Hitachi Command Suite ユーザーズガイド

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10.1 ストレージリソースの最適化とは

ストレージリソースの要約情報や性能情報などを確認することで,ストレージリソースの問題を明確にします。発生した問題に応じて,リソースの追加や再配置などを実施してストレージリソースの最適化を図ります。

ストレージリソースの最適化に関して,日常の業務を行う上で起こりうる問題とその対処の例を次の表に示します。

表10-1 ストレージリソースの最適化の例

問題 対処
DPプールの使用容量がしきい値に達した。または,容量が不足しているために要件に合ったボリュームを作成したり割り当てたりできない。 DPプールボリュームを追加して,DPプールの容量を拡張する。
HDTプール使用時に特定のドライブが不足している場合は,階層3にメディアタイプ(ドライブタイプ,RAIDレベル)を混在させて容量を拡張することもできる。
DPプールの性能が低下し,データのI/Oに時間が掛かる。 DPプールボリュームを追加して,DPプール内での負荷分散を図る。
ボリュームのマイグレーションを実施してDPプールへのI/O負荷を分散させる。
HDTプールの使用時に,特定のタイミングで性能に問題が発生する。
例1:休日に実施されたモニタリングの結果でデータが再配置されるために,休日明けに業務を開始したときにハードウェア階層が最適化されていない。
例2:アプリケーションの処理をオンライン処理からバッチ処理に切り替えるときに性能が低下する。
業務の開始時間,終了時間などに合わせて,手動でHDTプールのモニタリングや再配置を開始または停止する。
業務の閑散期間のモニタリングを除外するなど,稼働状況や性能に応じてHDTプールのモニタリングや再配置の実行スケジュールを見直す。
アプリケーションの処理ごとに,最適化されたHDTボリュームのデータ配置を階層プロファイルとして保存しておく。処理の開始前に階層プロファイルを適用することで,処理の特性に合ったデータ配置を事前に復元する。
HDTプールに容量やアクセスパターンの変動が大きいHDTボリュームがあるが,データが効果的に再配置されないで性能が低下している。 現状のデータ配置で問題ないHDTボリュームのデータ再配置を無効にし,優先度の高い再配置が実施されるようにする。
HDTプールの使用時に,重要度の高いデータが,I/Oが少ないために低速なドライブに配置される。 HDTボリュームの階層ポリシーの適用によって,HDTボリュームの配置先を特定のハードウェア階層に固定する。
ファイルシステムの使用率がしきい値に達した。 ファイルサーバまたはNASモジュールの管理ソフトウェアを起動して,ファイルシステムを拡張する。
ボリュームのデータをテープにバックアップする際に,ボリュームへの負荷が高くなるため業務の妨げとなっている。 ボリュームのコピーペアを設定し,コピー先のボリューム(副ボリューム)からバックアップを取得する。
性能の高いボリュームをホストに割り当てたいが,性能の低いボリュームしか未割り当てのボリュームがない。 ボリュームのマイグレーションを実施して使用頻度の低いデータを性能の低いボリュームへ移行し,より性能の高いボリュームを適切なホストへ割り当てる。
Universal Replicatorのコピーグループの書き込み遅延時間(C/Tデルタ)が悪化し,しきい値に達した。 レプリケーション]タブで悪化要因や対処方法を確認し,Device Manager,Replication Manager,Storage Navigatorなどを使用して問題に対処する。

関連項目

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