画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド
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9.3.5 C/S構成の環境設定で使用するファイル
(1) サービス名ファイル(X3PHOST)
サービス名ファイル(X3PHOST)は,表示・印刷サービス名,表示サービスと印刷サービスの区別や,接続するクライアントのホスト名などを指定します。この情報はサーバ側だけに設定します。
なお,サービス名ファイルは直接開いて確認することもできますが,設定方法を誤るなどしてファイルの内容が不正になると正しく動作できなくなるため,十分な注意が必要です。このため,通常はC/Sセットアップを使用して設定するようにしてください。
(a) サービス名ファイルのファイル名
ファイル名を次に示します。なお,このファイルはインストールされていますので,直接エディタで参照することもできます。ただし,メモ帳などを使って参照した場合,UNICODEファイルとしてセーブしないでください。
- XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PHOST
(b) サービス名ファイルの記述形式
サービス名ファイルの記述形式を次に示します。サービス名称についての設定内容を1行ごとに記述します。
![[図データ]](FIGURE/ZU11C100.GIF)
設定項目を次に示します。
- サービス名称
表示サービス名または印刷サービス名を任意に設定します。JIS8文字の半角英数字の中から14文字以内で指定してください。ただし,LAN内(ブリッジ,ルータ利用時はそのネットワーク内)でユニークな名称とする必要があります。
- サービスタイプ
サービスのタイプを次に示す二つから選んで指定します。
- DSP:接続したサービス名は,表示サービスとして使用することを意味する。
- PRT:接続したサービス名は,印刷サービスとして使用することを意味する。
- 利用者プロトコル
XMAP3の表示・印刷サービスが用いるプロトコルの種別に,次に示す値を指定します。
- ホスト名称※1※2
XMAP3の表示・印刷サービスが動作するホスト名称を指定します。
なお,サーバ上で動作するサービスでは,ホスト名称にエイリアスホスト名(別名)は指定できません。また,クライアント上で動作するサービスでは,設定対象のPCがWindows 2000,Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 x64の場合,ホスト名称にエイリアスホスト名(別名)は指定できません。
- デバイス名称
サービスに対応するデバイス名称を指定します。
C/Sシステム構成の場合,このファイルの同一行の先頭に指定した「サービス名称」をそのままプリンタデバイス名として指定してください。このプリンタデバイス名が表示・印刷セットアップで指定するプリンタデバイス名になります。
- APホスト名称※1※2※3
表示サービス,印刷サービスを使用するAPが動作するサーバ(アプリケーションサーバ)のホスト名称を指定します。XMAP3サーバを起動するPCのホスト名を指定してください。なお,APホスト名称には,エイリアスホスト名(別名)は指定できません。
- APパス名称※3
表示サービス,印刷サービスを使用するAPの完全パス名をMS-DOS形式の短いパス名で指定します。
- 注※1
- DNS環境(ドメイン管理されたネットワーク環境)の場合,クライアントのOS種別によって,ホスト名称の記述形式が異なります。
- Windows95の場合
- ドメイン名ありのホスト名称
- (例)
- hostname.Hitachi.co.jp
- Windows98,Windows Me,Windows NT,Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 x64の場合
- ドメイン名なしのホスト名称
- (例)
- hostname
- 注※2
- ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
- 注※3
- クライアント側のアイコン起動時,サーバ側のどのAPを起動するかを指定する項目です。APの自動起動を指定しない場合は省略できます。
(c) サービス名ファイルの注意事項
サービス名ファイルの注意事項を,次に示します。
- 1行(1サービス当たり)は,255バイト以内で設定する。
- 行の先頭に「#」を付けた場合,その行はコメントとして扱われる。
コメント行はC/Sセットアップ更新時に削除される。
- 各項目のあとの「;」は必ず指定する。
- サービス名ファイル中に,同一のサービス名称が複数定義された場合には,ファイルの最終行に近い行の内容が有効となる。
- 改行動作は必ず改行キ−を使う。
- サービス名称〜デバイス名称は英大文字,英小文字の区別をする。TCP/IPの設定ファイルで指定したものと同じものを指定すること。
(2) 仮想端末名ファイル(X3MWHOST)
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)には,APがプログラム中で使用する仮想端末名とサービス名の対応を指定します。この情報は,サーバ側だけに設定します。
なお,WSを使用する場合の仮想端末名ファイルの詳細については,マニュアル「XMAP3 Server」を参照してください。WSの仮想端末名ファイルは,直接開いて設定します。
なお,仮想端末名ファイルは直接開いて確認することもできますが,設定方法を誤るなどしてファイルの内容が不正になると正しく動作できなくなるため,十分な注意が必要です。このため,通常はC/Sセットアップを使用して設定するようにしてください。
(a) 仮想端末名ファイルのファイル名
ファイル名を次に示します。なお,改行は必ず改行キ−が使われなければなりません。
- XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3MWHOST
(b) 仮想端末名ファイルの記述形式
一つの仮想端末の設定情報は,1レコード(511バイト以内)に記述します。ファイル中の先頭から1,000レコードが実行時に有効になります。1レコードが512バイト以上の場合,ファイルサイズが32,768バイト以上のときはマッピングライブラリを起動できません。また,レコード内の各項目が不正な場合,仮想端末の定義は無効となります。仮想端末名ファイルの記述形式を次に示します。
![[図データ]](FIGURE/ZU11C200.GIF)
設定項目を次に示します。
- 仮想端末名
APで指定する仮想端末名を,英字で始まる8文字以内の半角英数字で指定します。AP中で仮想端末名の指定を省略すると,スタンドアロン端末が仮定されます。C/Sシステム構成の場合は,ここで指定した仮想端末名を必ずAP中で指定してください。
- デバイス種別
仮想端末名に対応する画面やプリンタの大分類となるデバイス種別を指定します。デバイス種別を次の表に示します。
表9-3 デバイスの種別
種 別 |
デバイス |
備考 |
画面 |
XDSP |
画面共通(CUI,GUI画面)※に使用できる |
XDSPS1 |
CUI画面だけ |
XDSPM1 |
GUI画面だけ |
プリンタ |
XPRT |
プリンタ共通
(シリアルインパクト,ページプリンタ)※ |
XPRTL1 |
シリアルインパクト けい線帳票 |
XPRTP1 |
ページプリンタ 網掛け帳票 |
XPRTL3 |
シリアルインパクト プレプリント帳票 |
XPRTP3 |
ページプリンタ グラフィック帳票 |
- 注※
- マッピングライブラリ使用時に,AP中で指定した物理マップ名称のIDによって選択されます。COBOLのAPでは,このデバイス名を用いてください。
- サービス番号
ディスプレイは9000を,プリンタは9001を指定します。
- サービス名
サービス名ファイル中に定義した表示・印刷サービス名を指定します。
なお,仮想端末の自動割り当てを行う場合は,「**」と指定してください。
画面表示の場合はDISPLAY環境変数,帳票印刷の場合はPRINTER環境変数の設定値がサービス名として扱われます。
自動割り当ての例を次に示します。
DSP002;XDSP;windows;9000;**;X3MWDRV
PRT003;XPRT;windows;9001;**;X3MWDRV
- AP環境ファイル名
X3MWDRVを指定します。
この項目を省略した場合は,X3MWDRVを仮定します。
XMAP3が標準で提供するファイルでの仮想端末定義の設定値を次に示します。
DSP001;XDSP;windows;9000;**;X3MWDRV
PRT001;XPRT;windows;9001;#PRT;X3MWDRV
PRT002;XPRT;windows;9001;#PRT;X3MWDRV
なお,スタンドアロン構成で印刷するときは,次の規則に従って印刷サービス名を指定してください。
- #PRT:
- 帳票を印刷するPC上の標準プリンタ(通常使うプリンタ)に出力することを示します。表示・印刷セットアップでプリンタデバイスの設定をしなくても,PC上の標準プリンタへ出力できます。このサービス名に対し,印刷モードの変更をしたり印刷オプションを設定したい場合は,表示・印刷セットアップのプリンタデバイス名にPR1を指定してください。
- #PRTnnn(nnnは任意の数字):
- 帳票を印刷するPC上に複数プリンタが接続されていて,それぞれのプリンタに印刷したい場合に指定します。この印刷サービス名を指定した場合,表示・印刷セットアップでのプリンタデバイスの設定が,必ず必要になります。出力したいプリンタ台数分,印刷サービスを作成し,表示・印刷セットアップで印刷サービス名とPCに登録されているプリンタを対応づけてください。このとき,表示・印刷セットアップに指定するプリンタデバイス名は,印刷サービス名を同じにしてください。
(c) 仮想端末名ファイルの注意事項
ファイルを定義する際の注意事項を次に示します。
- サービス名称は実行環境に合わせて変更する必要がある。
- 仮想端末の定義を増やす場合は,仮想端末名称がすでにある名称と重複しないように設定する。
- レコードの順番は変更できる。
- 一つのAPで起動した端末に画面を表示する場合,表示サービス名称に'**'を指定する。この場合,XMAP3は起動したいクライアント端末に画面を表示する。
- 一つのAPで起動したプリンタに印刷する場合,印刷サービス名称に'**'を指定する。この場合,XMAP3は起動したいクライアント端末に接続されたプリンタで帳票を印刷する。
- 改行動作は必ず改行キ−を使う。
(3) サーバAP名ファイル(X3PAPL)
サーバAP名ファイル(X3PAPL)は,サーバで実行するAPのアプリケーション名,ファイル名,アプリケーションの内容などを指定します。この情報はサーバ側だけに設定します。
なお,サーバAP名ファイルは直接開いて確認することもできますが,設定方法を誤るなどしてファイルの内容が不正になると正しく動作できなくなるため,十分な注意が必要です。このため,通常はC/Sセットアップを使用して設定するようにしてください。
(a) サーバAP名ファイルのファイル名
ファイル名を次に示します。
- XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PAPL
(b) サーバAP名ファイルの記述形式
サーバAP名ファイルの記述形式を次に示します。
![[図データ]](FIGURE/ZU11C250.GIF)
設定項目を次に示します。
- アプリケーション名
C/Sセットアップの[アプリケーション]タブの「アプリケーション名」の設定内容です。
- ファイル名
C/Sセットアップの[アプリケーション]タブの「ファイル名」の設定内容です。
- アプリケーションの内容
C/Sセットアップの[アプリケーション]タブの「アプリケーションの内容」の設定内容です。
(4) サーバ起動ファイル(X3PSERV)
サーバ起動ファイル(X3PSERV)は,Windowsサービス上で動作するXMAP3サーバのSERVICESファイルのサービス名と,サービス名ファイル,および表示・印刷環境ファイルとの対応を設定するファイルです。この情報は,サーバ側だけに設定します。
サーバ起動ファイルは,ファイルを開いてテキストエディタで直接設定します。
サーバ起動ファイルの設定内容に誤りがある場合,誤りのある行のXMAP3サーバは起動されず,Windowsサービス起動時にイベントビューアのアプリケーションログにメッセージが出力されます。なお,XMAP3サーバをスタートメニューから起動する場合,このファイルは使用されません。
上書きインストール時には設定した内容が引き継がれます。
(a) サーバ起動ファイルのファイル名
ファイル名を次に示します。
- XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PSERV
(b) サーバ起動ファイルの記述形式
サーバ起動ファイルの記述形式を次に示します。SERVICESファイルのサービス名についての設定内容を1行ごとに記述します。
![[図データ]](FIGURE/ZU11C300.GIF)
設定項目を次に示します。
- SERVICESファイルのサービス名
サーバが使用するSERVICESファイルのサービス名を指定します。31文字以内の半角文字での指定を推奨します。半角32文字以上指定すると画面上のメッセージが途中で切れて表示される場合があります。全角文字は,2文字として考えます。
SERVICESファイルのサービス名を指定するときの注意事項を次に示します。
- SERVICESファイルのサービス名には,JIS8文字の半角英数字,「-」,「_」,「+」,および全角文字を使用できます。ただし,サービス名の最初の文字には,数字,記号は指定できません。なお,サービス名の前後にある半角スペース,およびタブは読み飛ばされます。
- 行の先頭に「#」を付けた場合,その行はコメント行として扱われます。
- 2文字目以降に「#」を付けた場合,アプリケーションログに警告が出力されます。
- サービス名ファイル(X3PHOST)のファイル名
サービス名ファイルのファイル名を,256文字以内の半角文字で指定します。半角スペースを含むファイル名の指定,フルパスおよび相対パスでの指定はできません。全角文字は,2文字として考えます。
指定を省略した場合は,X3PHOSTを仮定します。
サーバごとに異なるサービス名ファイルを使用する場合,XMAP3インストールフォルダ\ETCの下にユーザ任意でサービス名ファイルを作成し指定します。
サーバごとに異なるサービス名ファイルを指定する例を次に示します。
xpw;X3PHOST;;
xpw2;X3PHOSTxpw2;;
- 表示・印刷環境ファイル(X3PCONF)のファイル名
表示・印刷環境ファイルのファイル名を,256文字以内の半角文字で指定します。半角スペースを含むファイル名の指定,フルパスおよび相対パスでの指定はできません。全角文字は,2文字として考えます。
指定を省略した場合は,X3PCONFを仮定します。
サーバごとに異なる表示・印刷環境ファイルを使用する場合,XMAP3インストールフォルダ\ETCの下にユーザ任意で表示・印刷環境ファイルを作成し指定します。
サーバごとに異なる表示・印刷環境ファイルを指定する例を次に示します。
xpw;X3PHOST;X3PCONF;
xpw2;X3PHOSTxpw2;X3PCONFxpw2;
(c) サーバ起動ファイルの注意事項
サーバ起動ファイルを定義する際の注意事項を次に示します。
- 行の先頭に「#」を付けた場合,その行はコメントとして扱われる。
- 各項目のあとの「;」は必ず指定する。
- サーバ起動ファイル中に,同一のSERVICESファイルのサービス名が複数定義された場合には,ファイルの最終行に近い行の内容が有効となる。
- 各項目で,英大文字,英小文字は区別しない。
- サービス名ファイルのファイル名と表示・印刷環境ファイルのファイル名には,「\」,「/」,半角スペース,およびタブは使用できない。ファイル名の前後にある半角スペースおよびタブは読み飛ばす。
- 改行動作は必ず改行キーを使う。
(5) セットアップファイルに関する注意事項
セットアップでのファイルに関する注意事項を次に示します。
- 各ファイルに関する項目の設定を合わせる。
各セットアップファイルの中で合わせる必要のある項目を次の表に示します。なお,項目の設定内容が異なる場合は,表示,および印刷機能を使用できません。
表9-4 各ファイルで設定を合わせる項目
項 目 |
設定するファイル名称 |
ホスト名称 |
システムホスト名ファイル(HOSTSファイル)※1,
サービス名ファイル(X3PHOST) |
サービス名称 |
サービス名ファイル(X3PHOST),
仮想端末名ファイル(X3MWHOST) |
サービス番号(ポート番号) |
システムサービス名ファイル
(SERVICESファイル)※2 |
SERVICESファイルのサービス名 |
システムサービス名ファイル
(SERVICESファイル)※2,
サーバ起動ファイル(X3PSERV) |
- 注※1
- TCP/IPのIPアドレスの設定ファイル
- 注※2
- TCP/IPポート番号の設定ファイル
- 各セットアップファイルの変更後は,XMAP3を再起動する。
- 各セットアップファイルのアドレスを重複させない。
- 修復できない障害が発生した場合は,システムを起動し直す。
修復できない障害(例えば,誤って電源を切ってしまったなど)が発生した場合は,電源を再び入れてシステムを起動し直す。
- C/Sシステム構成で,サーバホスト上のXMAP3サーバの構成情報を変更し再起動したら,XMAP3のクライアントも再起動する。
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