Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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6.1 システム構築の概要

各サーバの初期設定が終わったら,システムの一括構築,リソースアダプタのインポートと開始,J2EEアプリケーションのインポートと開始の順に操作してシステムを構築していきます。システムの一括構築の操作はSmart Composer機能のコマンド,リソースアダプタとJ2EEアプリケーションの操作はサーバ管理コマンドを使用して実施します。サーバ管理コマンドの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」のJ2EEサーバで使用するコマンドに関する説明を参照してください。

ここでは,Smart Composer機能を使用したシステム構築の概要を説明します。なお,JP1/IM - CMおよびJP1/AJS2 - SOと連携するときのシステム構築については,「15. JP1と連携したSmart Composer機能でのシステム構築・運用」もあわせて参照してください。

J2EEアプリケーションを実行するシステムの一括構築について,使用するコマンドとシステム構築との関係を,次の図に示します。なお,システムの一括構築で使用するSmart Composer機能のコマンドは,運用管理サーバ上で実行します。

図6-1 コマンドとシステム構築の関係(J2EEアプリケーションを実行するシステムの一括構築)

[図データ]

図中の記号(A-1〜A-2)について説明します。

操作 図中の記号 操作の詳細 使用するコマンド
システムの一括構築 A-1 簡易構築定義ファイルの情報を基にして,Management Server上にシステムの情報モデルを生成します。 cmx_build_system
A-2 生成した情報モデルに従って,すべてのアプリケーションサーバ上にシステムを構築します。
参考
cmx_から始まるSmart Composer機能のコマンドには共通引数(-m,-u,-p,-waitまたは-nowait,-verboseまたは-noverbose)があります。共通引数を省略したときのデフォルト値を,.cmxrcファイルまたはcmxclient.propertiesファイルに設定できます。
省略時のデフォルト値を,クライアントごとに設定する場合は.cmxrcファイルに,すべてのクライアント共通で設定する場合はcmxclient.propertiesファイルに設定します。
.cmxrcファイルの詳細については,「13.4 .cmxrc(クライアント設定プロパティファイル)」を,cmxclient.propertiesファイルの詳細については,「13.5 cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)」を参照してください。

リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションのインポートと開始について,使用するコマンドとシステム構築との関係を,次の図に示します。なお,リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションのインポートと開始で使用するサーバ管理コマンドは,アプリケーションサーバ上で実行します。

図6-2 コマンドとシステム構築の関係(リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションのインポートと開始)

[図データ]

図中の記号(B-1〜C-3)について説明します。

操作 図中の記号 操作の詳細 使用するコマンド
リソースアダプタのインポートと開始 B-1 リソースアダプタをJ2EEサーバにインポートします。 cjimportres
B-2 J2EEサーバにリソースアダプタをデプロイします。 cjdeployrar
B-3 Connector属性ファイルをリソースアダプタに反映します。 cjsetrarprop
B-4 リソースアダプタの接続テストをします。 cjtestres
B-5 J2EEサーバでリソースアダプタを開始します。 cjstartrar
J2EEアプリケーションのインポートと開始 C-1 J2EEアプリケーションをJ2EEサーバにインポートします。 cjimportapp
C-2 アプリケーション統合属性ファイルをJ2EEアプリケーションに反映します。 cjsetappprop
C-3 J2EEサーバでJ2EEアプリケーションを開始します。 cjstartapp

リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションのインポートと開始は,J2EEサーバごとに実施してください。

参考
サーバ管理コマンドを実行する際には-nameserverオプションにプロバイダURLを指定する必要があります。-nameserverオプションに指定するプロバイダURLは,usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)に幾つかの設定をすることで省略できます。プロバイダURLを省略するための設定の詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」のJ2EEサーバで使用するコマンドの概要に関する説明を参照してください。

Smart Composer機能を使用して構築できるシステムと,システム構築手順の参照先を次の表に示します。なお,Smart Composer機能を使用して構築できるシステムの構成パターンについては,「4.3 システム構成パターン」を参照してください。

表6-1 Smart Composer機能を使用して構築できるシステムと,システム構築手順の参照先

システムの構成パターン システム構築手順の参照先
WebサーバとJ2EEサーバを同じサーバマシンに配置する構成(combined-tier構成) 6.1.2 WebサーバとJ2EEサーバを同じサーバマシンに配置する構成のシステムを構築する流れ
WebサーバとJ2EEサーバを別のサーバマシンに配置する構成(http-tierとj2ee-tierを組み合わせた構成) 6.1.2 WebサーバとJ2EEサーバを同じサーバマシンに配置する構成のシステムを構築する流れ
インプロセスHTTPサーバ機能を使用する構成 6.13 インプロセスHTTPサーバ機能を使用する場合に必要な設定
負荷分散機を冗長化する構成 6.14 負荷分散機を冗長化する場合に必要な設定
セッションフェイルオーバ機能を使用する構成 6.15 セッションフェイルオーバ機能を使用する場合に必要な設定
CTMを使用する構成 6.16 CTMを使用する場合に必要な設定
サーバマシン内に複数のサービスユニットを配置する構成 6.17 サーバマシン内に複数のサービスユニットを配置する場合に必要な設定
論理ユーザサーバを使用する構成 6.18 論理ユーザサーバを使用する場合に必要な設定
<この節の構成>
6.1.1 WebサーバとJ2EEサーバを同じサーバマシンに配置する構成のシステムの構築例
6.1.2 WebサーバとJ2EEサーバを同じサーバマシンに配置する構成のシステムを構築する流れ