Hitachi Command Suite ユーザーズガイド
ストレージシステムのボリュームのレプリケーションを実施するためにコピーペア(ボリュームのペア)を定義して運用します。
ホスト,ファイルサーバおよびNASモジュールへ割り当てたボリュームに対して,バックアップなどの目的でストレージシステム内に複製を作成するローカルコピーや,ディザスタリカバリーなどの目的でほかのストレージシステム上に複製を作成するリモートコピーを設定します。これによって,大切な業務データを冗長化でき,システムの信頼性の向上を図れます。
Device Managerでは,レプリケーション構成に応じて,[レプリケーション]タブで,オープンボリュームのカスケード構成やマルチターゲット構成などに関連するレプリケーションの設定が一度にできます。設定したコピーペアの状態を確認したり,必要に応じてコピーペア状態を変更したりすることもできます。それぞれのデータセンターや業務などの観点から,ストレージシステムをグルーピングしてサイトとして登録することで,多数のコピーペアの管理や運用監視などを容易にできます。
[レプリケーション]タブでレプリケーション構成を管理するには,Replication Managerのライセンスの登録が必要です。
[レプリケーション]タブを使用すると,レプリケーション構成に関連する次の操作ができます。
- レプリケーション環境を設定する
各ストレージシステムのボリュームをUniversal Replicator,TrueCopy,またはglobal-active deviceのコピーペアとして冗長化するために必要な環境を設定します。1つの画面から,まとめて次の設定ができます。
- リモートパスの設定(ストレージシステムの接続)
- DPプールの設定
- Quorumディスクの設定
- 仮想ストレージマシンの設定
- ジャーナルグループの設定
- Thin Imageプールの設定
- ペア管理サーバの設定
- リモートコピーやglobal-active deviceのコピートポロジーを作成する
ウィザードに従ってホスト,ファイルサーバおよびNASモジュールへ割り当て済みのボリュームを正ボリュームとして,Universal Replicator,TrueCopy,global-active deviceのコピーペアを設定します。コピーペアの設定と同時に,副ボリュームを新規に作成してホストに割り当てることもできます。カスケード構成やマルチターゲット構成にしたり,Universal Replicatorと組み合わせて3DCデルタリシンク構成にしたりすることもできます。ShadowImageやThin Imageのローカルコピーのコピーペアも設定したいときは,リモートコピーやglobal-active deviceのコピーペア作成と同時に設定します。- 既存のコピートポロジーにリモートコピーグループを追加してコピートポロジーを拡張する
ウィザードに従ってTrueCopyやglobal-active deviceのコピートポロジーにUniversal Replicatorのコピーグループを追加して,3DCカスケード構成や3DCマルチターゲット構成,3DCデルタリシンク構成にすることで,さらに強固にデータを保護します。- 既存のコピートポロジーからリモートコピーグループを削除してコピートポロジーを縮小する
ウィザードに従って3DCカスケード構成や3DCマルチターゲット構成,3DCデルタリシンク構成のコピートポロジーからリモートコピーグループおよびローカルコピーグループを削除して,コピートポロジーを縮小します。コピーグル―プの削除と同時に,それぞれの副ボリュームも削除できます。- 既存のコピートポロジーにコピーペアを追加する
ウィザードに従ってリモートコピーのコピーペアや,ローカルコピーのコピーペアまたはコピーグループをコピートポロジーに追加します。- 既存のコピートポロジーからコピーペアを削除する
ウィザードに従ってリモートコピーのコピーペアや,ローカルコピーのコピーペアまたはコピーグループをコピートポロジーから削除します。コピーペアの削除と同時に,それぞれの副ボリュームも削除できます。- コピーグループやリソースにアラート設定をする
コピーグループや,ジャーナルグループなどのリソースに監視条件を設定して,アラートが通知されるようにします。設定したアラートを編集することもできます。- レプリケーションの状態を確認する
レプリケーションの状態やコピーペアに発生しているアラートを定期的に確認することで,レプリケーションの問題を検知します。- レプリケーションの状態を変更する
ローカルコピーのバックアップ,リストア,またはリモートコピーのテイクオーバー,テイクバックが必要な場合や,ディザスタリカバリーのテストを実施する場合など,必要に応じてレプリケーションの状態を変更します。[レプリケーション]タブで管理していない構成やメインフレームのボリュームを使用した構成については,Replication Managerのコピーペア構成定義ウィザードで設定できます。
[レプリケーション]タブやReplication Managerを使用するには,前提製品であるストレージシステムのボリューム複製機能(Universal Replicator,TrueCopyなど),3DC構成のためのライセンス,RAID Manager,Device Managerエージェントなどがインストール,セットアップされている必要があります。また,システム構成についても要件があります。システム要件やDevice Managerエージェントのインストールおよびセットアップ方法については,ソフトウェア添付資料,マニュアル「Hitachi Command Suiteシステム構成ガイド」およびマニュアル「Hitachi Command Suiteインストールガイド」を参照してください。
参考
- Replication Managerのライセンスを登録していない場合でも,構成によってはDevice ManagerのライセンスだけでReplication Managerの一部の機能を使用できます。
- ファイルサーバまたはNASモジュール上に作成したファイルシステムをバックアップする場合は,ファイルサーバまたはNASモジュールの管理ソフトウェアを使用してください。
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