画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

2.3.1 画面属性の詳細

画面属性は,画面属性ダイアログで指定します。なお,次の図にある番号は,該当定義項目が説明されている項番を示しています。

[図データ]

<この項の構成>
(1) ウィンドウ
(2) キーボードのロック状態を解除する
(3) ウィンドウを表示したときにアラームを鳴らす
(4) モジュラスアルゴリズム
(5) 画面に対するコメントの記述
(6) イベント通知コード
(7) 次画面
(8) APインタフェース
(9) タイトルバー/メニューバー/オペレータインジケータ/ウィンドウサイズ変更抑止/基準文字サイズ

(1) ウィンドウ

(a) 表示形態

新しく画面を表示したときの表示中の画面の扱いを変更できます。表示中の画面を消去して次の画面を表示する場合は「全面書換」,画面を重ねて表示する場合は「一部上書」を指定します。システムに表示形態を任せる場合は,「自動」を指定します。「全面書換」「一部上書」および「自動」の詳細については,「1.5.3(2) 表示形態」を参照してください。

(b) XY位置

物理画面上の仮想画面の表示位置を指定します。二次ウィンドウの定義で,一次ウィンドウでの指定位置に従って表示する場合は,「一次に従う」を指定します。

(c) Z位置

物理画面上に,複数の仮想画面が表示されている場合などに,それぞれの仮想画面の重なり位置を指定し,操作するウィンドウを目立たせることができます。また,ウィンドウを一時的に非表示にできます。

(d) 入力・選択状態の扱い

画面を一部上書するとき,画面表示前の入力・選択系オブジェクトの扱いを変更できます。入力・選択系オブジェクトを未入力または未選択状態にするかどうかを指定します。転送状態とは,キー入力またはAPでの指定で入力済みにしておくことを示します。APで入力済みを指定した場合,APから未入力状態に変更させたり,全面書換をしないかぎり,入力済みの状態は引き継がれます。

一度表示した画面に対して一部上書したときに,APに返す値を次に示します。

操作 オブジェクトの表示属性 ウィンドウ属性(入力・選択状態の扱い)
未入力・未選択 状態を維持 初期状態
ヌルを入力 入力済(初期値なし) 消去通知文字 消去通知文字 消去通知文字
入力済でない
(初期値なし)
初期クリア文字 初期クリア文字 初期クリア文字
入力か選択 入力済(初期値なし) 表示データ 表示データ 消去通知文字
選択済 選択通知 選択通知 選択通知
選択済でない 初期クリア文字 選択通知 初期クリア文字
初期値
あり
入力済でない 初期値 初期値 初期値
初期値
なし
入力済でない 初期クリア文字 初期クリア文字 初期クリア文字
何もしない 初期値
あり
入力済 初期値 初期値 初期値
入力済でない 初期値 初期値 初期値
初期値
なし
入力済 消去通知文字 消去通知文字 消去通知文字
選択済 選択通知 選択通知 選択通知
入力済でない 初期クリア文字 初期クリア文字 初期クリア文字
選択済でない 初期クリア文字 初期クリア文字 初期クリア文字

ウィンドウ属性(入力・選択状態の扱い)は,ドローセットアップの「表示属性の標準値」の「ウィンドウ属性」タブでも指定できます。なお,ドローセットアップでの値が有効になるのは,XMAP3が標準提供している定義パターンを使用してドローを新規作成した場合,およびXMAP3が標準提供している定義パターンを使用して,ユーザ登録の定義パターンを作成したときです。

注※
固定のラジオボタン,チェックボタンで動的変更しないドロー定義をした場合は,初期クリア文字を返します。

(e) 種別

定義する画面が一次ウィンドウか,二次ウィンドウかを指定します。

(f) 背景色

画面全体で共通の背景色(ウィンドウの色)を変更できます。標準値は「グレー」です。

(g) 壁紙を設定する

「壁紙を設定する」をチェックして[壁紙の設定]ボタンをクリックすると,壁紙として使用できるグラフィックファイルの一覧が表示されます。壁紙として使用したいファイルを選びます。なお,壁紙はレイアウト領域には表示されません。確認するときは,テスト表示を使用してください。

壁紙はビットマップファイル(.bmp)です。壁紙の表示様式については,「2.1.6(2) 壁紙の利用」を参照してください。

(h) 二次ウィンドウの位置

「種別」が「一次ウィンドウ」の場合に,このウィンドウに対して表示する二次ウィンドウの位置を,ウィンドウ種別のIDによって,あらかじめ指定できます。ウィンドウ種別のIDの詳細については,「2.4.3 二次ウィンドウ」を参照してください。

指定しない場合は,各二次ウィンドウに設定された位置で表示されます。

(2) キーボードのロック状態を解除する

キーボードのロック状態を直前の画面から継続するか,解除するかが指定できます。この指定をチェックすると,画面を表示したとき,マウスやキーボードから入力できる状態になります。指定しない場合は,キーボードのロック状態が直前の画面から継続されます。画面の操作では,「取消キー」によってキーボードのロック状態を解除できます。なお,キーの詳細については,「4.2.1 キーの機能」を参照してください。

(3) ウィンドウを表示したときにアラームを鳴らす

画面を表示したときにアラームを鳴らすかどうかが指定できます。初期値は「鳴らさない」です。

(4) モジュラスアルゴリズム

モジュラスチェックを「(モジュラス)10チェック」でするか「(モジュラス)11チェック」でするかが指定できます。モジュラスチェックの詳細については,「付録A 属性情報一覧」を参照してください。画面属性ダイアログの初期値は「(モジュラス)10チェック」です。

(5) 画面に対するコメントの記述

画面名(日本語名)と画面に関するコメントを書きます。各オブジェクトに付ける概要や使用目的などの情報です。実際の画面表示の対象にはなりません。

コメントはドキュメンテーション支援でほかの情報とともに出力されるので,定義情報をドキュメント化したときにわかりやすい情報が得られます。また,日本語名はテスト支援の遷移図の画面名として使用されます。ドキュメンテーション支援およびテスト支援についてはマニュアル「XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

[図データ]

(6) イベント通知コード

何によって発生するイベントか,イベント発生後の動作はどうするかを画面単位に指定します。イベント通知コードの詳細についてはイベント通知コードダイアログで指定します。

[図データ]

イベントが発生したとき,APに通知するかどうかはイベント通知コードダイアログの「動作」で指定できます。イベント通知コードダイアログで定義する,通知コードと動作との関係を次に示します。

対象 通知
コード
動作
確定キーを使用する 確定キーを使用しない
一次
ウィンドウ
二次
ウィンドウ
一次
ウィンドウ
二次
ウィンドウ
ファンクショ
ン1〜24
(F1〜F24)
PF01〜
PF24
AP通知(確定)
AP通知(中断)
ポップアップ表示
キー押下無効
使用しない
AP通知(確定)
AP通知(終了)
AP通知(中断)
AP通知(取消)
ポップアップ表示
キー押下無効
使用しない
AP通知(確定)
AP通知(中断)
キー押下無効
使用しない
AP通知(確定)
AP通知(終了)
AP通知(中断)
AP通知(取消)
キー押下無効
使用しない
送信 ENTR
割り込み BREK
スクリーン
消去
SCRN
PA1キー
(PA1)
PA1
PA2キー
(PA2)
PA2
PA3キー
(PA3)
PA3
ファンクションキー25〜84
(F25〜F84)
A001〜
A060
プッシュボタン/メニューバー A061〜
A071
AP通知(確定)
AP通知(中断)
AP通知(確定)
AP通知(終了)
AP通知(中断)
AP通知(取消)
AP通知(確定)
AP通知(中断)
AP通知(確定)
AP通知(終了)
AP通知(中断)
AP通知(取消)

注※
既存の画面に対して確定キーとして使用する場合は,ユティリティで「セットアップ情報反映」を実行してください。

動作の詳細は次のとおりです。

動作の指定 説明
AP通知(確定) 画面確定をしてAPにイベントを通知する。入力・選択必須のチェックが実行され,エラーがあった場合はAPに制御を返さない。
AP通知(終了) 「確定」と同じ動作をし,ウィンドウを閉じる。二次ウィンドウでだけ指定できる。
AP通知(中断) 画面確定をしないでAPにイベントを通知する。入力・選択必須のチェックは実行されない。APにはイベント通知コードを返すが,入力データは返さない。ヘルプボタンや強制終了などに使用する。
AP通知(取消) 「中断」と同じ動作をし,ウィンドウを閉じる。二次ウィンドウでだけ指定できる。
ポップアップ表示 使用目的が「POP・手動」のポップアップのメニュー項目を開く。APにイベントは通知しない。なお,メニュー項目が開くのは,フォーカス・カーソルが位置づけてあるポップアップである。
キー押下無効 キー押下無効は,使用しないPFキーなどに使う。これに対応する確定キー,プッシュボタン,またはメニューバーを押すと,エラーとなって画面は入力待ち状態になる。なお,無効にする確定キーをAPから動的変更することもできる。
使用しない 使用しないPFキーなどに使う。これに対応する確定キーを押すと,画面が確定される。APには,イベント通知コードとして初期クリア文字が返る

注1
XMAP3で表示した画面の入出力テキスト・フィールドをコピーまたはペーストしても,APへは何も返しません。

注2
OLTPサーバ構成の場合,OpenTP1上で「次メッセージ要求キー」として割り当てられているキーのイベントはAPに渡りません。

注※
OLTPサーバ構成で使用している場合,リターンコードが「4」,詳細エラーコードが「(0414)16」のエラーとなります。

(7) 次画面

APで,画面名称を固定値として定義していなくても,次に表示させたい画面名称を実行時に取得したいとき指定します。次画面はマップ名が6文字のときに指定できます。なお,次画面はOLTPサーバ構成の環境で利用できます。

(8) APインタフェース

APからウィンドウの属性を変更して表示する場合に指定します。

(a) 入力単位

画面確定のタイミングを「画面」「フィールド」「イベント」および「表示直後」から選びます。入力単位の詳細については「1.5.8 入力単位」を参照してください。

(b) 待機時間

「入力単位」で「表示直後」を選んだ場合,APに自動的に制御が渡されるまでの時間を設定できます。「0秒」も設定できます。

(c) 動的変更(APからウィンドウ属性を変更する

APから表示形態などのウィンドウ属性を変更して,画面を表示します。

この場合,制御項目が論理マップに展開されます。この制御項目に修飾名という定数をAPが設定することで,表示属性が動的に変更されます。

修飾名と表示属性との対応の標準値については「付録A.10 修飾名と変更属性の標準値」を参照してください。なお,表示属性はドローセットアップで変更できます。

(d) 動的変更APからウィンドウ位置属性を変更する

一次ウィンドウを表示する場合のウィンドウの位置(XY位置,Z位置)を動的に変更できます。

この場合,制御項目が論理マップに展開されます。この制御項目に修飾名という定数をAPが設定することで,表示属性が動的に変更されます。

直前の画面と同じ画面を再表示する場合は,画面定義時にウィンドウ属性の表示形態に「全面書換」を指定するか,またはAPからの動的変更で表示形態に「全面書換」を指定してください。その他の指定の場合や指定なしの場合は,位置属性は変更されません。

修飾名と表示属性との対応の標準値については「付録A.10 修飾名と変更属性の標準値」を参照してください。なお,表示属性はドローセットアップで変更できます。

(e) 動的変更APから確定キー属性を変更する

画面に対する操作に使用する各制御キーの有効/無効を動的に変更できます。

この場合,制御項目が論理マップに展開されます。この制御項目に修飾名という定数をAPが設定することで,表示属性が動的に変更されます。

修飾名と表示属性との対応の標準値については「付録A.10 修飾名と変更属性の標準値」を参照してください。なお,表示属性はドローセットアップで変更できます。

(f) 初期クリア文字

AP実行時に,画面からの入力データをAPが受け取る前に,XMAP3が入力論理マップの各項目をあらかじめクリアしておく文字です。なお,APが受け取るデータの優先順位は次のとおりです。

  1. キー入力データ/選択したイベント通知コード
  2. 入力済み/選択済みのとき,表示されているデータ/イベント通知コード
  3. エラー通知文字
  4. 初期値
  5. 初期クリア文字
(g) データ消去通知文字

AP実行時に,画面からフィールドキーなどで入出力テキスト・フィールドのデータを消去したり,(00)16のデータを受信したときにAPが受け取るデータです。したがって,APが受け取ったデータがデータ消去通知文字であれば,画面操作でデータ消去されたと判断できます。

初期クリア文字や初期値とデータ消去通知とを分けておくことで,入力操作がなかったのか,データ消去されたのかが区別できます。

なお,オブジェクトに「入力済み」が定義されている場合で,画面確定時に何も入力しなくてもヌル((00)16)が表示されている状態のとき,データ消去通知文字がAPに返されます。

(h) エラー通知文字

XMAP3が入力データにエラーを検出した場合に,APが受け取るデータです。

入力データのエラーは,半角文字だけを入力できるテキスト・フィールドに,全角文字を入力したときなどに発生します。

(i) 隠しフィールド

実際の画面には表示されないフィールドで,入力固定項目として使用します。

入力固定項目とは,入力論理マップに必ず固定の値を返すデータ項目で,論理マップ可変部の最初のデータ項目として展開されます。

OLTPサーバ構成で使用するトランザクションコードをXMAP3上で定義するには,隠しフィールドとして定義します。

(j) 再定義名

定義済みの論理マップを別定義として使用するときの名称です。半角で30字以内で定義します。

入力論理マップ用と出力論理マップ用とで別の名称にすることもできます。

(9) タイトルバー/メニューバー/オペレータインジケータ/ウィンドウサイズ変更抑止/基準文字サイズ

(a) タイトルバーを付ける

ウィンドウのタイトルバーを付けるかどうか,およびタイトルの内容を指定します。

(b) メニューバーを付ける

画面に対する処理をメニューから選択させたいときに指定します。指定すると,定義したウィンドウにメニューバーが付きます。メニューバーの内容の定義は,[メニューバー定義]ボタンから操作します。

(c) オペレータインジケータを付ける

オペレータインジケータを表示するかしないかを指定できます。OLTPサーバ構成の場合には,オペレータインジケータを付ける必要があります。この場合,拡張形式は使用できません。オペレータインジケータを設定していない場合,二次ウィンドウを表示するときTP1/NET/XMAP3の通信エラーとなります。

なお,オペレータインジケータに表示されるメッセージについては,マニュアル「XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

(d) ウィンドウのサイズ変更を抑止する

マウスのドラッグで,ウィンドウのサイズを自由に変更できるかできないかを指定します。標準は「変更できない」です。ウィンドウを小さくした場合は,必要に応じてスクロールバーが付けられます。スクロールバーを付けるか付けないかは,表示・印刷セットアップで設定します。なお,スクロールバーを付けるときは,スクロールすることで重要なエラーメッセージなどが隠れないよう,画面設計時に注意してください。

(e) 基準文字サイズ

画面全体の基準となる文字サイズを変更できます。

画面属性の定義では,「基準文字サイズ」の設定によって,配置できる領域が変わってきます。この基準文字サイズは,レイアウト画面上に表示されているグリッドの縦横の間隔と対応します。縦(行)の間隔は文字サイズの半分,横(列)の間隔は半角の文字サイズの幅で表示されます。GUI画面中のフィールドボックスに配置する場合の基準文字サイズについては,「2.1.1(3) ウィンドウ」の「ますの高さ」の記述を参照してください。