画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編

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2.1.1 GUI画面の構成

GUI画面は,次に示す2種類の画面,および2種類の平面で構成されています。GUI画面を構成する画面と平面の種類を次の表に示します。

表2-1 GUI画面を構成する画面と平面の種類

画面,平面 意味

物理画面 ディスプレイ画面上に表示される画面
仮想画面 ウィンドウを配置する論理上の表示画面

ウィンドウ 実際のレイアウト領域に表示する,各オブジェクトを配置する平面
プレーン領域 ウィンドウ上のボックスに表示する各種のオブジェクトを配置する平面

各画面の関係を次の図に示します。

図2-1 物理画面,仮想画面,ウィンドウおよびプレーンの関係

[図データ]

各画面,および平面についての説明を次に示します。

<この項の構成>
(1) 物理画面
(2) 仮想画面
(3) ウィンドウ
(4)  プレーン領域

(1) 物理画面

物理画面は,実際のディスプレイ画面のことです。各ウィンドウは,最終的にこの物理画面上に表示されます。

(2) 仮想画面

仮想画面は,物理画面から独立した,論理上の表示画面のことです。

実際の画面表示では,仮想画面から物理画面上に表示できる範囲をPC上のウィンドウ表示システムが切り取って表示します。ただし,仮想上の枠線などの境界は表示されません。

仮想画面のサイズは,指定がない場合,画面サイズの最大値(48行×160列)を仮定します。このため,画面レイアウト上,仮想画面は特に意識する必要はありません。なお,GUI画面は半行単位で定義するため,指定値は最大96行となります。

ただし,物理画面の範囲をはみ出すようなウィンドウは配置できないので,ウィンドウのサイズおよび位置は,物理画面内に収まるように配置してください。

画面レイアウト時には,この仮想画面上に一次ウィンドウ,および二次ウィンドウを配置します。

[図データ]

(3) ウィンドウ

ウィンドウは,仮想画面上の領域内に各種のオブジェクトを配置するための平面です。

実際の画面レイアウト時には,このウィンドウ内へのオブジェクトの配置を考慮することが主となります。オブジェクトは,種類によって配置する平面が異なります。エントリ系,ラベル系オブジェクトは直接ウィンドウ上に配置します。リストボックスとフィールドボックスなどは,ウィンドウ上には表示位置や大きさだけを配置し,内容はプレーン領域に配置します。

図2-2 ウィンドウ各部の名称

[図データ]

  1. コントロールメニュー
    コントロールメニューとは,画面の左上にある枠をマウスでクリックすると表示されるシステムメニューです。タイトルバー左端にカーソルを位置づけ,マウスの左ボタンを押すと表示されます。コントロールメニューをクリックすると,Windowsのシステムメニューが表示されます。システムメニューには,[元のサイズに戻す][移動][サイズ変更][最小化][最大化]および[閉じる]があります。[閉じる]メニューでAPに割込キーのイベントを返すかどうかは,表示・印刷セットアップで指定できます。設定方法の詳細についてはマニュアル「XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。また,イベントについては「1.5.9 画面確定とAPへの通知」を参照してください。
  2. タイトルバー(オプション)
    そのウィンドウに対応する業務の名称を表示します。一つの業務が二次ウィンドウを含め複数の画面から構成される場合は,画面での処理や,画面遷移を考慮してタイトルを付けます。タイトルは左側に表示されます。
    タイトルは,画面属性ダイアログで設定します。タイトルの長さは,最大で78文字(半角の場合)です。タイトルを省略した場合は,「XMAP3」が仮定されます。APからは変更できません。
    なお,スプラッシュ画面など,タイトルバーやメニューバーを表示しない画面の場合は,画面属性ダイアログで「タイトルバーを付ける」の項目をチェックしません。
    (例)
    「受注処理業務:データ入力」,「受注処理業務:データ検索」
    タイトルはドロー定義時に指定しますが,タイトルの表示は画面属性ダイアログで指定します。
  3. メニューバー
    画面の業務に対して,各種操作をするメニューを表示します。表示する文字列,表示属性はドローで指定します。メニューバーは必要に応じて使用します。なお,スプラッシュ画面など,タイトルバーやメニューバーを表示しない画面の場合は,画面属性ダイアログで「メニューバーを付ける」の項目をチェックしません。
  4. オペレータインジケータ(オプション)
    キーボード状態,入力データのチェック結果などのメッセージをXMAP3が表示します。APからのメッセージの表示はできません。オペレータインジケータを表示するかしないかは画面属性ダイアログで指定します。表示位置は,XMAP3の表示・印刷セットアップで変更します。表示は,「上に表示」「下に表示」「表示しない」および「拡張形式」が選択できます。なお,OLTPサーバ構成の環境で使用する場合には,「上に表示」または「下に表示」のどちらかを選択します。
    注※
    拡張形式では,オペレータインジケータは常に下に表示されます。
  5. レイアウト領域
    実際の業務処理に使用するオブジェクトを配置します。
    これ以降,表示レイアウトなどの説明での「作業領域」は,断りがないかぎりレイアウト領域を示します。
    レイアウト領域のグリッド
    グリッドのます目の最小単位は,画面属性ダイアログで指定した文字サイズ「基準文字サイズ」を基準にして決まります。横が半角1文字分です。GUI画面での文字とます目の関係について次に示します。
     
    [図データ]
    なお,レイアウト領域で表示されている文字に対し,さらに「大きい文字」「小さい文字」「標準文字サイズ」を指定できます。それぞれの指定をしたときの表示を次に示します。なお,ここでは全角文字の場合を例にします。
     
    [図データ]
     
    • ますの高さ
      GUI画面の場合,ますの高さは標準文字の高さの半分になります。ただし,フィールドボックス中では,ますの高さは文字の高さと同じになります。このように,オブジェクトをどこに配置するかによって,レイアウトに必要な領域長が異なります。
      オブジェクトを配置する場所とますの高さの関係を次の表に示します。

      表2-2 オブジェクトを配置する場所とますの高さの関係

      オブジェクトを配置する場所 ますの高さ
      フィールドボックス以外 半角文字1/2文字分
      フィールドボックス内 半角文字1文字分

(4)  プレーン領域

プレーン領域は,ウィンドウ上に配置したボックス内にけい線やフィールドを配置するための平面です。

プレーンサイズは,対応するボックスのボックスサイズと同じか,大きいサイズを指定できます。画面表示上は,ボックスに表示できる範囲をPCの表示システムが切り取って表示します。ボックスサイズの範囲外の部分は,スクロールすることで表示されます。

プレーンサイズがボックスサイズよりも大きくなる場合,プレーン上に配置するオブジェクトは,別画面としてレイアウトします。このとき,切り取られてボックス内に表示される部分が,ウィンドウ上のほかのオブジェクトと関連する場合はボックスとオブジェクトの重なり範囲を意識してボックス内のオブジェクトを配置する必要があります。