画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド

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5.3.1 C/Sシステム構成の環境設定

C/Sシステム構成の実行環境を設定するには,ネットワークで各PCを接続するためのTCP/IP環境の設定が前提となります。

XMAP3をアプリケーションサーバ型C/Sシステム環境で動作させる場合,通信プロトコルとしてTCP/IPを使用するため,あらかじめTCP/IP関連の情報を設定してから,XMAP3の設定をします。TCP/IPの設定形式,および設定方法は,各TCP/IPサポートプログラムの方法に従います。ただし,DHCPを使用した環境,およびクライアントからサーバへの通信にNAT(Network Address Translation)などのIPアドレス変換を伴う場合には,C/Sシステム構成を使用することはできません。

クライアント数が多数の場合やクライアントの増設時には,これらのTCP/IPの環境設定やXMAP3の環境設定作業を軽減するために「C/Sシステムの通信設定の簡略化機能」が利用できます。詳細は「9.3.8 C/Sシステムの通信設定の簡略化」を参照してください。

また,1台のサーバマシン上で複数のXMAP3サーバを起動できます。この機能を使用すると,業務ごとにXMAP3サーバを分けて管理できます。このため,1台のサーバまたは台数の少ないサーバ構成で複数の業務を実行する場合に負荷を分散できます。

なお,XMAP3のC/Sシステムに適用できるOSはWindows 95,Windows 98,Windows Me,Windows NT,Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003,およびWindows Server 2003 x64ですが,業務を運用するサーバマシンにはWindows NT,Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 x64が適しています。

また,XMAP3サーバをWindowsのサービスとして運用できます。1台のマシン上で複数のXMAP3サーバを起動するときは,Windowsサービスから起動することを前提としています。なお,Windowsのサービスとして運用する場合には,サーバのデスクトップ上,またはターミナルサービスのクライアント上からXMAP3サーバの操作ができます。XMAP3サーバのWindowsサービス運用の詳細については,「9.3.6 Windowsのサービスとして運用する場合のOS設定」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ホスト名とIPアドレスの設定および確認
(2) TCP/IP関連ファイルの設定および確認
(3) 画面表示の環境設定
(4) 帳票印刷の環境設定
(5) AP実行の環境設定
(6) C/Sシステム環境の設定

(1) ホスト名とIPアドレスの設定および確認

ネットワークで接続するすべてのサーバPCおよびクライアントPCについて,それぞれのPCに設定されているホスト名,およびIPアドレスを確認し,必要であれば,設定を追加します。

詳細については,「9.2.1 ホスト名とIPアドレスの設定および確認」を参照してください。

(2) TCP/IP関連ファイルの設定および確認

ネットワークで接続するすべてのサーバPCおよびクライアントPCについて,それぞれのPCに設定されているシステムホスト名ファイルHOSTSファイル)とシステムサービス名ファイルSERVICESファイル)を確認し,必要であれば,設定を追加します。

詳細については,「9.2.2 TCP/IP関連ファイルの設定および確認」を参照してください。

(3) 画面表示の環境設定

「表示・印刷セットアップ」を使用して,画面環境の設定をします。すでに一般の使用を想定した標準値が設定されていますので,独自の環境にしたい場合に設定を変更してください。

詳細については,「6. 画面に関する環境設定」を参照してください。

(4) 帳票印刷の環境設定

XMAP3の帳票印刷に使用するプリンタが接続されているすべてのPCで帳票環境の設定をします。使用するプリンタに対応するプリンタドライバを組み込み,OS(Windows)でプリンタに関する設定を確定したあと,「表示・印刷セットアップ」を使用して,帳票環境の設定をします。

なお,帳票環境の設定をするには,サービス名とプリンタデバイス名が必要であり,「表示・印刷セットアップ」を使って指定した名称を,「C/Sセットアップ」で再度指定する必要があります。サービス名は各PCのプリンタ間で重複してはならないため,プリンタ数が多い場合は,先に「C/Sセットアップ」を使ってサーバ上でのC/Sシステム環境の設定を済ませておき,サービス名を確定しておくことをお勧めします。

詳細については,「7. 帳票に関する環境設定」を参照してください。

(5) AP実行の環境設定

定義体をAPとは異なるフォルダに格納する場合やグラフィックデータのパスの指定,アプリケーションサーバの設定を有効にするかどうかの指定など,必要に応じてAP環境の設定をします。詳細については,「8. AP実行に関する環境設定」を参照してください。

(6) C/Sシステム環境の設定

「C/Sセットアップ」を使用してXMAP3のC/Sシステム環境を設定します。詳細については,「9. XMAP3サーバ/クライアント利用に関する環境設定」を参照してください。「C/Sセットアップ」を使用した環境設定は,サーバ側で設定します。

このとき,クライアントのホスト名には,「(1) ホスト名とIPアドレスの設定および確認」の作業で確認したホスト名を設定してください。「C/Sセットアップ」を終了すると,XMAP3インストールフォルダ\ETCの下の仮想端末名ファイル(X3MWHOST)とサービス名ファイル(X3PHOST)が更新されます。

1台のサーバマシン上に複数のXMAP3サーバを起動する場合,サーバ起動ファイル(X3PSERV)を設定します。サーバ起動ファイルは,ファイルを開いてテキストエディタで直接指定してください。詳細については,「9.3.5(4) サーバ起動ファイル」を参照してください。また,業務に合わせてSERVICESファイルのサービス名ごとにサービス名ファイル(X3PHOST)を作成できます。詳細については,「5.3.10 1台のマシン上にXMAP3サーバを複数起動するC/Sシステム構成の設定例」を参照してください。