インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8

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3.4.2 ミラーリング機能によるレプリカ実体の作成(ペアボリュームの分離)

レプリカRDエリアの実体は,ミラーリング機能を実現するハードウェアまたはソフトウェアを使って作成(ペアボリュームを分離)します。

<この項の構成>
(1) ハードウェアを使用する場合
(2) ソフトウェアを使用する場合
(3) 論理ボリューム管理で運用する場合の注意事項

(1) ハードウェアを使用する場合

ディスク管理機能によって,二重化されたボリュームペアボリューム)を分離します。ミラーリング機能を実現するハードウェアには,例えば,日立ディスクアレイサブシステムがあります。日立ディスクアレイサブシステムを使用する場合は,日立ディスクアレイサブシステムのMRCFMultiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能で作成した二重化ディスクの片系を切り離します。二重化ディスクの切り離し(ペアボリュームの分離)については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。なお,日立ディスクアレイサブシステムを使用している場合は,まず「付録A.3 日立ディスクアレイサブシステム使用時の注意事項および操作手順」を参照してください。

(2) ソフトウェアを使用する場合

OSのLVLogical Volume)管理を使用したミラーファイル管理ソフトウェアで二重化したファイル(ペアボリュームのファイル)の片系を分離します。二重化したファイルの切り離し(ペアボリュームの分離)については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

(3) 論理ボリューム管理で運用する場合の注意事項

物理的に複数あるディスクを一つのディスクのように扱う,論理ボリューム管理で運用する場合,RDエリアのオープン属性に注意する必要があります。RDエリアのオープン属性がSCHEDULE以外の場合,RDエリアをオープンし,そのRDエリアを運用コマンドでクローズしても,ファイルの実体をHiRDB終了までOSから切り離せません。このため,HiRDBの起動中は,ミラーファイルの再統合はできません。HiRDBの起動中にミラーファイルを再統合する場合には,次のどれかの運用をしてください。

以降,RDエリアのオープン属性に関する設定,属性値の変更方法,および属性値のパターンについて説明します。

(a) RDエリアのオープン属性に関する設定

論理ボリューム管理の場合には,システム共通定義(pdsys)ファイルに指定する次の二つのオペランドの追加または見直しが必要です。

(b) RDエリアのオープン属性の変更方法

RDエリアのオープン属性は,次のどちらかの方法で変更できます。変更した属性が有効になるのは,次回のHiRDB起動時からです。オープン属性は,「(c) RDエリアのオープン属性のパターン」で示すパターンを参考に検討してください。

(c) RDエリアのオープン属性のパターン

RDエリアに実際に設定されるオープン属性は,次のオペランドや制御文の指定値の組み合わせによって異なります。

オペランドや制御文の指定値の組み合わせと,RDエリアに設定されるオープン属性のパターンを次の表に示します。例えば,pd_rdarea_open_attribute_use=Y,pd_lv_mirror_use=Y,alter rdarea文またはpd_rdarea_open_attributeでINITIALを指定すると,オリジナルRDエリアはINITIALのオープン属性になり,レプリカRDエリアはSCHEDULEになります。alter rdarea文またはpd_rdarea_open_attributeでINITIALを指定したにもかかわらず,SCHEDULEになります。このように,指定した値と実際に設定される値は,オペランドや制御文の指定値の組み合わせによって異なります。

表3-3 オペランドや制御文の指定値の組み合わせによるオープン属性のパターン

pd
_rdarea
_open
_attribute
_useの
指定値
pd_lv
_mirror
_useの
指定値
RDエリアの種類 alter rdarea文または
pd_rdarea_open_attributeでの
オープン属性の指定値
INITIAL
または
指定なし
DEFER SCHEDULE
Y Y 通常のRDエリアまたはオリジナルRDエリア INITIAL DEFER SCHEDULE
レプリカRDエリア SCHEDULE SCHEDULE SCHEDULE
N 通常のRDエリアまたは
オリジナルRDエリア
INITIAL DEFER SCHEDULE
レプリカRDエリア INITIAL DEFER SCHEDULE
N Y 通常のRDエリアまたは
オリジナルRDエリア
INITIAL INITIAL INITIAL
レプリカRDエリア SCHEDULE SCHEDULE SCHEDULE
N 通常のRDエリアまたは
オリジナルRDエリア
INITIAL INITIAL INITIAL
レプリカRDエリア INITIAL INITIAL INITIAL

注※ RDエリア追加直後のRDエリアのオープン属性は「INITIAL」となります。指定したオープン属性値は,次回のHiRDB起動後から有効になります。