インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8

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付録A.3 日立ディスクアレイサブシステム使用時の注意事項および操作手順

日立ディスクアレイサブシステムのMRCF(Multiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能を使用する場合の注意事項および操作手順を,それぞれOSごとに示します。

<この項の構成>
(1) HP-UXの場合
(2) Solarisの場合
(3) AIXの場合
(4) Linuxの場合

(1) HP-UXの場合

HP-UXで日立ディスクアレイサブシステムのMRCF(Multiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能を使用する場合の注意事項および操作手順を次の表に示します。

表A-3 日立ディスクアレイサブシステム MRCF機能,またはShadowImage機能使用上の注意事項および操作手順(HP-UX)

項番 項目 注意事項 補足および手順
1 ボリュームペアの設定 隠蔽モード(-m noread)を使用しないでください。
2 オンライン中のペアボリューム操作 -S指定のペアボリュームの分割 正・副ボリュームに差分がある状態でペア状態の解除(-Sオプション)を指定すると,副ボリュームへ差分が反映されないで分割されるため,データベースの内容が不整合になります。分割前に,正・副ボリュームの内容が完全に一致していることを確認してください。
ペア再同期のリストア機能 HiRDB稼働中にリストア機能を使用ないでください。
オンライン再編成などの更新処理は,必ず正ボリューム側で実行してください。
副ボリュームから正ボリュームにデータをコピーする間はオリジナルRDエリアにアクセスできません。
VG管理している場合pairresyncのリストア(-restore)を実行すると,正ボリュームのPVIDが書き換わるため正ボリュームのPVID変更操作が必要になります。
3 ペアボリューム操作時のRDエリアの状態 オリジナルRDエリア ペア分割時は正ボリュームのオリジナルRDエリアの更新内容が,完全にディスクへ反映されている必要があります。pdholdコマンドでオリジナルRDエリアを閉塞クローズするか,静止化(バックアップ閉塞)状態にしてください。
UNIXファイルシステムの場合,オリジナルRDエリア閉塞後,サーバキャッシュをディスクに書き出してください。
レプリカRDエリア 必ずpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にします。 副ボリュームの実体がないまたは非活性化状態でHiRDBがアクセスすると,RDエリアが障害閉塞します。この場合,副ボリュームをアクセス可能にして閉塞を解除してください。
4 ペアボリューム操作時のVG管理 ペア生成
  • ペア生成前に副ボリュームのVGを作成します。
  • 副ボリュームのVGを削除しVG情報を退避します。
  • オンライン性能との兼ね合いから,ペア生成コマンドのコピー時のトラックサイズ(-c)に4以上の値を設定してください。「普通」(オンライン重視)で6〜10が目安です。
〈手順〉
  1. pvcreate
    副ボリュームPV作成
  2. mkdir
    副ボリュームのディレクトリ作成
  3. mknod
    副ボリュームのボリュームグループ作成
  4. vgcreate
    副ボリュームのVG作成
  5. lvcreate
    副ボリュームのLV作成
  6. vgexport -v -m
    副ボリュームのVG情報退避
  7. paircreate
    ペア生成
ペア分割
  • 副ボリュームのPVIDを変更します。
  • 退避しておいた副ボリュームのVG情報を回復します。
  • 副ボリュームのVG情報を活性化します。
〈手順〉
  1. pdhold -r orign -b
    オリジナルRDエリア静止化
  2. pairsplit
    ペアボリューム分割
  3. pairevtwait -s psus
    ペア分割の待ち合わせ
  4. vgchgid
    副ボリュームのPVID変更
  5. vgimport -v -m
    副ボリュームのVG情報作成
  6. vgchange -a y
    副ボリュームのVG活性化
  7. chown
    オーナーの変更
  8. pdrels -r
    オリジナルRDエリアオリジナルRDエリア静止化解除
  9. pdrels -r replica -o
    レプリカRDエリアの閉塞解除オープン
ペア再同期
  • 副ボリュームのVGを非活性化します。
  • 副ボリュームのVGを削除しVG情報を退避します。
〈手順〉
  1. pdhold -r replica -c
    レプリカRDエリアの閉塞クローズ
  2. vgchange -a n
    副ボリュームのVG非活性化
  3. vgexport -v -m
    副ボリュームVG情報削除と退避
  4. pairresync
    ペアボリューム再同期
  5. mkdir
    副ボリュームディレクトリ作成
  6. mknod
    副ボリュームのボリュームグループ作成
5 レプリカRDエリアのオープン属性 INITIAL
  • HiRDB起動時にレプリカRDエリアをオープンします。副ボリュームへアクセスできない場合は,レプリカRDエリアは障害閉塞します。
  • HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。

  • 副ボリュームをアクセス可能状態にし,pdrels -oで閉塞を解除しオープンしてください。
  • HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
DEFER HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。 HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
SCHEDULE HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行できます。システム共通定義(pdsys)に「pd_lv_mirror_use = Y」を指定すると,すべてのレプリカRDエリアのオープン属性を自動的に「SCHEDULE」属性にできます。
ただし,プロセスの開始時と終了時に,RDエリアのオープン・クローズ処理が毎回実行されます。レプリカRDエリアの閉塞解除時,オープン指定(pdrels -o)をすることで,オーバヘッドを削減できます。
RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にすることで,HiRDBから完全に切り離すことができます。
6 HiRDBの開始・終了
  • HiRDB停止時のレプリカRDエリアの閉塞状態を次回のHiRDB開始時に引き継ぐためには,計画停止または強制停止してください。
  • ペア分割していない場合(副ボリュームにアクセスできない状態の場合)は,正常開始直後にpdhold -r replica -cでレプリカRDエリアをコマンド閉塞しておきます。業務やpddbls -r all -aコマンドの実行でレプリカRDエリアにアクセスさせないためです。
7 系切り替え
  • 実行系での副ボリュームであるVGの操作を待機系に同期して反映し,両系でボリュームの状態を一致させてください。
  • 副ボリュームの運用を待機系に引き継がせるため,副ボリュームのVGの操作前にHAモニタの制御から副ボリュームを削除し,副ボリュームのVGの操作後にHAモニタの共有リソースとして,副ボリュームを追加する操作が必要です。
  • 系切り替え運用の詳細については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。
〈ペア分割の手順〉
  1. [実行系]pdhold -r orign -b
    オリジナルRDエリアの静止化
  2. pairsplit
    ペアボリュームの分割
  3. [実行系]vgchgid
    副ボリュームのPVID変更
  4. [実行系]vgimport -v -m
    副ボリュームのVG情報作成
  5. [実行系]chown
    オーナーの変更
  6. [待機系]vgimport -v -m
    副ボリュームのVG情報作成
  7. [待機系]chown
    オーナーの変更
  8. [実行系]vgchange -a y
    副ボリュームのVG活性化
  9. mondevice
    副ボリュームをHAモニタの共有リソースに追加
  10. [実行系]pdrels -r replica -o
    レプリカRDエリアの閉塞解除オープン
〈ペア再同期の手順〉
  1. [実行系]pdhold -r replica -c
    レプリカRDエリアの閉塞クローズ
  2. mondevice
    副ボリュームをHAモニタの共有リソースから削除
  3. [実行系]vgchange -a n
    副ボリュームのVG非活性化
  4. [実行系]vgexport -v -m
    副ボリュームVG情報削除と退避
  5. [実行系]mkdir
    副ボリュームディレクトリ作成
  6. [実行系]mknod
    副ボリュームのボリュームグループ作成
  7. [待機系]vgexport -v -m
    副ボリュームVG情報削除と退避
  8. [待機系]mkdir
    副ボリュームディレクトリ作成
  9. [待機系]mknod
    副ボリュームのボリュームグループ作成
  10. pairresync
    ペアボリューム再同期
8 オフラインでのペアボリューム操作 ペア再同期のリストア機能 副ボリュームからのデータ反映前に正ボリュームのVGを削除します。
リストア機能で副側からデータを反映後,ペア分割し,正ボリュームのVGを再作成してください。
UNIXファイルシステムの場合,リストア実行前にサーバキャッシュをディスクに書き出してください。
〈手順〉
  1. vgchange -a n
    正ボリュームのVG 非活性化
  2. vgexport -v -m
    正ボリュームVG情報削除
  3. pairresync -restore
    ペア再同期(副→正コピー)
  4. pairevtwait -s pair
    ペア状態の待ち合わせ
  5. pairsplit
    ペア分割
  6. pairevtwait -s psus
    ペア分割の待ち合わせ
  7. vgchgid
    正ボリュームのPVID変更
  8. chown
    オーナーの変更
  9. mkdir
    正ボリュームのディレクトリ作成
  10. mknod
    正ボリュームのボリュームグループ作成
  11. vgimport -v -m
    正ボリュームのVG情報を回復する
  12. vgchange -a y
    正ボリュームのVG 活性化

(2) Solarisの場合

Solarisで日立ディスクアレイサブシステムのMRCF(Multiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能を使用する場合の注意事項および操作手順を次の表に示します。

表A-4 日立ディスクアレイサブシステム MRCF機能,またはShadowImage機能使用上の注意事項および操作手順(Solaris)

項番 項目 注意事項 補足および手順
1 ファイルシステム ディスクはVG管理できません。 PVIDを変更するコマンドが未サポートのためです。
2 ボリュームペアの設定 オンライン性能との兼ね合いから,ペア生成コマンドのコピー速度オペランド(-c)に4以上の値を設定してください。「普通」(オンライン重視)で6〜10が目安です。
隠蔽モード(-m noread)を使用しないでください。
3 オンライン中のペアボリュームの操作 -S指定のペア解除 正・副ボリュームに差分がある状態でペア状態の解除(-Sオプション)を指定すると,副ボリュームへ差分が反映されないで分割されるため,データベースの内容が不整合になります。分割前に,正・副ボリュームの内容が完全に一致していることを確認してください。
ペア再同期のリストア機能 HiRDB稼働中にリストア機能を使用しないでください。
オンライン再編成などの更新処理は,必ず正ボリューム側で実行してください。
副ボリュームから正ボリュームにデータをコピーする間はオリジナルRDエリアにアクセスできません。
4 ペアボリューム操作時のRDエリアの状態 オリジナルRDエリア ペア分割時は正ボリュームのオリジナルRDエリアの更新内容が,完全にディスクへ反映されている必要があります。pdholdコマンドでオリジナルRDエリアを閉塞クローズするか,静止化(バックアップ閉塞)状態にしてください。
UNIXファイルシステムの場合,ペア分割時はオリジナルRDエリア閉塞後,サーバキャッシュをディスクに書き出してください。
レプリカRDエリア 必ずpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にします。 副ボリュームの実体がないまたは非活性化状態でHiRDBがアクセスすると,RDエリアが障害閉塞します。この場合,副ボリュームをアクセス可能にして閉塞を解除してください。
5 レプリカRDエリアのオープン属性 INITIAL
  • HiRDB起動時にレプリカRDエリアをオープンします。副ボリュームへアクセスできない場合は,レプリカRDエリアは障害閉塞します。
  • HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。

  • 副ボリュームをアクセス可能状態にし,pdrels -oで閉塞を解除しオープンしてください。
  • HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
DEFER HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。 HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
SCHEDULE HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行できます。システム共通定義(pdsys)に「pd_lv_mirror_use = Y」を指定すると,すべてのレプリカRDエリアのオープン属性を自動的に「SCHEDULE」属性にできます。
ただし,プロセスの開始時と終了時に,RDエリアのオープン・クローズ処理が毎回実行されます。レプリカRDエリアの閉塞解除時,オープン指定(pdrels -o)をすることで,オーバヘッドを削減できます。
RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にすることで,HiRDBから完全に切り離すことができます。
6 HiRDBの開始・終了 HiRDB停止時のレプリカRDエリアの閉塞状態を次回のHiRDB開始時に引き継ぐためには,計画停止または強制停止してください。
7 系切り替え 系切り替え運用は,未対応です。

(3) AIXの場合

AIXで日立ディスクアレイサブシステムのMRCF(Multiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能を使用する場合の注意事項および操作手順を次の表に示します。

表A-5 日立ディスクアレイサブシステム MRCF機能,またはShadowImage機能使用上の注意事項および操作手順(AIX)

項番 項目 注意事項 補足および手順
1 ファイルシステム ディスクは論理ボリューム管理下で使用してください。論理ボリューム操作はHitachi Dynamic Link Manager Softwareのコマンドを使用します。 PVIDを変更するコマンドが未サポートのためです。
2 ボリュームペアの設定 オンライン性能との兼ね合いから,ペア生成コマンドのコピー速度オペランド(-c)に4以上の値を設定してください。「普通」(オンライン重視)で6〜10が目安です。
隠蔽モード(-m noread)を使用しないでください。
3 オンライン中のペアボリューム操作 -S指定のペアボリュームの分割 正・副ボリュームに差分がある状態でペア状態の解除(-Sオプション)を指定すると,副ボリュームへ差分が反映されないで分割されるため,データベースの内容が不整合になります。分割前に,正・副ボリュームの内容が完全に一致していることを確認してください。
ペア再同期のリストア機能 HiRDB稼働中のリストア機能は使用を禁止します。
オンライン中の再編成などの更新処理は,必ず正ボリューム側で実行してください。
副ボリュームから正ボリュームにデータをコピーする間はオリジナルRDエリアにアクセスできません。
pairresyncのリストア(-restore)を実行すると,正ボリュームのPVIDが書き換わるため正ボリュームのPVID変更操作が必要になります。
4 ペアボリューム操作時のRDエリアの状態 オリジナルRDエリア ペア分割時は正ボリュームのオリジナルRDエリアの更新内容が,完全にディスクへ反映されている必要があります。pdholdコマンドでオリジナルRDエリアを閉塞クローズするか,静止化(バックアップ閉塞)状態にしてください。
UNIXファイルシステムの場合,オリジナルRDエリア閉塞後,サーバキャッシュをディスクに書き出してください。
レプリカRDエリア 必ずpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にします。 副ボリュームの実体がないまたは非活動状態でHiRDBがアクセスすると,RDエリアが障害閉塞します。この場合,副ボリュームをアクセス可能にし閉塞解除すれば問題ありません。
5 ペアボリューム操作時のVG管理 ペア生成 ペア生成の前に,HDLMの物理ボリュームを登録し,副ボリュームのVGを再作成します
ペア分割
  • 副ボリュームのPVIDを変更します
  • 副ボリュームのVG情報を再作成します
  • 副ボリュームのVG情報を活動化します
〈手順〉
  1. pdhold -r orign -b
    オリジナルRDエリア静止化
  2. pairsplit
    ペアボリューム分割
  3. pairevtwait -s psus
    ペア分割の待ち合わせ
  4. dlmrecreatevg
    副ボリュームのVGの再作成
  5. dlmvaryonvg
    副ボリュームのVGを活動状態
  6. chown
    論理ボリューム情報再設定
  7. pdrels -r
    オリジナルRDエリアオリジナルRDエリア静止化解除
  8. pdrels -r レプリカRDエリア -o
    レプリカRDエリアの閉塞解除オープン
ペア再同期
  • 副ボリュームのVGを非活動にします
  • 副ボリュームのVGを削除します
〈手順〉
  1. pdhold -r レプリカRDエリア -c
    レプリカRDエリアの閉塞クローズ
  2. dlmvaryoffvg
    副ボリュームのVG 非活動
  3. dlmexportvg
    副ボリュームVG情報削除
  4. pairresync
    ペア再同期
  5. pairevtwait -s pair
    ペア状態の待ち合わせ
6 レプリカRDエリアのオープン属性 INITIAL
  • HiRDB起動時にレプリカRDエリアをオープンします。副ボリュームへアクセスできない場合は,レプリカRDエリアは障害閉塞します。
  • HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。

  • 副ボリュームをアクセス可能状態にし,pdrels -oで閉塞を解除しオープンしてください。
  • HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
DEFER HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。 HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
SCHEDULE HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行できます。システム共通定義(pdsys)に「pd_lv_mirror_use = Y」を指定すると,すべてのレプリカRDエリアのオープン属性を自動的に「SCHEDULE」属性にできます。
ただし,プロセスの開始時と終了時に,RDエリアのオープン・クローズ処理が毎回実行されます。レプリカRDエリアの閉塞解除時,オープン指定(pdrels -o)をすることで,オーバヘッドを削減できます。
RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にすることで,HiRDBから完全に切り離すことができます。
7 HiRDBの開始・終了
  • HiRDBの停止時のレプリカRDエリアの閉塞状態を次回のHiRDB開始時に引き継ぐためには,計画停止または強制停止してください。
  • ペア分割していない場合(副ボリュームにアクセスできない状態の場合)は,正常開始直後にpdhold -r replica -cでレプリカRDエリアをコマンド閉塞しておきます。業務やpddbls -r all -aコマンドの実行でレプリカRDエリアにアクセスさせないためです。
8 系切り替え 系切り替え運用の詳細については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。 手順については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」の「ShadowImageを使用する場合に副ボリュームを待機系に引き継ぐ」を参照してください。
9 オフラインでのペアボリューム操作 ペア再同期のリストア機能 副ボリュームからのデータ反映前に正ボリュームのVGを削除します。
リストア機能で副側からデータを反映後,ペア分割し,正ボリュームのVGを再作成してください。
UNIXファイルシステムの場合,リストア実行前にサーバキャッシュをディスクに書き出してください。
〈手順〉
  1. dlmvaryoffvg
    正ボリュームのVG 非活動
  2. dlmexportvg
    正ボリュームVG情報削除
  3. pairresync -restore
    ペア再同期(副→正コピー)
  4. pairevtwait -s pair
    ペア状態の待ち合わせ
  5. pairsplit
    ペア分割
  6. pairevtwait -s psus
    ペア分割の待ち合わせ
  7. dlmrecreatevg
    正ボリュームのVGの(再)作成正・活動状態
  8. chlv
    正ボリュームの論理ボリューム名を元に戻す

(4) Linuxの場合

Linuxで日立ディスクアレイサブシステムのMRCF(Multiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能を使用する場合の注意事項および操作手順を次の表に示します。

表A-6 日立ディスクアレイサブシステム MRCF機能,またはShadowImage機能使用上の注意事項および操作手順(Linux)

項番 項目 注意事項 補足および手順
1 ファイルシステム ディスクはVG管理できません。そのため,ペア生成,ペア分離,およびペア再同期で,VG操作は不要です。 VxVMやVCSは,MRCF機能やShadowImage機能が未サポートのためです。
2 ボリュームペアの設定 オンライン性能との兼ね合いから,ペア生成コマンドのコピー速度オペランド(-c)に4以上の値を設定してください。「普通」(オンライン重視)で6〜10が目安です。
隠蔽モード(-m noread)を使用しないでください。
3 オンライン中のペアボリューム操作 -S指定のペア解除 正・副ボリュームに差分がある状態でペア状態の解除(-Sオプション)を指定すると,副ボリュームへ差分が反映されないで分割されるため,データベースの内容が不整合になります。分割前に,正・副ボリュームの内容が完全に一致していることを確認してください。
ペア再同期のリストア機能 HiRDB稼働中にリストア機能を使用しないでください。
オンライン再編成などの更新処理は,必ず正ボリューム側で実行してください。
副ボリュームから正ボリュームにデータをコピーする間はオリジナルRDエリアにアクセスできません。
4 ペアボリューム操作時のRDエリアの状態 オリジナルRDエリア ペア分割時は正ボリュームのオリジナルRDエリアの更新内容が,完全にディスクへ反映されている必要があります。pdholdコマンドでオリジナルRDエリアを閉塞クローズするか,静止化(バックアップ閉塞)状態にしてください。
UNIXファイルシステムの場合,オリジナルRDエリア閉塞後,サーバキャッシュをディスクに書き出してください。
レプリカRDエリア 必ずpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にします。 副ボリュームの実体がないまたは非活動状態でHiRDBがアクセスすると,RDエリアが障害閉塞します。この場合,副ボリュームをアクセス可能にして,閉塞を解除してください。
5 レプリカRDエリアのオープン属性 INITIAL
  • HiRDB起動時にレプリカRDエリアをオープンします。副ボリュームへアクセスできない場合は,レプリカRDエリアは障害閉塞します。
  • HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。

  • 副ボリュームをアクセス可能状態にし,pdrels -oで閉塞を解除しオープンしてください。
  • HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
DEFER HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行するためには,RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にしたあとでpdpfreshコマンドを実行してください。 HiRDBが一度アクセスしたRDエリアをHiRDBから完全に切り離すためには,アクセスしたプロセスがすべて終了している必要があります。
SCHEDULE HiRDB稼働中(オンライン中)にボリュームの統合・分割を繰り返し実行できます。システム共通定義(pdsys)に「pd_lv_mirror_use = Y」を指定すると,すべてのレプリカRDエリアのオープン属性を自動的に「SCHEDULE」属性にできます。
ただし,サーバプロセスの開始時と終了時に,RDエリアのオープン・クローズ処理が毎回実行されます。レプリカRDエリアの閉塞解除時,オープン指定(pdrels -o)をすることで,オーバヘッドを削減できます。
RDエリアをコマンド閉塞かつクローズ状態にすることで,HiRDBから完全に切り離すことができます。
6 HiRDBの開始・終了
  • HiRDBの停止時のレプリカRDエリアの閉塞状態を次回のHiRDB開始時に引き継ぐためには,計画停止または強制停止してください。
  • ペア分割していない場合(副ボリュームにアクセスできない状態の場合)は,正常開始直後にpdhold -r replica -cでレプリカRDエリアをコマンド閉塞しておきます。業務やpddbls -r all -aコマンドの実行でレプリカRDエリアにアクセスさせないためです。
7 系切り替え 系切り替え運用の詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」の「HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御」を参照してください。 系切り替え運用をするには,01-08以降のHAモニタが前提になります。
また,HiRDBシステム定義とHAモニタの環境の設定が必要になります(マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」の「HiRDBによる共有ディスクのアクセス制御」を参照)。