JP1/Integrated Management - Service Support システム構築・運用ガイド

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4.4 案件で管理する項目と入力方法の検討

4.2 対象システム,プロセスの決定と体制作り」の表4-2のような運用の検討結果を基に,案件で管理する項目を検討します。検討の結果,新たに追加したい案件の項目や情報の入力を必須にしたい項目などがあれば,案件フォームをカスタマイズすると便利です。

また,案件項目の自動入力や入力候補値の表示など,案件の作成または編集時に情報を入力する方法についても,利用するかどうか検討してください。

案件で管理する項目と入力方法の検討に必要な項目を次に示します。

<この節の構成>
(1) 案件フォームのカスタマイズの利用
(2) カスタマイズした案件フォームの使い分けの利用
(3) 案件項目の自動入力の利用
(4) 入力候補値および項目間連携の利用
(5) リンク設定の利用
(6) ファイル添付の利用

(1) 案件フォームのカスタマイズの利用

JP1/IM - Service Supportでは,JP1/IM - Service Supportで定義している各プロセスに合わせて,次に示す4種類の案件フォームを用意しています。

これらの案件フォームで設定されている各プロセスの案件の項目は,ユーザーの運用に合わせて次のようなカスタマイズができます。

運用に合わせてカスタマイズを検討してください。詳細については,「7.7 案件フォームのカスタマイズ」を参照してください。

案件検索用の案件フォームのカスタマイズ
JP1/IM - Service Supportには,各プロセス用の案件フォームのほか,案件検索用の案件フォームがあります。これは,プロセスワークボード一覧から最上位の[プロセスワークボード],または対象システムを選択した際の[案件検索条件指定]画面に表示される項目を決めるためのフォームです。次の場合にカスタマイズを検討してください。
  • 各プロセス用の案件フォームをカスタマイズした場合
    カスタマイズ内容に合わせて案件検索用の案件フォームをカスタマイズします。
  • 検索条件に指定できる項目を減らしたい場合
    検索条件として使用しないと考えられる,重要性の低い項目を表示項目から削除する目的でカスタマイズします。
案件検索用の案件フォームについては,「14. 定義ファイル」の「案件検索用の案件フォーム定義ファイル(任意)」を参照してください。
注意事項
  • 選択肢コードは各プロセス間で統一してください。統一していない場合,エスカレーション時に意図しない選択肢コードに変換されたり,引き継がれなかったりします。
    例えば,問題管理プロセスで「影響度」に「<option value="4">極大</option>」を追加定義し,変更管理プロセスで「<option value="4">甚大</option>」を追加定義していた場合,問題管理プロセスから変更管理プロセスへの引き継ぎで「極大」は「甚大」に変換されます。また,ほかのプロセスで追加定義していなかった場合,「極大」は引き継がれません。
  • 誤って作成した,または不要になった案件フォームは,手動で削除してください。案件フォームの削除手順については,「7.7 案件フォームのカスタマイズ」を参照してください。

(2) カスタマイズした案件フォームの使い分けの利用

カスタマイズした案件フォームをプロセスワークボードごとに使い分けることもできます。運用に合わせて,案件フォームの使い分けについて検討してください。案件フォームの使い分けには,カスタマイズした案件フォームを複数登録し,[プロセスワークボード作成]画面,および[プロセスワークボード編集]画面で,使用する案件フォームを選択します。詳細については,「7.4 プロセスワークボードの作成」を参照してください。

注意事項
案件フォームを複数登録する場合,そのうちのどれか一つをプロセスの標準案件フォームにする必要があります。プロセスの標準案件フォームの設定手順については,「7.7 案件フォームのカスタマイズ」を参照してください。

(3) 案件項目の自動入力の利用

また,[プロセスワークボード作成]画面,および[プロセスワークボード編集]画面では,次に示す案件フォームの項目を案件作成時に自動入力するよう設定できます。運用に合わせて自動入力の設定を使用するかどうかを検討してください。

詳細については,「7.4 プロセスワークボードの作成」を参照してください。なお,案件項目の自動入力は,案件自動入力プロパティファイルでも設定できます。案件自動入力プロパティファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「案件自動入力プロパティファイル(hptl_jp1_imss_pwb_default_setting.properties)」を参照してください。

(4) 入力候補値および項目間連携の利用

JP1/IM - Service Support以外のシステムで管理している情報を基にして,入力候補値や項目間連携を設定できます。運用に合わせて入力候補値や項目間連携を使用するかどうかを検討してください。詳細については,「7.12 JP1/IM - Service Support以外のシステムで管理している情報と連携するための環境設定」を参照してください。

(5) リンク設定の利用

デフォルトで表示される案件の項目の中には,次の表に示すように,リンク設定できるものがあります。運用に合わせて使用するかどうかを検討してください。

表4-6 リンク設定できる項目

表示名 説明
機器情報 JP1/IM - Service SupportとJP1/NETM/AIMが連携することを前提としてリンク設定ができる。リンク設定をすると,JP1/NETM/AIMで管理する機器情報を参照できるようになる。
JP1/NETM/AIMと連携するための設定については,「7.9 定義ファイルによる環境設定」を参照のこと。
なお,JP1/NETM/AIMと連携するための設定をしなかった場合は,「関連情報」と同様の動作となる。
関連案件 JP1/IM - Service Supportが管理するほかの案件に対しリンク設定ができる。リンク設定をすると,JP1/IM - Service Supportが管理するほかの案件を,この項目から呼び出せる。
関連情報 参考となるWWWページに対しリンク設定ができる。リンク設定をすると,参考となるWWWページを,この項目から呼び出せる。

また,カスタマイズによってユーザーが追加できる項目にもリンク設定できるものがあります。これらには,表4-6にある3種類のリンクを,ユーザーの運用に合わせて設定できるようになっています。これらの利用も検討してください。

(6) ファイル添付の利用

デフォルトで表示される案件の項目の中には,ファイルを添付できる項目「添付資料」があります。障害資料や用途に応じて作成されるフリーフォーマットのドキュメントなどを,案件に関係する資料として登録できます。次の制限事項に留意し,運用に合わせてご利用ください。

ファイル添付の制限事項
  • 一つの案件に対し,設定できる添付ファイルは最大5件。
  • 添付ファイル1件当たりの最大サイズは5メガバイト。