DBモードでHiRDBを使用する場合の注意事項を示します。

• HiRDBとの連携によって，従来日本語の入力が可能だった部分（スケジュールの用件や行先，ユーザ名など）にUTF-8で扱える範囲の文字を使用できます。ただし，UTF-8に対応していないクライアントは，Shift-JISに変換してから表示するため，Shift-JISの範囲外の文字は「#」として表示されます。
• DBモードでは異なるタイムゾーンのスケジュールを管理するため，日付をまたいだスケジュールを扱うことができますが，日付をまたがったスケジュールに対応していないクライアントでは，複数のスケジュールに分割されて表示されます。
  分割されたスケジュールに対して操作を実行した場合，次のように動作します。
  

  表10-1　分割されたスケジュールに対して操作を実行した場合の動作

  操作		動作
  スケジュール更新	時間変更なし	どの日のスケジュールを指定して更新しても，すべての日のスケジュールが更新されます。
  	時間変更あり	日またがりスケジュールの時刻変更ルール※に従います。
  受信予約スケジュール更新	時間変更なし	どの日の受信スケジュールを指定して更新しても，すべての日の受信スケジュールが更新されます。
  	時間変更あり	日またがりスケジュールの時刻変更ルール※に従います。
  発信スケジュール更新		自分が予約したスケジュールを週間スケジュールで変更すると，再予約となるため，指定した1日のスケジュールとして予約されます。
  イベントスケジュールへの更新		イベントではない日またがりスケジュールをイベントに変更した場合は，初日のイベントとして更新されます。
  スケジュール削除		どの日のスケジュールを指定して削除しても，同一のスケジュールを削除します。
  回答		どの日のスケジュールを指定して回答しても，同一のスケジュールに回答します。
  複写		指定した日のスケジュールを1日スケジュールとして，ほかの日にコピーします。
  詳細取得		指定した日の1日スケジュールとして表示します。ほかの日のスケジュールは表示されません。
  宛先一覧取得		どの日のスケジュールを指定しても，同一のスケジュールの宛先一覧を表示します。
  拡張メモ取得		どの日のスケジュールを指定しても，指定したスケジュールの拡張メモを取得します。
  拡張メモ更新		どの日のスケジュールを指定しても，指定したスケジュールの拡張メモを更新します。

  注※

  日またがりスケジュールの時刻変更ルールを次に示します。図中の番号は，表の項番に対応しています。

  なお，発信一覧，受信一覧，キーワード検索で表示された一覧で，もとが一つのスケジュールである日またがりスケジュールを複数選んで削除すると，2日目以降のスケジュールの削除はエラーになります。

  
  

  図10-1　日またがりスケジュールの時刻変更ルール

  

  表10-2　日またがりスケジュールの時刻変更ルール

  項番	Scheduler Client上の操作	HiRDB上の処理
  1	開始時刻を前に変更	開始時刻だけ変更
  2	開始時刻を後（日付境界よりも前）に変更
  3	開始時刻を後（日付境界）に変更	開始時刻を24:00とする（次の日の0:00にしない）
  4	先頭日の終了時刻を前に変更	エラー
  5	中間日の開始時刻を後に変更
  6	中間日の終了時刻を前に変更
  7	最終日の開始時刻を後に変更
  8	最終日の終了時刻を前（日付境界）に変更	終了時刻を00:00とする（前の日の24:00にしない）
  9	最終日の終了時刻を前（日付境界よりも後）に変更	終了時刻だけ変更
  10	最終日の終了時刻を後に変更
  11	先頭日のスケジュールを別の日に移動	先頭日のスケジュールだけを別の日に変更。ほかの日のスケジュールは消える。予約の場合は登録に変更
  12	中間日のスケジュールを別の日に移動	中間日のスケジュールだけを別の日に変更。ほかの日のスケジュールは消える。予約の場合は登録に変更
  13	最終日のスケジュールを別の日に移動	最終日のスケジュールだけを別の日に変更。ほかの日のスケジュールは消える。予約の場合は登録に変更

• Groupmax Server Setup Wizardを使用する場合は，次の点に注意してください。
  
  • Groupmax Server Setup Wizardを実行しても，データベースへのデータの反映は実行されません。DBモードの環境を構築する場合は，「6.2　DBモードの場合」及び「7.　HiRDBへのデータ登録（DBモードの場合）」を参照してセットアップを実施してください。
  • DBモードで運用を開始した後は，Groupmax Server Setup Wizardを使用しないでください。
• 施設情報のイメージファイルに5MBを超えるファイルを登録することはできません。ファイルモードからDBモードに移行する場合も，5MBを超えるイメージファイルは移行されません。
• DBモードに移行する前に，他システムのメンバから予約されていたスケジュールは，自分が登録したスケジュールとして移行されます。
• 開始時刻や終了時刻が日付の境目（0:00又は24:00）にあたる場合は，次の優先順で日時が決定されます。
  

  表10-3　開始時刻や終了時刻が日付の境目（24:00）にあたる場合の優先順

  優先順	日付の境目にあたる時刻	設定される日時
  1	開始時刻と終了時刻（同一時刻が設定されている場合）	開始時刻・終了時刻とも，次の日の「0:00」となる※
  2	開始時刻だけ	開始時刻は次の日の「0:00」となる
  3	終了時刻だけ	終了時刻は前の日の「24:00」となる

  注※

  国際化未対応のクライアントで，開始時刻と終了時刻の両方を「24:00」と設定して登録したスケジュールを国際化未対応のクライアントで表示した場合は，「24:00」で表示されます。

  
  
• イベントスケジュールも，タイムゾーンに応じて表示日付が切り替わります。
  イベントスケジュールは，登録時のタイムゾーンの12:00を基点に表示日付が決まります。なお，基点が日付の境目と重なる場合は，「表10-3　開始時刻や終了時刻が日付の境目（24:00）にあたる場合の優先順」の優先順1のルールに従って表示日付が決まります。
  登録済みのイベントスケジュールに対して日付変更が伴わない更新を行った場合，登録時と更新時のタイムゾーンが異なっていても，基点は変わりません。
  イベントスケジュールの参照可能範囲の例を次に示します。
  

  図10-2　イベントスケジュールの参照可能範囲の例

  

• Address Serverで役職に対する役職順位を変更した場合は，管理ツールコマンドのsfsetpstodrを実行して，役職に対する役職順位を同様に変更してください。
• サーバ側に保存されているローカルグループ及びシステムグループに登録されているメンバをシステムから削除した場合，SFdelschコマンド（スケジュール削除）を実行した際に，サーバ側に保存されているローカルグループ及びシステムグループから該当メンバが削除されます。
• Address Serverで「,（コンマ）」を含む役職の役職順位を変更した場合，管理ツールコマンドでは役職順位が変更できません。その場合は次の手順で役職順位を変更してください。
  
  1. Address Serverで，該当ユーザの役職名を「,（コンマ）」を含まない名称へ変更する
  2. 変更通知情報取得（indxgetコマンド）を実行する
  3. 管理ツールコマンドsfsetpstodr.batを使って役職順位を変更する
• 07-32以前の次に示す情報に「,（コンマ）」が含まれている場合，DBモードへの移行後に「,（コンマ）」を含む名称が残っていると，その他の情報を変更できません。
  
  • 付属設備名
  • 施設組織のルート組織名
  • システムグループ名
  • 区分名
  • 行先
  • 用件
  • 略記
  • 記念日
  上記の名称を「,（コンマ）」を含まない名称に変更した上で，その他の情報を変更してください。
  なお，上記以外の情報に含まれる「,（コンマ）」についても，管理ツールコマンドの実行では削除されません。次の管理ツールコマンドを実行する場合には，事前に「,（コンマ）」を含むカラムを削除してください。
  
  • グループメンバ管理機能（sfsetgrpmem.bat）
    名前，国際化名，組織名，国際化組織名
    
  • 上司秘書管理機能（sfsetbosscr.bat）
    上司名，国際化上司名，組織名，国際化組織名，秘書名，国際化秘書名，組織名，国際化組織名
    
  • 施設管理者管理機能（sfsetfctmgr.bat）
    管理者名，国際化管理者名，対象名，国際化対象名
    
  • 施設アクセス権管理機能（sfsetfctacc.bat）
    施設名，国際化施設名，組織名，国際化組織名
    
  • ユーザ単位アクセス権管理機能（sfsetusracc.bat）
    名前，国際化名，名前，国際化名
    
• 国際化未対応のクライアントで発信一覧，受信一覧，キーワード検索結果を表示すると，日またがりスケジュールは複数のスケジュールとして表示されます。この日またがりスケジュールを複数選択して一度に削除しようとするとエラーが発生します（ただし，データベースからは削除されます）。
• ファイルモードとDBモードでは，次のように並び順が異なります。
  
  • ユーザツリーを名前順で表示した場合
    ファイルモードではShift-JIS辞書順，DBモードではUTF-8辞書順でソートされます。
    
  • ユーザツリーを役職順で表示した場合
    同一順位の場合は役職名順で表示されます。
    この場合，ファイルモードではShift-JIS辞書順，DBモードではUTF-8辞書順でソートされます。
    
  • 上司一覧，秘書一覧を表示した場合
    ファイルモードでは順不同，DBモードではユーザID順でソートされます。
    
• Address Server で一度削除したユーザIDは再利用しないでください。
  再利用する場合は以下の制限事項があります。
  (1)indxgetに/uオプションを指定すると，一度削除したユーザをScheduler Serverに反映することができますが，この時には再利用後のユーザが削除する前のユーザのスケジュールデータを参照できてしまうため，ご注意ください。
  (2)ユーザを削除した後，不要スケジュール削除コマンドを実行すると
  indxget に/uオプションを指定しなくても，Scheduler Serverに再利用後のユーザを反映させることができます。この場合，再利用後のユーザが他のユーザや施設にスケジュールを予約すると，エラーになる場合があります。
  

  （回避策）

  以下の(a)(b)のどちらかの場合には，ユーザIDを再利用することができます。

  (a)以下の(i)(ii)が実行されている場合

  　(i)削除前のユーザが予約していたスケジュールが受信側で全て削除されている

  　(ii)上記(i)の後にも不要スケジュール削除コマンドが実行されている

  (b)削除前のユーザが予約していたスケジュールが，不要スケジュール削除コマンドの削除対象期間になり，削除前のユーザが予約していたスケジュールの発信控え，受信予約が不要スケジュール削除コマンドで全て削除されている場合

• DBモードを利用している場合に，国際化対応クライアントではスケジュールの行先，用件，メモ欄に80バイト以上の文字列を登録することが可能です。
  ただし，このスケジュールを国際化未対応のクライアントで更新した場合81バイト以降の文字列は削除されます。
  
• Address Serverに登録している組織略称の文字コードをUTF-8に変換した時に，文字列長が65バイト以上になる場合，先頭から64バイトまでの名称でScheduler Serverに登録されます。文字列の内容によっては，64バイトより短くなる場合もあります。
• 管理ツールコマンドやSCHogimpで設定している組織を削除した際に，indxgetを実行してもその組織に関する設定は削除しません。組織に関する設定は，管理ツールコマンド（sfsetorgtpldiv.bat，sfsetorghdy.bat，sfsetorgtmdiv.batおよびsfsetorgtplmap.bat）やSCHogimpで削除する必要があります。管理ツールコマンドの詳細は「11.4.11　組織テンプレートの管理」を参照してください。SCHogimpの詳細は「11.2.9　SCHogimp（組織グループファイル及び特権ユーザ一覧ファイルの登録・チェック）」を参照してください。

＜この節の構成＞

(1)　ファイルモードとDBモードの動作差異