インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8
オンライン再編成の例を示します。オンライン再編成では,データベースを再編成している間,オンラインで参照業務ができます。更新業務はできません。再編成の間に更新業務もできる更新可能なオンライン再編成については,「4. 更新可能なオンライン再編成の運用方法」を参照してください。
ここでは,カレントRDエリアをレプリカRDエリアに変更したあと,オリジナルRDエリアを使ったデータベースを再編成します。例では,オリジナルRDエリアをオンライン業務に使用し,再編成実行前のカレントRDエリアがオリジナルRDエリアであることを想定しています。この状態のときに,RD01のRDエリアに格納されている表TAB1を再編成します。
再編成を実施するには,レプリカを定義したあと,次の図に示す操作を実行します。レプリカの定義方法については,「3.3 レプリカの定義」を参照してください。
図3-5 オンラインでのデータベースの再編成(オリジナルRDエリア内の表を再編成する場合)の手順
手順1では,「3.4 レプリカの実体の作成(ペアボリュームの分離)」で示す操作とほとんど同じですが,閉塞,オープンする対象のRDエリアが「3.4 レプリカの実体の作成(ペアボリュームの分離)」と異なります。ここでは,「(1)レプリカの作成(レプリカRDエリアへアクセスするためのペアボリュームの分離)」で示す手順を実施します。
以降,各操作について説明します。なお,各操作の終了後,実行結果が正しいかどうかを確認することをお勧めします。各操作で使用するコマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
ここでは,表の再編成を実行するレプリカRDエリアへ物理的にアクセスできるようにするため,ペアボリュームを分離します。
レプリカの実体を作成するために,HiRDBのpdholdコマンドでオリジナルRDエリアをバックアップ閉塞にします。pdholdコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdholdコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
pdhold -r RD01,RD02 -q 0 -bまたは pdhold -r RD01,RD02 -b
二重化されていたレプリカRDエリアとオリジナルRDエリアのボリューム(ペアボリューム)を分離し,レプリカRDエリアへ物理的にアクセスできるようにします。分離には,ハードウェアまたはソフトウェアのミラーリング機能を使用します。注意事項などについては,「3.4.2 ミラーリング機能によるレプリカ実体の作成(ペアボリュームの分離)」を参照してください。
この例では,再編成を実施するレプリカRDエリアだけを閉塞解除し,オープンします。オリジナルRDエリアの閉塞解除は,カレントRDエリアをレプリカRDエリアに変更したあとに実施します。
閉塞解除およびオープンには,HiRDBのpdrelsコマンドを使用します。pdrelsコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdrelsコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。次に,pdrelsコマンド実行例を示します。
pdrels -r RD01,RD02 -q 1 -o
図3-5の手順3で示す再編成を実行する前に,カレントRDエリアをレプリカRDエリアに変更します。
カレントRDエリアをレプリカRDエリアに変更して運用するために,レプリカRDエリアに対して参照だけができる閉塞状態(参照許可閉塞)を設定します。再編成中に更新が発生しないように,参照許可閉塞状態にしておきます。参照許可閉塞は,HiRDBのpdholdコマンドで設定します。pdholdコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構築している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdholdコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
pdhold -r RD01,RD02 -q 1 -i
カレントRDエリアをレプリカRDエリアに変更します。カレントRDエリアの変更には,HiRDBのpddbchgコマンドを使用します。
pddbchg -r RD01,RD02 -q 1
図3-5の手順1で実行したオリジナルRDエリアの静止化(バックアップ閉塞)をpdrelsコマンドで解除します。
pdrels -r RD01,RD02 -q 0
HiRDBのpdrorgコマンドでunload文を実行して,オリジナルRDエリア内のデータをアンロードします。ここでは,indexおよびsort文を実行して,レプリカRDエリア内のインデクス情報も出力します。次に,unload,indexおよびsort文の指定例,pdrorgコマンドの実行例を示します。
unload bes1:/tmp/unldfile2 index IDX1 RD02 /tmp/index_inf2 sort bes1 /tmp/sortwork/,512
unload /tmp/unldfile2 index IDX1 RD02 /tmp/index_inf2 sort /tmp/sortwork/,512
pdrorg -k rorg -t TAB1 -r RD01 -q 0 -l n /usr/rorg01
pdrorgコマンドでの表の再編成は,DBA権限保持者または表の所有者がHiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdrorgコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
再編成を実施したオリジナルRDエリアのバックアップファイルを取得します。バックアップファイルは,pdcopyコマンドで取得します。
pdcopy -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -M r -b /usr/hirdb/pdcopy/backup02 -r RD01,RD02 -q 0 -p /usr/hirdb/pdcopy/list02
pdcopyコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdcopyコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
再編成が完了したオリジナルRDエリアを,カレントRDエリアに戻して運用を再開します。
カレントRDエリアをオリジナルRDエリアに戻します。カレントRDエリアの変更には,HiRDBのpddbchgコマンドを使用します。
pddbchg -r RD01,RD02 -q 0
オリジナルRDエリアで運用を再開するため,運用に必要のないレプリカRDエリアを閉塞かつクローズ状態にします。閉塞かつクローズ状態には,HiRDBのpdholdコマンドで設定します。
pdhold -r RD01,RD02 -q 1 -c
再編成後のオリジナルRDエリアで運用が再開できたら,オリジナルRDエリアを正ファイルとしてレプリカRDエリアとのペアボリュームを生成しておきます。ペアボリュームの生成は,ミラーリング機能を使って実現します。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2016, Hitachi, Ltd.