Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


付録Q 用語解説

ここに記載されている以外の用語については,マニュアル「HiRDB 解説」の「用語解説」を参照してください。

(英字)

AFMのデータベース

階層構造を持たないデータベースです。

1つのレコード型は,1つまたは複数の構成要素から構成されます。UAPとのデータの受け渡しは,レコード単位または構成要素単位となります。

AFMのデータベースは,メインフレームのTMS-4V/SPがサポートするDAM,MAM,TAM,およびSAMのデータベースに相当します。

FMBのデータベース

階層構造を持つデータベースです。

1つのレコード型は,複数の構成要素から構成されます。UAPとのデータの受け渡しは,レコード単位となります。

FMBのデータベースは,次のデータベースに相当します。

  • メインフレームのTMS-4V/SPがサポートしているFMBのデータベース

  • メインフレームのXDM/SDがサポートしている階層型モデルのデータベース

SDB定義文

pdsdbdefコマンドで操作するSDBデータベースの定義情報が指定されている制御文のことです。

SDBディレクトリ情報ファイル

SQL_SDB_DIR表に格納されている,SDBデータベースへのアクセスに必要な情報を出力したファイルです。

SDBデータベース

レコード,インデクス,親子集合など構造型DBを構成するデータ群の総称です。

SDBデータベース格納定義

構造型DBの格納構造の定義です。インデクスの構成要素や親子関係を実現するためのポインタなどを定義します。

SDBデータベース種別

SDBデータベースの種類のことです。SDBデータベース種別を次の表に示します。

表Q‒1 SDBデータベース種別

SDBデータベース種別

説明

4V FMB

階層構造を持つデータベースで,メインフレームのTMS-4V/SPがサポートしているFMBのデータベースに相当します。

4V AFM

階層構造を持たないデータベースで,メインフレームのTMS-4V/SPがサポートしているDAM,MAM,TAM,またはSAMのデータベースに相当します。

4V AFMのSDBデータベースは,さらに次のSDBデータベース種別に分けられます(4V AFMは次のSDBデータベース種別の総称です)。

  • 4V DAM

  • 4V MAM

  • 4V TAM

  • 4V SAM

SD FMB

階層構造を持つデータベースで,メインフレームのXDM/SDがサポートしているデータベースに相当します。

SDBデータベース定義

構造型DBの論理構造の定義です。データ操作の対象となるレコードの構成やレコード間の親子関係などを定義します。

SDBデータベースの横分割

SDBデータベースを複数のRDエリアに分割して格納することをSDBデータベースの横分割といいます。SDBデータベースの横分割は,SDBデータベース格納定義で定義します。

SDBデータベースビュー

SDBデータベース定義から,UAPが使用する部分(レコード型など)を抜き出したものです。SDBデータベースビュー定義はHiRDB/SDがSDBデータベース定義を基に内部的に作成します。

SDBデータベースを操作するためのインタフェース
  • 4V FMBまたは4V AFMのSDBデータベースの場合

    4V FMBまたは4V AFMのSDBデータベースを操作するためのインタフェースは,TP1/FSPが提供するライブラリ関数として提供されます。また,HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)のDMLコマンドを使用することでSDBデータベースを操作できます。

    構造型DBを操作するためのインタフェースには,次のものがあります。

    ・個別開始

    ・個別終了

    ・レコードの検索(FETCH)

    ・レコードの格納(STORE)

    ・レコードの更新(MODIFY)

    ・レコードの削除(ERASE)

    ・レコードの一括削除

    ・複数レコードの検索(FETCHDB ALL)

    ・構成情報取得

    詳細については,次のマニュアルを参照してください。

    ・「TP1/Financial Service Platform 使用の手引」

    ・「TP1/Financial Service Platform プログラム作成の手引」

    ・「TP1/Server Base Enterprise Option プログラム作成の手引」

    HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)の詳細については,「14. HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)」を参照してください。

  • SD FMBのSDBデータベースの場合

    SD FMBのSDBデータベースを操作するためのインタフェースは,埋込み型UAPのDMLとして提供されます。また,HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)のDMLコマンドを使用することでSDBデータベースを操作できます。

    構造型DBを操作するためのDMLには,次のものがあります。

    ・レコードの検索(FETCH)

    ・位置指示子の位置づけ(FIND)

    ・レコードの格納(STORE)

    ・レコードの更新(MODIFY)

    ・レコードの削除(ERASE)

    DMLの詳細については,「17.DMLリファレンス【SD FMB】」を参照してください。HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)の詳細については,「14. HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ(pdsdbexe)」を参照してください。

SDB用UAP環境定義ファイル

SDB用UAP環境定義を記述したファイルです。SDB用UAP環境定義には,SD FMBのSDBデータベースにアクセスするUAPの実行環境を定義します。

(ア行)

アクセスパス情報

SDBデータベースを操作するためのAPI(FETCH,STORE,MODIFY,ERASE),またはDML(FETCH,FIND,STORE,MODIFY,ERASE)を実行した結果,UAP統計レポートに出力される情報をアクセスパス情報といいます。アクセスパス情報には,SDBデータベース内で実行したAPIまたはDMLの種類,操作対象のレコード型名やバックエンドサーバ名などが出力されます。

位置指示子

構造型DBでは,操作中のレコードや親子集合の位置を識別するための情報を保持します。この情報のことを位置指示子といいます。

一連番号

基本項目のデータベースキーのうち,HiRDB/SDがレコードの発生順に,自動的に採番して管理する番号を一連番号といいます。

インデクス

レコード実現値中の特定の構成要素の値に従ってデータを処理する場合,該当する構成要素の値と,その値を持つレコード実現値の格納位置を管理します。この管理情報をインデクスといいます。

HiRDB/SDには,次の2種類のインデクスがあります。

  • シーケンシャルインデクス

  • 二次インデクス

追い付き状態管理表

更新可能なオンライン再編成の追い付き反映処理時に,HiRDB/SDが使用する表です。

追い付き反映キー対応表

オリジナルRDエリアとレプリカRDエリアのデータを対応づける情報が格納されている表です。更新可能なオンライン再編成のデータロード時に,追い付き反映キー対応表にデータが登録されます。登録された情報は追い付き反映処理時に使用されます。

親子集合

構造型DBでは,各レコードは互いに関連を持ちます。レコード間の論理的な関連を親子の関係で表現されます。これを親子集合といいます。

親子集合位置指示子

最後に操作した親レコード,および子レコードの位置を示す位置指示子を親子集合位置指示子といいます。親子集合位置指示子は,親子集合型ごとに生成されます。

親子集合型

親レコード型と子レコード型をモデル化したものを親子集合型といいます。親子集合型はSDBデータベース定義で定義します。

親子集合型内二次インデクス

HiRDB/SDの二次インデクスの種類の1つです。詳細については,「二次インデクス」を参照してください。

親レコード

親子集合で,親に当たるレコードを親レコードといいます。親レコードのレコード型を親レコード型といいます。

オリジナルRDエリア

レプリカRDエリアを作成するときに,基となるRDエリアをオリジナルRDエリアといいます。

(カ行)

回復追い付き反映処理

更新可能なオンライン再編成の追い付き反映処理時に,レプリカRDエリア側のロールバックで回復した内容をオリジナルRDエリア側に反映する処理を回復追い付き反映処理といいます。

仮想親子集合

親子集合を構成しない(階層構造を持たない)データベースを構築する場合,HiRDB/SDでは仮想のルートレコード(仮想ルートレコード)を親レコードとして設定し,仮想的な親子集合を構成します。これを仮想親子集合といいます。

仮想ルートレコード

仮想親子集合を構成する場合に,親レコードとして設定する仮想のルートレコードのことです。仮想ルートレコードのレコード型を仮想ルートレコード型といいます。

カレントRDエリア

HiRDBクライアント環境定義,UAP環境定義,または運用コマンドで指定がないときには,決まったRDエリア(デフォルトのRDエリア)にアクセスします。このRDエリアをカレントRDエリアといいます。

基準サブページ

基準レコードが格納されているサブページを基準サブページといいます。

基準ページ

基準レコードが格納されているページを基準ページといいます。

基準レコード

HiRDB/SDはレコードを格納する際に,基準とするレコードから,格納するレコードの位置を決定します。この基準とするレコードを基準レコードといいます。

空値

位置指示子がどのレコードも指していないか,または位置指示子に親子集合中のレコードを検索するために必要なデータベースキーが設定されていない状態のことを空値といいます。

更新追い付き反映処理

更新可能なオンライン再編成の追い付き反映処理時に,レプリカRDエリア側での更新内容をオリジナルRDエリア側に反映する処理を更新追い付き反映処理といいます。

構成要素

データベースの中で取り扱える情報の最小単位であるデータ項目を,論理的な単位にまとめたものを構成要素といいます。1つのデータ項目が1つの構成要素となるだけでなく,関連する2つ以上のデータ項目をまとめて1つの構成要素とする場合もあります。

子レコード

親子集合で,子に当たるレコードを子レコードといいます。子レコードのレコード型を子レコード型といいます。

(サ行)

サーバプロセス

APの処理要求を実行するプロセスです。1つのAPに対して,1つのサーバプロセスが起動します。

サブページ

データページ(レコードを格納するページ)を複数の領域に分割した際の,1つの領域をサブページといいます。1データページは,2〜16のサブページに分割できます。

サブページ間の関連づけ

HiRDB/SDでは,同一のルートレコード下のレコードを格納するサブページを関連づけて管理します。これをサブページ間の関連づけといいます。

シーケンシャルインデクス

シーケンシャルインデクスは,ルートレコード,または仮想ルートレコードの検索に使用するインデクスです。次の構成要素に定義します。

  • 4V FMBまたはSD FMBのSDBデータベースの場合

    ルートレコードの先頭の集団項目に指定した基本項目の構成要素

  • 4V AFMのSDBデータベースの場合

    仮想ルートレコードに指定した基本項目の構成要素

シーケンシャルインデクスは,SDBデータベース格納定義のSEQUENTIAL句で定義します。定義された構成要素の値をキーとして,キーの昇順に作成されます。

事前常駐領域

SDBデータベースの定義追加または定義変更後に作成したSDBディレクトリ情報を常駐する共用メモリ上の領域を事前常駐領域といいます。SDBディレクトリ情報を事前常駐領域に常駐したあとに,事前常駐領域と常用常駐領域を切り替えます。HiRDBの再起動を必要としないSDBデータベースの定義追加または定義変更をする際に,事前常駐領域が必要になります。

事前割り当てサブページ

ルートレコードの格納時に指定数分だけ確保する,ファミリ専用のサブページを事前割り当てサブページといいます。事前割り当てサブページをあらかじめ確保しておくことで,SDBデータベースを操作するAPI(STORE,ERASE)を繰り返し実行した場合でも,連続したデータページ内にレコードを配置できます。

事前割り当てページ

ルートレコードの格納時に指定数分だけ確保する,ファミリ専用のデータページを事前割り当てページといいます。事前割り当てページをあらかじめ確保しておくことで,SDBデータベースを操作するAPI(STORE,ERASE)を繰り返し実行した場合でも,連続したデータページ内にレコードを配置できます。

常用常駐領域

SDBディレクトリ情報を常駐する共用メモリ上の領域を常用常駐領域といいます。HiRDB/SDは,常用常駐領域に常駐するSDBディレクトリ情報を使用します。

(タ行)

データ種別

構成要素の用途を区別して,さらに詳細な種別を指定したものをデータ種別といいます。

(ナ行)

二次インデクス

HiRDB/SDには,次の2種類の二次インデクスがあります。

  • 親子集合型内二次インデクス

    親子集合型内二次インデクスは,親子集合型内の子レコードの検索や,子レコードを格納する際のレコード挿入位置の検索に使用するインデクスです。

    子レコードの構成要素に定義するインデクスで,SDBデータベース格納定義のSECONDARY INDEX句で定義します。

    親子集合型内二次インデクスを使用すると,親子集合型内の特定の子レコードに直接アクセスできるので,NEXTポインタまたはPRIORポインタに従って順アクセスするよりも,検索性能を向上させることができます。

    4V FMBまたは4V AFMのSDBデータベースに定義した二次インデクスを,親子集合型内二次インデクスといいます。

  • レコード型内二次インデクス

    レコード型内二次インデクスは,レコード型内の検索に使用するインデクスです。次のどちらかの構成要素に定義します。

    ・ルートレコードの,シーケンシャルインデクスとは異なる構成要素

    ・子レコードの構成要素

    SDBデータベース格納定義のSECONDARY INDEX句で,USED FOR RECORDを指定します。

(ハ行)

ファミリ

ルートレコードおよびルートレコード下のレコード群を総称してファミリといいます。

ファミリ内接続サブページ

HiRDB/SDでは,同一のルートレコード下のレコードを格納するサブページを関連づけて管理します。関連づけられたサブページをファミリ内接続サブページといいます。

ファミリ内接続ページ

HiRDB/SDでは,同一のルートレコード下のレコードを格納するページを関連づけて管理します。関連づけられたページをファミリ内接続ページといいます。

フォーマットライト

4V DAMのSDBデータベースで,pdsdbdefコマンドで定義したデータベースに初期値を格納し,インデクスを作成します。初期値はHiRDB/SDが自動的に作成します。この処理をフォーマットライトといいます。

ページ間の関連づけ

HiRDB/SDでは,同一のルートレコード下のレコードを格納するページを関連づけて管理します。これをページ間の関連づけといいます。

ポインタ

親子集合で表現したレコード間の論理的な親子関係を,データベース中で関係づけることができます。これをポインタといいます。

  • FIRSTポインタ

    親レコードが子レコードを持つ場合,先頭の子レコードの位置情報を親レコードが管理するために持っているポインタをFIRSTポインタといいます。

  • LASTポインタ

    親レコードが子レコードを持つ場合,最終の子レコードの位置情報を親レコードが管理するために持っているポインタをLASTポインタといいます。

  • USERポインタ

    親レコードが子レコードを持つ場合,任意の子レコードの位置情報を子レコードごとに1つだけ持つことができます。これをUSERポインタといいます。

  • NEXTポインタ

    同一レコード型の子レコードが,1つの親レコードに関連づけられたレコードの範囲内で,次のレコード(次の一連番号またはユーザキーを持つレコード)の位置情報を管理するために持っているポインタをNEXTポインタといいます。

  • PRIORポインタ

    同一レコード型の子レコードが,1つの親レコードに関連づけられたレコードの範囲内で,直前のレコード(1つ前の一連番号またはユーザキーを持つレコード)の位置情報を管理するために持っているポインタをPRIORポインタといいます。

  • OWNERポインタ

    子レコードに親レコードの位置情報を保持することができます。これをOWNERポインタといいます。OWNERポインタは子レコードごとに1つだけ持つことができます。

(ヤ行)

優先サブページ

SDBデータベースを操作するAPI(STORE)によって,事前ページ割り当て機能を適用しているファミリの子レコードを格納する際,基準サブページが属するページに格納できないときにHiRDB/SDが優先的に格納を試みる事前割り当てサブページを優先サブページといいます。

優先ページ

SDBデータベースを操作するAPI(STORE)によって,事前ページ割り当て機能を適用しているファミリの子レコードを格納する際,基準ページに格納できないときにHiRDB/SDが優先的に格納を試みる事前割り当てページを優先ページといいます。

(ラ行)

ルートレコード

階層構造の最上位のレコードをルートレコードといいます。ルートレコードのレコード型をルートレコード型といいます。

レコード

構造型DBでは,データベース中に存在する情報の基本単位のことをレコードといいます。レコードは情報の論理的な単位であると同時に,データを検索したり,更新したりするときの単位でもあります。

レコード位置指示子

最後に操作したレコードの位置を示す位置指示子をレコード位置指示子といいます。レコード位置指示子は,レコード型ごとに生成されます。

レコード型

構造型DBでは,あるレコードをモデル化したものをレコード型といいます。レコード型はSDBデータベース定義で定義します。

レコード型内二次インデクス

HiRDB/SDの二次インデクスの種類の1つです。詳細については,「二次インデクス」を参照してください。

レコード実現値

レコード型に対応してデータベース中で,実際のデータ値を持って存在するものをレコード実現値といいます。なお,このマニュアルでは,特に誤解を与えない場合にはレコード実現値を単にレコードといいます。

レコードビュー

SDBデータベースビュー定義で定義されたレコード型をレコードビューといいます。

レプリカRDエリア

オリジナルRDエリアを基に複製したRDエリアをレプリカRDエリアといいます。