JP1/Integrated Management - Service Support システム構築・運用ガイド

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付録G 用語解説

英字ア行カ行サ行タ行ハ行マ行ラ行

英字

ITサービス
ビジネスやサービスの遂行を支援する仕組みとしてITシステムを活用した,ユーザーの要望を満たすサービスのことです。
JP1/AJS2
業務を自動的に運用するためのプログラムです。
処理を順序付けて定期的に実行したり,特定の事象が発生したときに処理を開始したりできます。
JP1/Base
JP1/IMの基盤機能を提供するプログラムです。
JP1イベントの送受信や,ユーザーの管理,起動の制御などをします。また,JP1/IMシステムのエージェントとしての役割も持ちます。
JP1/Baseは,JP1/IM - Managerの前提プログラムです。
JP1/Cm2/NNM
ネットワークの構成管理,性能管理および障害管理のための統合ネットワーク管理プログラムの総称です。
JP1/IM - Manager
JP1/IM - Managerは,システム全体の一元的な監視と操作を実現することで,システムを統合管理するためのプログラムです。
JP1/IM - Service Support
JP1/IM - Service Supportは,ユーザーからの問い合わせやシステム障害,そこから派生した問題,検討課題などを,解決が必要な案件として記録,管理するためのプログラムです。
関連項目 →案件
JP1/NETM/AIM
ネットワーク装置を含めたハードウェア情報,ソフトウェア情報,契約情報などをデータベースに一元管理することで,資産の導入,ソフトウェアのライセンス管理,機器の保守などに伴うIT資産管理業務の合理化および管理コストの低減を支援するプログラムです。
JP1/NETM/AIMサーバ
JP1/NETM/AIMが稼働するサーバの総称です。資産情報を管理し,資産情報に関するサービスを提供します。
関連項目 →JP1/NETM/AIM
JP1/NETM/DM
ソフトウェアの配布およびクライアントの管理を,ネットワークを利用し一括して行うシステムの総称です。
JP1/PFM - Web Console
JP1/PFMを構成するプログラムの一つです。WWWブラウザーでシステムの稼働状況を一元的に監視するためWWWアプリケーションサーバの機能を提供します。JP1/PFM - Web Consoleには,次の機能があります。
  • GUIの表示
  • 統合監視および管理機能
  • レポートの定義およびアラームの定義
jp1adminユーザー
JP1/IM - Service Supportのシステム管理者用ユーザーで,デフォルトで登録されています。
JP1イベント
システムで発生した事象をJP1で管理するための情報です。
JP1イベントは,次のような属性に分けて,事象を記録しています。
基本属性
すべてのJP1イベントが持つ属性です。
属性名を表記する場合,例えばイベントIDはB.ID(または単にID)のように記述します。
拡張属性
JP1イベントの発行元が任意に指定できる属性です。拡張属性は,次の共通情報と固有情報で構成されます。
・共通情報(形式が統一されている拡張属性の情報)
・固有情報(共通情報以外の各製品固有の形式の情報)
属性名を表記する場合,例えば重大度はE.SEVERITY(または単にSEVERITY)のように記述します。
JP1イベントは,JP1/Baseのイベントサービス機能が管理しています。システムで発生した事象をJP1イベントとしてデータベースに記録しています。
WWWコンテナサーバ
画面の表示制御をするJP1/IM - Service Supportの内部コンポーネントです。
関連項目 →WWWサーバ,案件管理DBサーバ
WWWサーバ
案件管理コンソール(WWWブラウザー)との通信の窓口となるJP1/IM - Service Supportの内部コンポーネントです。
関連項目 →WWWコンテナサーバ,案件管理DBサーバ

ア行

案件
プロセスワークボードで解決する作業の単位であり,作業の情報を記録するレコードのことです。一つのプロセスワークボードに複数の案件を登録でき,案件に記録された情報を,複数の作業者が更新できます。案件同士の関係は,各案件の項目に,関係する案件の情報を記載することで定義できます。
なお,マニュアル内では,案件を登録するプロセスに合わせて,次のように呼ぶこともあります。
  • インシデント管理プロセスに登録される案件:インシデント
  • 問題管理プロセスに登録される案件:問題点
  • 変更管理プロセスに登録される案件:変更点
  • リリース管理プロセスに登録される案件:リリース案件
関連項目 →プロセスワークボード,プロセス
案件ID
案件を登録した際に,その案件に対しJP1/IM - Service Supportが自動で採番するIDです。JP1/IM - Service Support内で一意のIDとなります。
案件一覧
JP1/IM - Service Supportの表示条件に従って,案件の一覧を表示する個所のことです。例えば,メイン画面(案件一覧)の案件一覧には,プロセスワークボード一覧で選択した対象システムまたはプロセスの案件が,一覧で表示されます。
案件一覧では,各案件のタイトルや作業状況,担当者などが確認できます。
案件管理DB
JP1/IM - Service Supportが提供するデータベースの名称です。
JP1/IM - Service Supportを使ってユーザーが構築した対象システム,プロセスの構成情報や,登録,更新した案件情報など,ユーザーがJP1/IM - Service Supportを利用するために作成,定義した情報のすべてが案件管理DBで管理されます
案件管理DBサーバ
案件管理DBの管理をするJP1/IM - Service Supportの内部コンポーネントです。
関連項目 →WWWコンテナサーバ,WWWサーバ
案件管理コンソール
WWWブラウザーから案件管理サーバのJP1/IM - Service Supportにログインして,案件を参照または操作するマシンを指します。
関連項目 →案件管理サーバ
案件管理サーバ
JP1/IM - Service Supportがインストールされたサーバです。案件は,案件管理サーバの案件管理DBで管理されています。WWWブラウザーから案件管理サーバにアクセスすることで,案件を参照できます
関連項目 →案件,案件管理DB
案件フォーム
案件を入力する画面のフォーマットを指します。案件フォームは定義ファイルによって定義され,プロセスワークボードと関連づけられて管理されます。
関連項目 →プロセスワークボード
イベントサーバ
JP1/BaseでJP1イベントを管理する機能を持つプログラムです。イベントサーバを起動すると,JP1イベントを収集・配布できる状態になります。
インシデント管理
サービスへの影響を最小限にとどめるための活動です。ユーザーからの問い合わせやシステムの正常な運用を妨げる事象をインシデントとして管理し,適切な回答や回避策を早急に提示します。
JP1/IM - Service Supportでは,この活動の内容を「インシデント管理」と呼ばれるプロセスワークボード上で管理します。
関連項目 →プロセスワークボード
エージェント
JP1/IM - Managerによって管理されるマシンの総称です。このマシンにはJP1/Baseが必要です。
エスカレーション
案件の内容に応じて,適切な対応ができるほかのプロセス担当者に,案件の対応を依頼することです。

カ行

クラスタシステム
複数のサーバを連携させて一つのシステムとして運用するシステムのことです。
障害が発生してもほかのサーバに処理を引き継ぐことで業務が中断することを避け,可用性を向上させることを目的としています。この処理を引き継ぐことをフェールオーバーといいます。
業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるので,「系切り替えシステム」とも呼びます。
なお,クラスタシステムの種類には,複数のサーバが並列処理をして負荷分散することを目的としたシステム構成などもありますが,このマニュアルでは,フェールオーバーによって業務の中断を防ぐシステム構成のことだけを指します。
関連項目 →フェールオーバー
系切り替えシステム
関連項目 →クラスタシステム

サ行

システム視点
メイン画面(案件状況)で案件の状況を確認するときの視点のことです。システム視点は,JP1/IM - Service Supportで管理しているシステム全体の案件の状況を確認する場合に適しています。
関連項目 →プロセス視点
システムロール
システムで定義されているロールのことです。ロールIDに「_jp1」で始まる名称が付けられています。JP1/IM - Service Supportの画面を操作して,環境を構築するユーザーは,このロールに所属している必要があります。
ステータス
案件の状態を表す情報です。案件に対する作業状況を案件ごとに案件一覧から確認できます。通常,案件が解決したか,解決していないのであればどの段階かを監視,集計するために使用します。
関連項目 →案件,案件一覧
ステータスID
JP1/IM - Service Support内でステータスを一意に識別するためのIDです。デフォルトでは,通常の運用で使用するステータスのIDが8種類,ユーザー拡張用に用意されているステータスのIDが10種類あります。
制御文字
このマニュアルでは,次に示す文字を制御文字と呼びます。
  • ASCII文字コードの0x00〜0x1Fと0x7Fの文字

タ行

対象システム
JP1/IM - Service Supportの管理対象となるシステムを意味します。JP1/IM - Service Supportの管理対象となったシステムは,プロセスワークボード一覧で管理されます。
関連項目 →プロセスワークボード一覧
添付資料
案件に添付できるファイルを指します。
統合マネージャー
JP1/IM - Managerが稼働するサーバの総称です。システムで発生する事象を管理し,事象に対応する運用操作の基盤を提供します。
関連項目 →JP1/IM - Manager

ハ行

フェールオーバー
JP1を実行するサーバに障害が発生した場合に,ほかの正常なサーバにJP1を移動させて処理を続行することです。または,システム管理者の操作によって,JP1を実行するサーバを切り替えることです。
実行系サーバから待機系サーバにフェールオーバーするため,系切り替えともいいます。
物理ホスト
クラスタシステムでJP1を運用する場合の,クラスタシステムを構成する物理的なサーバのことです。論理ホスト(物理的なサーバに依存しないで,フェールオーバーできる論理的なサーバ)に対する用語です。
関連項目 →クラスタシステム,論理ホスト,フェールオーバー
プロセス
このマニュアルでは次の二つの意味で使用しています。
  • JP1/IM - Service Supportでカテゴリー分けした作業の単位。インシデント管理,問題管理,変更管理,リリース管理の4種類がある。
  • 製品が動作するための内部プログラム
関連項目 →インシデント管理,問題管理,変更管理,リリース管理
プロセス間ID
案件作成時に自動で採番される関連案件通し番号と,エスカレーションごとに上がる番号を組み合わせた値をプロセス間IDと呼びます。関連案件通し番号が同じ案件は,エスカレーションによって関連づけられた案件だとわかります。エスカレーションごとに上がる番号によって,その案件が何回エスカレーションしたかがわかります。JP1/IM - Service Support内で一意のIDとなります。
プロセス視点
メイン画面(案件状況)で案件の状況を確認するときの視点のことです。プロセス視点は,特定のシステム内のプロセスの状況を詳細に確認する場合に適しています。
関連項目 →システム視点
プロセスの標準案件フォーム
プロセスワークボードごとに異なる案件フォームを登録しておくことで,複数の案件フォームを使い分けられます。プロセスの標準案件フォームは,プロセスごとに設定されたデフォルトで使用する案件フォームのことです。[案件フォームの管理]画面で設定できます。
プロセスワークボード
プロセスごとの作業を記録する場所の単位です。ユーザーは,プロセスワークボード上で案件の登録や更新,ほかのプロセスへのエスカレーションなど,問題解決に向けた作業を実施します。
関連項目 →プロセス
プロセスワークボード一覧
プロセスごとの作業を管理するプロセスワークボードの一覧のことです。対象システム,プロセスの階層で管理され,階層ごとに案件を案件一覧で参照できます。
関連項目 →プロセスワークボード,対象システム,プロセス,案件一覧
プロセスワークボード管理者
プロセスワークボードの管理をするユーザー,ロールのことです。プロセスワークボード管理者になると,そのプロセスワークボードに対する編集権限と案件に対するすべてのアクセス権を持つようになります。
変更管理
ITサービスの改善を目的とした,ITサービスの変更を検討するための活動です。変更による障害発生リスクや業務への影響度を考慮に入れた上で,変更内容の審議と変更計画の立案を実施します。
JP1/IM - Service Supportでは,この活動の内容を「変更管理」と呼ばれるプロセスワークボード上で管理します。
関連項目 →プロセスワークボード

マ行

メイン画面(案件一覧)
JP1/IM - Service Supportの主画面の一つです。左フレームにプロセスワークボード一覧,右上フレームに案件一覧,右下フレームに案件プレビューが表示されます。この画面を起点に案件の管理を実施します。
メイン画面(案件状況)
JP1/IM - Service Supportの主画面の一つです。左フレームにメニュー,右上フレームに状況確認,右下フレームに対象案件一覧が表示されます。この画面を起点に,案件の作業状況の管理を実施します。
メール管理サーバ
メールによる案件登録の際に,送信されたメールを管理するメールサーバです。
問題管理
システムの正常運用を妨げる事象の原因を追求,解決するための活動です。ユーザーからの問い合わせやシステム障害などを機に,原因追及が必要と判断したものを問題点として管理し,その問題点の根本原因の究明と恒久的な解決策を提示します。
JP1/IM - Service Supportでは,この活動の内容を「問題管理」と呼ばれるプロセスワークボード上で管理します。
関連項目 →プロセスワークボード

ラ行

リリース管理
変更管理で検討したITサービスの改善を,実装するための活動です。実装計画に基づき,構築,テスト,実装を実施します。
JP1/IM - Service Supportでは,この活動の内容を「リリース管理」と呼ばれるプロセスワークボード上で管理します。
関連項目 →プロセスワークボード
ロール
JP1/IM - Service Supportにログインするユーザーをグループ定義したものです。ユーザーと同様に,プロセスワークボード,案件へのアクセス権を与えられます。
論理ホスト
クラスタシステムでJP1を運用するときに,JP1の実行環境となる論理上のサーバです。また,障害が発生した場合に,フェールオーバーするときの単位です。
論理ホストは,フェールオーバーの時に引き継がれる論理IPアドレスと共有ディスクを持ち,それらを使って実行するJP1などのアプリケーションから構成されます。
フェールオーバー時は,論理IPアドレスと共有ディスクを引き継いでJP1の実行を継続します。これによって,JP1を実行するサーバが物理的に変わっても,ほかのホストからは同じIPアドレスでアクセスでき,一つのホストが常に動作しているように見えます。
関連項目 →クラスタシステム,フェールオーバー