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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


5.23.5 障害発生時の対処方法

更新可能なオンライン再編成中に障害が発生したときの対処方法について,障害のケースごとに説明します。説明中に出てくる再編成状態とは,「表5-14 更新可能なオンライン再編成状態の確認方法」で確認した再編成状態のことです。

なお,再編成状態が,NONE,READY1,またはREADY2の場合は,pdorbegin -uコマンドで更新可能なオンライン再編成の操作を取り消すことができます。

また,障害発生の原因がシステムログファイル障害の場合は,システムログファイルの障害を回復したあとに,ここで説明している対処を実施してください。

〈この項の構成〉

(1) コマンドまたはユニットが異常終了した場合

コマンドまたはユニットが異常終了した場合の対処方法を次の表に示します。再編成状態によって対処方法が異なります。

表5‒15 コマンドまたはユニットが異常終了した場合の対処方法

項番

再編成状態

対処方法

1

NONE

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,障害原因を取り除いたあとに,次の操作から再実行してください。

2

READY1

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,使用しているミラーリング機能のマニュアルを参照して,対処してください。

3

READY2

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,障害原因を取り除いたあとに,次の操作から再実行してください。

4

READY3

注意事項
  • pdsdblodコマンドによるデータロードが正常終了している場合(KFPB63012-Iメッセージが出力されている場合)は,次の操作から再実行してください。

    ・「5.13.4(6) オリジナルRDエリアにレコードをデータロードする(pdsdblodコマンド)

    ただし,アンロードデータファイルを削除してしまった場合は,データロードの再実行ができないため,項番5または項番6の対処方法を実施してください。

  • すでに追い付き反映キー対応表へのデータ登録処理が開始されているpdsdblodコマンドがある場合(KFPB63042-Iメッセージが出力されている場合),pdsdblodコマンドの再実行前に追い付き反映キー対応表を初期化してください。この場合,初期化した追い付き反映キー対応表があるBES内の,更新可能なオンライン再編成の対象RDエリアに対して,pdsdblodコマンドを再実行する必要があります。

5

  • 更新可能なオンライン再編成を中止する場合(HiRDBを停止できない場合)

    レプリカRDエリアの更新データをオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで通常運用を再開します。HiRDBは停止しませんが,トランザクションを制限する必要があります。手順については,「5.23.6 対処の詳細手順(その1)」を参照してください。

6

  • 更新可能なオンライン再編成を中止する場合(HiRDBを停止できる場合)

    レプリカRDエリアの更新データをオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで業務を再開します。手順については,「5.23.7 対処の詳細手順(その2)」を参照してください。

7

REFLEC

  • 更新可能なオンライン再編成を続行する場合

    障害原因を取り除くか,またはカレントRDエリアへのアクセスを制限するかしたあとに,次の操作から再実行してください。

    ・「5.13.4(9) 追い付き反映処理を実行する(pdorendコマンド)

  • 更新可能なオンライン再編成を中止する場合(HiRDBを停止できない場合)

    対処方法は,項番5と同じです。

  • 更新可能なオンライン再編成を中止する場合(HiRDBを停止できる場合)

    対処方法は,項番6と同じです。

8

SYNC

  • 更新可能なオンライン再編成を続行する場合

    障害原因を取り除いたあとに,次の操作から再実行してください。

    ・「5.13.4(9) 追い付き反映処理を実行する(pdorendコマンド)

  • 更新可能なオンライン再編成を中止する場合(HiRDBを停止できない場合)

    対処方法は,項番5と同じです。

  • 更新可能なオンライン再編成を中止する場合(HiRDBを停止できる場合)

    対処方法は,項番6と同じです。

(2) 正系ボリューム障害が発生した場合

正系ボリューム障害が発生した場合の対処方法を次の表に示します。再編成状態によって対処方法が異なります。

表5‒16 正系ボリューム障害が発生した場合の対処方法

項番

再編成状態

対処方法

1

NONE

更新可能なオンライン再編成を続行する場合の対処手順については,「5.23.8 対処の詳細手順(その3)」を参照してください。

2

READY1

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,使用しているミラーリング機能のマニュアルを参照して,対処してください。

3

READY2

更新可能なオンライン再編成を続行する場合の対処手順については,「5.23.8 対処の詳細手順(その3)」を参照してください。

4

READY3

更新可能なオンライン再編成を続行する場合の対処手順については,「5.23.9 対処の詳細手順(その4)」を参照してください。

5

REFLEC

  • 更新可能なオンライン再編成を続行する場合

    対処手順については,「5.23.10 対処の詳細手順(その5)」を参照してください。

    この場合,追い付き反映処理は最初から反映し直しとなります。

    また,pd_log_org_reflected_logpoint=keep,pd_log_org_no_standby_file_opr=stopを指定し,システムログ反映開始ポイントを消去していないことが前提条件となります。

  • 更新可能なオンライン再編成を中止し,レプリカRDエリアで通常運用を行う場合

    pdorend -uコマンドを実行して,追い付き反映処理を中止してください。

6

SYNC

更新可能なオンライン再編成を中止し,レプリカRDエリアで通常運用を行うことになります。pdorend -uコマンドを実行して,追い付き反映処理を中止してください。

(3) 副系ボリューム障害が発生した場合

副系ボリューム障害が発生した場合の対処方法を次の表に示します。再編成状態によって対処方法が異なります。

表5‒17 副系ボリューム障害が発生した場合の対処方法

項番

再編成状態

対処方法

1

NONE

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,使用しているミラーリング機能のマニュアルを参照して,対処してください。障害原因を取り除いたあとに,次の操作から再実行してください。

2

READY1

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,次の手順で対処してください。

  1. pdorbegin -uコマンドで更新可能なオンライン再編成の操作を取り消します。詳細については,「5.13.9 更新可能なオンライン再編成の操作を取り消したい場合」を参照してください。

  2. 副系ボリュームを回復します。回復方法については,使用しているミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

  3. 次の操作から,更新可能なオンライン再編成を再実行してください。

    ・「5.13.4(1) RDエリアをオンライン再編成閉塞にする(pdorbeginコマンド)

3

READY2

4

READY3

更新可能なオンライン再編成をいったん中止します。レプリカRDエリアの更新データをオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで通常運用を再開します。手順については,「5.23.11 対処の詳細手順(その6)」を参照してください。

5

REFLEC

6

SYNC

障害原因を取り除いたあとに,次の操作から再実行してください。

(4) 構成情報の複写漏れによってディレクトリ管理情報が不正となった場合

構成情報の複写漏れによってディレクトリ管理情報が不正となった場合の対処方法を次の表に示します。再編成状態によって対処方法が異なります。

表5‒18 構成情報の複写漏れによってディレクトリ管理情報が不正となった場合の対処方法

項番

再編成状態

対処方法

1

READY1

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,次の手順で対処してください。

  1. pdorbegin -uコマンドで更新可能なオンライン再編成の操作を取り消します。詳細については,「5.13.9 更新可能なオンライン再編成の操作を取り消したい場合」を参照してください。

  2. レプリカRDエリアをpdhold -cコマンドで閉塞かつクローズ状態にします。

  3. pdmodコマンドのdefine copy rdarea文で,レプリカRDエリアにオリジナルRDエリアの構成情報を複写します。

  4. 次の操作から,更新可能なオンライン再編成を再実行してください。

    ・「5.13.4(1) RDエリアをオンライン再編成閉塞にする(pdorbeginコマンド)

2

READY2

3

READY3

更新可能なオンライン再編成を続行する場合の対処手順については,「5.23.12 対処の詳細手順(その7)」を参照してください。

(5) 追い付き反映キー対応表に障害が発生した場合

追い付き反映キー対応表に障害が発生した場合の対処方法を次の表に示します。

表5‒19 追い付き反映キー対応表に障害が発生した場合の対処方法

項番

障害発生のタイミング

障害原因

対処方法

1

pdsdblodコマンドの実行中

追い付き反映キー対応表を格納するRDエリアで容量不足が発生した場合

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,次の手順で対処してください。

なお,説明中のRDエリアとは,追い付き反映キー対応表を格納しているRDエリアのことです。

  1. pdrels -oコマンドでRDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします。

  2. pdmodコマンドでRDエリアを再初期化して容量を拡張します。

  3. pdsdborcrt -k initコマンドで,追い付き反映キー対応表を初期化します。

  4. 追い付き反映キー対応表の中間ファイルを削除します。

  5. 再初期化したRDエリアがあるサーバの更新可能なオンライン再編成は,データロードから再実行する必要があります。サーバ内の更新可能なオンライン再編成の対象RDエリアに対して,pdsdblodコマンドでデータロードを実行してください。

    なお,pdsdblodコマンドの入力データファイルとするアンロードデータファイルを削除してしまった場合は,データロードを実行できません。この場合,項番2の対処を実施してください。

このあと,次の操作から再実行してください。

2

更新可能なオンライン再編成を中止する場合は,レプリカRDエリアのデータをオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで業務を再開します。手順については,「表5-15 コマンドまたはユニットが異常終了した場合の対処方法」の項番5または項番6と同じです。

3

上記以外の追い付き反映キー対応表へのアクセス障害が発生した場合

更新可能なオンライン再編成を続行することはできません。レプリカRDエリアの更新情報をオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで業務を再開します。手順については,「表5-15 コマンドまたはユニットが異常終了した場合の対処方法」の項番5または項番6と同じです。

4

pdorendコマンドの実行中

追い付き反映キー対応表を格納するRDエリアで容量不足が発生した場合

更新可能なオンライン再編成を続行する場合は,次の手順で対処してください。

なお,説明中のRDエリアとは,追い付き反映キー対応表を格納しているRDエリアのことです。

  1. pdrels -oコマンドでRDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします。

  2. pdmodコマンドでRDエリアを拡張します。

このあと,次の操作から再実行してください。

5

更新可能なオンライン再編成を中止する場合は,レプリカRDエリアの更新情報をオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで業務を再開します。手順については,「表5-15 コマンドまたはユニットが異常終了した場合の対処方法」の項番5または項番6と同じです。

6

上記以外の追い付き反映キー対応表へのアクセス障害が発生した場合

更新可能なオンライン再編成を続行することはできません。レプリカRDエリアの更新情報をオリジナルRDエリアに反映し,オリジナルRDエリアで業務を再開します。手順については,「表5-15 コマンドまたはユニットが異常終了した場合の対処方法」の項番5または項番6と同じです。