Hitachi Command Suite ユーザーズガイド

6.2 レプリケーション管理と運用の流れ

［レプリケーション］タブでストレージシステムのボリュームのレプリケーションを管理するための環境を構築し，運用します。

環境を構築する前に，ハードウェアおよびソフトウェアの要件，システム構成に応じた設定要件などを，ソフトウェア添付資料，ストレージシステムのマニュアルおよびマニュアル「Hitachi Command Suiteシステム構成ガイド」で確認してください。

［レプリケーション］タブでボリュームのレプリケーションを管理するための環境構築と運用の流れを次の図に示します。

図6-1 レプリケーション管理のための環境構築と運用の流れ

設計フェーズ

• システム要件の確認
  ［レプリケーション］タブでボリュームのレプリケーションを管理するためのハードウェアおよびソフトウェアの要件を確認します。
  
• レプリケーション構成によるディザスタリカバリーの計画
  ストレージシステムの構成や性能，物理パス，ポート，ペアボリュームなどの条件を確認し，ディザスタリカバリーの計画を立てます。
  

環境構築フェーズ

• ハードウェアの設置と物理パスの接続
  計画に従って各ハードウェアを設置し，それぞれのハードウェアをファイバーチャネルなどで接続します。
  
• プログラムプロダクトのインストール
  必要なプログラムプロダクトのライセンスをインストールします。
  
• Replication Managerの動作モード変更（必要に応じて）
  中間サイトや副サイトのReplication Managerの動作モードをメンテナンスモードにします。
  
• 情報取得元の設定（Device Managerの登録）（必要に応じて）
  中間サイトや副サイトのストレージシステムの情報を取得するため，ストレージシステムを管理しているDevice Managerを情報取得元として登録します。
  

  参考

  情報取得元として登録した名称と同じ名称のサイトがデフォルトで作成され，Device Managerに登録されたストレージシステムが，サイトに追加されます。

• レプリケーション環境の準備
  レプリケーション環境を構築するための設定をします。構築する環境に合わせて，必要な設定をします。
  
  • リモートパスの設定（ストレージシステムの接続）
  • DPプールの設定
  • Quorumディスクの設定
  • 仮想ストレージマシンの設定
  • ジャーナルグループの設定
  • Thin Imageプールの設定
  • ペア管理サーバの設定

運用フェーズ

• レプリケーション構成の作成，拡張，縮小，削除
  3DCカスケード，3DCマルチターゲットなどのコピートポロジーを構成する一連のコピーペア定義やボリュームなどを設定し，レプリケーション構成を作成します。業務の拡大に伴い，対象のコピートポロジーにコピーペアやコピーグループを追加して構成を拡張することもできます。また，不要になったコピーペアやコピーグループを削除することで，レプリケーション構成を縮小したり，削除したりします。副ボリュームの割り当て解除や削除も同時にできます。
  

  重要

  • 容量削減機能（dedupe and compression）が有効なボリュームを使用してコピーペアを作成する場合，コピーの性能やホストのI/O性能が低下するおそれがあります。詳細については，各ボリューム複製機能のマニュアルを参照してください。
  • コピートポロジー名についての注意事項を次に示します。
    ・Replication ManagerやRAID Managerで，コピーグループ名を変更した場合は，［レプリケーション］タブで管理しているコピートポロジー名が，変更したコピーグループ名を含む名称に変更されることがあります。
    ・コピートポロジー名を変更したあとで，ペア管理サーバのHBAを交換するなど，WWN/iSCSIネームが変更された場合，コピートポロジー名がデフォルトの名称に戻ることがあります。
    

• 構成情報の更新（必要に応じて）
  コピーペア，コピーグループ，またはジャーナルボリュームなどのストレージシステムの情報を，Device ManagerからReplication Managerに反映させるために，任意のタイミングで手動で更新したり，定期的に更新したりします。定期的に更新するためのリフレッシュ間隔も設定できます。
  
• アラート設定（監視条件）の追加，編集，削除（必要に応じて）
  コピーペア状態を監視したいコピーグループ，使用状況を監視したいDPプール，ジャーナルグループ，またはThin Imageプールにアラートの監視条件を設定します。
  
• レプリケーション環境の監視と障害への対処
  コピーペアの状態や運用に応じて，次の操作をします。
  
  • 稼働状況の確認
    コピーペア状態を確認します。
    
  • コピーペア状態の変更
    ローカルコピーのバックアップ，リストア，またはリモートコピーのテイクオーバー，テイクバックの操作など，コピーペアの状態を変更します。
    

廃棄フェーズ

• 廃棄
  業務形態の変更などでレプリケーション構成でのボリュームの運用を終了するときは，要件に合わせて次の操作をします。
  
  • ペアボリュームの削除
    正ボリュームの割り当てを解除したり削除したりします。
    
  • レプリケーション環境の廃棄
    レプリケーション環境の準備で構築したリソースの設定を，Replication Managerなどで解除して廃棄します。
    

関連項目

• 6.1 ボリュームのレプリケーションとは
• 6.3 ［レプリケーション］タブでレプリケーション構成を管理するための条件
• 6.6.4 ［レプリケーション］タブで変更できるコピートポロジー種別
• 6.4.1 レプリケーション環境の設定とは

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