Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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6.5.2 データベースを使用するための設定

データベースとして,HiRDB,またはOracleを使用する場合に必要な設定について説明します。ここでは,HiRDB Type4 JDBC Driverを使用してHiRDBに接続する場合,およびOracle JDBC Thin Driverを使用してOracleに接続する場合に必要な設定について,設定方法を,データベースごとに示します。

なお,Cosminexus DABroker Libraryを使用した場合のHiRDBまたはOracleの設定,XDM/RD E2の設定,およびSQL Serverの設定については,「付録K データベースの設定」を参照してください。

<この項の構成>
(1) HiRDBの設定(HiRDB Type4 JDBC Driverの場合)
(2) Oracleの設定(Oracle JDBC Thin Driverの場合)

(1) HiRDBの設定(HiRDB Type4 JDBC Driverの場合)

HiRDB Type4 JDBC Driverを使用してHiRDBに接続する場合の設定について説明します。なお,データベースとしてHiRDBを使用する場合は,HiRDBをインストールして初期設定を済ませておいてください。詳細については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。

ここでは,HiRDB Type4 JDBC Driverを使用して,HiRDBでJ2EEリソースを扱う場合に必要な次の設定について説明します。

(a) HiRDB Type4 JDBC Driverの準備

ここでは,HiRDB Type4 JDBC Driverの準備について説明します。

  1. HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)を用意します。pdjdbc2.jarは,次の製品に含まれています。
    • HiRDB/Parallel Server Version 8
    • HiRDB/Single Server Version 8
    • HiRDB/Run Time Version 8
    • HiRDB/Developer's Kit Version 8
    これらの製品でのpdjdbc2.jarの格納場所は,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
  2. 簡易構築定義ファイルに,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)のパスを設定します。
    簡易構築定義ファイルを作成するときに,物理ティアの定義(<tier>タグの定義)のJ2EEサーバの定義で,<configuration>タグに次の設定を追加してください。
    <param-name>タグの指定値 <param-value>タグの指定値
    add.class.path <pdjdbc2.jarのクラスパス>
    簡易構築定義ファイルの作成については,「6.8 システムの構成定義」を参照してください。設定内容の詳細については,「13.7 簡易構築定義ファイル」,「14.1 簡易構築定義ファイルおよび構成変更定義ファイルに指定できるタグ」および「14.2 システムの構成パターンと定義する論理サーバ」を参照してください。
(b) HiRDBクライアント環境変数グループ設定ファイルの作成

HiRDBクライアント環境変数グループを使用するには,HiRDBのクライアント環境変数グループの設定ファイルを作成します。この場合,DB Connectorのプロパティ定義内のHiRDBクライアント環境変数グループ名を指定する部分には,ここで作成した設定ファイルのパスを指定してください。設定ファイルの作成方法については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。

なお,グローバルトランザクションを使用する場合には,必ずHiRDBクライアント環境変数グループを設定する必要があります。グローバルトランザクションを使用しない場合には,HiRDBクライアント環境変数グループの使用は任意です。

(c) タイムアウトの設定

HiRDBのタイムアウトは,次に示すHiRDBのクライアント環境変数を,DB ConnectorのenvironmentVariablesプロパティまたはHiRDBのクライアント環境変数グループの設定ファイルに追加することで設定します。

なお,コネクション確立時のタイムアウトは,DB ConnectorのloginTimeoutプロパティに設定します。

DB Connectorのプロパティは,システム構築前,またはシステム構築後のリソースアダプタのデプロイ時に設定します。リソースアダプタのデプロイについては「6.11.2 リソースアダプタのインポートと開始」を参照してください。

また,タイムアウトの設定の詳細についてはマニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」のデータベースのタイムアウトに関する説明を参照してください。DB Connectorのプロパティの設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」のDB Connectorのプロパティ定義に関する説明を参照してください。

(2) Oracleの設定(Oracle JDBC Thin Driverの場合)

Oracle JDBC Thin Driverを使用してOracleに接続する場合の設定について説明します。なお,データベースとしてOracleを使用する場合は,Oracleをインストールして初期設定を済ませておいてください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。

ここでは,Oracle JDBC Thin Driverを使用して,OracleでJ2EEリソースを扱う場合に必要なデータベース側での設定と,J2EEサーバ側での設定について説明します。また,Oracleのタイムアウトの設定についても説明します。

(a) データベース側での設定

ここでは,Oracle JDBC Thin Driverを使用する場合に,データベース側で必要な設定について説明します。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」,およびOracleのマニュアルを参照してください。

Oracleへの接続でグローバルトランザクションを使用する場合には,Oracleの接続ユーザにトランザクションリカバリを行うための権限を付与する必要があります。

付与する権限
  • SYS.DBA_PENDING_TRANSACTIONSのSELECT権限
  • FORCE_ANY_TRANSACTION権限
  • SYS.DBMS_SYSTEMをEXECUTEする権限(Oracle JDBC Thin Driver 9.2.0.6,10.1.0.3.0以降を使用する場合)

権限の付与の方法
権限の付与の方法については,「付録K.2(2) トランザクションリカバリを行うための権限の設定」を参照してください。
(b) J2EEサーバ側での設定

ここでは,Oracle JDBC Thin Driverを使用する場合に,J2EEサーバ側で必要な設定について説明します。なお,Oracle JDBC Thin Driverを使用する場合,J2EEサーバに追加する環境変数はありません。

Cosminexusがサポートするバージョンの,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルを入手してください。Oracleクライアントのインストールディレクトリ下の「jdbc/lib/ojdbc14.jar」,および「jdbc/lib/ojdbc14_g.jar」が該当するJARファイルです。

このとき,Oracle JDBC Thin Driverのバージョンは,パッチレベル(パッチ番号)まで一致している必要があります。例えば,Oracle JDBC Thin Driverのバージョンが9.2.0.5の場合は,「9.2.0」がバージョン番号で,末尾の「5」がパッチ番号になります。

Oracle JDBC Thin Driverの入手方法の具体例としては,J2EEサーバを動作させるマシンにOracleクライアントをインストールする方法があります。Oracleクライアントのインストール手順の概略を次に示します。

  1. J2EEサーバを動作させるマシンに,Cosminexusがサポートするバージョン番号のOracleクライアントをインストールします。
    このとき,Oracle JDBC Thin Driverもインストールされます。
  2. Cosminexusがサポートするパッチレベル(パッチ番号)のパッチを適用します。
  3. 簡易構築定義ファイルに,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイル(ojdbc14.jar)のパスを指定します。
    簡易構築定義ファイルを作成するときに,物理ティアの定義(<tier>タグの定義)のJ2EEサーバの定義で,<configuration>タグに次の設定を追加してください。
    <param-name>タグの指定値 <param-value>タグの指定値
    add.class.path <ojdbc14.jarのクラスパス>
    設定内容の詳細については,「13.7 簡易構築定義ファイル」,「14.1 簡易構築定義ファイルおよび構成変更定義ファイルに指定できるタグ」および「14.2 システムの構成パターンと定義する論理サーバ」を参照してください。
  4. J2EEサーバに,Oracle JDBC Thin Driver用のDB Connectorをインポートします。
    DB Connectorのインポートについては,「6.11.2 リソースアダプタのインポートと開始」を参照してください。
    Oracle JDBC Thin Driver用のDB Connectorは,2種類あります。トランザクションの管理方法によって,次のどちらかのファイルを選択してください。
    DBConnector_Oracle_CP.rar
    ローカルトランザクション,またはトランザクション管理なしで使用する場合(トランザクションのサポートレベルにLocalTransactionまたはNoTransactionを指定する場合)に選択します。Oracle JDBC Thin DriverのConnectionPoolDataSourceを使用してデータベースに接続します。
    DBConnector_Oracle_XA.rar
    グローバルトランザクションを使用する場合(トランザクションのサポートレベルにXATransactionを指定する場合)に選択します。Oracle JDBC Thin DriverのXADataSourceを使用してデータベースに接続します。
    トランザクションの管理方法の詳細については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を参照してください。
(c) タイムアウトの設定

Oracleのサーバ定義のDISTRIBUTED_LOCK_TIMEOUTパラメタに設定します。

なお,このほか,XAOpenStringのSesTmパラメタの設定がタイムアウトに影響します。このパラメタは,チューニングできません。

詳細については,マニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」,およびOracleのマニュアルを参照してください。

(d) 動的パフォーマンスビューの参照権の設定

Oracleに接続するユーザは,動的パフォーマンスビューの参照権を持っている必要があります。次のどちらかの方法でOracleに接続するユーザに動的パフォーマンスビューの参照権を設定してください。