには,HTM - Agents共通コンポーネントの設定ファイルも含みます。

Performance Managementの定義情報とStoreデータベースのイベントデータのリストアについては,マニュアル「JP1/Performance Management運用ガイド」のバックアップとリストアについて説明している章を参照してください。

リストアの実行単位を次に示します。

この項の構成
(1) 前提条件
(2) リストア時の注意事項
(3) 手順

(1) 前提条件

リストア実行時の前提条件を次に示します。

Hybrid Storeの出力先フォルダをデフォルトから変更している場合

バックアップデータを別ホストへ転送する場合

(2) リストア時の注意事項

バックアップ対象の設定ファイルは,バックアップ時の実行単位とリストア時の実行単位によって,一部の設定ファイルがリストア対象外となります。バックアップデータとリストア時の実行単位の関係について,次に説明します。

表8-2 バックアップデータとリストア時の実行単位との関係

リストア時の実行単位 バックアップデータ
パフォーマンスデータ 設定ファイル
Snapshot方式※1 Timeline方式※1 Agentホスト単位※2 Agent種別単位 Agentインスタンス単位
Agentホスト単位  ○   ×   ○   ○   ○ 
Agent種別単位  ○   ×   △   ○   ○ 
Agentインスタンス単位  ○   ×   △   △   ○ 

(凡例)
○:すべてリストア対象。
△:一部リストア対象外。ただし,リストア対象外の設定ファイルは,リストアする際に必要な設定情報を確認するためなので,リストアされなくても問題ありません。
×:バックアップおよびリストア対象外。

注※1
Snapshot方式およびTimeline方式については,「 用語解説」を参照してください。

注※2
-lhostオプションが指定されている場合は,論理ホスト単位の設定ファイルも含みます。

注意
バックアップ対象の設定ファイルのうち環境依存の情報を記載している設定ファイルは,リストア時の実行単位に関係なくリストアされません。リストア後に設定する必要がある環境依存の情報を記載している設定ファイルとその対処については,「リストア対象外設定ファイルのリストア後の対処」を参照してください。

また,リストア実行時のパフォーマンスデータおよび設定ファイルの更新方法は,次のとおりです。

リストア対象外設定ファイルのリストア後の対処

次の設定ファイルは,環境依存の情報(ホスト名,インストールパス,インスタンス一覧,およびポート番号など)が記載してあるため,htmhsbackupコマンドでバックアップしていますが,リストア対象外となります。次の表を参考に,リストア後の対処を実施してください。

表8-3 リストア対象外設定ファイルのリストア後の対処

リストア対象外の設定ファイル コンポーネント リストア後の対処
インストール先フォルダ\htnm\Rest\config\htnm_httpsd.conf HTM - Agents共通コンポーネント 必要に応じてポート番号の変更やSSL設定を実施してください。
ポート番号の変更については,「7.1.4 ポート番号の変更について説明と手順」の「(1) Windowsのポート変更」を,SSL設定については「7.1.5 SSLの設定」を参照してください。また,論理ホスト名の設定については,「6.3.4 セットアップ手順」の「(16) 論理ホスト名の設定(Tuning Manager APIの利用を有効化している場合)[図]
インストール先フォルダ\htnm\HBasePSB\CC¥web\redirector¥workers.properties バックアップ環境において,workers.propertiesプロパティおよびusrconf.propertiesプロパティでポートの変更をしている場合は,リストア先環境でこれらのプロパティを手動で修正してください。
詳細については,「7.1.4 ポート番号の変更について説明と手順」の「(1) Windowsのポート変更」を参照してください。
インストール先フォルダ\htnm\HBasePSB\CC¥server\usrconf\ejb¥AgentRESTService¥usrconf.properties
インストール先フォルダ\agtd\agent\jpcagtha.ini HTM - Agent for RAID リストア先環境に応じてクラスタ定義ファイルを設定してください。
詳細については,「6.8.1 VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,およびSANRISE Hシリーズを監視する場合の注意事項」を参照してください。

別ホストにリストアする場合の注意事項

バックアップ対象ホストとは別のホストにリストアする場合,Hybrid Storeの出力先フォルダのパスが異なることがあります。この場合は,バックアップしたファイルのHybrid Storeの出力先を設定するプロパティ(dbdataglobalconfig.ini,およびdbconfig.ini)をリストア対象ホストのパスに書き換えることで,リストアできます。

Hybrid Storeの出力先を設定するプロパティ(dbdataglobalconfig.ini,およびdbconfig.ini)の編集方法については,「(1) Hybrid Storeの出力先を変更する」を参照してください。

Hybrid Storeの出力先フォルダをデフォルトから変更している場合の注意事項

Hybrid Storeの出力先フォルダをデフォルトから変更している場合の注意事項を,次に説明します。

(3) 手順

リストアの手順を次に示します。

  1. 次のコマンドを実行して,Tuning Manager Agent REST API コンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agentのサービスを停止します。
    インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv stop -all
  2. 次のコマンドを実行して,サービスが停止していることを確認します。
    インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv status -all
  3. 次のコマンドを実行して,パフォーマンスデータおよび設定情報のバックアップデータをリストアします。

    Agentホスト単位でリストアする場合
    インストール先フォルダ\htnm¥bin¥htmhsrestore –dir リストア対象のバックアップデータ格納先フォルダ

    Agent種別単位でリストアする場合
    インストール先フォルダ\htnm¥bin¥htmhsrestore –dir リストア対象のバックアップデータ格納先フォルダ –key agtx

    インスタンス単位でリストアする場合
    インストール先フォルダ\htnm¥bin¥htmhsrestore –dir リストア対象のバックアップデータ格納先フォルダ –key agtx –inst インスタンス名
    htmhsrestoreコマンドの詳細については,「18.2.7 htmhsrestore」を参照してください。
  4. HTM - Agent for RAIDをリストアした場合,リストアしたインスタンスが監視対象を正しく監視できているかを確認してください。
    jpctdchkinstコマンドで監視状態を確認して,必要に応じてjpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドで設定を変更してください。設定変更後は,再度jpctdchkinstコマンドで監視状態を確認して,正しく監視できていることを確認してください。
    jpctdchkinstコマンドについての詳細は,「18.2.12 jpctdchkinst」を,jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドの詳細につい ては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
  5. 次のコマンドを実行して,Tuning Manager Agent REST APIコンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agentのサービスを起動します。
    インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv start -all
  6. htmRestDbEngineMessage#.logを確認して,KATR13244-Iが出力される前に,KATR13248-Eが出力されていないことを確認します。
    なお,サービスを起動してからKATR13244-Iが出力されるまでに,数十分掛かることがあります。
  7. (2) リストア時の注意事項」を参照して,リストア対象外設定ファイルのリストア後の対処を実施してください。
  8. Tuning Managerのアラート機能を使用している場合は,アラート定義情報を同期します。
    アラート定義情報の同期については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager APIリファレンスガイド」を参照してください。

注※
「x 」には,PFM - Agent のプロダクトID が入ります。プロダクトID については,「付録H. 識別子一覧」を参照してください。

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